CRM施策を行うメリット
では、CRM施策によって顧客に関するデータを一元化し、顧客中心の事業戦略を立案して営業プロセスを管理していくことには、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
見込み客の購買意欲を高める
マーケティングの場では、受注に至る前の顧客を「リード」と呼びます。リードは3段階に分類され、「アノニマスリード」「コールドリード」「ホットリード」の順に購買意欲が高まっていきます。
・アノニマスリード
アノニマス(Anonymous)は「匿名の」という意味。アノニマスリードは、潜在的で、個人を特定できないリードを表します。
・コールドリード
コールドリードは、イベントや展示会、自社サイトからのホワイトペーパーのダウンロードなどによって接点はあるものの、製品やサービスに対する興味や関心はそれほど高いわけではなく、今すぐ受注に結びつく可能性は低いリードを表します。メールマガジンやSNSなどで継続的なコミュニケーションを図ることで、長期的に良好な関係を維持しながら購買意欲の変化を見極め、タイミングを逃さずアプローチすることでホットリードへ育成します。
・ホットリード
ホットリードは、購買意欲が非常に高く、受注に至る可能性が十分にあるリードを表します。企業にとっては、集客から受注までの流れにおける最終段階のリードであり、「今すぐ客」とも呼ばれます。
新規獲得の場面において、CRMはリードの属性情報を蓄積し、それぞれに応じたコミュニケーションを図ることで、購入の検討を進めてもらうことを目的としています。
その結果として実現するのが、「リードナーチャリング」と呼ばれるプロセスです。リードナーチャリングとは、製品やサービスを知ったアノニマスリードがコールドリードとなってから、営業部門に引き継ぐだけで成約に至るようなホットリードへと育成するプロセスを指します。
既存顧客が離れるのを防ぐ
新規顧客の獲得は、既存顧客の維持に比べて5倍のコストがかかるといわれています。企業の売上は、既存顧客のうち2割の優良顧客によって維持されているとする「パレートの法則」からも、既存顧客との良好な関係の維持がいかに重要であるかがわかるでしょう。また、一定期間リピート購入してもらうことを前提に、「初回半額」などのキャンペーンを行っている場合も、既存顧客の維持は重要なミッションとなるはずです。
既存顧客との関係におけるCRMは、これまでの行動から蓄積された顧客の趣味嗜好、予算、生活スタイル、季節ごとの傾向といったデータをもとに継続的なアプローチをし、満足度を高めて解約を防ぐのに役立ちます。
特に、サブスクリプションモデルで一定の解約が発生するサービスでは、既存顧客の継続利用を促すためのフォローにCRM施策が有効です。顧客の好みに合った情報の提供や、クーポンなどの特典の付与で、既存顧客の維持を図ります。