Experience Makers Live 2021:クラウド型CMSでマーケターを顧客へ向ける

今日の状況においては、顧客の変化に合わせて速やかにブランドコミュニケーションも変えることが要求されています。その中でソフトバンク法人向けウェブサイトはその変化のスピードにどのように対応してきたのでしょうか。

ソフトバンクの法人ビジネスは、企業のDXを支援しています。クラウド化などの「コミュニケーション」、定型業務の自動化などの「オートメーション」、データの収集/統合や広告配信などの「マーケティング」、セキュアなネットワーク構築などの「セキュリティ」という、4つの領域で基盤を提供しています。

法人向けビジネスの顧客層は多岐にわたるため、ペルソナごとにテストと検証を繰り返し、顧客体験の最適化を図る必要があります。しかし、ソフトバンクの法人向けウェブサイトではこの最適化のプロセスを十分な速度で回せていないという問題意識がありました。

課題は2つありました。外部の協力会社に運営プロセスを依存していたことと、作業依頼を中心とした制作プロセスになっていたことです。外部の協力会社に依頼すること自体は問 題ではないものの、依存し過ぎることでスピードが 落ちるという課題が発生します。そして常にコストを考えながら作業を進めなくてはいけないため、結果として作業依頼ばかりするような制作プロセスに陥ってしまいます。

こうした状況を打開するため、制作会社中心のプロセスを転換し、内製化に切り替えることを決断しました。そこで採用したのがAdobe Experience Managerのクラウド版です。このAdobe Experience Managerの編集機能を使えば、マーケターでも社内環境でページの公開ができることが導入の決め手になりました。

Adobe Experience Manager導入の目的は、プロセスを変えることだったため、すべてのページをAEMに移行することを優先せず、クラウド型の利点を生かしてまずは素 早くCMSを立ち上げました。一部のコンテンツだけでもいいので、スモールスタートでAdobe Experience Managerによる最適化を進めようと考えたのです。結果として短期間でCMSをローンチしいまも導入範囲を拡大しながらAdobe Experience Managerを活用した社内の制作プロセス変更に取り組んでいます。

では、このプロセスの変化によって、作業スピードも含めた最適化はどの程度進んだのでしょうか。従来は新しくページを作成するにあたり、20営業日ほど掛かっていました。これは社 内で内容を決め、指示書を作り、絵制作会社に依頼し、出来上がってきたものを確認し、フィードバックを行い、また確認するというプロセスを経る必要があったからです。

しかし、Adobe Experience Manager導入によって、ページ作成にかかる日数は以前の3分の1以下に減少しました。またスピード以外にも「操作が非常に簡単にできる」 「効率が劇的に変わった」といったメリットも実感しています。

こうした作業の変化により、制作に付随していたストレスが軽減し、マーケターの意識も大きく変化しました。従来はウェブを制作すること自体が目的化していましたが、ウェブを使って顧客とコミュニケーションするという本来の目的に意識が向くようになったのです。今ではウェブページ上でどういったコンテンツを使うことで、顧客のニーズを満たせるのか、マーケターが常に考えるようになっています。

意識の変化による効果は、ウェブ上のパフォーマンスにも表れています。Adobe Experience Manager導入前後の四半期ベースでの訪問数を比較するとおよそ60%も増加しました。また、最適化のプロセスを細かく、スピーディーに繰り返すことで、コンバージョン数も30%増加しました。これは一時的な増加ではなく、マーケターの意識が制作作業からウェブ上の顧客体験向上へと変化したことを示しています。

住谷氏は「この意識の変化をベースにすることで、今後も継続的な成長が可能になります」と期待を膨らませています。