Adobe Digital Price Index:2022年6月のオンラインインフレ率は0.3%に減速
Adobe Analyticsで分析した、米国における最新のAdobe Digital Price Index(DPI)を紹介します。
全体的な傾向
2022年6月のオンライン価格は前年同月比で0.3%増となり、前月比では1%減となりました。前年同月比でのオンラインインフレはこれで25か月連続ですが、4〜6月にかけて価格上昇のスピードは鈍化しています。
一方、6月のオンライン消費額は741億ドルで前年同月比約1%増となっており、また、2022年のこれまでのオンライン消費額合計は4,517億ドルで、前年同期比7.5%増となっています。この数字は、4月の778億ドル、5月の788億ドルからの減少を示しています。
カテゴリー別分析
2022年6月時点でDPIで調査している18カテゴリーのうち、11カテゴリーで前年同月比の価格が上昇しており、中でも食料品が突出した上昇率を示しています。一方で、エレクトロニクス、宝飾品、書籍、玩具、コンピュータ、スポーツ用品の6カテゴリーでは値下がりが見られました。
注目の商品カテゴリー
食料品 は価格上昇が継続中で、6月には年間ベースで過去最高の、前年同期比12.44%増(前月比0.7%増)を記録しました。2月の前年同月比7.6%増、3月の同9%増、4月の同10.3%増、5月の11.7%増と、記録更新が連続しています。食料品は、長期にわたりCPIと連動している主要カテゴリーの1つであり、そのオンライン価格の上昇は29か月連続となりました。
エレクトロニクス は値下げ傾向が続き、前年同期比7.28%減(前月比1.34%減)となりました。6月の下落率は、2020年5月に前年同月比で6.8%減を記録して以来、最大のものです。Eコマースにおける消費額の最大シェアを占めるのがこのカテゴリーで、その価格低下は総体としてのオンラインインフレ率に大きく影響しました。
調査方法:DPIは、米国労働統計局が発表している消費者物価指数をモデルとしており、オンライン価格の追跡にはFisher Ideal Price Index(フィッシャー理想物価指数)を使用しています。
アドビは、Adobe Analyticsを使ったこの調査を実施するにあたり、AI/機械学習フレームワーク「Adobe Sensei」と手作業を組み合わせ、CPI Manual(消費者物価指数マニュアル)で定義されたカテゴリーに準拠して商品分類をおこなっています。
※本記事は、2022年7月12日に米国本社から発表されたプレスリリースの抄訳です。