


Adobe TargetとAdobe Campaignを活用してITセキュリティ業界をリード
Panda Security、サブスクリプションサービスへの移⾏を推進しつつ、顧客とのつながりを強化する。

わずか3年でサブスクリプションの売上が 20%から60%に 増加
目標
従来のパッケージ型セキュリティサービスから、自動更新のサブスクリプション契約型セキュリティサービスへ移行したい
ターゲティングされたプロモーション施策により、無料サービス利用者を有料サービス利用者に転換させたい
キャンペーンワークフローを改善して、あらゆるチャネルをまたいでパーソナライズされた顧客体験をタイミングよく提供したい
成果
サブスクリプション型の売上が3年で 20%から60%に急増
重要なキャンペーンワークフローの展開スピードが 50倍高速化
新規キャンペーンの市場投入までの時間が 1週間から1日 に短縮
無料サービス利用者向けの製品通知の クリック数 が 200%増加
今⽇の顧客ニーズに合わせたITセキュリティの変⾰
「基本的なウイルス対策ソフトウェアだけで、セキュリティを確保できていた時代は終わりました。今日の顧客は、PCやモバイルなど、数えきれないほど多くのデバイスを利用して常にインターネットとつながっています。そのため、より理解しやすく柔軟性の高いITセキュリティが求められています」
Panda Securityのマネタイゼーションおよびeコマース部門責任者であるManu Díez氏は、今日のITセキュリティプロバイダーに対して顧客が求めているものを熟知しています。2019年以来、同氏のチームではAdobe TargetとAdobe Campaignを使用して、デジタルチャネルにおける顧客の行動を詳しく分析し、そのインサイトをもとにパーソナライズされたマーケティングキャンペーンをタイミングよく提供することで、顧客エンゲージメントの向上を図っています。
「基本的なウイルス対策ソフトウェアだけで、セキュリティを確保できていた時代は終わりました。今日の顧客は、PCやモバイルなど、数えきれないほど多くのデバイスを利用して常にインターネットとつながっています。そのため、より理解しやすく柔軟性の高いITセキュリティが求められています」
Manu Díez氏
Panda Security、マネタイゼーションおよびeコマース部門責任者
世界第10位のエンドポイント向けセキュリティソフトウェアベンダーである同社は、世界中の消費者や企業に次世代のウイルス対策ソリューションを提供しています。2020年のWatchGuardによる買収を経て、革新的なネットワークセキュリティソリューションとの連携による主要製品のさらなる強化を図っています。
Díez氏の使命は、同社のITセキュリティ製品の購入方法を変革することです。具体的には、従来のパッケージ型ソリューションの販売から脱却し、サブスクリプション型の販売モデルを推進しています。キャンペーンを作成して絶妙なタイミングで配信し、サブスクリプションの利点を顧客に周知することで、そのサービスへの移行を促進しています。
アプリ内メッセージを活用
同氏は、顧客にとって、サブスクリプションモデルへの移行には、明確な利点があると考えています。物流面では、ライセンスの更新や定期的なアップグレードに伴う費用がなくなります。マーケティングの面では、顧客はソフトウェアの有効期限を知らせるリマインダーや、ライセンスの更新を促すメッセージを繰り返し受け取る必要がなくなります。
「サブスクリプションの更新は自動的におこなわれるので、利用者に有効期限が近づいていることを何度も知らせる必要がなくなり、メッセージの頻度と数量を抑制できるようになりました。その代わりに、新機能の活用方法のヒントや契約に関する重要なアップデート、当社製品への投資効果を最大限に高める方法など、顧客にとって有益な情報を提供することに注力しています」と同氏は述べています。
同社のキャンペーンの多くは、メールまたはアプリ内のプッシュ通知を通じて配信され、ソフトウェアをデバイスに既にインストールしている顧客を対象としています。アドビ製品は、アプリ内のターゲティングとプロモーションという同社独自のマーケティング手法において、大きな役割を果たしてきました。
アプリ内通知向けの標準機能を備えたキャンペーン管理ソリューションは、ほとんどありません。しかし同社は、Adobe Consulting Servicesの協力を得て、迅速な展開と高い効果を実現する解決策を見つけ出しました。
「当社のコミュニケーションのユニークな点は、ウイルス対策アプリケーション内でメッセージが直接表示されることです。そのため、顧客一人ひとりのプロファイルや使用しているデバイスに合わせて、あらゆるメッセージをパーソナライズする必要があります。そこで、Adobe CampaignとAdobe Targetを連携させることにしました」と、同氏は話しています。
同社は現在、あらゆるマーケティングコンテンツをAdobe Targetで作成し、Adobe Campaignで収集したデータをもとに動的フィールドをパーソナライズしています。この手法により、パーソナライズされたメッセージだけでページビュー数が7,000万PVに達しました。
「ふたつのアドビ製品を統合した結果、過剰な配信を回避しながら、よりパーソナライズされたメッセージを配信できるようになりました。顧客を煩わせることも、アプリの体験を損なうこともありません。代わりに、顧客に寄り添うような方法で、顧客が本当に必要としている情報を絶妙なタイミングで提供することが可能になりました」と、同氏は述べています。
セキュリティサービスを大規模にパーソナライズ
こうしたパーソナライズされたコミュニケーションのおかげで、同社は、従来のソフトウェア販売からサブスクリプションベースのビジネスモデルへの転換を大きく前進させています。2017年の同社のサブスクリプションサービスの売上高は全体のわずか20%でしたが、ビジネスモデルの大胆な変革により、2020年末には60%に増加しました。
サブスクリプションモデルへの転換に着手してから3年が経過した現在、同社ではデジタル化が進む顧客に向けて、製品ポートフォリオの再構成を続けています。さらに、デジタルチャネルにおけるマーケティング施策と販売方法の改革に取り組んでいます。ビジネスの規模と複雑性を考慮すると、それは決して容易ではありません。
大規模かつ多様な顧客層は、同社の大きな強みのひとつであると同時に、マーケティングの面では大きな課題のひとつでもあります。同社は世界各地に数百万人ほどの顧客を擁しており、その多くが複数のデバイスをまたいで様々なアプリケーションを利用しています。顧客層は無料サービス利用者と有料サービス利用者に分かれており、同社は後者を増加させるための取り組みを進めています。
「顧客が使用しているデバイスや利用中のサービスを把握しながら、顧客を大規模にセグメント化することは、当社にとって大きな課題です。正しいメッセージを適切な顧客に届けるだけでなく、顧客が望むチャネルに適した形式を使用する必要があります。例えば、モバイルデバイスを使用している有料サービス利用者向けのアプリ内通知と、PCを使用している無料サービス利用者向けのメールキャンペーンとでは、コンテンツが大きく異なります」と同氏は述べています。
同社は2019年後半にアドビ製品を導入し、こうした規模や複雑性の問題を克服したことで、サブスクリプション事業の拡大に対応しながら、よりパーソナライズされたキャンペーンを配信できるようになりました。それ以来、キャンペーンワークフローの展開スピードが50倍高速化し、新規キャンペーンの市場投入までの時間を1週間から1日に短縮させています。
パーソナライゼーションとクロスチャネルマーケティング施策を強化したことが、こうした成果に大きく寄与しています。 Adobe CampaignとAdobe Targetを導入したことで、同社はより複雑なユースケースを構築し、作業効率や効果を犠牲にすることなくリアルタイムのキャンペーンを展開できるようになりました。
事実、同社の作業効率はかつてないほど高まっています。キャンペーンの管理基盤を強化したほか、Adobe Campaignでコンテンツの効果を直接テストできるようになり、エラーのリスクを軽減しながらプロセスを合理化しています。さらに、キャンペーンのレポートへのアクセスが容易になり、パフォーマンスの継続的な分析と改善が可能になりました。
特筆すべきことは、同社のコンテンツが顧客の深い共感を生み始めていることです。それを裏付けるように、カスタムチャネルを通じて無料サービス利用者向けに配信される製品通知のクリック数が200%増加したほか、サブスクリプション利用者向けの通知のクリック数が50%増加しました。
同社の次の課題は、Adobe Targetを使用してA/Bテストとパーソナライゼーションの新たな取り組みを検討し、顧客の理解をさらに深め、サブスクリプション利用者の増加を図ることです。
コンサルティングと共同作業
同社にとってアドビが特別である理由のひとつは、その優れたコンサルティングサービスです。Adobe Consulting Servicesの助言にもとづき、同社はCampaignとAdobe Targetの導入を決定しました。
「ふたつのソリューションを組み合わせることで、当社のあらゆるプロセスを包括的に改善できるだけでなく、デジタル体験のパーソナライゼーションとA/Bテスト向けの優れたツールを活用できることが、アドビを採用する大きな決め手となりました。アドビなら、当社の期待を上回る成果を生み出すことができます。引き続き、これらの製品をさらに活用するための新たな方法を模索していきます」と、同氏は述べています。
アドビのコンサルティングサービスは、導入期間が短いなど、同社が抱えるその他の課題の解決も支援しました。従来のシステムの問題が同社のキャンペーン展開に悪影響をもたらし始め、同社の主要な収入源である個人向け事業に打撃を与えていました。
「当社の売上の多くは個人向けキャンペーンと直結しており、顧客のニーズに迅速に対応できなければ、売上が急激に減少する恐れがありました。Adobe Consulting Servicesの支援のおかげで、Adobe TargetとAdobe Campaignの導入と展開を、わずか6ヶ月で完了させることができました」と同氏は振り返ります。
同社によるアドビ製品の導入を最終的に後押ししたのは、同社の既存システムと容易に連携できることでした。同社は、WatchGuardとの合併に伴う他のビジネスアプリケーションへの影響を、最小限に抑える必要がありました。アドビ製品のおかげで、同社のミドルウェアへの軽微な変更以外は、データモデルやプロセスを変更することなく合併を完了することができました。
「当社の使命は、顧客が当社のセキュリティプラットフォームを最大限に活用できるようにすることです。アドビの支援のおかげで、その実現に向けて日々進化していると実感しています」
Manu Díez氏
Panda Security、マネタイゼーションおよびeコマース部門責任者
包括的なデジタルセキュリティマーケットプレイスを目指す
2017年に個人向けサブスクリプションサービス「Panda Dome」の提供を開始して以来、同社は堅調な成長を続け、顧客中心のビジネス変革を推進することで、ITセキュリティの新時代を牽引しています。同氏の率いるチームは、ターゲティングによってパーソナライズされたメッセージをタイミングよく提供できるようになり、同社のキャンペーン配信モデルとデジタル体験の変革を進めるうえで、中心的な役割を担っています。
「Panda Domeは、単なるウイルス対策ソフトウェアにとどまらない多様なサービスを提供しており、デジタルセキュリティマーケットプレイスへと進化を遂げています。顧客は、あらゆるデバイスやOSをまたいで、ペアレンタルコントロールやパスワード保護サービスを利用できます。今後も、新しい機能やサービスを追加していく予定です。当社の使命は、顧客が当社のセキュリティプラットフォームを最大限に活用できるようにすることです。アドビの支援のおかげで、その実現に向けて日々進化していると実感しています」と同氏は述べています。