#000000

ロゴ

21世紀にふさわしいドラッグストアの構築

Walgreens Boots Allianceが1世紀にわたるサービスを次世代のデジタル体験に変革した方法

30%

モバイルアプリの利用増加

50%

デジタルトラフィックの増加

155

売上増加の基点

導入製品:

Adobe Analytics

Adobe Audience Manager

Adobe Campaign

Adobe Experience Manager

Adobe Target

Adobe Workfront

顔写真

「デジタルだから簡単だというわけではありません。デジタルはシンプルにはなっていません。より多くのチャネルが出現しています。顧客からの期待も高まっています。より迅速で、よりスムーズで、よりシームレスで、統合されたものでなければなりません」

Matt Harker氏

Walgreens Boots Alliance、グローバルマーケティング戦略および変革担当バイスプレジデント

ドラッグストア体験の刷新

Walgreens Boots Alliance(WBA)は、WalgreensとBootsという2つの象徴的なドラッグストア企業がそれぞれに築いてきた歴史を引き継ぎ、今や、地域社会にとって欠かせない存在)になっています。Walgreensは、1901年に最初の店舗がシカゴでオープンし、創業者のCharles Walgreen氏は、どの顧客にも自ら接客をしていました。一方のBootsは、1849年、創業者のJohn Boot氏により、イギリスのノッティンガムで一軒の薬草店としてスタートしました。現在では、米国と英国の顧客のほとんどが、自宅から5マイル以内の距離にあるWBAの店舗を利用できるというほど大規模に事業が展開されています。WalgreensとBootsが1世紀以上前に創業して以来、ドラッグストアは変化を遂げてきました。しかし、顧客との個人的な接点が必要であることに何も変わりはありません。

WBAのグローバルマーケティング戦略および変革担当バイスプレジデントであるMatt Harker氏は、同社が実店舗で大切に培ってきた近所の薬局のような雰囲気をデジタル体験にもたらす上で、重要な役割を果たしてきました。その手腕が評価され、同氏は「2021 Adobe Experience Maker Awards Executive of the Year」を受賞しました。

世界でも類を見ないほどパーソナライズされたオムニチャネルの薬局体験を構築することは、並大抵のことではありませんでした。すべてをデジタル化する必要がありました。対面で行う様々なことをデジタル化して、複数の配送オプションを用意し、個人向けに、人間味あふれるサービスを提供しました。

「顧客にとって重要なことは何でしょうか? 製品、サービス、 コンテンツ、それともメッセージでしょうか? そのようなことを考え始めると、当社のような数億人規模のパーソナライゼーションは、すぐに手に負えなくなってしまいます。コンテンツやメッセージを連携させて、コンテクストに即してタイミングよく、一人ひとりに届けられるようにするには、テクノロジーの助けが必要です」とHarker氏は述べています。

顧客体験を成功に導く2つの要素

新型コロナウイルス(COVID-19)の大流行により、ヘルスケア業界では既に何年も前から迫っていた課題、つまり他の業界と同等の顧客体験を提供することが、緊急の課題となりました。WBAは、デジタル体験の急激な増加に細心の注意を払って対応する必要がありました。

同社は大きな課題に直面していましたが、コラボレーションという強力なツールを自由に使うことができました。今日のビジネスでは、顧客とのパーソナルなつながりを形成することが特に重要であり、その実現にはマーケティングとITの両方が必要です。

WBAのグローバルCIOのFrancesco Tinto氏は、マーケティング部門とIT部門をまとめ、高品質かつ詳細にパーソナライズされた顧客体験を、あらゆる顧客が、あらゆるチャネルで、グローバルに、そして予想外の緊急のタイミングでも利用できるという新たな時代に同社を導きました。

「率直に言って、パートナーシップの核となっているのは、顧客体験をどのように再構築するかというたったひとつの目標です。自分たちの仕事をITとマーケティングに分割したりせず、チームとして、提供したいカスタマージャーニーと体験に取り組んでいます」とTinto氏は述べています。

Matt Harker氏は両部門の知識に精通しているため、IT部門とマーケティング部門の融合の中心であり「ユニコーン」と呼ばれています。Tinto氏をはじめとする同僚たちは、Matt氏こそが、この2つの世界をシームレスに行き来できる未来のユニコーンであると異口同音に表現しています。そして、それは、マーケターがこれから期待することです。

より優れたパーソナライゼーションのためのより優れたパートナーシップ

Harker氏は、WBA、Adobe、Microsoftの3社間のパートナーシップを推進し、全社規模でのパーソナライズされた顧客体験の実現を主導しました。

WBAは、Microsoft AzureやMicrosoft Dynamics 365、Microsoft Power Platformなど、マイクロソフトのクラウドコンピューティングインフラストラクチャによる安定した基盤の上で、Adobe Experience Cloudを活用して、自分たちが思い描くレベルのパーソナライゼーションを実現できました。Harker氏にとって、アドビとMicrosoftは、共に進化し、サービスが行き届いていない地域社会の顧客にリーチするための長期的なパートナーであることは明らかでした。

Harker氏と彼のチームは、WBAの意思決定者から必要な支持を得て、変革を加速させる戦略を策定するために、4つのサンプルユースケースを構築しました。

そして、実装が開始されました。

人物含む画像、人物、メガホン 説明は自動生成

「コンテンツやメッセージを連携させて、コンテクストに即してタイミングよく、一人ひとりに届けられるようにするには、テクノロジーの助けが必要です」

Matt Harker氏

Walgreens Boots Alliance、グローバルマーケティング戦略および変革担当バイスプレジデント

WBAは、Adobe Analytics を活用して、顧客基盤についてより詳細に把握し、正しいスタートを切ることができました。また、約1億人の顧客ロイヤルティプログラム会員のおかげで、すでに豊富な顧客データベースを保有していました。これにより、Adobe Audience Manager をすぐに活用して、小売業務向けのインテリジェントな顧客セグメントを構築し、Adobe Campaign を活用して、あらゆる顧客に最適なメッセージを配信することができました。

大量のパーソナライズ需要に応え、年間数万点のアセットを制作するために、同社のクリエイティブ業務チームはCreative Cloudライブラリを活用しました。これにより、アセットを必要とするすべてのスタッフが、統合され整理されたアセットに直接アクセスできるようになりました。必要なものがすべて一箇所にまとまっているため、コンテンツ制作者やマーケティングチームは、店舗内サイネージやデジタルアップデートを迅速に展開することができます。

Adobe Target を活用することで、同社は、新しいオムニチャネルの小売体験を大規模にパーソナライズし、各体験が最適なものとなるように、必要なあらゆるテストを実施することができます。

さらに、Adobe Experience Manager を活用することで、新しい顧客体験を可視化し、ドラッグストアと小売取引のあらゆるチャネルをまたいで、シームレスかつ一貫性のある適切な顧客体験を提供できるようになりました。また、これらの取り組みを加速する作業管理プラットフォームとして、Adobe Workfront を活用することで、オンラインで拡大するオーディエンスに対して、より効率的に新しいデジタル体験とコンテンツを提供できるようになりました。

例えば、長年定期的に購入している商品の在庫が切れそうになったときに、過去の購買履歴に基づいてカスタマイズされたレコメンデーションを受け取ることができます。さらに、これまでは処方箋の受け付けしかできなかったドライブスルーで、購入した商品の受け取りもできるようになりました。顧客がドライブスルーの窓口に到着すると、既に処方箋の薬が準備されていて、すぐに受け取ることができるのです。また、毎年のインフルエンザ予防接種の時期も知らせてくれます。

結果は、まさにHarker氏が狙っていた通りでした。現在、同社は顧客がどこにいても対応することができます。モバイルからラップトップ、ドライブスルーや実店舗での体験まで、顧客が必要とする時に、必要な場所で利用できるようになっています。

これらをすべてを、世界的な健康危機の真っ只中で実現しました。

Walgreens、パンデミック対策に率先して取り組む

Walgreensは、特にサービスが行き届いていない地域社会に対して、利用しやすい健康およびウェルネスのソリューションを提供するという使命を果たすべく、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック発生時に迅速な対応を行い、米国49州とプエルトリコでコロナウイルス検査施設を運営した最初の組織のひとつとなりました。

「私たちは、サービス提供先の地域社会や医療システムにおいて重要な役割を担っています。それは誰も予想していなかったと思います。素早く方向転換する必要がありました。アドビに連絡し、『これは大きな転機であり、この機会を本当に生かす必要がある』と伝えました」とHarker氏は述べています。

同社は、アドビの支援により、オンラインのCOVID-19ポータルを開設して、患者がウイルスの最新情報を入手し、ワクチンや検査の実施状況や適格性を確認し、予約を入れ、リマインダーを受け取ることができるようにしました。また、Adobe Experience Cloudのインフラストラクチャにより、1時間あたり40万人にリーチすることが可能になりました。これまでに、5,200万回以上のCOVID-19ワクチン接種と2,000万回以上のCOVID-19検査を実施しています。

ブロンドヘアの人物 説明は中程度の確信度で自動生成

「アドビとの技術提携により、顧客を第一に考え、個々のニーズを高度にパーソナライズし、あゆる関連チャネルで体験を実現できるようになりました」

Alyssa Raine氏

Walgreens、グローバルカスタマーマーケティングプラットフォーム担当グループバイスプレジデント

優れた顧客体験とは、最も重要な瞬間に顧客とともにあることと理解しているWalgreensは、Adobe Campaignを活用して、予防接種後15分以内に患者と連絡を取っています。患者には、myWalgreensアプリをクリックするように促すパーソナライズされたメッセージが電子メールやSMSで送信されます。このアプリでは、ワクチン接種の記録を確認し、次の接種を予約することができます。WBAは、Adobe Experience CloudとAzureプラットフォームのセキュリティにより、顧客の個人健康情報を保護し、HIPAAに準拠しながら、このような個別のアプローチを実施することが可能になります。

Walgreensのカスタマーマーケティングプラットフォーム担当グループバイスプレジデントのAlyssa Raine氏は、「パンデミックにより、薬剤師や当社のチームメンバーの役割が拡大し、検査やワクチン接種の第一線に携わるようになりました。これを当社のデジタル戦略と組み合わせることで、お客様とウェルネスサービスとの間の摩擦を解消することができるようになりました」と述べています。

Walgreensには、ドラッグストア体験を向上させる方法を模索してきた歴史があります。同社は、「ドライブスルードラッグストア」を全国レベルで展開したことで有名です。パンデミックにより、あらゆる企業がデジタル分野に本格的に参入し、ソーシャルディスタンスのプロトコルが追加されたことを受け、同社は、利便性向上の取り組みを加速させ、処方薬以外の商品もドライブスルーで購入できるようにしました。現在、顧客はオンラインまたはmyWalgreensアプリで商品を注文し、全米7,300カ所以上のドライブスルーで商品を受け取り、支払いを行うことができます。または、店内または車寄せで30分以内に商品を受け取ることができ、最速のBOPISとなっています。外出したくない場合も、まったく問題ありません。同社は、1時間以内の当日配達サービスと、Postmates、DoorDash、Uber Eats、Shipt、Instacartによるオンデマンドマーケットプレイスを拡大しました。

「アドビとの技術提携により、顧客を第一に考え、きわめて個別化された個々のニーズに応えるこの体験を、関連するあらゆるチャネルで確実に提供することができます」とRaine氏は述べています。

顧客満足度は大幅に向上し、myWalgreensアプリの利用率は前年比で30%増加し、全体的なデジタルトラフィックは50%増加しました。myWalgreensアプリの累計ダウンロード数は1億件間近であり、同社と連絡が取れる顧客数は2倍以上の5,000人に増加しました。同社の2021年第1四半期の収益だけでも、これらの大規模なパーソナライゼーションの取り組みが、売上に155ベーシスポイント寄与していることが分かります。

健康な世界は地域社会の健康から

「イノベーションはどこから生まれるのでしょうか?それは魔法のように、どこからともなくやってくるアイデアではありません。画期的なアイデアを知っている特別なイノベーションの専門家がいるわけでもありません。それはただ、物事を分解し、それを新しい方法で再結合することなのです」とHarker氏は述べています。

ヘルスケア業界においてテクノロジーは、治療方法や医療器具、ケアの方法など、個人の健康に大きな影響を与えています。Harker氏、Raine氏、Tinto氏、そしてWBAは全社を挙げて、テクノロジーを活用して顧客体験を再構築して、ヘルスケアをよりパーソナルでアクセスしやすいものにするために、途方もない規模で取り組んできました。24時間365日対応の薬剤師とのライブチャット、的確な健康アドバイス、処方箋のスムーズで素早い調剤など、小さな前進を積み重ねてきました。

人物含む画像、人物、メガホン 説明は自動生成

「健康とは、非常に個人的なものです。私たちは、当社のブランドが人間味を失わないようにすることに非常に気を配っています。やり取りが常に人間を介するものではないとしても、その体験の背後には人間的な配慮があると感じられるはずです」

Matt Harker氏

Walgreens Boots Alliance、グローバルマーケティング戦略および変革担当バイスプレジデント

これは、世界中に大きな影響を与えた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の後では特に重要です。COVID-19は、世界中に波紋を広げただけでなく、多くの企業がより健康的な地域社会の構築に向けて意欲と情熱を傾ける要因にもなりました。COVID-19は、人々に人間性の共有を認識するよう呼びかけています。ヘルスケア業界に携わるあらゆる人々は、新しく刺激的な方法で協力し、連携することを求められています。

関連するユーザー事例

https://main--bacom--adobecom.hlx.page/fragments/customer-success-stories/cards/generic-collection

その他のユーザー事例を見る

https://main--bacom--adobe.hlx.page/fragments/customer-success-stories/contact-footer