ラスベガスで開催されたAdobe Summitでは、日常的な分析の強化とインサイト取得の高速化を実現する新しい分析イノベーションを紹介しました。これまで発表したものには、Adobe Customer Journey Analyticsのインサイト強化、上級管理職向けのモバイルスコアカード、派生フィールドを使用した柔軟なレポート作成などがあります。また、Adobe Customer Journey AnalyticsをAdobe Real-Time Customer Data Platform(CDP)およびAdobe Journey Optimizerと統合し、オーディエンスのターゲティングを改善しました。これらの機能により、企業はよりスマートなAI主導の意思決定を行うことができます。
今年は、いくつかの新しい機能を紹介できることを嬉しく思います。
- AIを活用したインサイトで顧客理解に革命をもたらす
- 行動インテリジェンス - B2B市場投入オーケストレーションの中心
- コンテンツ変換 - 制作とパフォーマンスのギャップを埋める
- インテリジェントなオンボーディング - 導入を合理化して、より迅速にインサイトを引き出す
AIを活用したインサイトで顧客理解に革命をもたらす
AIエージェントと顧客分析の融合により、企業は新たなレベルのパーソナライゼーション、効率性、リアルタイムの意思決定を実現できます。Customer Journey Analyticsの新AI機能として、Adobe Data Insights AgentとAdobe Marketing Agent for M365 Copilotを発表します。
- Data Insights Agent: ユーザーが自然言語でコミュニケーションを取れる会話型AIインターフェイスです。インサイトを明らかにし、レコメンデーションを提供し、ビジネスに影響を与えます。 Data Insights Agentは、信頼できるデータソースへのアクセスをユーザーに提供し、分析スキルに関係なく、共有可能で実用的なインサイトに簡素化します。
- Adobe Marketing Agent for M365 Copilot: Customer Journey AnalyticsとMicrosoft Copilotの統合により、ユーザーは簡単な会話形式のクエリで複雑なビジネスデータにアクセスできるようになります。「先月の売上を表示して」などの質問をすることで、ユーザーはCopilot経由でCustomer Journey Analyticsから関連データとビジュアライゼーションをすばやく取得できます。この統合により、高度な分析機能が日常的な業務とつながり、組織全体で情報にもとづいたタイムリーな意思決定がサポートされます。
行動インテリジェンス - B2B市場投入オーケストレーションの中心
購買グループを効果的に巻き込むには、集団での意思決定プロセスと購買グループの各メンバーの役割に対する深い理解が必要です。従来の分析では、顧客は個人として表され、その特定の顧客接点が時間の経過とともに示されます。B2Bでは、カスタマージャーニーはアカウント、商談、または購買グループのレベルで追跡され、長い販売サイクルにわたって複数の人や顧客接点が関わります。
- Adobe Customer Journey Analytics B2B Edition: Adobe Customer Journey Analytics B2B EditionによってB2Bのユースケースに対応できるようになりました。今回のリリースで、Adobe Real-Time CDPからB2Bスキーマを簡単に取り込むことができるようになり、アカウントレベルの分析がサポートされ、デジタルコンテンツ、リードのコンバージョン、セールスファネルの進捗状況など、アカウントエンゲージメントを最適化するためのガイド付き分析が提供されます。

コンテンツ変換 - 制作とパフォーマンスのギャップを埋める
マーケターは現在も、顧客を最も惹きつけるコンテンツを決定するのに苦労しています。Adobe Content Analyticsは、あらゆるコンテンツを測定し、コンバージョンへの影響を把握し、データを使用して次善のエクスペリエンスを決定するのに役立つので、ブランドの共感、リーチ、関連性を高めることができます。
- Adobe Content Analytics: Content Analyticsは、AIとマシンラーニングを活用して構造化されたメタデータプロファイルからコンテンツの属性を抽出することで、組織が顧客体験を理解するのに役立ちます。マーケターは、コンテンツの特定のアセットや属性と顧客とのやり取りやビジネス上の好ましい結果との相関関係を把握し、インサイトを得ることができます。こうしたインサイトは、コンテンツの規模を問わない効果的な最適化とパーソナライズに役立ちます。

顧客中心の分析 - レポートからオンデマンドのインテリジェンスへ
ブランドは、分析スタックを最新化し、静的なアセットから、重要な瞬間に革新的な顧客エンゲージメントを実現する動的な触媒へとデータを転換しています。
- リアルタイムのレポート: 顧客は、Customer Journey Analyticsへのデータの取り込みからレポート作成まで、遅延時間5分以内で、主要な指標をリアルタイムでレポートできるようになります。新しいパネルには、リアルタイムのヒットレベルデータ用のディメンション分類やビジュアライゼーションなどの分析ワークスペース機能が含まれます。ストリーミングメディアの顧客は、ライブイベントや主要コンテンツのリリース時のコンテンツパフォーマンスを把握するために、メディアの開始と停止をリアルタイムで把握できるようになります。
- Adobe Experience Platform Data Mirror: 顧客は、運用コストを最小限に抑え、データの遅延を削減し、Customer Journey Analyticsの価値実現までの時間を全体的に改善するために、データウェアハウスとのよりシームレスな統合の必要性を訴えてきました。Experience Platform Data Mirrorは、複数のコピーを維持することなく、データの更新を自動的に同期し、詳細な分析用のCustomer Journey Analyticsへのデータ投入プロセスを簡素化します。
- Adobe Targetへのオーディエンス公開: この統合により、ユーザーはCustomer Journey AnalyticsからAdobe Targetにオーディエンスを直接公開できるようになります。Adobe Experience Cloudのオーディエンスライブラリのコアサービスを使用し、Adobe Customer Journey Analyticsからセグメントをプッシュしてアクティベートします。これにより、Adobe Targetを使用してインバウンドチャネル上のインサイトをより迅速にアクティベートできるようになります。
インテリジェントなオンボーディング - 導入を合理化して、より迅速にインサイトを引き出す
ブランドは、従来のデジタル分析からCustomer Journey Analyticsへのシームレスな移行を、ロードマップ計画を遅らせることなく行う必要があります。次の機能により、Customer Journey Analyticsの導入が容易になります。
- データビューをまたいで共有される指標とディメンション: 共通の指標とディメンションのライブラリは、接続内のあらゆるデータビューをまたいでコンポーネント管理を簡素化するように設計されています。このソリューションの初期段階では、顧客は接続レベルで統一ライブラリからコンポーネントを読み込み、管理、デプロイできるようになります。
- 一括コンポーネント移行: Adobe Analyticsのお客様で、Customer Journey Analyticsをお使いの場合は、Adobe Analyticsで取得した価値をCustomer Journey Analyticsで再現するために、いくつかの手順に従う必要があります。一括コンポーネント移行により、データ、レポート、コンポーネント、その他の成果物を移行するための効率的なワークフローが作成され、新しい動的なチェックリストの使用を含め、Customer Journey Analyticsでより迅速に価値を引き出すことができます。
- 動的なチェックリスト: 動的なチェックリストは、Customer Journey Analyticsの設定および移行の手順を段階的に説明するものです。ユーザーは、Adobe Analyticsおよび希望するCustomer Journey Analyticsの設定に関する質問に答え、必要な機能を特定し、ガイドをカスタマイズするための追加クエリに対応します。それによって、Customer Journey Analyticsを設定、移行するための明確な計画が作成されます。
顧客は、上記の機能を使用してビジネスニーズを満たし、より多くのデータとインサイトを組織にもたらすことで、より多くの情報を得た意思決定を行うことができます。Adobe Analyticsのリリースに関する最新情報については、このページをご覧ください。