Advertising Analyticsで正確なアトリビューション分析が可能に

多くのブランドにとって、新規顧客へのリーチと既存顧客のリテンションに最も有用で信頼がおける施策のひとつが検索連動型広告です。2017年には全世界で924億ドル(英語)(日本円で約10兆円)が使われたと予測されています。その価値は明白で、マーケティング戦略に影響を及ぼすにもかかわらず、多くの企業は検索連動型広告のパフォーマンスの全容の把握に苦闘しています。それは異なるウェブサイトや流入経路からの貢献を横断的に評価することが困難だからです。

このたびアドビは、Adobe Analytics CloudAdobe Advertising Cloudの連携を強化させるAdobe Analytics for Paid Searchを発表しました。これは、Adobe Analytics内において、オウンド外の広告インテントを、関連するオウンド内のデジタルプロパティ(場所)におけるエンゲージメントデータに紐付けて統合表示し、検索連動型広告の投資効果の包括的な理解をもたらす、業界初の機能です。この機能にはGoogle AdWords、Yahoo! Gemini、Bing Adsとの連携が含まれ、ブランド企業は正確なアトリビューションがもたらす価値を実感できます。

企業は検索連動型広告のインプレッション数、クリック数、コスト、平均掲載順位、品質スコアといった各指標を直接Adobe Analytics内で確認できるようになりました。これらは指標はAdobe AnalyticsのWorkspace機能で利用することができます。また、アカウント、キャンペーン、グループ、広告、キーワード、マッチタイプといった広告データ項目とも組み合わせることもできるため、企業はWorkspace機能を活用し、任意の粒度でこれらを用いた分析をドラッグ&ドロップで素早く簡単に実施できます。さらに、これらの項目はすべてオウンドメディアで計測されている様々な行動データとの関連付けが可能です。このような透明性の導入と分析時間の短縮は、停滞していた広告連動型広告戦略の策定とROI向上を一層強化します。

Adobe Analyticsはブランドが持てるデータすべてを余すところなく分析することにより、顧客のデジタル行動の全容を描き出せる唯一の方法です。例えば、米国最大のスポーツイベントといわれるスーパーボウルの決勝戦当日に、小売企業が大画面テレビの検索連動型広告キャンペーンをGoogle、Yahoo!、Bingの3プラットフォームで実施し、それぞれのパフォーマンスを知りたいとします。小売企業はどのキャンペーンが最も多くのインプレッションあるいはクリックを獲得したか、それらの数字が手元にあるカート追加数、購入数、収益といったデータにどう結びついたのかを1か所に集約して確認することができます。さらに、ターゲットオーディエンスごとの分析も可能です。これにより、単にプラットフォームが報告する「成果」指標そのままではない、分析を根拠にした正確なROIを求めることができるのです。この小売企業にとっては、検索連動型広告を起点とした顧客行動と大画面テレビの購入を正確に紐付けることができる、真に唯一の方法であるといえます。

Adobe Advertising Analytics for Paid Searchにより、Adobe Analytics CloudとAdobe Advertising Cloudの堅牢な統合はさらに強化されました。例えば、Adobe Advertising Cloud Searchを利用する企業は、入札単価の最適化やシミュレーション、予測決定を通知できるAdobe Senseiの機能を使い、Adobe Analyticsによるインサイトを活用してキャンペーンを最適化できます。広告主は、Adobe Analyticsからのオーディエンスに有料検索広告をターゲティングで表示することも可能です。

優れた顧客体験の提供が求められるブランド企業が施策を打つ際に、ざっくりとした予測だけを頼りにするような余裕はありません。これはソーシャルメディア利用が進んだ現在ではなおのことです。どの戦略が顧客からの共感に繋がり、どれが失敗したのかを理解するためには、自社データの活用が非常に重要です。これまで検索連動型広告の分析は実質的なサイロ状態で行うほかありませんでしたが、Adobe Advertising Analytics for Paid Searchは、複数のマーケティングキャンペーンを横断した分析の提供によって、データドリブンな意思決定をより効果的に行うことを可能にします。

※本記事は、2018年5月16日にアドビシステムズ Adobe Analyticsプロダクトマーケティングマネージャーのネイト スミス(Nate Smith)が投稿したブログの抄訳版です。