製品ロードマップや最新技術に触れるだけではない、Adobe Customer Briefingに参加する理由

アドビではお客様を対象に、米サンノゼのアドビ本社またはニューヨークにある「Adobe Customer Experience Center」で「Adobe Customer Briefing」(以下「カスタマーブリーフィング」)を実施しています。カスタマーブリーフィングとは、アドビ製品のロードマップや方向性をユーザーである顧客企業と共有し、その顧客企業の将来の顧客体験管理戦略を一緒に議論する場です。プレゼンやデモンストレーションにとどまらず、顧客企業のご要望やビジネスの方向性、関心事に応じてどんなご相談にも対応できるよう、専門チームがアドビの経営層やキーパーソンをアサインして直接対話していただく機会が真髄です。本記事では、そんなアドビのカスタマーブリーフィングの実例を交えながら、どのような取り組みなのかをご紹介します。

顧客企業がアドビの経営層にさまざまな要望を伝えられる

アドビのカスタマーブリーフィングでは、アドビやアドビ製品に関して考えていることや改善して欲しい点、あると嬉しい機能、今後の自社ビジネスの変革に伴いアドビ製品をどう活用していくかといった将来の構想を直接アドビの経営層と共有し、話し合うことができます。デモやプレゼンを“見るだけ”という受け身型のブリーフィングではなく、「今後の自社戦略を踏まえてアドビに何を求めているのか」についてトップ層やキーパーソン(製品開発メンバーなど)に直に伝えられるという大きなメリットがあります。本社のエグゼクティブやキーパーソンは今後の製品の方向性を決めるコアのスタッフですので影響力も大きく、国内のアドビ担当者にも伝えると同時に彼らにも直接伝えていただくことで、機能面の要望や改善案に関しての実現可能性もさらに期待できます。

専門のチームがアジェンダをカスタマイズ

顧客企業がこの機会を最大限ご活用できるように、ご要望に応じて最適な情報共有や意見交換ができるよう、カスタマーブリーフィング専門のチームがシナリオを準備します。1件のブリーフィングにつき、1名の専任担当がつきます。たとえばDX製品に対する改善要望や必要な機能について話し合いたいのであれば、DX分野の製品開発担当者やエグゼクティブがアサインされたほうが有意義な議論が期待できます。単に「アドビのエグゼクティブと直接対話ができる」のではなく、「顧客企業がアドビに対して望んでいること」に基づき、最適なキーパーソンをアサインしてコンテンツの作成に臨みます。カスタマーブリーフィングに参加した企業のご担当者が「非常に有意義だった」と語るのはこのためです。

サンノゼにあるアドビ本社およびニューヨークのオフィスにて、カスタマーブリーフィングプログラムは実施されます。

それぞれの国の文化や商習慣に応じた“おもてなし”を実現

アドビのカスタマーブリーフィングの根底には、「ブリーフィングを通じて最高の顧客体験を提供する」という思想があります。だからこそ、通りいっぺんの説明会ではなく、顧客企業の要望に合ったシナリオを事前にしっかり構成して対応します。

そしてもう1つ、顧客企業のご担当者がリラックスしてカスタマーブリーフィングを体験できるように、それぞれの国の文化や商習慣を踏まえた最適なおもてなしを実現しています。

アドビは北米・アジア・オーストラリア・ヨーロッパ・中東・アフリカ・南米の各地にオフィスを構え、世界中のさまざまな企業にご利用いただいています。当然、各地域や国、業界でカルチャーが異なりますし、商習慣も異なります。アドビはそうしたさまざまな違いを踏まえ、顧客企業のビジネス変革を支援しているので、カスタマーブリーフィングにおいてもそれぞれの国や地域のカルチャーを尊重して対応しています。

そのためアドビには、長年受け継がれている「World Wide Customer Briefing Protocol Guide」というおもてなしのためのガイドがあります。このガイドはさまざまな国や人種のカルチャーを尊重して対応するため、たとえば日本であれば「名字に“san”(さん)を付けて呼びかけること」や「挨拶時にはビジネスカードを交換すること」といった習慣に加え、「相手の目をあまり凝視しないこと」といった心遣いなども記載されており、日本国内にいるかのようなおもてなしを実現します。すべては最高の顧客体験を提供するためであり、カスタマーブリーフィング実施に当たっては、エグゼクティブを含めアドビのスタッフ全員が念入りに準備を行います。

なお、おもてなしの範囲はブリーフィングのプレゼンや対話だけではありません。アドビ本社内部やさまざまな施設の見学を含め、視察したいことや米国消費活動の最新動向の体験、食事の希望など、カスタマーブリーフィング中のあらゆる体験に及びます。

会議室で過ごすだけでなく、アドビ社オフィス内のカフェやイベントスペースでアドビライフを体験していただくこともできます。この日はロンドンで開催されたAdobe MAXのKeynoteを配信するイベントが開催されていました。

参加企業も能動的にブリーフィングにコミットすることが必要

前述したように、カスタマーブリーフィングに当たっては顧客企業も“見ているだけ”にはいきません。エグゼクティブやキーパーソンとの対話の機会を最大限に活用できるように、事前にブリーフィングに深くコミットすることが求められます。

そのためカスタマーブリーフィングへ参加する企業の方は、アドビの担当営業に「こういうことを聞きたい」「こういうことを伝えたい」「こういう戦略を考えているが、アドビのソリューションの方向性を知りたい。どう活用すればいいのかアドバイスが欲しい」など、普段考えていることを共有していきます。「本社に伺うので何かしら話が聞きたい」というわけにはいきません。

アドビのエグゼクティブも、「顧客企業が何を考え、どういう構想を持ち、アドビで何を実現したいのかを率直に伝えてくれること」を最も期待しています。なぜならアドビの目標は、顧客企業の顧客体験管理の実現を通して、顧客企業の成長に貢献することだからです。

これは顧客企業の視点でいえば「社会や市場の変化に合わせて自社のビジネスを変革して成長を続けていくこと」につながります。アドビと顧客企業のゴールは重なり合っているので、同じゴールに向かって、お互いの情報を共有・交換し、より発展していくステップを作っていくことが必要なのです。これがアドビのカスタマーブリーフィングです。

実際にアドビ製品を活用するアドビの従業員と深い話を交わすことで、アドビに対する理解が深まる

日本からも複数社がアドビのカスタマーブリーフィングを受けています。最近では、ある国内大手のグローバル企業がカスタマーブリーフィングに参加しました。

カスタマーブリーフィングは通常1日で終了するのですが、今回の参加企業は「当社の状況等をお話したうえで、Adobe.comのUXブランディングのフィロソフィーや、デザインシステム『Adobe Spectrum』について意見を交換したい」というご希望がありました。そこでブリーフィングチームは、アメリカ地域に在籍するExperience Designのディレクター、Spectrum Design Systemを担当するシニアデザインマネージャーを交えたプレゼンと意見交換を2日目に設定しました。そのため、アドビの担当者のサポートの下、参加企業側で2日目用のプレゼン資料をしっかり作り込んで対談に臨みました。2日目に参加したアドビのメンバーも、顧客企業のデザインに関する問題意識を直接聞けたことを喜んでいました。

また今回カスタマーブリーフィングを体験した参加企業の方も、「普段はアドビ製品のことしか見えていませんでしたが、アドビ全体の考え方を共有いただき、どういう思いで開発してきたのかという生の声を聞くことができました。また、アドビ本社のデザインチームやAdobe.comチームとのミーティングの機会をいただいたことで、深い話を共有し、アドビのことをよく理解できるようになりました」と振り返っています。

ブリーフィングは通常、午前中からランチを挟んで午後3時前後まで行われます。1日目のランチはCustomer Experience Center内のダイニングルームでアドビのエグゼクティブと共にいただきましたが、2日目はアドビ本社の社食のランチで、社員とのひとときを体験しました。

また今回のカスタマーブリーフィングでは、サンフランシスコにあるMLBの球場「オラクル・パーク」を件託したり、サンノゼのショッピングモールを訪問したり、米国の日常を体験していただく機会も設けました。アドビのソリューションは、MLBを始めとして街中のさまざまな施設や店舗で活用されており、米国市民のライフスタイルやエンタメ分野でアドビがどれくらい寄与しているかを視察してもらいました。

MLBの各球場での体験にはアドビソリューションが数多く使われています。実際にアプリもダウンロードして顧客体験を確認しました。

カスタマーブリーフィングを次の戦略につなげていく

このように、カスタマーブリーフィングは顧客企業側にとっても、このブリーフィングを通じてしっかり成果を出すことで、次の戦略を実現していくステップとなります。

アドビに対して「聞きたい・話したい・体験したい」という強い希望をお持ちのお客様、「自社のこの課題に対してより議論したい」とお考えのお客様は、ぜひこのカスタマーブリーフィングに参加ください。ご質問、ご相談があればお気軽にお問い合わせください。

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