マーケティングオートメーションチームはどのように構築すべきか?
アメフトのシーズンになると、適切なチームとその構成が、いかに成功を導けるかを考えることがあります。実のところ、アメフトのチームはマーケティングオートメーションチームにとてもよく似ているんです。才能のあるプレーヤーが必要なのはもちろんですが、特化した役割、チーム内部での調整、適切な戦略も必要です。
私はマルケトのカスタマーサクセス/アカウントマネジメントチームのリーダーを務めていますが、新任のCMOやマーケティング担当副社長、マーケティング/リード獲得担当部長からよく聞かれる質問の一つに、「マーケティングオートメーションチームはどのように構築すればよいですか?」というものがあります。
この質問については、企業の規模、リソースおよび予算、達成目標など、個々の条件によって変わってきます。とはいえ、どんな新チーム構築にも役立つ事例とインサイトはあるので、いくつかご紹介します。
マーケティングオートメーションチームの基本的な構成
さまざまなお客様と規模の企業を見てきましたが、一般的にマーケティングオートメーションチームの構成は下のような形をお勧めしています。
小さな企業では、こうした役職の多くは兼任されています。マーケティングオートメーション(MA)を利用すれば、たとえ責任者(アナリティクスも担当)とコンテンツ/リード育成マネージャーの2人だけだとしても、すばらしい成果が出せるでしょう。プログラムとテンプレートをコピーして使うことで、小さなチームでも大企業に劣らないマーケティングオートメーションを行うことが可能です。
マルケトには、これよりもはるかに大きなチームがあります。責任者であり、アナリティクスも扱うマーケティング担当者は6名いて、リード獲得・育成プログラムには10名が配属されています。そのうち3名はイベントマネージャーであり、1名はウェビナー担当、また別の1名はリード育成およびエンゲージメントを担当しています。これらの担当者が、自らコンテンツを作成します。また、マーケティングオートメーションチームを支援する4名からなるクリエイティブサービスチームも存在します。
高い管理力: Websenseのチーム構築方法
Websenseは、データセキュリティ業界における世界的リーダーです。強力なチーム構成と知識豊富なマネージャーを有し、マーケティングオートメーションの活用に成功しています。Websenseのマーケティングオペレーションマネージャーのクリスタン・ハットー氏は、「当社のような小規模チーム(3名)でも、企業キャンペーンや、各地域のマーケティングプログラムを担当するグローバルマーケティングマネージャーを支援することができます」と述べています。ハットー氏の説明によると、同社のチーム構成は次のようなものです。
- マーケティング活動マネージャー : マーケティングオートメーションの統括マネージャー兼責任者(常勤1名)
- Eメールの専門家 : 世界中に送るEメールのプログラム/キャンペーンをすべて計画・作成(常勤1名)
- MARCOMチーム : 世界中のマーケティングチームの全Eメールを作成し、翻訳を管理(常勤2名)
- ウェブチーム : 各国語ウェブサイトのランディングページ/フォームを作成(常勤1名)
- アナリティクスの専門家 : レポートとアナリティクスの管理。現在はマーケティング活動担当者が兼任(常勤1名)
- ITサポート : CRM/マーケティングオートメーションの統合/最適化(常勤1名)
ハットー氏が上記で紹介しているのは、常勤3名から構成されるマーケティングオートメーションの「コア」チームです。コンテンツとクリエイティブについては、マーケティングコミュニケーション/ウェブチームのサポートを受けるという方法をとっています。
野心的かつ効率的: Spear Marketingのチーム構築方法
Spear Marketingは、クリエイティブで戦略的な需要創出とリード育成を専門とする、フルサービスのB2B企業です。キャンペーンの規模と活動の量にもよりますが、社長のハワード・シーウェル氏は次の構成を勧めています。
- CRM責任者1名
- テクニカルプログラムマネージャー1名(HTML/Eメールキャンペーンの立ち上げ)
- Eメールマーケティングマネージャー1名(ストラテジスト/コンテンツライター)
- 需要創出マネージャー1名(ライフサイクル戦略/コンテンツ/キャンペーン担当)
Eメールキャンペーンの計画と立ち上げはフルタイムの仕事になりえますが、組織の規模によってはSalesforce.comの担当者(1番目)とテクニカルEメールコーディネーター(2番目)は同じ人物が兼任することもできます。
それぞれどのような役割を果たしているのか?
役割とは、実際どのようなものでしょうか? 各役割で求められる経験レベルも合わせて、紹介します。
マーケティングオートメーション責任者
マーケティングオートメーションマネージャーは、導入するプラットフォームのいわば伝道師にあたります。ベストプラクティスと研修を計画し、マーケティングマネージャーと協力して100%の導入を達成し、マーケティングオートメーションのフル活用を目指します。マーケティングオートメーション責任者は、マーケティングオートメーションについて深い知識を持った人物でなければならず、パイプラインと収益へのマーケティング活動の貢献度を向上させ、それを実証することが求められます。リード獲得プログラム、Eメールマーケティングのベストプラクティス、インバウンドマーケティングに関する豊富な経験が不可欠といえます。また、ビジネスプロセスを継続的に改善し、マーケティングとセールスの協力体制を向上させたという実績も必要です。
コンテンツマネージャー
コンテンツマネージャーはスマートで魅力的なコンテンツを作成し、戦略的・戦術的なマーケティング・販売施策を支える役割を担っています。デザイン、リード獲得、製品チームと密に連携を取ることで、できるだけ大きなインパクトと成果を生むマーケティングコンテンツと販促用品を作成します。クリエイティブで柔軟性と熱意を持ち、タイトな納期でも対応できる能力が求められます。また、コンテンツマーケティング戦略とアナリティクス活用法に通じていて、実績を測定し最適化できることも重要です。
リード育成マネージャー
リード育成マネージャーは、顧客経験全体にわたって顧客とのコミュニケーションの発展を担当します。コンテンツマネージャーと連携して、適切なコンテンツを購買サイクルの適切な位置に配置します。これは重要な役割といえます。うまくいけば、育成されたリードは育成されていないリードに比べて販売機会を20%拡大します。この役割を担う人物は、購買者と利用者のペルソナを理解し、ワークフローの立案に長けている必要があります。
アナリスト
Heinz Marketingのブライアン・ハンスフォード氏は、アナリストの役割を次のように説明しています。「アナリストは収集・分析・報告すべき適切な情報を把握している必要があります。また、マーケティング情報を考察・解釈して、それをあらゆるレベルの管理職に有益な形で伝えなければいけません。アナリストとマーケティングオートメーションマネージャーは密に連携を取り、データセットを検討して仮説をテスト。CMO、CFO、CEOにとって有益な情報をマーケティングオートメーションとCRMシステムによって確実に獲得することが求められます」
*この記事は、2014年1月にMike Stockerが投稿した内容を翻訳した記事です。
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