「Adobe Professional Services Executive Roundtable」を開催。DX/CX推進のための組織設計について活発な議論。

2023年11月6日、アドビプロフェッショナルサービス主催による「Adobe Professional Services Executive Roundtable」が、アドビの東京オフィスにて開催された。「DX/CX推進のための組織設計」を全体テーマとして掲げたラウンドテーブルには、それぞれが企業において“組織設計を検討できる”立場にあるエグゼクティブなど8人がゲストとして参加。アドビ エグゼクティブフェローの及川卓也氏による特別講演の後には、各ゲストがプロダクトマネジメントなどについて意見を交換するフリップトークセッションの場も設けられ、熱い議論が展開された。

VUCAの時代に必要なものとは?

「顧客体験のあるべき姿の実現のために、ビジネスに携わるすべてのメンバーが協業するためにできること」と題する特別講演に、及川卓也氏が登壇。顧客体験の革新とプロダクトマネジメントの役割について深く言及した。

まず及川氏は、VUCA(Volatility,Uncertainty,Complexity,Ambiguity:変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)の時代と呼ばれる現代のビジネス環境において、既存のビジネスモデルの変革が必要であると強調。特に「体験」を中心に据えたビジネスモデルへの転換と、仮説検証の迅速化の重要性について述べ、その変革の鍵を握るのが「プロダクトマネジメント」であり、それを実現するのが「ソフトウェア開発における内製化の推進である」と訴えた。

プロダクトマネージャーの必要性

次に、「プロダクトマネジメント」に焦点を当てた及川氏は、市場と顧客のニーズに合わせたプロダクトの開発と、プロダクトを成功に結びつけるためのアプローチについて解説。「成功とは、単に収益の最大化だけではなく、顧客価値の最大化も含まれる」と主張するとともに、ビジネス、技術、UXの3つの領域が交差する点での意思決定が欠かせないとして、その役割を担うプロダクトマネージャーの重要性と必要性を強調した。

”調整役”で終わらせない

続いて及川氏は、プロダクト志向の組織文化の重要性に触れ、プロダクトマネージャーを単なる“調整役”で終わらせずに、「全員が対等な立場でプロダクトの成功に向けて突き進む“プロダクト思考組織”を目指そう」と力説。プロダクトチームの定義、情報とフィードバックの透明化がその実現に不可欠であるとした。

組織変革のためにできること

最後、組織変革へのアプローチに関して及川氏は、まずは現状分析に基づいた組織ビジョンを描き、それを実現するための“仕事に人を合わせる”ジョブ型への移行を提案。外部人材や社内の“特徴的”な人材の活用や、いわゆる“出島戦略”の用意、そしてトップダウンとボトムアップのハイブリッド戦略の必要性を訴えた。

講演の後には質疑応答の場も設けられ、上層部の巻き込みなどといったDX推進における課題、UXの重要性、プロダクトマネージャーの意見の周知方法などについて議論された。そうしたなか及川氏は、組織内での危機感の醸成、小規模ながら具体的な成功事例の提示、業界に応じたプロダクトマネージャーの任務遂行が重要であると指摘した。

講演に続いて開催されたフリップトークディスカッションでも、及川氏からは「手段ではなく課題に“こだわる”のがプロダクトマネジメントの本質であり、それは経営課題にも当てはまるだろう」「(仲間を増やすことの必要性について)大事なのはOJT。言い換えれば、いかに修羅場をくぐり、その後に様々な領域を経験してもらうかが大切なのでは」など、自身の経験から導き出されたアドバイスを提供した。

内製化実現を支援するアドビプロフェッショナルサービス

アドビプロフェッショナルサービスが支援させていただいたお客様の中には、今では内製化を実現して高い迅速性を担保してビジネスを展開されている企業様が多くいらっしゃいます。組織における内製化の推進や変革に課題感をお持ちでしたら、アドビプロフェッショナルサービスにご相談ください。

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