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Cisco、オムニチャネルシステムの中核を再構築

190%

Cisco.comにおける「購入方法」のクリック数の増加

33%

ページ読み込み時間の向上

24%

バウンス率の減少

10%

Cisco.comホームページへの訪問数の増加

6倍

パーソナライズされたオファーのクリックスルー率の向上

導入製品

Adobe Experience Manager Sites as a Cloud Service

Adobe Experience Manager Assets as a Cloud Service

Adobe Audience Manager

Adobe Analytics

Adobe Target

Adobe Workfront

Adobe Marketo Measure

アドビプロフェッショナルサービス

私たちは、この変革の取り組みに携わる全員をヒーローにしたいと考えています

Chad Reese氏

Cisco、デジタルマーケティングプラットフォームおよびアクティベーション担当シニアディレクター

Ciscoは、変化することを恐れていません。3年前、グローバルデジタルマーケティングおよびメディア担当バイスプレジデントとして同社に入社したTodd Shimizu氏は、ダイナミックなビジネスにおけるデジタル戦略の開発に携われることに胸を膨らませていました。何よりも、経験豊富な優れたパフォーマンスを発揮するチームと働けることに喜びを感じていました。

Chad Reese氏は、約23年前にwebプログラムマネージャーとして、同社におけるキャリアをスタートさせました。現在は、デジタルマーケティングプラットフォームおよびアクティベーション担当シニアディレクターを務めています。Reese氏の同僚であるVenkat Krishnamurthy氏とRune Olslund氏は同時期に入社し、現在、Krishnamurthy氏はグロースマーケティングテクノロジーソリューション担当ディレクター兼チーフマーケティングテクノロジストを務め、Olslund氏はオムニチャネルエクスペリエンスおよびデマンドジェネレーション担当シニアディレクターを務めています。彼らのカウンタパートとなる、デジタル顧客体験担当シニアディレクターのMonica Koedel氏は入社15年目、Cisco.comデジタル顧客体験担当ディレクターのShilpa Sardar氏は入社23年目を迎えています。

常に将来に目を向け、革新を続けている企業において、このような社員の高い定着率は注目に値するものです。米国のハイテク業界は従業員の離職率が高いことで知られ、「大量離職」が社会現象となっていることを考えれば、高度なスキルを有する従業員の維持に成功しているのは意義のあることです。

Reese氏に、その秘訣を尋ねると、「全員をヒーローにすること」だと答えるでしょう。同社では、従業員が自主的に自らの枠割を果たし、仲間たちを理解して、互いに感謝する企業文化を醸成しています。そして、絶え間ない変革や変化の中で、さまざまな部門やチームがコラボレーションするようにしています。

同社には、数多くのヒーローが存在しますが、ここでは、進歩、創造性、つながりに対する同社の取り組みを体現するふたつのチームのリーダーに焦点を当てます。

同社では、3年をかけて、Cisco.comのデジタル変革(「Cisco.com Reimagined」と呼ぶ)に取り組み、イノベーションを推進し、ビジネスの成長を促進するシンプルかつ有意義なデジタル顧客体験を構築しました。

広範なリーチに相応しいwebサイトに

世界有数のITおよびネットワーク企業であるCiscoは、世界中の人々、コンピューティングデバイス、コンピューターネットワークをつないでいます。この歴史あるハイテク企業は、テクノロジーの進化と拡張に注力し、企業がインフラストラクチャを変革、ハイブリッドワークを推進、アプリケーションを再構築、エンドツーエンドでデータの安全を維持することを支援しています。

同社の創意工夫がなければ、私たちの生活はかなり違っていたでしょう。同社は1984年、インターネットが正式に誕生したわずか1年後にハイテク業界に登場しました。当時、ネットワークにコンピューターを接続することはできても、コンピューターを相互に接続することはできませんでした。そのためにはゲートウェイやルーターが必要となり、それらが同社の有力製品でした。同社のルーターはインターネットプロトコルを実行するために開発されました。同社がインターネットを構築したと言っても過言ではありません。実際、今日に至るまで、インターネットトラフィックの85%が同社のシステムを通過しています。

しかし、同社のオムニチャネルシステムの中核であるCisco.comをデジタル変革前に訪れたとしたら、パーソナライゼーション、最新のSaaS(Software as a Service)、コマース体験などの先進的な企業に期待されるテクノロジーを欠いたwebサイトを目にしたことでしょう。Cisco.comには、年間1億人以上の人々が訪れ、27の言語で59か国のサイトを展開する、同社の最も価値あるアセットのひとつであることを考えると、そうしたテクノロジーが期待されるのはもっともです。

同社のデジタルマーケティングチームとOneX顧客体験チームは、Cisco.comのリニューアルを望み、webサイトを再構築し、カスタマーファーストの没入型体験を設計する機会をうかがっていました。

長い間、待ち望んでいました。全社一丸となって、直観的で使いやすい顧客体験を構築するという構想はあったのですが、これまでは、それを実現するメカニズムを持っていませんでした

Monica Koedel氏

Cisco、デジタル顧客体験担当シニアディレクター

再構築からアクションへ

Cisco.com Reimaginedは、2021年8月に開始された企業変革の一環であり、企業レベルのふたつの目標を有しています。その目標とは、より多くのサービスをSaaS販売モデルに移行することと、広範なポートフォリオ(これまでに218社以上を買収)の価値を高めるために、より多くのポートフォリオ横断的な顧客ソリューションを市場に投入することです。

同社では、Cisco.comの近代化に着手し、現代的なデザインシステムと、拡張性を考慮したエクスペリエンス基盤によって、よりシンプルで有意義なサイトにしようと考えました。そのためには、製品を技術的に解説するサイトから、製品を利用するメリットを解説し、CTA(行動喚起)を備えた、より魅力的で顧客フレンドリーなサイトに移行する必要がありました。また、顧客やビジネスニーズの変化に適応し、長い読み込み時間で顧客を待たせたり、ありきたりな体験で顧客を退屈させたりすることのないように、俊敏性の高いテクノロジーでwebサイトとその機能を再構築し、将来性を確保する必要もありました。

「webサイトは、私たちがCiscoで成し遂げたかったあらゆることの中心です。製品のショーケースであり、デマンドエンジンであり、カスタマーサービスポータルでもあります。私、Chad、Rune、Venkatのデジタルマーケティングチーム、そしてMonicaとShilpaのOneXチーム、全員が一丸となる必要がありました。ひとつのチームとして協力したからこそ、デジタルジャーニーを変革できたのです」とShimizu氏は述べています。

Koedel氏も同じ意見です。「私たちは、あらゆるエクスペリエンス要素だけでなく、プラットフォームやデータ要素、フロントステージとバックステージの足並みを揃えて変革しています。そうすることで、あらゆる側面に注意を払い、全員が一丸となって取り組むことができます」

チームは隔週で社内の重要な関係者とミーティングを開き、この複雑な変革プロジェクトを通じて全員の足並みを揃えました。Krishnamurthy氏は、苦労してカスタマイズした従来の複雑なシステムから、俊敏性の高いクラウド基盤への移行に全員が賛同したことが、大きな転機であったと考えています。同氏はデジタル戦略家として、マーケティングのビジネスニーズをテクノロジースタックで支援するように取り組んでいます。

「技術的なことよりも、考え方を変えるほうがはるかに難しいのです。時間が経つと、物事は絡み合い複雑になっていきます。皆に既成概念にとらわれずに考えてもらうためには、それを自分事として捉え、自らの可能性を見出す力を引き出す必要があります」とKrishnamurthy氏は述べています。

革新的なハイテク企業である同社は、常に成長を続けるために、新しい取り組みを先導するためのさまざまな変更を全体的に管理するチームを擁しています。そのチームでは、時間をかけて関係者にインタビューを実施し、それぞれのニーズと最も関心のあることを把握し、それに応じてメッセージを構築することで、全社一丸となって取り組めるようにしています。

Cisco.com Reimaginedでは、「crawl, walk, run(這って、歩いて、走る)」というアプローチを取りました。まず、顧客エンゲージメントをトラッキングするためのプロトタイプのHTMLエクスペリエンスとして、新機能を市場に投入しました。こうした初期の取り組みにより、無料トライアルへの1日の訪問者数は4倍、購入方法のトラフィックは86%増加し、パーソナライゼーションの強化により、製品アクティベーションのクリック数は28%増加しました。走りだす準備が整ったところで、同社は、必要とする堅牢かつ俊敏性の高いスケーラブルなテクノロジー基盤の提供をアドビに依頼しました。

クラウドへの移行

Ciscoはアドビの長年の顧客であり、今回の提携では、Cisco.comをオンプレミスのAdobe Experience Manager環境からクラウド環境に移行することが含まれていました。オンプレミスの高度にカスタマイズされた基盤では、迅速な統合や機能の追加が難しく、パーソナライズされた1対1のエクスペリエンスを企業や消費者に大規模に提供するように設定されていませんでした。「他のすべてがクラウドで最先端だったのに、Cisco.comはそうではありませんでした。しかも、最もエンゲージメントが高いのがCisco.comだったのです」とKrishnamurthy氏は述べています。

「当社では、長年にわたり従来のシステム利用し、技術的負債を抱え、多くのカスタマイズを追加しており、手に負えなくなっていました。今回の取り組みは、白紙の状態からスタートするチャンスであり、顧客体験、パフォーマンス、スケーラビリティの面で大きなメリットがありました」

Chad Reese氏

Cisco、デジタルマーケティングプラットフォームおよびアクティベーション担当シニアディレクター

Sardar氏とそのチームは、20以上の統合を含むCisco.comのテクノロジースタックを再設計し、アドビプロフェッショナルサービスと協力して、社内システムとAdobe Experience Manager as a Cloud Serviceの間のパイプを構築しました。ハイブリッドクラウドアーキテクチャを構築し、グローバルで公開できるようにして、シームレスな顧客体験を提供できるようにしました。

「結果は一目瞭然でした。クラウドに移行したページでは、レスポンスタイムと読み込み時間が短縮され、動作も向上しました。すぐに効果を実感できました」とKoedel氏は述べています。

同社は現在、市場投入までの時間を短縮し、リリースサイクルを月次から週次へと移行しています。デスクトップPCやモバイルでのパフォーマンスが改善され、ページの読み込み時間は33%向上しました。また、アドビの最新イノベーションが市場に投入されると同時に、そのメリットを享受できるようにもなりました。しかも、これらは変革の初年度だけの話です。

「Adobe Experience Manager as a Cloud Serviceに移行することで、エンドツーエンドのアーキテクチャについて改めて検討、設計して、リリースの市場投入までの時間を短縮し、連続性のある顧客体験を再構築できました」

Shilpa Sardar氏

Cisco、IT担当ディレクター

大規模なB2Bパーソナライゼーションへの投資

Ciscoでは、アドビのデータ、コンテンツ、ジャーニーに関する製品のほぼすべてを導入することで、大規模なB2Bパーソナライゼーションの基盤を築きました。

Olslund氏は事業部門と緊密に連携し、webサイトに必要な情報やコンテンツを定義しました。そして、そこから得たインサイトを、Adobe Experience Manager Assetsとクイックサイト作成を基盤としたデザインシステムへと反映させました。

「デザインシステムには、編集可能なテンプレート、レイアウトパターン、ドラック&ドロップ操作のデザインコンポーネント、カラー、フォント、その他コンテンツ制作者が必要とするあらゆるデジタルコンテンツが含まれています。このフレームワークにより、公開速度が向上し、コンバージョンにつながる、魅力的で一貫性を備えたブランドコンテンツを制作できるようになりました」

Rune Olslund氏

Cisco、エクスペリエンス戦略&デジタルスタジオ担当シニアディレクター

Ciscoでは、Adobe Experience Managerのマルチサイトマネージャー機能を利用することで、グローバルなセルフサービス方式のオーサリングと公開プロセスを合理化し、webサイトを59ヶ国に拡張しました。合併と買収(M&A)により同社に加わる企業は、ブランドの外観やスタイルを維持しながら、新しいwebサイトページを迅速に構築するために必要なコンポーネントを手に入れることができます。

同社は、Adobe Targetを利用して、さまざまなアカウント向けにパーソナライズされたコンテンツを制作および配信し、大きな成功を収めつつあります。初期の一例では、顧客ごとにCisco SecureXに関するメッセージを変更しました。既にひとつ以上のセキュリティソリューションを利用しているアカウントには、SecureXでさらなる価値を引き出すためのメッセージを配信し、その他のアカウントには無償体験のオファーを配信しました。メッセージを変えただけで、優れたクリックスルー率とコンバージョンを実現できました。

「一回限りのパーソナライゼーションから大規模なパーソナライゼーションに移行するためには、デジタルアセット管理とオファー管理の一貫性を維持し、A/Bテストと多変量テストの両方を実施する必要があります。Adobe Audience Managerであればそれが可能です」

Venkat Krishnamurthy氏

Cisco、グロースマーケティングテクノロジーソリューション担当ディレクター兼チーフマーケティングテクノロジスト

業界をリードする作業管理ソリューションであるAdobe Workfrontは、コンテンツ制作を最適化することで、同社の公開およびアクティブ化のオペレーションとワークフローをサポートしています。同社は、Adobe Workfrontをキャンペーン管理のあらゆる側面に拡大する態勢を整えています。さらに、Adobe Analyticsと統合することで、カスタマージャーニーのパターンに関するより詳細なインサイトを獲得し、webサイトのどの部分に投資するべきかを決定できるようになりました。Adobe Marketo Measureのアトリビューションモデルを利用すれば、最も効果的なエンゲージメント方法を特定し、それにもとづいてキャンペーンや戦略を調整できます。

「アドビと連携する最大のメリットのひとつは、常にアプリケーションと基盤が連携して動作することです。真の意味での変革、つまり、人材、プロセス、テクノロジーの変革を目指すことが不可欠でした。基盤の選定に迷うことはありませんでした。当社は業界最高峰を目指しており、それはアドビのクラウド基盤を活用することを意味します」

Todd Shimizu氏

Cisco、グローバルデジタルマーケティング&メディア担当副社長

ひとつのCiscoへ

Cisco.com Reimaginedの2年目と3年目は、これまでの取り組みをベースにして、顧客ライフサイクル全体における顧客体験をつなぎ合わせることを目指しています。全社的なソフトウェアモデルの変革を支援するために、SaaSベースのプロビジョニングと体験版を提供する取り組みを進めています。Sardar氏とそのチームがAdobe Experience ManagerをヘッドレスCMSとして設計したことで、コンテンツとコマースをシームレスに統合した顧客体験を提供する道が拓けました。

「こうした新たに再構築された顧客体験がサイト全体に拡大していくことで、ひとつのCiscoとしての形が見えてくるでしょう」としての姿が現れてくるでしょう」とReese氏は述べています。

Cisco.comは、同社の顧客基盤と製品ラインの規模に見合ったものとなりました。そして、Shimizu氏、Reese氏、Krishnamurthy氏、Ollund氏、Koedel氏、Sardar氏のような人々が取り組みを推進することで、製品、顧客、パートナーをまたいだ顧客体験をつなぎ合わせ、イノベーターとしての同社の評判を一層高めることができます。

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