Adobe Digital Price Index:2023年1月、オンライン価格は前年同月比1%減で5か月連続の下落

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Adobe Analyticsで分析した、米国における最新のAdobe Digital Price Index(DPI)を紹介します。

全体的な傾向

2023年1月のオンライン価格は、前年同月比1%減となり、前年比ベースの価格下落は5か月連続となりました。この下落傾向は、アドビが追跡している18の製品カテゴリーのうち半数に認められます。また、サイバーマンデー(2022年11月28日)以降大幅な値引きが実施された12月全体から一転し、1月のオンライン価格は前月比ベースで1.7%の上昇を記録しました。

カテゴリー別分析

2023年1月は、DPIが追跡する18カテゴリーのうち9カテゴリーが前年同月比で値下がりし、なかでも花・関連ギフトが前年同月比21.6%減と最も下落しました。また、前月比ベースで見ると、2022年12月のホリデーディスカウントを受けて、18カテゴリーのうち花・関連ギフトのみが価格を下げています。

注目の商品カテゴリー

家庭用品・園芸用品の価格は前年同月比3.5%減(前月比1.2%増)で、前年同月比ベースでは11月の2.1%減、12月の同2.7%に続いて3か月連続のマイナスとなりました。このカテゴリーの価格はそれまで、前年同月比ベースで2022年3月(2.7%増)をピークに14か月連続の上昇を記録していました。

スポーツ用品の価格は前年同月比6.4%減(前月比0.6%増)となり、前年同月比ベースの下落率としてはアドビが2014年にオンライン価格の追跡を開始して以来の最高値を示しました。前年同月比ベースで見ると、価格の下落は2022年5月以来9か月連続しています。それまでは前年同月比の価格上昇が2年以上連続(28か月)していました。

食料品の価格は前年同月比12.6%増(前月比0.4%増)となったものの、10月(前年同月比14%増)、11月(同13.7%増)、12月(同13.5%増)と、上昇傾向はこの4か月間で鈍化してきています。前年同月比の価格上昇がピークを迎えたのは2022年の9月(14.3%増)でした。消費者は食料品をオンラインで購入することが多くなっており、このカテゴリーの値動きは大筋で消費者物価指数(CPI)と連動しています。

工具・ホームセンター用品の価格は前年同月比6.9%増(前月比0.1%増)でしたが、前年同月比ベースで見ると、2022年8月(10.9%増)をピークに過去5か月間は上昇傾向が鈍化しています。このカテゴリーではインフレが2年以上(26か月)持続しているため、その鈍化は消費者にとって歓迎すべきニュースだといえるでしょう。

調査方法:DPIは、米国労働統計局が発表している消費者物価指数をモデルとしており、オンライン価格の追跡にはFisher Ideal Price Index(フィッシャー理想物価指数)を使用しています。

アドビは、Adobe Analyticsを使ったこの調査を実施するにあたり、AI/機械学習フレームワーク「Adobe Sensei」と手作業を組み合わせ、CPI Manual(消費者物価指数マニュアル)で定義されたカテゴリーに準拠して商品分類をおこなっています。

※本記事は、2023年2月9日に米国本社から発表されたメディアアラートの抄訳です。