COVID-19の逆風のなかで、取るべき広告戦略とは

包括的な市場調査の結果と戦略ガイドを提供し、ブランドマーケターの成功を支援

外出自粛の要請が緩和されつつあるなか、ブランド企業はこの「ニューノーマル」という環境下で、どのようにマーケティングを行うべきか、とりわけ潜在的なカスタマーに広告を打つことが許されるのか、そもそも望まれているのか、を自問自答しています。適切にターゲットしたつもりのメッセージも、少し間違えるだけで「空気が読めてない」と思われるリスクがあるからです。とはいえ、前回起きた経済不況では、逆風に立ち向かう意思のあるブランド企業にとって、困難なときに広告を全面的に控えることがサステイナブルな戦略とならないことを私たちに教えてくれています。

ハーバード大学のジョン ケルチ(John Quelch)名誉教授は、2008年の経済不況当時のハーバード ビジネス レビューの記事「How to Market in a Downturn(逆境下におけるマーケティング)」の中で、「コストの抑制は賢明なことだが、ブランド価値の維持を怠り、コアカスタマーの変化するニーズを把握できなくなることが、長期的には業績を台無しにしかねない」と述べています。

現在私たちが直面しているのは経済不況とは根本的に異なる戦いですが、企業の売上が低下し、カスタマーが経済的な苦境に直面している、という面では似ています。こうした背景を踏まえ、アドビのAdobe Advertising Cloud部門では、世界中の消費者1,000人以上とブランドマーケター500人以上を対象にした調査を行いました。ポイントは、現在広告が消費者にどのように受け止められているか、それに対してブランド企業がどう対応しているか、消費者が求めているもの(と求めていないもの)はなにか、そして継続的な成功をめざすマーケターが注意すべき商機がどこにあるかです。

主要な調査結果は以下の通りです:

調査結果のいくつかは、「ニューノーマル」がどのようなものかを示唆しています。その対応において明白なアドバンテージを持つのは、CXM(カスタマーエクスペリエンスマネジメント)プラットフォームを活用しているブランド企業です。それは、リアルタイムの購買行動パターンをもとに、精緻にプロファイルを更新することで、広告キャンペーンの最適なターゲットを選択できるからです。データを使って消費者を個人レベルで理解し、直面している課題が何かを把握することで、ブランド企業は彼らにリーチするのに最適な広告の内容と掲出すべきサイトを判断できます。また、自社サイト上の顧客体験と広告クリエイティブを、そのアイデア段階から実際の提供とそれ以降にわたって完全に連携させるのも、適切なアセット管理のもとで可能になります。これは、消費者が切望するブランドエンゲージメントを継続して提供するために不可欠なことです。

こと広告に関しては、どれほどの誘惑に駆られても、一切を中止するという選択肢はありません。今日必要なのは抑制ではなく、広告戦略の最適化です。データ分析をもとに、精度が高く豊富な情報を伴った顧客プロファイルを作成すれば、ブランドと接したいという意欲が今も旺盛なデモグラフィックに絞り込んだエンゲージメントによって、広告主は成功を勝ち取ることができます。またこの調査は、消費者がブランド企業の声を聞きたいと考えていることを示しています。顧客体験も広告体験も、その提供にパーソナライゼーションが必要なのは同じです。COVID-19の状況により、パーソナライゼーションの高度化、リアルタイムのエンゲージメント、そして常に最適化されたメッセージングのどれもが重要であることが明らかになりました。

COVID-19とそれ以降の「ニューノーマル」における広告はどうあるべきか、さまざまな調査結果をもとに得られた深い分析や、その分析を広告に適応させるための戦略ガイド(「広告メッセージを適応させる」)をこの記事の他にもご用意しています。ぜひこちらからご参照ください。

※本記事は、2020年5月21日にアドビのAdobe Advertising Cloudのバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーであるキース イーディー(Keith Eadie)が投稿したブログの抄訳版です。