Experience Makers Live 2021:地道に進めたDX&CXM社内外の体験を変えたさくらインターネットの2年+3年

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インターネットインフラを提供するさくらインターネットでは、2016年から社内情報のデジタル化を進めています。システムの全体像は、Adobe Marketo Engage(以下、Marketo)等に格納されているデータを使うことで顧客体験を変えるという考え方でつくられています。

外部メディアサイトやアクティビティ取得サイトを経由して、ユーザーの情報がMarketoに入ります。そこからユーザーにナーチャリングのメールを送り、イベント参加履歴やウェブのアクティビティといった行動データがMarketoに連携されます。そのデータを基にMarketoから、MQL(Marketing Qualified Lead)やホットリードと呼ばれる情報がインサイドセールスに通知され、それを見極めてフィールドセールスに情報を連携するという流れです。

さらにSFAのkintoneとMarketoを連携。インサイドセールスやフィールドセールスの対応履歴もkintoneを経由してMarketoに連携されます。情報を統合的に見るためにTableauのダッシュボードやMarketoのレポート機能を利用しています。

石井氏は、「最近の活動のトピックは連続的なインフルエンスです」と話します。1つのコンテンツを配信するのではなく、複数のコンテンツを連続的に配信することによって、顧客の状態変化を見るという取り組みです。

また石井氏は、「せっかくMarketoのテクノロジー使っているので、適切なタイミングに適切なチャネルで適切な情報を提供するように気をつけています」と話します。押し売りにならないようにし、お客さまが求める情報を提供したり、情報を求めてもらえる状況をつくることがポイントです。

ナーチャリングは、コンテンツとチャネルを使って「状態A」から「状態B」に変化させることです。そのためには「状態A」がどんな状況にあるのかを把握する必要があり、そのためにMarketo等で得た行動データや属性データ、さらにインサイドセールスやフィールドセールスが顧客と直接やりとりすることで得た定性データ等を活用します。それらを統合して状態を把握し、データとコンテンツを使って状態を変化させます。

施策を考える際に、石井氏はテンプレートを使っています。「 社内のDXによる利益率○%アップ」といった主要メッセージに加え、ターゲット、コンセプト、推しポイント、コンテンツ等をテキストボックスに書き込み、認知、興味関心、比較検討、契約、初期定着、追加といったプロセスの中で、やるべきことをスプレッドシートに書き込むといったテンプレートです。

2016年から2021年までの間で最も大きな出来事はMarketoを2018年に導入したことですが、同社ではそれよりも前からデータを集約・可視化する行動をしてきました。

まず2016年にkintoneやSansanを導入しました。当時石井氏は営業企画室所属でしたが、案件管理もExcelで実施しており、マーケティングテクノロジーもありませんでした。そこで情報を集約して可視化することを進めるために、kintone等を導入したのです。顧客の情報がデジタル化されたことで、分析しやすくなりました。これが現在、様々なコンテンツを作ったり、体験を変えたりといった際の基礎になりました。

さらに2018年~2019年にMarketoを使って組織連携を実施しました。Marketoを導入以降、すぐに結果が見えるようになりましたが、案件数など結果を伸ばすためにはMarketoからホットリードやMQLを通知するだけでは限界がありました。通知以降の顧客体験を変えていくために、インサイドセールスと協力し、一緒に顧客体験を考えるようになりました。最終的には2019年に同じ組織に統一し、同じKPIを見るようになりました。KPIを統一することで顧客体験を変え、社内体験を向上することができたのです。

最後に石井氏は、「今の社内外にとって最適な体験とは何かを考えましょう。自社にとって最適な形を探る際に、この事例を参考にしてほしい」と呼び掛け、セッションを締めくくりました。