アドビ、旅行および観光業界向けのイノベーションを発表

旅行についての消費者の期待は高く、本物の体験と良好なアクセスを強く望んでいる。旅行および観光業界の各企業が現在取り組んでいる課題は、ホテルの予約からクルーズ船内の娯楽、飛行機の搭乗といったカスタマージャーニーの各接点を通して、できる限り最高の体験を旅行者に提供することだ。

消費者の旅行会社との従来の関わり方は改革を迫られている。今や、両行会社は航空券やホテルの単なる予約をおこなうのではなく、心に残る体験を販売しているからだ。したがって、意味のある存在であり続けるためにはカスタマージャーニーに焦点を当てなくてはならない。

ところが、一見すべての企業が顧客体験を話題にしている一方で、真に顧客体験に重点を置いている企業は、わずか31%のみという大きなギャップがある。

アドビには、旅行および観光業界の分野で安定した実績がある。世界最大のホテルチェーン10社のうち9社と、最大手の航空会社10社のうち7社が、顧客体験を創出するためにAdobe Experience Cloudを活用している。例を挙げるとSouth West Airlines(サウスウェスト航空)MGM Resorts International(MGM リゾーツ・インターナショナル)、プリンセス・クルーズ、G6 ホスピタリティのほか、Adobe Symposiumでキーノート講演を行うredtag.caなどの企業だ。

この度、アドビでは、アドビの人工知能(AI)とマシンラーニング(機械学習)のフレームワークであるAdobe Senseiを利用した、時代を超えた本物のパーソナライズされた顧客体験を構築するためのイノベーションの提供を発表した。

旅行者の行動を探り出す

データなしでは、企業はそれぞれの顧客のニーズ、欲求、習慣に関するインサイトを獲得することはほぼ不可能といえるだろう。Adobe Analytics Cloudの測定機能が強化され、企業は様々な顧客接点を通じて、顧客がどのようにアクセスしているかをより正確に理解することができる。

たとえば、消費者が航空会社のモバイルアプリでやり取りする方法を効果的に追跡することは容易ではない。ある旅行者は、ノートPCでフライトの前日にチェックインし、 セキュリティチェック到着直後にアプリを開いて搭乗券にアクセスする可能性がある。

飛行中には機内のWi-Fiに接続して、目的地の天気を確認することも考えられる。Adobe Analyticsを使用すれば、航空会社はこれらを個別のやり取りではなく、ひとつのカスタマージャーニーとして把握することができ、顧客体験の各段階でニーズをより総合的に分析できる。

Adobe AnalyticsとAdobe Audience Managerを連携し、機能を強化することで、企業は指標を追跡し、貴重な顧客体験を迅速かつ大規模に向上できる。たとえば、ホテルチェーンは、前月にすでに部屋を予約・購入した顧客を特定し、その顧客グループへの広告を控えることで、最終的に広告効率を向上させることが可能だ。

ターゲットを絞った広告で飛躍を遂げる

Adobe Advertising Cloud Creativeを使えば、広範なリターゲティングや綿密な設計のプロセスを排除し、以前は困難だった広告のパーソナライズをシームレスに実現できるようになる。Adobe Analytics Cloudとの連携により機能が拡張され、購入履歴、ロイヤリティプログラムの利用状況、オンラインアクティビティなどにもとづいて、広告をパーソナライズできる。

たとえば、ホテルチェーンは、潜在的な旅行者のロイヤリティプログラムの利用状況データを使用して広告をカスタマイズでき、その旅行者がホテルにチェックインした後は、ホテル内レストランに関する別のオファーをモバイルに提供することが可能になる。

また、Adobe Audience Managerを使用することで、行動やデモグラフィック属性にもとづき効果的にターゲットを絞って、ニッチ市場のオーディエンスを構築できる。

さらに、Adobe Audience ManagerにおいてAdobe Senseiを利用すれば、既存顧客のロイヤリティプログラムの利用状況や購入履歴などのデータを活用して新規の顧客獲得を狙い、購入ボタンをクリックする可能性の高い新しいオーディエンスにアプローチすることも可能だ。

始まりから終わりまで、シームレスなカスタマージャーニーを提供

企業のさまざまな顧客接点を通じて、消費者がシームレスな対応に期待することが当たり前となっている中、Adobe Experience Managerは、旅行および観光業界の企業があらゆるチャネルをまたいで、連続性のある顧客体験を効率的に提供できるようにする。

これには、webサイトやモバイルサイト、IoT デバイスから設置されたスクリーンまで、様々なチャンネルが含まれる。

航空会社はパーソナライズしたヨーロッパ行き割引航空券のオファーを電子メールで配信し、同じコンテンツを利用して、webサイト、Facebook、モバイルアプリ、またはその他のチャンネルにも拡大、消費者にカスタマージャーニーを通して一貫したエクスペリエンスを提供することができる。

また、Adobe Campaignでは、企業はチーム間とチャネル間のコミュニケーションを一元的に管理して、適切なコンテクストに即して、パーソナライズされたキャンペーンを確実に展開できる。

さらに、旅行検索エンジンは、単なるフライトやホテルの予約以外にもデータにもとづいて調整したコンバージョン目標を設定することができるので、さまざまな顧客接点の影響を真に理解するのに役立ち、最終的にカスタマージャーニーにインパクトを与えるだろう。

パーソナライゼーションへの道

Adobe Targetでは、オンライン上の行動履歴をもとにして、旅行者が今後望んでいるコンテンツや商品の予測向上に役立てることができる。自然言語処理にもとづく技術を活用し、顧客一人ひとりに合わせた体験が提供される。

たとえば、ある旅行サイトで、頻繁に出張するビジネス旅行者がオーランドの貸し別荘の宿泊を予約・購入した後、付近のクルーズ パッケージツアーのサイトを閲覧し、その地域の家族向けのアクティビティに関するビデオを視聴したことがわかったとしよう。

旅行者が出張ではなく個人的な休暇を計画していることを把握すれば、より適切なオファーやパーソナライズしたおすすめ情報をサイトで提供するのに役立つだろう。さらに、Adobe Audience Managerは、あらゆる顧客接点、映像スクリーン、デバイスをまたいでカスタマージャーニーをつなげ、消費者への売り込みに役立てることができるのだ。

Adobe の旅行および観光業界向け機能の詳細をご覧ください。

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