メールマーケティングとは?基礎知識やメリット、効果的な手法を紹介

メールマーケティングとは、メールを通じてコミュニケーションを図り、集客やコンバージョンの獲得へとつなげるマーケティング手段のひとつです。最近はLINEやFacebook Messengerなどが広く浸透したこともあり、ユーザーの行動様式やチャネルにも変化がありました。そのため、メールマーケティングは、もう古いマーケティング手段という声も一部では聞かれます。
しかし、メールマーケティングは決して古いマーケティング手段ではなく、現在もさまざまなチャネルと組み合わせて活用されている、有力な施策のひとつです。
ここでは、メールマーケティングに関する基礎知識や主な手法のほか、効果的にメールマーケティングを活用するための方法などについて詳しくお伝えします。

目次

  • メールマーケティングとは?
  • メールマーケティングを行うメリット
  • メールマーケティングの主な手法
  • メールマーケティングの実施方法
  • メールマーケティングの基本的な戦略
  • メールマーケティングを効果的に行う方法
  • メールマーケティングの成功事例
  • メールマーケティングは再び注目を集める施策

メールマーケティングとは?

メールマーケティングとは、あらかじめ用意した配信リストに対してメールを配信し、集客や商品およびブランドのファン育成、サービスの購入などの目的を達成するための施策です。
メールは元々、1対1のコミュニケーションツールで、それが企業のメール配信では1(企業)対n(配信リスト)となりました。近年のメールマーケティングでは、このメール配信を個々の配信先のタイミングや趣向に合わせて最適化しようという動きが見られます。

メールマーケティングとは?

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メールマーケティングを行うメリット

次に、メールマーケティングに期待できるメリットについて見ていきましょう。

紙のダイレクトメールよりも、低コストで始められる

メールマーケティングで必要となるのは、配信システムや効果検証のためのツールにかかる費用です。数千円から利用できるものもあり、印刷代等がかかる紙のダイレクトメールよりも圧倒的に低コストでスタートすることができます。そのため、中小企業や個人事業主の方でも導入しやすいでしょう。あまりコストをかけずに、1回の配信で数十~数十万人へメッセージを送ることも可能です。

ユーザーの属性に合わせて、メールの内容や配信頻度を変えられる

メールの内容や配信のタイミング、配信頻度などを、ユーザーの属性に応じて設定できるのもメールマーケティングのメリット。紙のダイレクトメールよりも、低コストで柔軟に対応することが可能です。
また、「商品ページを見たユーザーにクーポンを送る」といったように、インターネットと相性の良いマーケティング手法でもあります。メールには、企業やブランドのSNSやコーポーレートサイト、サービスサイトなどへのリンクも記載できるため、ほかのメディアとの相乗効果も期待できます。

効果検証がしやすい

メール送信後の効果を検証しやすいのも、メールマーケティングのメリットのひとつです。 効果検証ツールを導入すれば、メールの到達率や開封率、CTR(クリック率)、CVR(コンバージョン率)、配信停止率などのデータをすぐに確認することができます。このデータをもとにPDCA(計画、実行、評価、改善)サイクルを回すことで、施策の精度を効率的に高めることが可能になります。

メールマーケティングの主な手法

メールマーケティングには、メールマガジン以外にもターゲティングメールやステップメール、リターゲティングメールといった手法があります。
目的に適した手法を選ぶためにも、それぞれどのような手法なのか、配信対象や適したメール内容などの違いを確認しておきましょう。

メールマーケティングの種類

メールマガジン

メールマーケティングの代表的な手法が、全顧客が対象となり、キャンペーンや新商品の告知などを行うメールマガジンです。会員登録したユーザーに対して、メールで情報を一斉配信します。

ターゲティングメール(セグメントメール)

ターゲティングメールは、誕生日や店舗限定クーポンなどを、条件に適したユーザーへ送るメールです。メールの内容に応じて配信対象が限定されますが、取得したユーザー情報をもとにユーザー属性を判断し、配信対象を決められます。ユーザー属性に適したオファーをすることで、アクション率の向上が期待できます。
配信対象を区分する作業は、メール配信システムやメールマーケティングツールが役立つでしょう。

ステップメール

「資料請求者」や「商品購入者」といった条件に該当するユーザーへ、配信するタイミングを設定した上で、複数のメールを段階的に配信する手法です。
資料請求者には追加の情報発信、商品購入者にはサンキューメールやアンケートといったように、ユーザーの段階に相応じたメールを適切なタイミングで送信することで、成約やリピートにつなげます。

ステップメールについて、詳しくは下記のページでご紹介しています。

リターゲティングメール

リターゲティングメールでは、条件に該当するユーザーへ、条件に適した内容のメールを配信します。例えば、「商品ページを見たユーザーにクーポンを送る」「カートから離脱したユーザーにリマインドする」といった手法も、リターゲティングメールに該当します。リターゲティングメールをきっかけに、サイトや商品ページへの再来訪を促すことが期待できるでしょう。

メールマーケティングの実施方法

ここまでお伝えしたように、メールマーケティングでもアプローチ手法がいくつかあるため、実施する手法によってフローや必要なツールが異なります。しかし、ユーザーに対してメールマーケティングでコミュニケーションをとるための、基本的な流れは共通しています。
ここでは、基本的なメールマーケティングの手順を見ていきましょう。

1. 目標設定

まずは、メールマーケティングを行う目的や解決したい課題をもとに、具体的な目標を設定しましょう。
その際、最終目標となるKGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)と、KGIを達成するための指標となるKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)を設定すると、明確な目標を定めやすいです。
例えば、「メール経由での資料請求を月◯件に増やす」とKGIを決めたら、KPIではそれに応じてメール到達率や開封率、CTR、CVRなどを設定していきます。

目標設定

2. メールアドレス獲得、配信リストの作成

続いては、メールの配信先となるユーザーのリストを作成します。
配信先を増やすためには、名刺交換やアンケート、資料のダウンロード、メールマガジンへの登録促進などが有効です。その際、取得するユーザー情報が多いほどユーザー属性を振り分けやすくなり、より精度の高いマーケティングに役立つでしょう。

3. メール作成

どんなユーザーに配信するのかを考え、配信するメールを作成します。
本格的にメールマーケティングを実施するのであれば、ペルソナとカスタマージャーニーを設定した上で、この作業を行います。ユーザーが必要としている情報やコンテンツをメールで届け、ユーザーを育成していく流れが、理想的なメールマーケティングといえるでしょう。

4. メール配信

ここまで準備ができた時点で、実際にメールを配信します。
大量のメールを配信し、管理するメールマーケティングでは、メール配信ツールやメール配信機能を搭載したMA(マーケティングオートメーション)ツールの活用がおすすめです。自社のマーケティングの目的や課題に応じて、最適なツールを選びましょう。

5. 効果測定および検証、改善

メール配信後は、メール配信ツールやMAツールの分析機能を使って、効果測定を行いましょう。あらかじめ設定した目標をもとに、メール到達率や開封率、CTR、CVRなどの達成率を確認します。
また、ユーザーの受信拒否による配信数の減少などの、データ分析も行いましょう。分析結果から改善点を洗い出していきます。
例えば、開封率が目標の数値よりも低ければ「もっと興味を持ってもらえる件名に変更しよう」「開封してもらいやすい曜日や時間帯に配信しよう」といった改善案が出てきます。
改善したら、再度目標設定へ戻って繰り返し、自社に最適なメールマーケティングのストーリーや戦略を構築していきましょう。

メールマーケティングの基本的な戦略

メールマーケティングで失敗しないためには、基本的な戦略の理解が不可欠です。
続いては、メールマーケティングを実施する際に心掛けたい、5つのポイントを見ていきましょう。

単発ではなく、中長期的にシナリオを考える

メールマーケティングとは、1回配信したら完了するものではなく、中長期的に行う施策です。継続的なメール配信は、ユーザーの購買意欲を高めるのに必要不可欠です。メールマーケティングで成功している企業のほとんどすべてが、定期的なメールマガジンやステップメールを活用しています。ユーザー側も、メールを複数回受け取り続けることで、徐々に購買意欲が高まっていきます。

目的に合ったユーザーに絞ってメールを配信する

一度のメール配信で、なるべくたくさんのユーザーへ情報を届けたほうが、効率的と思えるかもしれません。しかし、どれだけ多くのユーザーへ配信しても、ユーザーは興味のない情報にアクションを起こすことはありません。目的やメールの内容に合わせて配信先を絞らなければ、そのメールは無駄となってしまう可能性が高いのです。
リストの数だけを追わず、あくまでメールの内容や目的に合わせて配信対象も限定することが大切です。

ユーザー属性に合ったメールを配信する

メールマーケティングは、ユーザーから一度でも「興味がない」「関係ない」と思われると、配信拒否されてしまう可能性が高い手法です。
そのため、件名やコンテンツなどを工夫した上で配信先リストを細分化し、「欲しかった情報だ」「自分向けのコンテンツだ」と思ってもらえるようなメールを送ることが重要となります。

目的に合ったタイミングでメールを送信する

開封率を高めるためには、メールを配信するタイミングも重要です。
配信するユーザーの属性をもとに、何曜日の何時頃が最もメールを開封し、読んでもらいやすいタイミングなのか、仮説検証を繰り返して精度を高める必要があります。

A/Bテストを実施して改善を図る

メールマーケティングの効果検証では、件名のほか、本文のURLや画像の位置、差出人名、配信のタイミングなどについて、「こうしたらもっと良いかもしれない」という複数の仮説が出てきます。
その仮説の検証に役立つ方法が、2つの異なるパターンを実際に試して、どちらのほうが高い効果を示すのかを検証するA/Bテストです。メール配信の効果分析結果から複数の仮説が出た際には、A/Bテストを活用して改善につなげていきましょう。

メールマーケティングを効果的に行う方法

メールマーケティングの効果を高めるためには、メール配信機能を搭載したMAツールの導入がおすすめです。
また、MAツール提供企業のサービスも併せて活用することで、より効率的に施策を進めることが期待できます。

MAツールを導入する

MAツールは、営業マーケティング施策の自動化や、収益プロセス全体の効果測定を実現するためのマーケティングプラットフォームです。
MAツールには、メールマーケティング、ランディングページおよびフォームの作成、キャンペーン管理、リードナーチャリング/スコアリング、リードライフサイクル管理、CRM統合、ソーシャルマーケティング機能、レポーティング機能など、マーケティング精度やマーケターの作業効率の向上に役立つさまざまな機能が搭載されています。

なお、上記のようなマーケティング全体の作業効率化に役立つMAツールとは別に、メール配信に特化したツールもあります。
「自社ではすでにメール配信ツールを活用しているから大丈夫」と思われるかもしれません。しかし、マーケティングツールが個別に社内に点在していると、それぞれの施策に無駄な作業が発生したり、ツールごとにユーザーのデータが分断されてしまったりといった、不都合が生じるリスクが高くなってしまいます。
マーケティング全体に役立つ機能を備えたMAツールを導入すれば、メールマーケティングを含めたあらゆる施策の作業効率化につながるでしょう。

https://main--bacom-blog--adobecom.hlx.page/jp/blog/fragments/offer-marketo-dg2ma

MAツール提供企業のサービスも利用するとさらに効率的

MAツール提供企業のコンサルティングやサポートサービスを利用すると、さらに効率的に施策を進められます。
例えばアドビでは、MAツールの「Marketo Engage」を導入していただいたお客様に対して、さまざまなニーズに対応できるよう、次のような支援サービスをご提供しています。

初めてMAツールを導入するという場合は特に、初期導入支援サービスなどがついたものを選ぶことをおすすめします。

メールマーケティングの成功事例

最後に、メール配信業務効率化のために、アドビのMAツールMarketo Engageを導入した特定非営利活動法人かものはしプロジェクトの事例をご紹介します。

NPO法人の運営資金を集めるために、サポーター会員を増やしたい

かものはしプロジェクトは、「子どもが売られない世界」を目指して、カンボジアやインドで活動を行う認定NPO法人です。運営資金のおよそ半数を個人のサポーター会員による寄付が占めており、イベント来場者に対して直接コミュニケーションをとることで会員を集めていたとのこと。
しかしこの手法だけでは、住所や時間的な都合でイベントに参加できない潜在層を取りこぼしてしまうという課題を抱えていました。

手作業のメール配信でミスが多発

アドビのMarketo Engageを導入する前は、イベントのリマインドメールや、寄付のオファーを行うフォローメールの配信は、すべて手作業で行っていました。
インターンの大学生が授業の合間に行っていたこともあり、「メールの内容にまで気が回らない」「日付を間違う」といったミスも頻発していました。これらの作業を自動化できるのではないかと、Marketo Engageに興味を抱いたそうです。

MA導入で業務が効率化し、開封率やCTRが改善

Marketo Engage導入後は、メール配信にかかる作業時間が3分の1に短縮。Marketo Engageなら、メールの複製も可能で、マスターを書き換えておけば日付を間違えることもありません。
作業時間を短縮できたことで、コンテンツの拡充にも着手することができました。ユーザー属性に合わせたメールを届けられるようになり、開封率が最大89%、平均70〜80%にまで改善し、CTRも2倍に。メールの開封率が4倍になったため、トータルではCTRが8倍になりました。

今後はMarketo Engageを活用した採用活動や、会員の生涯寄付単価の向上を目指した施策の強化も視野に入れているとのことです。

メールマーケティングは再び注目を集める施策

最近はMAツールの登場によって、より精度の高いマーケティングが可能となり、メールを起点としたマーケティングは再度注目を集めています。
アドビのMAツールMarketo Engageは、メールキャンペーンをスピーディーかつ簡単に作成できることはもちろん、お客様の行動に応じてメールを配信したり、パーソナライズメールで成果向上を後押ししたりと、メールマーケティングの効率化に役立つ機能が充実しています。また、必要なときにメールマーケティングのパフォーマンス指標を確認することも可能です。

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次のステップ

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