『創る』と『届ける』をどうつなぐ?3D × コマースの可能性を探るワークショップを開催! 参加者の感想は?

2022年11月30日、東京・恵比寿のイベントスペースで「Adobe Substance 3D and Adobe Commerce Customer Experience Deep Dive Workshop」というお客様向けのワークショップを開催しました。これはアドビの製品や部門の垣根を超えて、アドビにしかできない価値提案をしていく「All Adobe」という掛け声の下で集まった有志によるワークショップです。目的は「3Dのビジネス活用で何が変わるのか、その可能性について理解を深めること」。そんなワークショップの模様や参加者の声をお届けします。

もくじ

  • 部門の垣根を越えて最高の価値を提案
  • Adobe Substance 3Dとは?
  • 事例から3Dの可能性をふくらます“バラの花”
  • 自分ならではの3D企画を考えよう!
  • I like / I wish で本日の振り返り!

部門の垣根を越えて最高の価値を提案

「アドビってどんな会社?」と誰かに聞くと、ある人は「クリエイティブツールの会社だね」と答えるかもしれません。違う人の答えは「PDFを開発して、デジタルドキュメントのソリューションが有名だ」かもしれませんし、また別の人は「デジタルマーケティングの会社だよ」というかもしれません。

世界中のクリエイターから支持されている「Adobe Creative Cloud」、PDFで紙業務のデジタル化を実現する「Adobe Document Cloud」、そして顧客のデジタル体験向上を支援する「Adobe Experience Cloud」。異なる分野のソリューションでありながら、この3つの連携により他社のソリューションにはない価値を実現できます。クリエイティブという観点から見ると「最高のクリエイティブで最高の体験を一気通貫で適切に届けられる」という価値がありますし、デジタルドキュメントから見れば「作品や企画書のレビューや契約業務のDX化」が可能になります。そして「マーケティング」という立場で見れば、優れたクリエイティブによって顧客体験が向上し、売上向上につながります。

アドビにしかできないこうした価値提案を、製品や部門の垣根を越えて実践するのが日本独自のビジョン『心、おどる、デジタル』を推進する有志によって結成された「All Adobe Taskforce Team」です。1年半、メンバーとなったマーケティングや営業担当、コンサルタントが、相互理解のための勉強会や議論を重ねてきました。クリエイティブな顧客体験の提供には、顧客目線を持ちながら画期的なアイディアを生み出すことが求められます。そのアプローチの一つとして今回デザインシンキングのワークショップを開催することとなりました。

文字の書かれた紙 自動的に生成された説明

前半の30分はアドビによるSubstance 3Dの概要や活用事例を紹介、後半の90分間では参加者によるデザインシンキングのワークショップを行いました。ワークショップでは参加者をそれぞれ3つのテーブルに分け、ファシリテーターの指示の下、テーブルごとにアウトプットを発表する形です。1テーブルに付き4名の参加者というスタイルで、スポーツメーカーのマーケティング担当者や自動車・バイクのCG制作、映像・CGコンテンツ制作のマネージャー、文化財のCG制作担当者、ロボット企業のプロモーションやエンジニアなど多彩な方々にご参加いただきました。

Adobe Substance 3Dとは?

まずはアドビのプロフェッショナルサービスセールス本部 クライアントパートナー三嶋春菜がアドビのソリューションやAdobe Substance 3Dについてご紹介しました。

Adobe Substance 3Dは2019年にアドビファミリーに加わったデザインツールです。近年は「モノを作る」「モノを売る」という2つのビジネス分野で3Dの活用が広がっています。

ものづくりとしては、ファッションや建築、インテリアといった分野はもちろん、プロダクトデザインや自動車の開発などが挙げられます。従来のプロダクトデザインと異なり、実際にモノを作らなくても製品イメージを共有・評価することで改善を重ね、製品を開発できるからです。資源ロスの削減やスピードアップ、コスト削減の点からも3Dへの期待が大きい分野です。

また3DコンテンツをベースとしたAR/VRへの期待も高まっています。特にコマース分野で活用が期待されているのがVRで、コマースでの3D体験により購買のモチベーションを向上させたり、顧客体験の向上によりブランディングにつながるという効果が期待できます。

実際に3Dコンテンツを活用してファン層の増強につなげているのが、腕時計ブランド「G-SHOCK」を展開しているカシオ計算機(以下、カシオ)です。カシオは2021年10月、G-SHOCKを自分の好きなようにカスタマイズできるWebサービス「MY G-SHOCK」をリリースしました。文字盤の外周に当たるベゼルやバンド、フェイスなどさまざまな部品を組み合わせて190万通りのカスタマイズが可能です。

このパーツを開発するために活用したのが3D用ペイントツール「Substance 3D Painter」と3Dアセットを開発する「Substance 3D Stager」です。ここからはカシオのMY G-SHOCKプロジェクトを支援したアドビのテクニカルコンサルタント加藤春奈が壇上に上がり、開発当時の状況を振り返りました。

事例から3Dの可能性をふくらます“バラの花”

アドビのセッションの後は、UXコンサルタントの大野真以子が司会となり、円陣を組んでの自己紹介タイム、そしてワークショップとなりました。ルールは「NO ヒエラルキー」「アイディアは質より数を出す」など。特に大切なのは「楽しむ」ことです。

最初に大野が示したワークショップは「Rose、Thorn、Bud」というもの。これは先のカシオの事例から頭をふくらますワークショップで、3Dの活用に関して参考になった情報をピンクの付箋に、一方で懸念点などのネガティブな項目を青の付箋に、自分が感じた可能性を黄色の付箋に1人ひとりが書いていくというもの。

書いた付箋は、テーブルごとにホワイトボードに書かれたバラ(Rose)の上に貼っていきます。花の部分にはピンクの付箋、棘(Thorn)には青、そしてツボミ(Bud)に黄色を貼ることで、そのテーブルの参加者たちが作るオンリーワンのバラの花が咲くという仕組みです。このバラをベースにテーブルごとに3Dに関して得られた知見、懸念点、可能性を整理して発表します。

ダイアグラム 自動的に生成された説明

良かった点として「(物理的にモノを作るのと違い)3Dなら制限なしで何でも作ることができる」「比較的誰でも3Dを作ることができる」という点や、「映像と違って映り込みがなく、ライティングが自由自在で天候に左右されずに3Dを開発できる」という制作現場ならではの意見も出ました。

一方でネックとなったのは「スキルを持つ人材の確保」や「費用対効果が見えない」という点です。また、PC容量の負荷を指摘する声もありました。

ただ事例や実際の開発現場の話を聞くことで、3Dの可能性を実感した参加者が多かったのも事実です。「実物を見なくてもいい」という点や「顧客体験が向上する」という意見、「新規事業の可能性」や「メタバースへの応用」、「シミュレーションや開発現場への応用に可能性を感じる」という意見が聞かれました。

自分ならではの3D企画を考えよう!

次のワークショップは、「自分たちで3D企画を考える」という取り組みです。1人ひとりに4つに折り畳んだ紙が配布され、まずは自分なりに3Dコンテンツを活用する企画・施策を考えて書き込みます。

書き込みが終わったら、その紙を隣の人に渡します。受け取った人が折り畳み部分を開けると、そこには「失敗する可能性、懸念される点を記載すること」とあるので、隣の人が書いた企画を読んで懸念点を書き込んでいきます。

さらに紙を隣の人に渡し、折り畳み部分を開けてもらうとそこには「この企画の可能性について書き込むこと」とあります。そこで企画の全体像や懸念点を読んだうえで、考えられる可能性を書き込み、発案者本人に紙を戻します。メンバーからの評価を踏まえ、それぞれ自分の企画について、または3Dコンテンツの可能性についてディスカッションを行い、得られた成果をグループごとに発表していきます。「違う視点の指摘により勉強になった」という声や「短時間で自分の考えをまとめ、自分が気付かなかった点を指摘されるなど刺激になった」という声が聞かれました。

I like / I wish で本日の振り返り!

最後に参加者の方に「今回のワークショップで良かったこと(I Like!)」と「改善して欲しいこと(I Wish!)」を付箋に書いて貼っていただきました。

「参加者、特に他業種の方と交流できて良かった」「集中できた」「進行に無駄がなく、スタッフの対応が良かった」「フレンドリーな雰囲気で楽しかった」「企画を自分ごととして捉えられた」という意見や「グループ変えをして欲しかった」「Substance 3Dについてもっと詳しい説明や事例を聞きたかった」という声をいただきました。

ワークショップの終了後は、軽食を楽しみながらのMeet upです!歓談中ではありますが、参加した方に今回のワークショップの感想を伺いました。

建機メーカーの方からは「業種が違う方と同じ課題についてそれぞれの意見を交わし、最後のワークショップも大変楽しかったです。普段自分にない観点が聞けました」とのご回答をいただきました。参加のきっかけはAdobe Commerceへの興味だったそうですが、今回触れたSubstance 3Dにも関心を示し「自社のCADデータなどをうまく活用するたえに何かできないか検討したい」とのことでした。

またワークショップは初めてという女性の参加者は「Substance 3Dを使ってどういうニーズがあるのか、自分ごととして考えられました」と振り返ります。さらにアドビに対して「製品を使って何ができるのかという可能性をさらに具体的に示していただくこと、そしてもっと簡単に使いやすいプロダクトになっていくことを期待しています」とのご意見をいただきました。

スポーツメーカーの男性は、ワークショップの進め方や内容に非常に満足したそうで「普段はあまりセミナーに参加しないのですが、ワークショップだとただ聞くだけでなくてインタラクティブにやり取りし、まったく異なる業種の方々と同じテーブルでアイディアを出すので、自分にない視点に気付かされることが多々ありました」と話してくださいました。「今回のワークショップの方法を実務でも活かしていきたい」とのことです。

最後に話を伺ったのは映像/CG制作のマネージャーの方です。もともとSubstance 3Dを利用し始めたのが参加のきっかけだったそうで、「機能面に関するディスカッションを深めたかったです」と正直な感想を打ち明けていただきました。「今回事例を見せていただいたが、もう少しいろいろな事例を知りたいです。可能性はあるのは間違いないですし、多様な参加者の方とさらに議論していきたいです」(同)

テーブルの上に立っている人たち 中程度の精度で自動的に生成された説明

今後もアドビはワークショップやソリューション提案を通じ、 Adobe Creative CloudAdobe Document CloudAdobe Experience Cloudを融合し、『創る』と『届ける』をつなぐAll Adobeの価値をお客様に提供してまいります。