Experience Makers Live 2021:紹介数が1年で10倍にAdobe Marketo Engageを活用したパートナービジネス管理とは
マネーフォワードは法人、個人向け、金融機関向けに事業を展開しており、成末氏と青山氏はともに法人向けバックオフィスSaaS「マネーフォワード クラウド」を担当しています。同社はAdobe Marketo Engageの活用領域をパートナービジネス管理に広げることで、組織横断で案件管理を共通化し、迅速かつ最適な提案ができるようになりました。
成末氏は「昨年、次の3つの課題を認識し、解決を試みました」と切り出します。その課題とは、➀コロナ禍でリアルの展示会やセミナー開催が困難になり、リードの減少が懸念された、➁パートナー企業からの紹介案件を各本部にアサインする作業を人手に頼っていたため非効率だった、➂パートナー、社内ともに連絡手段情報の粒度対応商材が異なるため管理が煩雑だったことです。
この課題に対して、次のような施策を打ち出しました。➀に対しては、パートナー企業との取り組みを推進したことで、紹介案件が前年の10倍以上になり、新規顧客獲得に貢献できるようになりました。➁については案件内容からアサイン先を自動判別できるようにし、紹介が増えても適切な部署から顧客に迅速な連絡ができるようになりました。➂については全パートナー共通の紹介フォームを用意、社内業務の共通化と情報統合によるベストプラクティスを追求しました。
具体的には「パートナーとの取り次ぎ案件モデル」を推進。パートナーからマネーフォワードに興味を持つ顧客の紹介を受け、その顧客に対してマネーフォワードのインサイドおよびフィールドセールスなどが対応する流れです。
マネーフォワードとパートナーが役割分担するため、両者間で情報連携が必要になります。協業が加速したことで、多数の代理店から案件が紹介されるようになり、前述の通り紹介数は前年比で10倍に上るようになりました。それに比例して業務量が増加、「このままでは顧客を待たせしてしまう」という懸念が生まれました。
そこで組織横断プロジェクトをスタートさせました。各本部のマーケティング担当者が集結、データ連携のためにIT部門とも話し合い、次第にマーケティング担当者が培ってきたAdobe Marketo Engage運用やデータ管理を生かした座組になっていきました。
目指したのは、一本化、標準化、自動化を徹底的に実施していくことです。企画から稼動開始まで、1カ月以内でやりきるという施策に徹底的に取り組みました。パートナー企業が多くなったことに対して、「マネーフォワードとして適切に対応しなくてはお客さま、パートナー様に失礼だと考え、プロジェクトを回していった」と青山氏は話します。
とはいえ、パートナーへのインセンティブ支払いやCRM基盤への連携項目、社内アサインルール、インセンティブ管理、Slackへの連携ルールなどを整理する必要がありました。運用開始後には、日次レベルで想定していなかった事柄が発生しましたが、入力項目と実際の商談とのギャップ調査や入力項目の統一の相談などさまざまな観点で改善を続けたそうです。
今後はマーケティングチームとパートナービジネスの双方がAdobe Marketo Engageを使う体制に移行し、マーケティングとパートナーのチャネル融合の促進を目標にしています。そしてAdobe Marketo Engageを分断を埋める媒介にし、マーケティングや営業部門との連携を強化することを掲げています。
今後のマネーフォワードのお取り組みからも目が離せません。