
多様なオーストラリアの視聴者にリーチ
SBS、アドビ製品を活用し、チャネルをまたいでリアルタイムのプロファイルを活性化することで、グローバルな主要イベント開催中に視聴者を惹きつけて維持

93%
ファーストパーティデータを活用した広告の費用対効果の向上
目標
ワールドカップ開催中に、既知の行動や関心に基づいてオンデマンド視聴者を惹きつけたい
潜在的な視聴者をターゲットとするために、ファーストパーティデータの活用効果を測定したい
あらゆる業界で応用可能な、アクティブな視聴者の獲得方法を見極めたい
多文化および多言語のニュース、情報、エンターテイメントコンテンツの認知度を高めたい
成果
統合プロファイルを活用して、休眠状態の119,000人以上のSBS On Demandの視聴者 にリーチした
ファーストパーティデータを 活用することで、広告の 費用対効果を93%高めた
SBSの 読者をストリーマーに コンバージョンすることを目的としたキャンペーンで、クリック率3.82%の 最高のユニークリーチ を達成した
多言語を話すオーストラリア人にエンゲージ し、選択された言語で 情報やコンテンツを提供する財団を設立した
多様性は、Special Broadcasting Service(SBS)の隅々にまで組み込まれています。このオーストラリアの放送局は、最近オーストラリアに移住してきた人々や、多様な文化、民族、言語的背景を持つオーストラリア人すべてに情報を届けることを目的として設立されました。今日、同局は6つのテレビチャンネル、広範なラジオネットワーク、ニュースwebサイト、SBS On Demandビデオストリーミングサービスを展開する、多文化かつ多言語の主要メディアプラットフォームとして知られています。
「SBSは無料放送サービスを提供しているため、潜在的な視聴者はオーストラリア在住の2,600万人です。かつては伝統的なリニア放送局でしたが、現在は他のデジタルおよびストリーミングサービスと競い合っているマルチメディアデジタルプラットフォームです。視聴者のロイヤルティを築き、適切な視聴者に番組を売り込むことが重要です」と、SBSの企業情報システム部門の責任者であるRichard Marshall氏は述べています。
多文化のオーストラリア人の視聴者をターゲットとする放送局であるSBSにとって、2022 FIFAワールドカップ カタールの独占放映権を獲得することは絶好の機会でした。オーストラリア中の人々がオーストラリア代表のサッカーチーム「Socceroos」の試合を観戦するでしょうが、多くの人々は自分の家族や文化とつながりのあるチームの試合も見たいと思うはずです。SBS On Demandでワールドカップを宣伝することで、視聴者にSBSの番組を紹介し、潜在的な視聴者を再活性化して長期的な視聴者を増やす可能性がありました。
同局はすでに、Adobe Analytics、Adobe Audience Manager、Adobe Target、Adobe CampaignなどのAdobe Experience Cloudアプリを活用して、視聴者に関するインサイトを獲得したり、オーディエンスを構築したり、webサイトや電子メールでパーソナライズされた体験を提供したりしていました。そこにAdobe Real-Time CDPを追加することで、信頼性の高いファーストパーティのインサイトを活用し、ワールドカップに熱中する視聴者をSBS On Demandに誘導するリアルタイムのパーソナライゼーションを実現しました。
「ワールドカップはSBSにとって重要なイベントです。Adobe Real-Time CDPを導入したことで、ファーストパーティデータを活用して視聴者をより効果的にターゲティングできることが分かりました。また、ワールドカップのコンテンツに視聴者をより深くエンゲージすることもできました。このエンゲージメントが、SBSのあらゆるサービスで継続することを期待しています」と、SBSの視聴者データエンジニアリング部門リードであるBrice Vaxelaire氏は述べています。
「ストリーミング分野では、ロイヤルティが重要です。Adobe Real-Time CDPを活用し、チャネルをまたいで一貫したジャーニーを構築することで、SBSに視聴者が戻ってきてくれることを楽しみにしています」
Uma Oldham氏
SBS、視聴者マーケティング部門責任者
視聴者をターゲットに視聴を促進
Adobe Real-Time CDPは、SBSの1,100万人の登録ユーザーに関する既知の情報やAdobe Analyticsの行動データなどを対象に、デバイスやシステムをまたいで消費者IDをつなぎ合わせ、統合プロファイルを構築します。この統合情報を活用することで、瞬時の活性化とパーソナライゼーションが可能になります。
同局は、ワールドカップの直前にAdobe Real-Time CDPを導入しました。これにより同局のデジタルチームは、新しいリアルタイムプロファイルを活用して、視聴者をワールドカップの最新情報に惹きつけることを目的とした複数の広告キャンペーンを実施する機会を得ました。そこでは、Adobe Real-Time CDPを活用して、休眠ストリーマーの活性化、読者からストリーマーへのコンバージョン、アクティブな視聴者の維持など、いくつかの重要なユースケースに焦点を当てました。
ワールドカップについては知っているが試合をストリーミングしたことがない人々には、オンデマンドアプリのダウンロードを促すメッセージを表示しました。また、Adobe Real-Time CDPのリアルタイム機能を活用して、大会の重要な場面では、積極的に視聴している人々に対してメッセージを表示しました。「How to Watch」広告は、SBS On Demandのスポーツコンテンツのストリーマーのうち、試合を視聴していない人々をターゲットにしました。一方、敗者復活のストーリーや重要な決勝戦をハイライトした広告では、休眠視聴者や一時的な視聴者に対してチャンネルを合わせるよう促しました。また、ワールドカップの視聴者を長期的に維持するために、頻繁に視聴するユーザーにSBSニュースレターへの登録を促しました。
さらに、よりパーソナライズされたメッセージで視聴者をターゲティングすることで、119,000人以上の休眠視聴者にリーチしました。その中には1試合も観戦していない42,000人のスポーツ視聴者も含まれていました。このキャンペーンにより、オンデマンドのランディングページの閲覧数は6,000を超え、これまでエンゲージのなかった視聴者に関しては素晴らしい結果となりました。
SBS SportsのFIFAコンテンツの読者で、まだ試合を観ていない人々の広告に対するエンゲージメントも高く、クリック率は3.82%でした。視聴者エンゲージメントの割合が最も高かったこのアプローチにより、同局Sのすべての垂直分野で読者をアクティブなストリーマーに転換する大きな可能性が明らかになりました。
「ストリーミング分野では、ロイヤルティが重要です。Adobe Real-Time CDPにより、視聴者がSBSを再訪問するような、一貫した視聴体験をチャネルをまたいで提供できるようになりました」」と、SBSの視聴者マーケティング部門の責任者であるUma Oldham氏は述べています。
オーストラリアの多文化の視聴者を惹きつける
SBSは、大会中に、SBS On DemandプラットフォームでAdobe Real-Time CDPとデータ管理プラットフォーム(DMP)のユースケースも実施しました。顧客生涯価値のセグメンテーションを活用し、視聴者をターゲットに、定着率の向上と他のオンデマンドコンテンツのサンプル視聴を促進するプロモーションを実施しました。
試合ごとのターゲティングや言語ごとのターゲティングにより、主要国の試合の主要な言語セグメントに対して、文脈的に関連性の高いコンテンツの提案を行いました。また、同局のプラットフォームに重要なコンテンツがある国を優先することで、視聴者にオンデマンドで利用できる多文化・多言語コンテンツの幅広さを認識してもらうことができました。
Adobe Real-Time CDPのキャンペーンに加えて、SBS On Demandプラットフォームへのさらなる誘導戦略として、Adobe Targetを活用して16種類のクロスプロダクトのレコメンデーションエクスペリエンスを構築しました。例えば、ドイツチームに関するコンテンツを読んでいる人が、ドイツ語サイトへのリンク付きのバナーを目にするかもしれません。そのリンクをクリックすると、母国語でチームに関する記事を読むことができます。
「Adobe Real-Time CDPにより、SBSが提供するコンテンツの多様性をより効果的に伝えることができ、オーストラリア全土にニュースやエンターテイメントを届けるという目標を達成することができます」
Brice Vaxelaire氏
SBS、視聴者データエンジニアリング部門リード
ファーストパーティデータによるリアルタイムのパーソナライゼーション
SBSは、今後、消費者のプライバシーに関する懸念の高まりに対応するために、個人情報の取り扱いに対する規制がさらに強化されると予想しています。同局は、Adobe Real-Time CDPを活用することで、消費者データと同意情報を一元管理し、あらゆる規制に準拠していることを簡単に示すことができます。また、サードパーティデータに頼ることなく、ユーザーが表明した好みに基づいて、広告とマーケティングにおけるユーザーのリターゲティングにファーストパーティ情報を最大限に活用することができます
同局はワールドカップで、ファーストパーティデータを活用したキャンペーンとサードパーティデータを活用したキャンペーンを比較する機会を与えました。「ファーストパーティデータを利用してビデオチャプターの視聴を促進した結果、費用対効果は93%も向上しました。また、広告を通じて視聴者にリーチしたファーストパーティデータの割合は32%に達しました。これにより、SBS全体で視聴者を惹きつけ、視聴を促進するAdobe Real-Time CDPの価値が明確になりました」とOldham氏は述べています。
ワールドカップキャンペーンから得た学びは、SBS On Demandの成長加速に活用されています。また、主要な国内および多文化の視聴者をターゲットに、SBSのデジタルエコシステム全体でコンテンツ消費の相互交流の機会を広げることにも立っています。
「Adobe Real-Time CDPは、SBSが提供するコンテンツの多様性をより効果的に伝えることができ、オーストラリア全土の視聴者に、ニュースやエンターテイメントを届けるという当局の目標を支援しています」とOldham氏は述べています。