Adobe Product Analyticsによりエクスペリエンス主導の成長を加速
多くのソフトウェア製品チームは、つい最近まで、製品のローンチを成功として見なしていたことを覚えていることでしょう。製品をリリースできれば、勝利を収めたと言えたのです。ソフトウェアのリリースは、今日においても大きな成果であるはずです。しかし、エクスペリエンス主導の成長を実現するためには、完成したコードだけでなく、ユーザーエンゲージメント、リテンション、コンバージョンなど、製品だけにとどまらない、包括的な顧客体験の観点から成功を測定する必要があります。探求心に溢れ、先見性のある製品チームは、より広範なクロスチャネルのカスタマージャーニーの一部に製品データを組み込むことを求めています。
そこでアドビは、Adobe Product Analyticsをリリースしました。Adobe Product Analyticsは、製品部門がデータの分断を解消し、脅威的なスピードで顧客体験を包括的に把握できるようにする、革新的なソリューションです。当社は、膨大な時間をかけて試作、開発、ユーザーフィードバックの収集、検証を繰り返し、あらゆる製品データのニーズに対応する、優れたソリューションを完成させました。
Adobe Product Analyticsの開発に着手した当時、当社は、製品チームがAdobe Experience Cloudを活用できるようにすることを目標としていました。最終的には、製品チームの期待を上回る、優れたソリューションを生み出し、製品チームのニーズにより的確に対応できるようになりました。広範な調査と製品チームからのフィードバックの収集に時間を費やすことで、今日の市場が対応できていない重要なユーザーニーズを特定し、それらのインサイトをもとにAdobe Product Analyticsの基盤を構築しました。
セルフサービスによるインサイトの獲得
デジタル製品に対するユーザーの期待は、高まり続けています。ユーザーは、企業が自身の属性やニーズを把握し、必要なときにパーソナライズされた顧客体験を提供することを期待しています。こうした期待に応えるためには、ユーザーに関するインサイト（過去のクロスチャネルエンゲージメントなど）をすばやく獲得し、製品エクスペリエンスを向上させるために迅速に行動する必要があります。製品チームには、分断されたツールの連携を強化したり、アナリストのバックログで回答を待ったりすることに時間を費やす余裕はありません。
Adobe Product Analyticsは、1分以内にインサイトを提供することを目標として設計されています。業界初のガイド付き分析機能により、製品チームは必要なデータをセルフサービスですぐに取得できるため、時間を節約し、データ主導の意思決定を行うことができます。さらに、Adobe Product Analyticsは自然言語で回答を提供するため、データに関する知識やスキルがなくても、必要なインサイトを見つけ出すことができます。
顧客体験における摩擦を特定
ユーザーエクスペリエンスにおいて、摩擦が発生している領域を特定することは、極めて重要です。製品チームは、重要なユーザージャーニーを追跡し、コンバージョン率を向上させる方法を見つけたいと考えています。しかし、断片的なデータや、使用状況に関する表面的な指標では、ユーザージャーニーの課題を特定できないことが多いです。
ファネルのガイド付き分析を活用することで、製品チームは製品内の摩擦領域を見つけ出し、コンバージョンを継続的に測定できます。クロスチャネルデータのビューを通じて、ファネル全体の長さをできる限り拡大することで、ユーザーエクスペリエンスの全体像を把握できます。
経時的なユーザーエンゲージメントのパターンを特定
チームは、最適な顧客体験を提供するために、製品の使用状況が時間の経過とともにどのように変化するのかを明確に把握する必要があります。ログイン状況やその他の重要な成功指標を追跡する場合、ユーザーエンゲージメントをモニタリングすることが不可欠です。
トレンドに基づく分析により、チームは経時的なユーザーエンゲージメントのパターンをすばやく見つけることができます。Adobe Product Analyticsは、Adobe Experience Platformの上に構築されているため、デジタル製品だけでなく、あらゆる製品のユーザーエンゲージメントを評価できます。マーケティング部門や顧客体験（CX）部門と同様のワークフロー、データ、顧客プロファイルを使用することで、製品チームはマーケティング施策のパフォーマンスをモニタリングし、顧客がコンバージョンに達したかどうかをフォローアップできます。
リリースの成果を測定
製品チームにとって、自身の業務が成果を上げているかどうかを把握することは、簡単なことではありません。新機能をリリースする場合であれ、既存の機能を改善する場合であれ、そのリリースが、主要な成功指標をまたいで製品エクスペリエンスを向上させているかどうかをすばやく把握できる必要があります。
成果のガイド付き分析は、リリース前後の顧客の行動を測定するのに最適な方法です。チームは、リリースによってユーザーの行動がどのように変化するのかを把握できます。これは、製品だけにとどまりません。これにより、製品チームは、電子メールのクリックスルーによってモバイルアプリでの購入が増加したかどうか、ヘルプセクションの改善によってコールセンターへの問い合わせが減少したかどうかなどをモニタリングできるようになります。
ユーザーの増加率とリテンションを追跡
ユーザー層のアクティブ使用率、増加率、リテンションを把握するには、複雑なユーザーセグメントを活用して計算する必要があります。製品チームは、月間アクティブ使用率（MAU）を継続的に測定する必要があります。ユーザー層の内訳を分析し、アクティブユーザーやリエンゲージメントが必要なユーザーを把握することが重要です。
ユーザー増加率のガイド付き分析を活用することで、製品チームはユーザーアクティビティ全体の変化を追跡したり、特定の機能の使用に焦点を当てたりすることができます。様々な期間の新規ユーザー数、リピーター数、復帰ユーザー数、休眠ユーザー数をわずか数秒で特定できます。ユーザー層を継続的にモニタリングすることで、アクティビティの傾向を把握し、施策を講じることができます。
より詳細な分析につなげる
データの成熟度は、チームや役割によって大きく異なります。しかし、多くのツールは汎用的な設計となっています。そのため、データの専門家ではないユーザーは、ツールを使いこなすことが難しいと感じる一方、データアナリストはより高度な機能を求めるようになっています。製品チームは、製品に関する重要なインサイトをセルフサービスで得る必要があるものの、自身の能力に限界を感じ、より詳細なインサイトを獲得するために、アナリストと連携しなければならない可能性があります。
Adobe Product Analyticsは、組織内の誰にとっても最適なツールです。ガイド付き分析により、チームはすぐに分析を開始できます。より詳細な分析を実行したい場合は、必要に応じてAnalysis Workspaceで簡単に分析を開始できます。これにより、製品担当者とアナリストは、単一のツール内でシームレスに連携できるようになります。
テストの実行と分析
テストは、デジタル製品の成功に不可欠です。しかし、多くの製品チームにとって、テストの実行は簡単なことではありません。テストは、製品開発の基盤となる重要なプロセスですが、膨大な時間がかかるだけでなく、部門間の足並みを揃え、テストを実行および分析するために複数のツールを使いこなす必要があるため、製品チームにとっては難易度の高い作業です。
Adobe Experience Cloudのネイティブ統合により、チームはAdobe Journey Optimizerを活用してテストを実行し、Analysis Workspaceの実験パネルを通じてテストを分析できます。同じデータ、指標、顧客プロファイルを使用してテストを実行および分析できるため、チームはアイデアをより迅速にテストし、製品エクスペリエンスをより的確に最適化できます。
オーディエンスを作成し、アクティベーションとエンゲージメントを促進
インサイトやデータの可視化は役立ちますが、その真の価値は、インサイトやデータに基づいて行動することによってもたらされます。製品チームは、顧客体験に関するインサイトを獲得し、マーケティング部門やCX部門とすばやく連携して行動を起こす必要があります。
Adobe Experience Cloudを最大限に活用することで、インサイトの活用だけにとどまらない、優れた価値を創出できます。Adobe Journey OptimizerおよびAdobe Real-Time CDPとのネイティブ統合により、プロダクトオーナーは、オーディエンスに関するデータをリアルタイムで公開し、すばやく行動することができます。キャンペーンを開始し、Adobe Product Analyticsでその効果を測定することで、継続的な最適化が可能になります。
次のステップ
ここで解説したトピック（アプリ内の摩擦の解消、テストの実行と分析、カスタマージャーニー全体にわたるユーザーの把握）のいずれかに関心のある製品チームにとって、アドビの新しいソリューションは、大きな価値をもたらすと信じています。製品だけにとどまらず、包括的な顧客体験に貢献しようとする先進的なチームを、次のレベルへと導きます。
アドビは、製品のリリースではなくその成果を重視する製品チームとして、Adobe Product Analyticsの新機能や機能強化を通じて、皆さんの期待に応えられるよう尽力します。
アドビとともに、成功に向けた取り組みを進めましょう。
Adobe Product Analyticsが、セルフサービスによるデータとインサイトの獲得と、製品に関する意思決定をどのように支援するのか、概要ページをご覧ください。