ランディングページ
用語集:用語
クイック定義
ランディングページ(LP)とは、主に訪問者を見込み客に転換するために構築された、独立したwebページのことです。電子メールや広告などのCTAから、訪問者をこのページに誘導します。
重要ポイント
● 効果的なランディングページには、明確なひとつのメッセージと、分かりやすいひとつのCTAが用意されています。
● マーケターは、ランディングページのテンプレートを使用して、迅速かつ簡単に展開できます。
● ランディングページ戦略は、カスタマージャーニー全体の戦略、特にリードジェネレーションやエンゲージメント、顧客維持に関する戦略と一致している必要があります。そのため、ランディングページのコンテンツは、それらに合わせて調整しなければなりません。
● ランディングページは一般的なものであり、ブランドを差別化するための場所ではありません。むしろ、よりユニークな顧客体験への扉を開くための効果的な基本戦術です。
● 将来的に、ランディングページはブランドのwebサイトと統合されるようになります。そのため、マーケターは、より包括的なエクスペリエンスの一部として、ランディングページに取り組むようになります。ランディングページのパーソナライゼーションは、より高度で洗練されたものになるでしょう。
ランディングページに関する様々な疑問に、Daniele Mariottが回答します。Danieleは、デザイン、マーケティング、製品管理の分野で15年以上の経験を持ち、自身を芸術家肌の現実主義者と称しています。アドビのwebプロダクトマネージャーとして、チームと協力して、スマート製品の優先順位を決め、webコンテンツを改善しています。
質問:ランディングページとは何ですか?
回答: ランディングページ(LP)とは、主に訪問者を見込み客に転換するために構築された、独立したwebページのことです。電⼦メールや広告などのCTAから、訪問者をこのページに誘導します。
質問:ランディングページとホームページの違いは何ですか?
回答: webサイトのホームページには、そのwebサイトのあらゆるものが詰め込まれています。多くのwebページにリンクしており、訪問者は自由に移動できます。**** ランディングページとは異なり、より幅広いオーディエンスに向けてデザインされています。
ランディングページは、広範なwebサイトの中で特定の目的を持っています。広告などから、訪問者を直接ランディングページに誘導するため、訪問者は自分でホームページに入ってランディングページを見つけ出す必要はありません。ホームページには、訪問者がおこなえる様々なアクションがあり、通常、多くの目的が競合しています。しかし、ランディングページには、明確なひとつのメッセージと、分かりやすいひとつのCTAだけを用意します。
質問:ランディングページを作成するにはどうすればよいですか?
回答: ランディングページを作成するには、まず潜在顧客を調査し、その人たちがどのようなオファーに興味を持っているかを知る必要があります。ランディングページは、顧客をコンバージョンに導く機会ですが、ランディングページが伝えるべき唯一のメッセージは何かを考える必要があります。
次に、その唯一のメッセージをサポートするコンテンツ戦略の枠組みが必要になります。これにはいくつかの方法があります。Adobe Experience Managerのようなコンテンツ管理システム(CMS)を使って、ランディングページのテンプレートを作成できます。CMSにテンプレートが用意されていると、基本的なランディングページの作成はとても簡単です。テンプレートを複製し、新しいコンテンツを挿入するだけで公開できます。とはいえ、注目度の高いキャンペーンなどでは、独自の画像やコンテンツを使用したランディングページをゼロから作成したほうがよい場合もあります。
ランディングページのテンプレートが完成したら、リードキャプチャツールをページに組み込みます。リードキャプチャツールとは、Adobe Experience ManagerやAdobe Commerceに用意されているフォームなどのことです。
質問:ランディングページの要素にはどのようなものがありますか?
回答: ランディングページで最も重要な要素は、メインのメッセージです。メッセージは、明瞭かつ簡潔で、わかりやすいものでなければなりません。ただし、例外があり、コンバージョンのためではなく、検索エンジン最適化(SEO)のために作成されたランディングページはページランキングのために長いコンテンツが必要になる場合があります。
メッセージと一緒にオファーも必要です。オファーは、特別なレポートやプレゼンテーション、ウェビナー、ニュースレターの登録などが考えられます。
ランディングページの最後の要素は、登録フォームです。このフォームで、個人情報や連絡先を収集することで、マーケターがその利用者をセールスファネルに導くことができます。
利用者がフォームを送信すると、確認ページが表示されます。確認ページでは、情報の共有に感謝し、メール送信、リンク共有、ダウンロード開始などのオファーを提供します。確認ページには、利用者をwebサイトの新しい部分や、関連コンテンツの別のランディングページに誘導する次のステップが用意されていることもあります。
質問:ランディングページを最適化するにはどうすればよいですか?
回答:パーソナライゼーションはランディングページを最適化するための最良の方法のひとつです。しかしそれは、ニーズを重視していると捉えられるのか、データを乱用していると捉えられるのか、利用者からの判断が分かれる方法でもあります。マーケターがランディングページのパーソナライゼーションに取り組む際には、既に利用者との関係を深めるための情報を獲得しているのか、潜在顧客に関する情報を獲得していることを明らかにする状況か、といったことを確認してからおこなうべきです。
マーケターは、最適なユーザーエクスペリエンスを提供するために、簡単なA/Bテストをすばやく実行して、ランディングページのレイアウトを最適化することもできます。大規模なキャンペーンでは、ユーザー調査をより広範囲に実施できます。見出しやボタンの色など、ランディングページの小さな要素もテストできます。
最後に、webコンテンツのアクセシビリティを最適化することも忘れないようにします。サイトでスクリーンリーダーを利用できるようにし、その他にも、視覚面だけでなく、音声面でのユーザーエクスペリエンスを考慮します。
質問:ランディングページの戦略にはどのようなものがありますか?
回答: ランディングページの戦略は、全体的なカスタマージャーニーと連携させる必要があります。顧客がセールスファネルのどの段階にいるかによって、アプローチの方法は異なります。
リードジェネレーション戦略: 利用者がブランドやコンテンツに興味を持ち始めた段階では、リードジェネレーション戦略が効果的です。この戦略では、顧客がセールスファネルの初期段階にいることを考慮し、情報を共有してブランドと関わりを持ちたいと思わせるような魅力的で価値のあるオファーを提供することに重点を置きます。
エンゲージメント戦略:顧客は、一度提供した情報を、後で何度も入力したいとは思いません。エンゲージメントに向けたランディングページ戦略では、利用者が興味を持った最初のコンテンツと同様のオファーに重点を置きますが、利用者に様々な情報を再度要求することはしません。目的は、何度も訪れてもらい、付加価値を与え続けることです。
リテンション戦略:顧客維持を目的としたランディングページは、利用者がブランドとしばらく関わっていない場合に有効なアイデアです。この戦略を重視したメッセージには、「お久しぶりですね。お客様にぴったりのオファーがあります」といったメッセージが考えられます。このようなランディングページを使用して、魅力的なエンゲージメントを提供し、アクティブでない顧客の時間を価値あるものにして、セールスファネルに引き戻します。
質問:ランディングページにはどのような利点がありますか?
回答: マーケターは、ランディングページを迅速に自動化して、様々なペルソナに向けたメッセージを共有する効率的な手段を構築できます。ランディングページを使用すれば、コンテンツを小さく効率的に分割できるので、マーケティングキャンペーンがより管理しやすくなります。1隻の大きなクルーズ船を出すよりも、たくさんの小さな船を出す方が簡単です。
顧客にとってもランディングページのメリットがあります。ランディングページの形式は、オプトインするかどうかの選択権を顧客に提供できます。顧客は、価値のあるコンテンツを受け取れば、ブランドと適切なスタートを切り、お互いに有益な関係を築くことができます。
質問:ランディングページのデメリットは何ですか?
回答: ランディングページは、複製や公開がとても簡単なため、インターネット上には同じような見た目のページがあふれています。ランディングページ戦略の最適化が進められたことで、今や暗黙の了解となっている世界共通のテンプレートが登場しています。しかし、これは決してデメリットではありません。マーケターは、ランディングページがブランドを差別化するための場所ではないことを理解する必要があります。むしろ、ランディングページは、独自の体験への扉を開く、顧客エンゲージメントの基本戦術なのです。
質問:ランディングページは今後、どのように進化していきますか?
回答: 一般的にランディングページは、主要なメッセージとCTAに的を絞ってデザインされています。webサイトの他の部分に共通するナビゲーションやフッターなども削除して、ページから離れにくくしています。しかし、その戦術が変わりつつあります。
今後、ランディングページはブランドのwebサイトとの統合が進み、マーケターは、より包括的なユーザーエクスペリエンスとして捉え、ランディングページに取り組むことになるでしょう。顧客には、ランディングページのオファーに興味を持ってもらうだけでなく、webサイトの他の価値ある情報にも触れてもらいたいはずです。マーケターがランディングページのコンバージョン率を気にかける傾向は減少し、その代わり、顧客が自由にナビゲーションできることを重視するようになるでしょう。
また、ランディングページのパーソナライゼーションは、より詳細で、洗練されたものになっていくでしょう。Adobe Real-time CDPのようなツールを使えば、マーケターは、高度なパーソナライゼーションを実現するための統合された顧客プロファイルを 手にすることができます。こうした情報があれば、ランディングページで一度にあらゆる顧客情報を入手する必要はありません。ランディングページは、コンバージョンのための目的地ではなく、より広範なデータ収集とエンゲージメント戦略の一部として活用することができます。