AIを活用して顧客体験を最適化
Epson America、Adobe Experience Cloudの優れた分析機能とマシンラーニングを組み合わせ、顧客体験を改善する。
初期テストにおいて、Adobe Targetの導入初年度の費用に見合う成果を獲得
目標
多様な顧客および販売サイクルのオンラインエクスペリエンスを改善したい
オンラインの不備を把握して解決し、コンバージョンとサイトのパフォーマンスを向上したい
データにもとづくテストに着手し、キャンペーンとデジタルエクスペリエンスを最適化したい
成果
顧客行動のパターンを 発見
初期テストにおいて、Adobe Targetの導入初年度の費用に見合う成果を 獲得
AI(人工知能) を用いて異常値の検出を高速化
リアルタイム ダッシュボードを活用してデータを共有
Adobe Senseiを活用してデータから隠れたパターンを発見し、Adobe Experience Cloudを使用してリード、コンバージョン、収益を向上させる優れた顧客体験を構築しています」
Scott Sturcke氏
Epson America、オンラインマーケティングマネジメントディレクター
「個人/法人を含む多様な市場に向けて精密機器を展開
多くの人は、「Epson」という名前を聞くと、家庭やオフィスで活躍する信頼性の高いプリンターを思い出すでしょう。しかし、それだけではありません。1942年に時計部品メーカーとして設立したSeiko Epson Group は、長年にわたり、効率的で高度な製品の開発に使用する精密機器を開発してきました。Epsonはプリンターメーカー以外にも、世界有数のプロジェクターベンダーであり、スキャナーやウェアラブル機器、ロボットなど、家庭用、商業用、産業用の様々な機器を開発および製造しています。
幅広い製品を備えたEpson Americaでは、同様に、webサイトの訪問者も多岐にわたります。自宅プリンター用のインクカートリッジをすぐに購入したい個人消費者や、学区内の数百もの教室にEpson製プロジェクターを導入しようとしているテクノロジーバイヤーなど様々です。個人消費者の購入は一般的に短時間で完了しますが、後者のタイプの法人顧客は決裁まで数ヶ月もかかり、営業サイクルも長くなります。
同社のマーケターや製品マネージャーなどの意思決定者は、コンバージョンや顧客リードを増やすために、製品やキャンペーンが様々なタイプの顧客にどのように影響するのかを把握するためのインサイトを求めています。そのため、同社は長年にわたり、Adobe Experience Cloudに含まれるAdobe Analyticsを使用して、豊富なリアルタイムデータを獲得してきました。さらに、webサイトの基盤をSAP Hybrisに移行した際は、Adobe Analyticsを改めて導入すると共に、追加でAdobe Targetを導入、Adobe Experience Cloudの利用を拡大しました。
Adobe AnalyticsとAdobe Targetの連携により、同社は必要なインサイトを獲得し、多様なあらゆる顧客向けのエクスペリエンスを最適化するためのインテリジェンスを手にしています。また、アドビのAIとマシンラーニング(機械学習)のフレームワークであるAdobe Senseiを使用することにより、Adobe AnalyticsとAdobe Targetの機能をさらに拡張して面倒なプロセスを高速化し、少ない労力で異常を検出できるようになりました。
「Adobe Senseiにより、Adobe Experience Cloudをさらに活用できるようになりました。あらゆる課題に対応し、様々な顧客に向けた強力なデジタルエクスペリエンスを構築しています」とEpson Americaでオンラインマーケティングマネジメントディレクターを務めるScott Sturcke氏は述べています。
「カスタマージャーニー全体を把握し、キャンペーンがコンバージョン率やリード数の向上につながったかどうかを知りたいマーケターに、Adobe Analyticsは次の施策につながるようなフィードバックを提供してくれます」
Scott Sturcke氏
Epson America、オンラインマーケティングマネジメントディレクター
データにもとづくインテリジェンスな意思決定
同社はAdobe Analyticsにより、webサイトのパフォーマンス監視、キャンペーンの追跡、正確にKPIを測定するための詳細なデータ分析をおこなっています。Adobe Analyticsはチャネルをまたいだマーケティングキャンペーンのデータを取り込んで、キャンペーンのパフォーマンスに関する明確なインサイトを提供します。チャネルにはwebサイトやモバイルサイトのデータだけでなく、ディスプレイ広告、電子メール、検索連動型広告なども含まれます。
「マーケターは、キャンペーンのクリック数だけに目を向けがちですが、それだけではパフォーマンスの優れた測定方法とは言えません。そこで、カスタマージャーニー全体を把握し、キャンペーンがコンバージョン率やリード数の向上につながったかどうかを知りたいマーケターに、Adobe Analyticsは次の施策につながるようなフィードバックを提供してくれます」とSturcke氏は語っています。
同社では、使いやすいダッシュボードである分析ワークスペースを使用して、複雑なリアルタイムのデータや分析を処理しています。これにより、チームは表示をすばやく切り替え、リアルタイムで関係者とデータを共有できます。
「重要なオンラインイベントをリアルタイムで監視できるダッシュボードにより、チームの業務が効率化され、パフォーマンス向上に集中できるようになりました。ブラックフライデーのキャンペーンでもwebサイトの更新でも、Adobe Analyticsがリアルタイムでパフォーマンスを監視し、不備を検出してくれます」とSturcke氏は述べています。
AIを活用した診断
同社が問題の視認性を向上させるために使用している方法は、リアルタイムダッシュボードだけではありません。Adobe Analyticsの異常値検出機能にはAdobe Senseiが使用されており、AIは、アクションやエラー、コンバージョンにもとづいて予期しないwebサイトでの行動を発見するように学習します。
webサイトでの期待される行動からの逸脱が検出されると、自動的にアラートが届きます。また、Adobe Senseiが用いられた貢献度分析機能により、開発者は問題をピンポイントで特定できるようになります。問題には、トラフィックの急激な減少、特定のエラーコードの急増、またはwebサイトの同一箇所での顧客の離脱などが含まれます。
「webサイトの不備は追跡しにくく、再現するのはさらに困難です。しかし、異常値検出機能を使用すれば、問題がいつどこで発生しているかがピンポイントで把握できます。これにより、不備に対応し、コンバージョンやリードに与える影響を最小限に抑えることができます。問題をすばやく特定して解決することで、不備の特定にかかる時間を減らすと同時に、優れた顧客体験を提供できます」とSturcke氏は述べています。
同社はwebサイトを新しいweb基盤へと移行した際、トラフィックの予期しない急増や低下を検出するため、異常値検出機能を使用していました。トラフィックの急激な変化は、リンク切れや誤ったリダイレクト先の設定、更新されていない古いリンクの使用などの原因によって引き起こされている可能性があるからです。
同社では現在、異常値検出機能を使用して不備を事前に予測していますが、将来的には、Adobe Senseiのマシンラーニングから導き出したインサイトを活用して、新しいキャンペーンのローンチ直後の売上やトラフィック、リードの急増などのプラスの結果の検出を計画しています。
「アドビは長年にわたり、テクノロジーリーダーです。Adobe Senseiのおかげで、マシンラーニングの能力を用いて、よりインテリジェントに業務に取り組み、より積極的にデジタルアプローチを進めることができます。エクスペリエンスの最適化に専念することで、競合他社の先を行くことができるのです」とSturcke氏は語っています。
「Adobe AnalyticsとAdobe Target の連携によって、テストから得られたデータを詳しく分析し、顧客のオンラインエクスペリエンスを最適化するのに役立つスマートな意思決定を下すことができます」
Scott Sturcke氏
Epson America、オンラインマーケティングマネジメントディレクター
Adobe Targetで顧客体験を最適化
同社は、Adobe Analyticsの豊富なデータを分析だけでなく、Adobe Targetを使用したテストや最適化に活用しています。
「Adobe Analyticsの導入に満足している理由のひとつは、他のツールとの相性の良さです。Adobe AnalyticsとAdobe Targetの連携がうまくいくのは明らかですが、アドビの製品は、コマース用のSAP Hybrisやタグマネージャ、コンテンツ管理、オーディエンスのセグメンテーションツール、セッション応答ツールなど、他の基盤ともうまく連携します。Adobe Experience Cloudのおかげで、シームレスなワークフローの利点を犠牲にすることなく、自分たちに合ったワークフローを自由に選択することができます」とSturcke氏は述べています。
Epsonでは、Adobe Analyticsを使用して顧客のチェックアウトジャーニーを確認した結果、ゲストかリピート顧客かの確認を求められたページで、多くの顧客がwebサイトから離脱していることがわかりました。同社は、ページのレイアウトがわかりにくく、顧客がゲストとリピート顧客の両方のフィールドに情報を入力することになっており、その結果、顧客はチェックアウトに失敗し、webサイトから離脱してしまっていたのではないかと、推測しました。
そこで同社は、Adobe Targetを使用してこの理論をテストしました。ゲスト用とリピート顧客用のフィールドを明確に区別したふたつのバージョンと既存のレイアウトをテストしたのです。1週間後、ふたつの新しいバージョンは、古いバージョンのwebページと比較して、継続的に優れた成果を生み出していることが明らかになりました。同社は、テストから古いバージョンのwebページをすぐに削除し、ゲストのチェックアウトがページの左側と右側のどちらにある方がより好意的な反応を得られるかを判断するためのテストを継続しています。
「初めてのテストにおいて、Adobe Targetの導入初年度の費用に見合う高いコンバージョン率を実現することができました。Adobe AnalyticsとAdobe Targetの連携によって、テストから得られたデータを詳しく分析し、顧客のオンラインエクスペリエンスを最適化するのに役立つスマートな意思決定を下すことができます」とSturcke氏は語っています。
同社はAdobe Experience Cloudの使用を拡大しています。「Adobe Targetを使用したことで、テストとパーソナライゼーションの間にあったギャップを埋めることができました。リードジェネレーションとマーケティングキャンペーンを改善し、適切なエクスペリエンスの提供につながるような訪問者に関する知識が得られたからです。」と、Sturcke氏は述べています。 同社は今後、Adobe Senseiの組み込まれた機能を用いることで、販売サイクルが2分か2年かに関わらず、潜在的な問題を避けつつ、より優れたエクスペリエンスを実現できるようになるでしょう。
Adobe Customer Solutionsチームは、同社の再導入を支援し、テストプログラムを最大限に活用できるように、コンサルタントが引き続きサポートしています。
「Adobe Customer Solutionsは、ベストプラクティスを提示し、必要なデータを取得するための構造改革の方法をアドバイスしてくれています。また、アドビのコンサルタントは、テストの勝者を判断するために必要なしきい値とデータの理解を支援し、Adobe Targetの導入で大きな役割を果たしました。コンサルタントは単なる技術者ではなく、新しいアイデアや事例を持って定期的に訪問してくれる思慮深いパートナーです。当社では、Adobe Senseiを活用してデータから隠れたパターンを発見し、Adobe Experience Cloudを使ってリード、コンバージョン、売上を向上させる優れた顧客体験を構築しています」とSturcke氏は述べています。