
顧客中心のデジタル体験を創出
Manulife、Adobe Experience Cloudを利用して、webサイトを合理化し、顧客の利便性を高める。

1,200ページ
これらの膨大なwebページを250ページに統合
目標
顧客体験を重視した優れたwebサイトを構築したい
顧客のニーズに合わせてデジタル体験を展開するためのインサイトを獲得したい
パーソナライゼーションを強化して顧客エンゲージメントとコンバージョンを向上させたい
成果
デジタル 顧客体験 を改善
1,200のwebページを250ページに 統合
web制作を一元化して 作業効率 を向上
クラウドベースの基盤で 拡張性に優れた パーソナライズされた体験を創出し、サービスの差別化を促進
「アドビと連携することで、リアルタイムのデータを収集して、それをもとにデジタル体験を改善し、顧客にすばやく届けることが可能になりました」
Sophie Bellemare氏
Manulife、戦略的デジタルイニシアチブ担当AVP
顧客体験を最適化
今日の多くの企業にとって、webサイトはビジネスに欠かせないツールとなっています。商品やサービスに関する情報を共有するだけでなく、従業員の取り組みや企業理念など、企業の中核となる価値観を大勢の人々に発信しています。最大の課題は、自社サイトでどのような情報を、どのように発信すれば、顧客を惹きつけることができるのかという点です。
Manulifeはこの課題を解決するために、顧客中心のデジタル体験を実現するべく、自社サイトの見直しに着手しました。同社は、John Hancockのブランド戦略を主軸に、カナダ、アジア、米国で事業を展開している大手金融サービスグループです。個人や団体、機関投資家向けに、金融コンサルティングや各種保険、資産管理といったサービスを提供しています。
同社は当初、自社の組織構造にもとづくwebサイトを設計しましたが、顧客が求めている情報に視点を当てるべきだという結論に至りました。
「当社の目的は、より魅力的なデジタル体験を顧客に提供することでした。そのためには、顧客が何を求めており、どのような情報を必要としているのかを把握することが重要です。また、こうしたインサイトをあらゆるページやサイトをまたいで活用し、顧客体験やエンゲージメント、コンバージョンの向上につなげるための、一貫性のある方法を採用する必要がありました」と、同社の戦略的デジタルイニシアチブ担当AVPであるSophie Bellemare氏は述べています。
短期間のプロジェクトに対応
同社では、ビジネス目標を設定する中、既存のITシステムでは課題に対応できないことが明らかになりました。さまざまなベンダーを精査した結果、新しいデジタル基盤としてAdobe Experience Managerを採用することにしました。Adobe Marketing Cloudの一部であるAdobe Experience Managerは、拡張性の高いコンテンツ管理システムで、同社が必要とする敏捷性と一貫性を備えていました。
3ヶ月間に及ぶ実証実験の結果は極めて良好で、同社はすぐにプロジェクトを実行に移しました。同社は短期間でプロジェクトを完了させるために、アドビのコンサルティングサービスに協力を依頼しました。コンサルティングサービスは、再利用可能な11のテンプレートと38のコンポーネントを設計し、新しいサイトコンテンツを迅速に制作できるようにしました。さらに、新しいサイトがオンタリオ州障害者アクセシビリティ法(Accessibility for Ontarians with Disabilities Act:AODA)に準拠するように、必要な変更をおこないました。
同社は、Adobe Experience Manager Managed Servicesを利用してアドビ製品をクラウドで管理することで、インフラの購入、設定および管理に人員を投入する必要がなくなりました。同社は、オンラインの顧客サービスを拡張して、顧客のあらゆるアカウントやデータをまとめて確認できる、単一のプライベートポータルを開設する計画も進めています。Adobe Experience Manager Managed Servicesのおかげで、同社は新しいサービスを迅速に追加して、市場投入までの時間を大幅に短縮できました。
「繁忙期を迎える前に新しいシステムを完成させる必要があったため、時間がありませんでした。「アドビと連携することで、リアルタイムのデータを収集して、それをもとにデジタル体験を改善し、顧客にすばやく届けることが可能になりました」
「当社のパブリッシングチームによれば、以前のソリューションとAdobe Experience Managerには雲泥の差があります。Adobe Experience Managerは効率性が格段に高く、直感的に使用できます」
Sophie Bellemare氏
Manulife、戦略的デジタルイニシアチブ担当AVP
web体験を合理化
同社の従来のwebサイトは十分に整備されておらず、ページ数も膨大だったため、顧客はサイト内を移動することが困難でした。 各事業部がそれぞれ独自のデジタルチームを擁していたため、各種サービスに関するコンテンツ制作が部門間で分断されていました。数百名ものコンテンツ制作者が、1,200ページに及ぶwebサイトの構築に関わっていたのです。同社にはコンテンツ制作を一元管理する仕組みが整っていなかったため、複数の部門が類似したコンテンツを何度も公開してしまうことがありました。
「顧客中心の視点から自社サイトのあり方を検討した結果、顧客体験を合理化して、顧客にとって信頼できる唯一の情報源を提供する必要があるという結論に至りました。そこで当社は、ひとつの専任チームがAdobe Experience Managerを利用して、あらゆるコンテンツ制作プロセスを一元管理する体制を構築し、自社サイトのwebコンテンツを250ページに集約させました。当社のパブリッシングチームによれば、以前のソリューションとAdobe Experience Managerには雲泥の差があります。Adobe Experience Managerは効率性が格段に高く、直感的に使用できます」と、Bellemare氏は述べています。
Adobe Experience Manager Sitesを使用すれば、再利用可能なテンプレートとコンポーネントを活用して、webページを迅速かつ容易に制作できます。これらのテンプレートとコンポーネントを自由自在に組み合わせることで、コンテンツの種類に応じてwebページを柔軟にカスタマイズしながら、ブランドとしての一貫性を保つことができます。テンプレートはレスポンシブデザインにも対応しており、デスクトップPCからモバイルデバイスに至るまで、あらゆるプラットフォームをまたいでweb表示を最適化することが可能です。
同社では、ひとつの専任チームがコンテンツを一元管理することで、リソースやアセットの重複リスクを低減し、webサイトを適切な頻度で更新できるようになりました。これにより、顧客は必要な情報をはるかに容易に探し出せるようになりました。
顧客インサイトにもとづくサービスの最適化
同社は、Adobe Analytics Cloudの一部であるAdobe Analyticsを使用して、webサイトのトラフィックやエンゲージメント率、コンバージョン率を測定し、オーディエンスが誰で、どのような情報を求めているのかを把握しています。これらのデータから得たインサイトは、顧客体験を最適化およびパーソナライズするための方法を決定するのに役立ちます。
「従来のwebサイトについて調査した結果、訪問者が必要な情報を見つけにくいと感じていることが明らかになりました。そのため、webサイトを合理化して、顧客中心の体験を提供するための取り組みを進めることにしました。Adobe Analyticsは、デジタル体験の改善に対する施策の効果を把握するのに役立ちます」と、Bellemare氏は述べています。
同氏は、Adobe Experience Managerを導入したことで、見込み客の見積もり件数が増加していることを実感しています。訪問者にアドバイザーへの相談を促すCTAを商品ページに追加するといった施策も、コンバージョン率の向上に貢献しています。ドロップダウンリストの配置を変更するなど、顧客が必要な情報を迅速かつ容易に見つけ出すことができるようにするためのきめ細やかな変更も、顧客体験の改善に役立っています。
同社は現在、Adobe Analyticsを使用して収集したデータを活用して、webサイトのパーソナライゼーションを推進し、顧客エンゲージメントをさらに強化する計画を進めています。たとえば、問い合わせ用の電話番号やフォーム、請求手続きの種類が多すぎるため、保険契約者は、適切な問い合わせ先やダウンロードすべき請求フォームを見つけ出すことができないことに不満を抱えていました。そこで同社は、顧客の閲覧パターンをもとに、顧客が申請しようとしている請求の種類を予測し、適切なコンテンツに誘導するような仕組みを構築しました。これにより、顧客の不満を解消して、顧客体験を大幅に改善することができました。
「アドビとのパートナーシップを選択したことは、正しい決断であったと確信しています。Adobe Experience Cloudのおかげで、ビジネスの成長を推進するためのテクノロジーを手に入れることができました」と、Bellemare氏は述べています。