Adobe Experience Platform | ユースケースのご紹介

これまで数回に分けて、Adobe Experience PlatformのデータガバナンスやApplication Service機能についてご紹介してまいりましたが、今回は実際にAdobe Experience Cloudの高度なセグメンテーションを利用し、あらゆるチャネルでパーソナライズされた体験の提供を実現している企業の事例をご紹介いたします。

ユースケース①:パーソナライズ体験の提供(ヒースロー空港)

Challenge

ヒースロー空港では、空港に訪れる旅行者に対し、適切な顧客体験を提供することを目指していました。しかし、チーム(空港、駐車場運営、鉄道サービス、小売の各チーム)のサイロ化や、バラバラなデータ(23のソース、8のウェブプロパティ)によって、提供する顧客体験もバラバラ化してしまっていました。

Solution

ヒースロー空港はこの課題を解決するため、アドビやパートナー企業であるAcxiom社と協力して、23のソースから得られるデータを含む、チャネル間の顧客の統一ビューを作成し、顧客プロファイルやセグメンテーションに活用しました。

・23のソースから得られたデータを集計し、顧客プロファイルとオーディエンス・セグメンテーションに反映

・70のABテストを実施し、情報に基づいたデジタル意思決定を行う

・空港内に11,000個のビーコンを配備

・機械学習を活用してホームページのパーソナライズを自動化

Impact

・ターゲットを絞ったオファーを提供することで顧客一人当たりの平均支出が60%増加

・メールの開封率を向上させながら、メールのCTR(クリック率)も25%向上

・7800万の旅行者に、過去のオンライン行動や空港での訪問を反映した、よりパーソナライズされた体験の提供

◎GEOフェンスによる顧客の認知

・指定した位置情報の周囲500mなど指定したエリアに入った場合に、それをアプリで認識しパーソナライズメッセージを配信し、それにより店舗近くを通ったファンにリアルタイム性をもったコミュニケーションを実施しながら、店舗への誘導を行います。

・店舗への誘導など、ある程度レンジの広いコミュニケーションを行う際に活用しやすい手法となります。

◎iBeaconを利用した位置情報の認知

・店舗への来店やさらには、店舗のどのエリアにいるといった情報をiBeaconの情報からアプリを通して取得する方法です。

・これによりアプリに紐付いた店舗内のパス分析や、特定のiBeacon(例えば来店など)をトリガーにしたプッシュコミュニケーションなどを実施することが可能です。

・iBeaconは電波の強さを変えることが出来るため、これにより収集の範囲を変更することが可能です。

ユースケース②: QRを利用した商品情報の補足(Best Buy)

アメリカのミネソタ州ミネアポリスに本社を置く家電量販店、Best Buyでは、商品レビュー情報など詳細な情報を、値札とともにQRコードを設置しウェブサイト側に連携させています。これにより、より詳細な情報を顧客に提供できるとともに、誰がどの順番でどの商品を検討して、購買に至ったかを分析可能となっています。これを棚配置などに反映させ、限られたスペースとなる店舗内の商品棚の最適化を実現しました。

◎QRコード・NFCタグによるコミュニケーション

・QRコードをスマートフォンで読み込むことで、サイトへの遷移などを行う方法です。

・店舗内だけでは提供しにくい商品のレビュー情報や動画を利用したコンテンツの配信などに利用することが可能です。

・また、同様にNFCタグを利用した場合にも同様なアクションを実施することが可能です。(対応機種がQRよりも少なくなります)

・店舗内の場所コードと組み合わせて認識させることで、店舗内で購買せずとも、その後、サイトで購買が発生した際に、店舗が貢献したことの分析などを行うことも可能です。

≪この記事のPDFファイルはこちら≫

「Adobe Experience Platformのユースケース」

https://landing.adobe.com/content/dam/landing/uploads/2020/jp/dxcsm/AEP_202108_Usecase_AEPv8.pdf