プログラマティック広告:概要からベストプラクティスまでを徹底解説

プログラマティック広告、またはプログラマティックマーケティングという言葉を耳にしたことがありますか?難しそうに聞こえるため、どこから始めればよいのかわからない人もいるでしょう。

プログラマティック広告とは、モダンな広告手法のひとつです。その詳細を理解すれば、それほど複雑な仕組みではありません。規模を問わず、あらゆる企業が広告リソースを最大限に活用するための、包括的な要素を備えています。

本記事では、基礎から実践的なノウハウに至るまで、プログラマティック広告を包括的に解説します。

プログラマティック広告とは?

プログラマティック広告とは、ツールを利用してデジタル広告の売買を自動化することです。 AI(人工知能)を利用して、マーケターと媒体社の連携、関連するデータの収集、入札などの反復作業を自動化することで、マーケティング部門の負担を軽減することができます。

広告運用におけるAIの活用は、拡大しています。Statistaによると、メディア予算の54%が、プログラマティックメディアの購入に割り当てられています。また、Insider Intelligenceによれば、ディスプレイ広告予算の90%が、プログラマティック広告ツールに割り当てられていることが明らかになっています。

プログラマティック広告の仕組み

まず、マーケターはプログラマティック広告ツールを使用して、ターゲットオーディエンス、予算、地理的範囲など、施策のパラメーターを設定します。続いて、広告枠やトラフィックを販売している媒体社と接触します。データツールを利用すれば、インターネット利用者のクリック操作、Cookie、キャッシュをすばやく分類し、それらの情報をもとに最適な広告枠を自動的に見つけ出して、リアルタイムで入札できます。

大規模な取引市場で、媒体社が販売している広告枠の中から、企業が自社に最適なものを求めて入札しているところを想像してみてください。そうした広告取引をデジタルで効率的におこなう仕組みを、アドエクスチェンジと呼びます。アドエクスチェンジでは、リアルタイム入札(RTB)によってデジタル広告の取引が自動化されます。

他のビジネスと同様に、デジタル広告の売買は需要と供給にもとづいています。媒体社は、広告枠とトラフィックを供給します。一方、そうした広告枠とトラフィックの需要は、広告主がどの程度必要としているかに応じて決定されます。AIを利用したツールを導入すれば、次の3つのプラットフォームを活用して、需要と供給のバランスを容易に取ることができます。

これらのプラットフォームによって、数多くの広告主、媒体社、広告ネットワークがこれまで手作業でおこなっていた広告の売買が大幅に簡素化されました。

プログラマティック広告の利点

プログラマティック広告は、さまざまな方法で有料広告を合理化します。これにより、マーケティング部門は、クリエイティブな施策や戦略的な意思決定により多くの時間を費やすことができるようになり、ブランディングと売上を向上させることができます。

効率の最大化

Google、Bing、Facebook、TikTok、Spotifyなどの複数のプラットフォームで、施策を個別に設定することは、時間と手間がかかります。そのうえ、複数のデバイスで各施策の進捗状況を追跡するとなると、プロセスはより複雑になるでしょう。プログラマティック広告を利用すれば、さまざまなチャネルで広告の売買を自動化し、より効率的におこなうことができます。

手間のかかるあらゆる作業を自動化することで、マーケターは、オーディエンスの把握、効果的な広告コンテンツの制作、今後の施策に関する戦略の策定など、より重要な課題に集中できるようになります。

ROIの向上

プログラマティック広告を導入すれば、次のような方法でマーケティング施策のROIを向上させることができます。

あらゆる施策を自動化することで、一貫性のある方法でターゲットオーディエンスとの接触を維持することができます。これは間接的に、顧客ロイヤルティの向上にもつながります。

柔軟性の強化

プログラマティック広告を利用すると、膨大な媒体ネットワークにアクセスできるようになります。それらの中から自社に適した広告をすばやく選び出し、予算を割り当てることができます。

あらゆるオムニチャネルマーケティング施策を一元管理することで、広告の全体像を把握し、その配置についてより的確な判断を下すことができます。さまざまなシナリオに応じて広告をパーソナライズし、新たな機会を逃すことなく、いつでも自動的に展開することが可能になります。

また、広告支出を柔軟に管理することができます。まずは最小インプレッション数で入札し、様子を見てみましょう。媒体社と事前に交渉して契約を締結する必要はないため、進捗状況に応じて条件を変更することも可能です。

広告ターゲティングの改善

ParcelLabの調査によると、買い物客の49%が、デジタル広告のターゲティングが不適切であると回答しており、同じく42%が、不適切なマーケティングコンテンツを受け取った場合は直ちに登録解除すると回答しています。これは、ターゲティングを適切におこなうことで、大きな機会を獲得できることを示唆しています。

プログラマティック広告は、オーディエンスのデモグラフィック情報や行動にもとづいて、広告を的確にパーソナライズし、さまざまなデバイスやメディアで配信するのに役立ちます。最新のインサイトを活用して顧客プロファイルを作成することで、バイヤーズジャーニー全体にわたって、ターゲットを絞った施策を展開し、その成果を計測できます。

プログラマティック広告プラットフォームとは?

プログラマティック広告プラットフォームとは、媒体社とマーケターが広告枠を売買するための基盤です。次の4種類があります。

マーケターは、優れたDSPを見つけることが最初の課題となります。続いて、アドエクスチェンジを通じてDSPとSSPを連携させます。この作業は比較的容易です。

DSPを選定する際は、主に次の能力を考慮する必要があります。

  1. 施策管理の効率化: 一部のDSPは、特定のメディアタイプに制限されており、顧客の全体像を把握することが困難になる可能性があります。そのため、施策の設定を最大限制御できるDSPを選ぶことが重要です。また、一括編集や柔軟なスケジュール設定など、時間の節約につながる機能を備えているDSPを見つけましょう
  1. データの処理能力: 技術的には、DSPでデータを処理するために、DPMを使用する必要はありません。しかし、データはDSPの中核を成す要素です。関連性の高いあらゆるデータにアクセスできる環境を整えるには、DMPを備えたDSPを採用することが推奨されます
  1. 追跡能力およびレポート能力: DSPは、あらゆる広告チャネルでパフォーマンス指標を分析できる、単一のダッシュボードを備えている必要があります。優れたDSPは、リアルタイムのレポート機能を提供できます。

プログラマティック広告を成功させるためのベストプラクティス

DSPを選定したら、マーケティング施策に着手します。その際、次のベストプラクティスを考慮する必要があります。

最初に目標とKPIを設定する

広告枠とトラフィックの購入プロセスを自動化したとしても、施策の財務的目標と優先課題を把握するという責任から逃れられるわけではありません。KPIを設定することで、適切な広告購入プロセスを構築し、訪問者数、ページ閲覧数、ログイン回数、CTAクリック数など、各指標のレポートを正確に把握して、目標の達成に向けた進捗状況を追跡できます。

小規模に始める

プログラマティック広告に初めて取り組む場合は、小規模に始めることが重要です。これにより、プロセスを把握し、その各段階で目標を達成できているかどうかを判断しやすくなります。KPIにもとづいて施策の目標を設定し、各指標の成果を追跡しましょう。

自動処理を管理する

プログラマティック広告の大きな利点は、施策を自動化できることです。しかし、そのまま放置していよいというわけではありません。その進捗を確認する必要があります。DSPの機能を確認し、アトリビューションなどの主要な測定結果を追跡することが重要です。

施策全体を管理するのは、機械ではなく人間です。マーケターの洞察力とAIツールを融合させて、両者の健全な関係を築きましょう。

不正防止に努める

Juniper Researchによれば、2022年の不正行為による経済的損失は、米国だけで230億ドルに達すると予測されています。不正行為の多くは、トラフィックボットを通じておこなわれています。しかし、不正行為を恐れて、プログラマティック広告を敬遠すべきではありません。DSPにセキュリティ機能が搭載されており、トラフィックが本物で、広告の配置が有意義なものであることを確認する必要があります。

もうひとつの課題は、顧客のプライバシーです。Chapman Universityの調査によると、消費者の26%が自身と関連性の高い広告を望んでいる一方で、多くの消費者が自身の個人情報の使用方法に懸念を抱いていることが明らかになっています。そのため、自社の広告がプライバシー規制を遵守していることを確認することが重要です。

ターゲットを絞った質の高い広告を制作する

DSPのデータ処理能力とターゲティング機能を最大限活用して、特定のオーディエンスに的を絞った広告を制作しましょう。優れたDSPを利用すれば、デモグラフィック情報や行動パラメーターを包括的に把握し、デバイスやプラットフォームに捉われることなく、バイヤーズジャーニーに沿って広告をパーソナライズできます。

プログラマティック広告を始めましょう

プログラマティック広告を導入すれば、膨大な媒体社とつながり、より多くの顧客に広告を配信することができます。施策の管理能力が向上し、かつてないほど的確なターゲティングが可能になります。さらに、予算に応じて入札を調整できるため、少額の投資で始めることができます。

プログラマティック広告を始める第一歩は、最適なDSPを選定することです。

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