バレンタインで考える、ABM戦略:ポッドキャストの聞きどころ

アドビのクラウドサービス「Adobe Experience Cloud」の製品群を活用してCXM(顧客体験管理)に取り組む企業のマーケターをゲストにお招きし、日々のリアルな取り組みなどを聞くアドビのポッドキャスト番組「Marketer’s Talk」。

今回のゲストは、旭化成エレクトロニクス(以下、AKM)でAdobe Marketo Engageの専任としてMA(マーケティングオートメーション)を担当している井上望(いのうえ・のぞみ)さん。「デジタルマーケティングを最適化する仕事術」というテーマでお話を伺いました。

<ゲスト>

井上望:2010年に旭化成エレクトロニクス入社。電子部品のアナログ/デジタル回路の設計を経て、2019年よりデジタルマーケティングを担う部署に配属され、webコンテンツの制作やニュースレターの配信、解析業務などに従事。2022年6月よりAdobe Marketo Engageを担当。社内外でマーケター市場の活性化への貢献が評価され「2023 Japan Adobe Advocates」に選出される。

<パーソナリティ>

小松崎扶美恵(こまつざき・ふみえ):金融機関(投資信託、証券会社、銀行)で一貫してマーケティング業務に携わる、元アドビ製品ユーザー。2018年、アドビ株式会社に入社し、現在はDXインターナショナルマーケティング本部 フィールドマーケティングマネージャーを務めている。

*ポッドキャストの聞きどころは、アドビのポッドキャスト「Marketer's Talk」の内容を抜粋したものです。

第1話:回路設計から、デジタルマーケティングへ突然の異動

井上望さん

大学時代は物性物理学を専攻し、入社後約10年間は半導体の回路設計を手掛けるなど、デジタルマーケティングとは無縁の領域で活躍されていた井上さん。

2018年ごろ、人事から突然「デジタルマーケティング部門に興味ない?」と声をかけられ、「面白そう」と異動を決断されました。異動当初は部署も立ち上がったばかり、かつスモールチームでのスタート。全員がアドビのツールなどを駆使しながらデータ分析のみならずコンテンツ制作にも取り組み、その約9割を内製化していました。

様々なデジタルマーケティング製品の中でも、Adobe Analyticsが好きだという井上さん。「Adobe Analyticsは複雑なデータを視覚化してわかりやすく見せてくれる。私たちが作り出すものではなくて、作り出したものによる世の中の反応が見えるのが面白い」と話します。

営業や製品開発など他部署とも連携し、解析結果を共有しながらPDCAを回していたそうです。

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ぜひこちらのリンクからポッドキャストをお聴きください。

『Marketer’s Talk』#10_01|旭化成エレクトロニクス 井上 望氏|デジタルマーケティングを最適化する仕事術 - スモールチームのマーケターだからできること

第2話:ターゲットは「超大本命」「本命」「友チョコ」で分類する「バレンタイン大作戦」

小松崎扶美恵

デジタルマーケティング部門のKGIは、営業が受け取った商談の数(SQL: Sales Qualified Lead)。KPIには、MQL(Marketing Qualified Lead)の数とダイレクトマーケティングの同意を得ているリードの数を設定しています。

Adobe Marketo Engageを活用してリードをスコアリングし、基準を超えたリードを精査した上で、有望リードをCRMで商談化し、営業に引き継いでいるそうです。

最近は、ABM(Account Based Marketing)にも注力。営業と連携しターゲット企業への戦略/戦術にも取り組まれています。

具体的には、ターゲットリストを作成し、Tier別のスコアリングルールを設計。バレンタインチョコに例えて、Tier1は「超大本命」、Tier2は「本命」、Tier3は「友チョコ」というイメージでアプローチしていくことを「バレンタイン大作戦」とユーザー会で発表したときには、会場の参加者が一斉に「おぉ!」と声をあげ顔色を変えました。

また、仕事の属人化を避けるため、社内Wikiも整備しています。コンテンツ制作やABMの考え方、スコアリングの配点ルール、MQLの条件やSLAなど、あらゆる資料を集約。マーケティング担当者だけでなく、営業担当者も含めて誰でもアクセスできるよう共有しているそうです。

マーケティング施策の約9割を内製しているというAKM。社内の役割分担、開発体制などについても伺いました。

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ぜひこちらのリンクからポッドキャストをお聴きください。

『Marketer’s Talk』#10_02|旭化成エレクトロニクス 井上 望氏|デジタルマーケティングを最適化する仕事術 - ABMは「バレンタイン大作戦」

第3話:顧客目線を貫くため、あえて専門外の製品を担当

B2Bのマーケティングで顧客目線を貫くことは簡単なことではない、と井上さんは言います。例えば、自社の担当製品について詳しくなりすぎ、ついつい顧客にわかりにくい専門用語を使っていることに気付けない場合が多々あるそうです。だからこそ「あえて、専門外*の製品を担当するようにしている」と井上さんは話します。

また、製品のデメリットも含めて顧客に伝えることも心がけているとのこと。webコンテンツに自社製品のデメリットを書こうとすると、社内からは「書きたくない」と反発されますが、「お客様は、メリット/デメリットを比較検討した上で購入を判断したいはず」と考えているのです。

「弊社にしかできないこと、お客様に喜んでいただけることは何か。それを追求し、お客様も自社もWin-Winになれる事業を推進していきたい」と、井上さんは熱く語ってくれました。

*AKMのデジタルマーケティング部では、技術系/営業出身者が多く、夫々の専門スキルがある方々が異動されている。

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『Marketer’s Talk』#10_03|旭化成エレクトロニクス 井上 望氏|デジタルマーケティングを最適化する仕事術 - 顧客目線を貫くための心得

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ユーザー事例:旭化成エレクトロニクス株式会社

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