プロジェクト管理における5つの課題と解決策

Adobe Experience Cloud Team

04-15-2025

プロジェクトが失敗する理由

チームは残業を重ね、突発的な依頼への対応に追われる一方で、上司からは絶え間ない進捗報告が求められています。同じような経験がありますか?プロジェクト管理プロセス に何らかの欠陥があるのかもしれません。

非効率な業務プロセスは、燃え尽き症候群や生産性の低下、欠勤、離職を招き、最終的には組織に大きな損失をもたらします。一方で、エンゲージメントの高いチーム は、欠勤率が78%低く、離職率が51%低減され、収益性が23%向上しています。

チームが軌道を維持するためには、情報の管理、コミュニケーション、コラボレーションを効果的に行う必要があります。この記事では、プロジェクト管理における代表的な5つの落とし穴、プロジェクトが失敗する理由、そして成功を導くための実践的な解決策を解説します。

この記事の内容:

課題1:突発的な依頼に対応しきれない

プロジェクトの途中や締切直前になると、予期せぬレポート、更新依頼、レビュー、メール対応など、あらゆる方面から突発的な依頼が舞い込みます。一部のIT組織では、業務時間の最大50%を計画外の作業に費やしていると報告されています。2023年版「State of Work」レポートによると、私たちは1日に13回以上の業務中断を経験しています。一度業務が中断されると、元の作業に集中を戻すまでに20分以上かかることもあります。

解決策:突発的な業務を的確に管理する

現代の業務管理においては、計画された業務も突発的な業務も含め、あらゆる業務に備えることが求められます。予期せぬ事態への備えは極めて重要です。綿密なプロジェクト計画を立てていても、業務が計画通りに進むことはほとんどありません。

突発的なリクエストを受けたからといって、すべてに応じる必要があるわけではありません。突発的なプロジェクトをトラッキングすることで、業務の可視化が進み、対応範囲の明確化やリクエスト管理プロセスの標準化につながります。業務が次々と発生する中でも整理された状態を維持するには、カレンダーや受信トレイなど、いくつかの特定の領域に集中することが効果的です。

人々が業務を完了できない原因を理解しましょう。****2023年版「State of Work」 レポートをダウンロード

課題2:チームの作業状況が見えない

米国の労働者の約4分の3が、組織全体の業務を一元的に確認できる場所を求めています。半数以上の人が、消費者として情報を探すほうが、職場で情報を見つけるよりも簡単だと感じています。

業務の可視性がほとんどない、あるいはまったくない状態は、計画外の作業や過重労働を引き起こす主な原因の一つです。時間の使い道や、時間を割くべき業務が明確でないと、優先順位を効果的に管理することはできません。優先順位が明確でないと、緊急でない業務まで緊急に感じられてしまいます。効果的な時間管理はプロジェクト管理の中核領域ですが、業務の可視化なしには成り立ちません。

業務の可視性が低いことは柔軟性の欠如にもつながります。プロジェクトの変更や状況の変化に迅速に対応・方向転換する力を妨げてしまうためです。

さらに、業務の可視性が低いと、個々の成果を正しく評価することがほぼ不可能になります。マネージャーには、チームの業務状況を継続的に把握できる環境が必要です。そうすることで、有益かつ透明性のあるフィードバックを提供し、将来のプロジェクトに向けた効果的な計画を立てることが可能になります。

私たちはすでにメールやメッセージ対応だけでも手一杯です。業務の可視性が低いことで、不要な進捗確認が発生し、コミュニケーション管理の計画を乱すことのないようにしましょう。実際、不要な業務や価値の低いコミュニケーション、非効率な会議によって、週あたり8.7時間以上が浪費されている という報告もあります。

解決策:業務を「見える化」することから始める

業務管理を一元化 し、プロセスを効率化することで、マネージャーは必要な最新情報に継続的にアクセスできるようになります。これにより、チームに過剰なステータス確認を求める必要がなくなります。不要なコミュニケーションを減らすことで、関係者の時間と労力を節約できます。タスクや優先順位、担当者、進捗状況を常に把握できる環境も同様の効果をもたらします。

関係者管理とは?

関係者管理とは、プロジェクトの状況・コスト・障害要因を関係者に共有することで、業務の可視性を高め、方向転換にも柔軟に対応し、期待値を適切に管理することです。プロジェクトの関係者とは、プロジェクトに関与している人々、またはプロジェクトの実行やプロジェクトが成功裏に完了することで利害関係のある個人のことです。

関係者管理プロセスは、プロジェクトマネージャーが「変化」を常に念頭に置きつつ、それを脅威と感じさせないようにするのに役立ちます。関係者管理計画は、プロジェクトマネージャーが直接的または間接的な関係者とやり取りをする際の重要な指針であり、プロジェクトと日常業務との実務的なつながりを維持する助けになります。

課題3:連携していないツールが多すぎる

業務に必要なアプリやツールの数が多すぎて、生産性の妨げになっていると感じている労働者は、全体の約半数にのぼります。さらに、利用可能なコミュニケーション手段が多すぎることで、業務の遂行に支障をきたしていると回答した人は39%にのぼります。

とはいえ、課題はコミュニケーションツールだけではありません。ファイル共有、ネットワーク連携、タイムトラッキング、作業記録、データ管理などの手段が乱立し、私たちはその対応に追われています。

解決策:ツールを連携すべきときと、削減すべきときを見極める

ツールの整理と効率化を進めるには、まず可能なものを統合・連携することが第一歩です。API連携機能を備えた多様なプラットフォームを活用することで、データの移行が可能になります。また、CRM(顧客管理ツール)、HRM(人事管理アプリケーション)、ERP(基幹業務システム)などの業務記録システム(OSR)を一元化することもできます。

ただし、重複するツールには注意し、不要なものは削減して業務の煩雑さを最小限に抑えましょう。新しい、低コスト、人気があるといった理由だけでアプリを追加するのは避けましょう。主要なデジタルコラボレーションツールは慎重に選定し、古くなったツールや本来の用途から外れた使い方(例:メールをスケジュール管理に使うなど)は見直しましょう。

課題4:異なる手法を併用できない

現代のプロジェクト管理は、もはや単一の手法だけで成り立つものではありません。従来ウォーターフォール手法を採用していたチームも、現在ではアジャイル手法やその両方を組み合わせてプロジェクトを管理するよう求められています。ある手法から別の手法へ移行したり、複数の手法を効果的に組み合わせたりするには、事前の準備と十分な調査が欠かせません。こうした方法をまったく理解していないと、プロジェクトの成功を妨げるだけでなく、管理スタイルにも悪影響を及ぼします。

解決策:自社に最適な組み合わせを見つける

複数の手法を組み合わせても、それぞれの本質を無理に変える必要はありません。また、どのチームに対しても、合わないプロセスを無理に押し付ける必要はありません。プロジェクトマネージャーの約半数(44%)が、ウォーターフォールとアジャイルは共存すべきだと考えています。リーダーの役割は、両手法を橋渡しするツールを見つけ、データを統合し、全員の進捗を報告しながら、チームを異なる手法に組み込んでいくことです。

それぞれの手法の長所と短所を把握しておくことも重要です。複数の手法を組み合わせる際には、トレーニングの実施、関係者の理解と同意、そして明確な運用ルールの整備が不可欠です。

課題5:業務を一元管理できるプラットフォームがない

業務プロセスや日々の仕事に、混乱が入り込む余地はありません。失いかねないものは大きく、進捗と生産性から目を離す余裕はありません。今こそ、働き方に新たな方向性と新しいアプローチが求められています。それが「エンタープライズ業務管理」です。

解決策:エンタープライズ業務管理

エンタープライズ業務管理は、計画的・非計画的なすべての業務、アジャイルやウォーターフォールといった各種手法、そして技術部門・業務部門の両ユーザーを包括します。それは、業務のライフサイクル全体を管理する、総合的かつ全社規模のシステムです。

エンタープライズ業務管理は、初期リクエストから成果の提供までの可視化と、タスク・課題・プロジェクトなどの進捗測定に重点を置いています。それは、業務リクエストの管理、進捗の追跡、リソースの配分、キャパシティの計画、プロジェクトデータの収集を一元的に行える場所であり、あらゆる関係者に合わせて柔軟に可視化を提供できます。

プロジェクトマネージャーへの実践的なアドバイス

  1. 待つことは決して良い選択肢ではない。 優れた関係者管理には、問題が深刻化する前に予測し、対処する姿勢が求められます。問題が明らかになるまで待っていては手遅れになることが多く、対処も困難になります。
  2. 常に解決策を提示する。 問題を提起するなら、必ず解決策も提示しましょう。解決の糸口もなく課題だけを持ち出すのは、関係者に「今すぐ解任してください」と言っているようなものです。プロジェクトマネージャーにとって、解決策を見つけることは職務の一部です。
  3. 必要なアクションを明確に指定する。 関係者に対応を求める場合は、それが自明であるとは限りません。実施すべき内容とタイミングを、箇条書きで改めて提示してください。
  4. 常に「イエス」と答える。 ただし、その「イエス」にどれだけのコストがかかるかは、必ず理解してもらう必要があります。スポンサーや関係者は「ノー」と言われることを好まないため、否定するのは避けましょう。リクエストにかかるコストを正しく理解してもらいましょう。「イエス」と言う価値があるかどうかを、彼ら自身が判断できるようにすることが重要です。
  5. 報告を止めない。 認識こそが現実です。関係者が「何もしていない」と感じれば、それは事実と見なされます。次に処分の対象になるのが自分にならないよう、常に備えておきましょう。多くの組織では、関係者の関心は長く続きません。関係者に長期的な忍耐を求めるプロジェクトは、途中で停滞し、最終的に失敗に終わる傾向があります。3〜4週間程度の短いサイクルで継続的に価値を提供することで、関係者の関心と関与を維持できます。

Adobe Workfrontが支援します

効果的なプロジェクト管理は、生産性の向上と目標達成に不可欠です。共通の課題に対応し、ワークフローを統合して可視性を高めるツールを導入することで、チームはより効率的に業務を進めることができます。Adobe Workfront は、業務プロセスの効率化と組織の成果創出を力強く支援します。

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