ホリデーショッピングシーズンのEコマース売上は過去最高の2,117億ドルを記録
アドビは本日、2022年のホリデーシーズン(11月1日〜12月31日)の、オンライン小売業に関する分析結果(英語)を発表しました。このレポートは、アドビの分析ソリューション「Adobe Analytics」を通じて得られたオンラインでの商取引データからEコマースの状況を示す最も包括的な分析で、米国の小売サイトへの1兆回以上の訪問、1億個のSKU、18の製品カテゴリーから得られたデータに基づいています。Adobe AnalyticsはAdobe Experience Cloudの一部であり、米国のインターネット小売業者上位100社*の85%以上が、オンラインでのショッピング体験の提供、測定、パーソナライゼーションを行うためにこのソリューションを利用しています。
11月1日から12月31日までの消費者のオンラインショッピングの総額は2,117億ドル(前年同期比3.5%増)に達し、Eコマース売上の新記録を樹立しました。感謝祭(11月24日)からサイバーマンデー(11月28日)まで5日間のサイバーウィークの消費額は353億ドル(前年同期比4%増)と、大きく売上に貢献しました。これらの日以外にも買い物客は「購入」ボタンをクリックし続け、シーズン全体を通じて1日のオンライン消費額が30億ドルを超えた日は38日と、昨年と同程度の好調さでした。ちなみに、2020年シーズンにおいて30億ドル超えとなった日数は25でした。
堅調なホリデーシーズンを牽引したのは、シーズン前と比較して売上が大幅に増加した玩具(2022年10月対比206%増)をはじめ、ビデオゲーム(同115%増)、アパレル・アクセサリー(同94%増)への需要でした。他に強い需要が観測されたサブカテゴリーには、時計(同108%増)、幼児用玩具(同101%増)、ギフトカード(同98%増)、化粧品(同90%増)、バーベキューグリル(同86%増)、スピーカー(同76%増)、スマートホーム製品(同67%増)などがあります。
このホリデーシーズンで最も売れたのは、玩具ではレゴ、ホットウィール(ミニカー)、『パウ・パトロール』関連(キャラクターグッズ)、LOL Surprise Dolls(ファッションドール)、スクイッシュマロ(ぬいぐるみ)、『ブルーイ』関連(キャラクターグッズ)、『ココメロン ~うたってまなぼう~』関連(キャラクターグッズ)などでした。ゲーム機本体では、Nintendo Switch、Xbox Series X、PlayStation 5などで、ゲームでは、ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク、Madden NFL 23、FIFA 23、Call of Dutyなどでした。その他、Apple Airpods、Rokuデバイス、エアフライヤー、掃除機、アンブレラストローラー(ベビーカー)などが売れ筋商品でした。
大幅な値引きが価格に敏感な買い物客を誘引
このホリデーシーズンには、主要なEコマースカテゴリーの多くで過去最高の値引きが実施されています。なかでも大幅な値引きが見られたのは、表示価格の34%オフ(2021年の値引きは19%)だった玩具、25%オフのエレクトロニクス(同8%)でした。その他、コンピュータが20%オフ(同10%)、アパレルが19%オフ(同13%)、テレビが17%(同11%)、家電製品が16%オフ(同4%)、スポーツ用品が10%オフ(同6%)、家具が8%オフ(同2%)といずれも高い値引率を示しました。
その他のインサイト
- モバイルショッピング: 今年のホリデーシーズンでは、オンライン販売の47%がスマートフォン経由でした(2021年の43%から上昇)。また、クリスマス(12月25日)にはオンライン売上の大半を牽引する61%(58%から上昇)という、モバイルショッピングのシェアの新記録を樹立しています。さらに、サイバーウィークにも売上の51%(46%から上昇)がスマートフォンを経由しています。何年もの間、小売業者はモバイルショッピングを成功させるのに苦労してきましたが、今シーズンの力強い成長は、モバイル体験を向上させるための投資が報われ始めていることを示しています。
- 後払い決済(BNPL:Buy Now Pay Later): 不透明な経済環境の中、消費者は家計のやりくりのための新たな方法を模索しています。ホリデーシーズン全体では、後払い決済による注文数が2021年と比較して4%増加しました。しかし、売上は2%減少しており、買い物客がより少額の買い物に後払い決済を利用する傾向が強まっていることを示しています。
- 駐車場受け取りサービス(Curbside Pick Up): このフルフィルメント方式は、今年のホリデーシーズンのオンライン注文の21%(同サービスを提供している小売業者の場合)で利用され、前年の23%からわずかに減少しました。駐車場受け取りサービスを利用したオンライン注文は、クリスマスイブ直前(12月22日〜23日)にピークの42%に達し、プレゼントを間に合うように贈りたい消費者のニーズを示しています。駐車場受け取りは主要なフルフィルメント手法として定着し、実店舗を持つ小売業者に、実店舗ならではの価値を高める新たな方法を提供しています。
- マーケティング投資の効果: 今年のホリデーシーズンも、小売企業の主要マーケティンブチャネルにおいて売上に最も貢献したのは検索連動型広告(オンライン売上高の29%)でした。ダイレクト流入(同19%)、オーガニック検索経由(同17%)、アフィリエイト/パートナー経由(同16%)、電子メール(15%)も大きく貢献しています。SNSに直接起因する収益は、今シーズンは期間中の総売上の3%未満に留まったものの、 そのシェア率は前年同期比24%増となりました。
インフレの影響
今年のホリデーシーズンにおけるオンラインでの堅調な消費者支出は、単純な価格上昇ではなく、純新規需要によってもたらされています。18カテゴリーのEコマース価格を追跡するAdobe Digital Price Index(DPI)によると、2022年9月以降、オンライン価格は前年同期比で下落し続けている(英語)ことがわかります。アドビの数値はインフレ調整されていませんが、オンラインのインフレを織り込んだとしても、根本的な消費者需要の伸びはあると思われます。
*本記事は、2023年1月11日に米国本社から発表されたメディアアラートの抄訳です。
https://business.adobe.com/jp/blog/trends/dx-digital-price-index-2022-11-online-prices-fall-1-9-in-november
https://business.adobe.com/jp/blog/trends/dx-2022-adobe-analytics-consumers-spent-over-72-billion-online-as-early-holiday-discounts-kick-in-october-2022