デジタル変革の理想的なパートナー

Adobe Experience Cloudを使用して、顧客一人ひとりに合わせたオンラインエクスペリエンスを提供

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Swisscom

創業

1952年

従業員数:19,300名
スイス、イッティゲン
www.swisscom.ch

40%

向上

Adobe Targetを使用したテストにより、webトラフィックが増加

使用製品:

目標

進化を続ける顧客のデジタルニーズに対応したい

市場競争が激化する中、破壊的イノベーション起こす新興企業に対抗したい

品質とサービスを軸に、競合他社との差別化を図りたい

成果

シームレスなワークフロー を構築し、作業時間を短縮

顧客に合わせて キャンペーンメッセージをパーソナライズ

顧客がどこにいても、パーソナライズされたエクスペリエンスを提供

Adobe Targetを使用した テスト により、webトラフィックが40%向上

「アドビの製品は、当社にとって万能ツールのようなものです。顧客に適切なエクスペリエンスを提供するためのあらゆる状況に対応するツールが用意されており、それらが緊密に連携してお互いを補完します」

Nicolas Mériel氏 Swisscom、シニアデジタルストラテジスト

最適なオファーを、的確な場所で、タイミングよく

Swisscom AGは、スイス最大手の通信会社であり、同国有数のIT企業のひとつです。首都ベルン近郊のイッティゲンに本社を置く、1852年設立の伝統のある企業です。全世界で19,300人の従業員を擁し、2019年度の売上高は115億スイスフランを達成しています。同国のモバイルネットワークサービスにおいて、59%の市場シェアを占めています。

スイスの通信市場を取り巻く環境は、ここ数年で大きく変化しました。デジタル化がいたるところで進み、急速に拡大を続けています。その一方で、急速に進む技術革新に合わせて、顧客のニーズが常に変化しています。同国の通信市場では、新興企業が従来のビジネスモデルを大きく変えるようなサービスを提供し、競争が激化しています。

同社では、単なる価格競争を目指すのではなく、オンラインとオフラインの顧客体験の垣根を取り払い、独自の高品質で優れたサービスを提供して差別化を図っています。では、そのようなエクスペリエンスはどのようにして生み出すことができるのでしょうか。

アドビ製品でデジタル基盤を構築

Swisscomの成功の基盤となったのは、Adobe Experience Managerの導入です。これにより、デバイス、プラットフォーム、言語を問わず、直感的な方法で顧客に対応できるようになりました。スイスのような多言語国家では、搭載されている多言語機能は根本的な優位性を生み出します。

「Adobe Experience Managerを使用して、製品、カテゴリ、ヘルプページからショッピングカートに至るまで、当社のwebサイト全体のフロントエンドのコンテンツを管理しています。「スイスの企業としては、あらゆるサービスをドイツ語、フランス語、イタリア語、英語でカバーしている多言語機能を特に高く評価しています。これにより、より効率的に作業を進めることができ、顧客に母国語で対応することができます」と、同社のシニアデジタルストラテジストを務めるNicolas Mériel⽒は述べています。

同社では、Adobe AnalyticsともにAdobe Experience Managerを実装し、訪問者の行動をよりよく理解するためのインサイトを獲得しています。「Adobe Analyticsは、私たちにとって不可欠なツールです。このツールにより、ポータル全体の訪問者数、売上、ダウンロード数を把握することができます。こうした情報を分析することで、オファーの最適化をさらに進めることができます。Analysis Workspaceは、詳細な分析と比較に特に役立ちます」、と同氏は語ります。Analysis Workspaceでは、任意の値とビューを簡単なドラッグ&ドロップ操作で組み合わせて、ほぼ無制限に分析や比較の結果を作成することができます。

こうした貴重なインサイトと顧客行動の詳細な理解は、Adobe Targetで直接活用することができます。「当社では、顧客にとって何が最も効果的なのかを知るために、Adobe Targetを使った簡単なA/Bテストから始めました。しかし今では、単純なA/Bテストの枠を超えて、Adobe Senseiを利用したマシンラーニング(機械学習)機能を使用し、幅広い顧客層に向けて関連性の高いニュースやエクスペリエンスを提供しています」とMériel氏は述べています。

同社では、Adobe Targetを使用することで、webサイトのコンテンツ、バナー、データをすばやく簡単にテストし、より優れたエクスペリエンスをリアルタイムで構築できるようになりました。初期のA/Bテストでは、主に顧客の行動データを分析して、社内の意思決定をサポートすることを目的としていました。たとえば、バナーで避けるべき色やCTAを配置すべき場所の決定などです。このようなテストを定期的におこなうことで、大きな成果がもたらされ、同社のwebトラフィックは平均で40%向上し、その取り組みが社内で高く評価されました。

現在、Adobe Targetでは、Adobe Senseiを利用したパーソナライゼーション機能の強化を進め、企業の売上向上につながる持続可能な付加価値を提供しています。Adobe Senseiにより、自動オファー機能やレコメンデーション機能が改善されたことで、同社では、手作業では得ることのできなかったインサイトを発見、獲得できるようになりました。自動オファー機能では、A/Bテストを自動化し、トラフィックをリアルタイムで、よりパフォーマンスの高いバージョンに導きます。その結果、テストデータを収集すると同時に、全体的な成果を高めることができます。

「Adobe Senseiを使用すれば、テスト段階でパーソナライズ機能を追加し、事前分析なしに顧客の行動パターンを特定して、より優れた結果を得ることができます」とMériel氏は述べています。同社では、Adobe TargetのAI(人工知能)機能とマシンラーニング機能を利用して、ワンクリックでパーソナライズされたエクスペリエンスを構築しています。

また、Adobe Campaignによるエクスペリエンスを一歩前進させました。「当初、Adobe Campaignの適用範囲は電子メールだけを考えていました。しかし、すぐにこのツールの可能性に気付きました。買い物客がショッピングカートに何か商品を入れてからwebサイトを離れても、Adobe Campaignを使用すれば、買い物かごに入っている商品を思い出してもらうための電子メールを買い物客に送信することができます」、とMérielは述べています。

Adobe Campaignでは、顧客情報、見込み客情報、ニュースレターの購読者情報など、あらゆる種類のプロファイルデータを単一のデータベースに統合します。Adobe Campaignを使用すると、マーケターはマーケティングキャンペーンのメッセージを一元管理して、顧客とのコミュニケーションをカスタマイズできます。

「Adobe Campaignは、単なる電子メールツールではありません。活用を進めることで、顧客一人ひとりのエクスペリエンスを調整するのに役立つようになります。Adobe Campaignで顧客プロファイルを活用すれば、オンラインとオフラインの顧客体験のギャップを埋めることも可能になります。将来、当社の顧客サービス担当者は、顧客がwebサイトで何を探していたのかを把握し、オフラインでシームレスに対応できるようになるかもしれません。また、顧客がスマートフォンを購入して一年を迎えたら、パーソナライズされた「バースデー」メッセージを送信するなど、Adobe Campaignを使用することで、顧客にサプライズを提供したり、喜んでもらうこともできます。現状では、こうした様々な取り組みをすべて実現したわけではありませんが、当社の歩むべき道は明確です」、とMériel氏は述べています。

「アドビの製品はシームレスに統合することができます。そのおかげで、組織の部門にとらわれることなくそれらの製品を活用し、利用している製品から離れることなく連携効果のメリットを得ることができます」

Nicolas Mériel氏 Swisscom、シニアデジタルストラテジスト

学習文化への投資

Swisscomがアドビの製品を最大限に活用し続けることができる理由には、学習に対する確固とした考え方があります。Mériel氏はこれについて、「アドビ製品の価値ある機能の多くを活用できていないことに気が付きました。製品にアクセスできるだけでは十分ではありません。その潜在的なパワーを引き出すためのトレーニングが必要でした。アドビのおかげで、製品毎の役割の違いやそれぞれの関係を理解することができました」と語っています。

同社はアドビデジタルラーニングサービスと協力して、関係者の知識のギャップに対処するための学習シリーズを作成しました。このXPRESSO Sessionsと呼ばれるコースは、2時間単位の気軽に学習できる形式で、ドイツ語とスイスドイツ語の両方で提供されています。同社では、エスプレッソやロンドンフォグ(Mériel氏が好きな飲み物)を飲みながらリラックスして、アドビの製品に関する知識を深めていくことを推奨しています。あるセッションについて、Mériel氏は、「Adobe Targetは、A/Bテストだけではなく、最も理解しやすく設定しやすい機能なので、皆そこから始めます。しかしA/Bテストの枠を超えて進む必要があることに気づき、アドビとのXPRESSOセッションではそれを実現しました」と説明しています。このセッションでは、理解を深めたいと考えている関係者のために、AIやマシンラーニングを利用したパーソナライズ機能などについて考察しました。

アドビ製品をより深く理解することで、同社ではチーム間の分断を解消することができました。ある部門が分析と最適化に精通し、webサイトでユニークなデジタル体験を生み出すことができた際、他のチームの注目を集めました。同社では、データ主導型のエクスペリエンスと最適化を継続的に改善したいと考えていましたが、トレーニングにより、シームレスなカスタマージャーニーを構築するための知識を関係者で共有できるようになりました。「時間の経過とともに、当社では、データ主導型のエクスペリエンスに関するこの考え方をより受け入れるようになりました。誰もがデータにアクセスし、最適化やターゲティング、A/Bテスト、多変量テストなど、顧客体験を最適化するための施策をおこなうことができるようにするのが目標です」とMériel⽒は述べています。

データ主導型のエクスペリエンスを重視する考え方を取り入れることで、同社の学習文化はさらに強化されています。アドビでは、同社が利用しているアドビの製品群に合わせたトレーニングセッションを提供しています。Adobe Targetに関するセッションでは、エクスペリエンスフラグメントについて学び、Adobe Experience Managerに関するセッションでは、オンプレミスでの Adobe Experience Manager 6.4インスタンスについて学びます。同社がモバイルアプリ用のソフトウェア開発キットに対する理解に取り組んでいた際には、特定のコンサルティング知識のギャップに対処するセッションを提供しました。これらを組み合わせることで、アドビ製品への投資に等しい知識を得ることができます。「ソフトウェアは常に最先端を行くのものです。それに合わせて知識をアップグレードしないと、潜在能力を最大限に発揮することができず、ROIが低下することになります」とMériel氏は述べています。

XPRESSO Sessionsが始まって以来、同社では、現在までに20のセッションを終了しています。直近では、さらに20~30のセッションを計画しています。この勢いを維持するために、同社では、「トリプルT」と呼ぶ戦略をまとめました。ツール、テクノロジー、トピックスに焦点を当てた、アドビの製品を活用していくための新たな方法を生み出すための戦略です。同社では、アドビと連携して、さらなる学習に意欲的に取り組んでいます。

「製品のアップグレードと、関係者のノウハウ、知識、専門性の向上の間に潜むギャップを見極めました。その間の架け橋となるのはトレーニングです」とMériel氏は述べています。

シームレスな統合が相乗効果を生む

Swisscomでは、適切な知識と実践をもとに、デジタル基盤の統合と変革に取り組んでいます。

Adobe Experience Managerからスタートし、徐々にアドビ製品を追加していきました。製品間の互換性が高いことが、この方向性を維持することを決めた主な理由です。アドビの製品はシームレスに統合することができます。そのおかげで、組織の部門にとらわれることなくそれらの製品を活用し、利用している製品から離れることなく連携の効果を得ることができます。もちろん、いくつか課題もありますが、それは克服するために存在しているようなものです」、とMériel氏は説明します。

アドビ製品は、同社のデジタル基盤の不可欠な要素として、そのデジタルビジネスにしっかりと定着しています。Mériel氏によれば、アドビ製品は、同社の競争力を高めるために欠かせないものとなっているようです。

「アドビの製品は、当社にとって万能ツールのようなものです。顧客に適切なエクスペリエンスを提供するためのあらゆる状況に対応するツールが用意されており、それらが緊密に連携してお互いを補完します」、とMériel氏は述べています。

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