メルマガの開封率とは?メルマガ開封率を向上させる4つの方法
メルマガの開封率は、見込み顧客との関係強化を目的として行われるメルマガ配信において、その効果を最大化させるために、必ず見るべきポイントのひとつです。 ここでは、メルマガの開封率の測定方法や平均開封率のほか、開封率を向上させる方法についてご紹介します。
目次
- メルマガを配信するメリット
- メルマガ配信はKPIの設定が重要
- メルマガ配信のKPIを計測するには?
- メルマガの平均開封率はどれくらい?
- メルマガの開封率を上げる4つのコツ
- メルマガ配信システムとMAの違い
- MAでメルマガ配信をするメリット
- メルマガを効果的に配信するならMAの活用を
メルマガを配信するメリット
メルマガの開封率は、メールマーケティングにおいて注目すべき指標です。
最近では、メルマガによる情報配信が一般的になり、ユーザー側が受け取る情報を選別するようになったことや、企業の発信を待たずにユーザーがみずから調べて情報を取りにいくケースが増えています。その結果、従来の画一的なコンテンツ配信ではなく、ユーザーの属性に合った内容とタイミングでのメルマガ配信が求められるようになりました。
こうした変化の中でも、メルマガを配信するメリットは大きく3つあります。
費用対効果が高い
メルマガ配信のメリットとして、費用対効果が高いことが挙げられます。
メルマガを配信するにあたって必要なのは、基本的には顧客のメールアドレスを集めた配信リストと、コンテンツのみです。これらは、いずれも自社で保有している情報をそのまま活用することができるため、ほかのマーケティング施策に比べて導入にかかるコストを抑えて高い効果を得ることができます。
リーチできる範囲が広い
幅広い層にリーチできることも、メルマガ配信のメリットです。SNSなど、多様なコミュニケーションチャネルが存在する現在でも、メールはビジネスシーンにおける主要なコミュニケーション手段といえるでしょう。そのため、利用者が多く、幅広い層にリーチすることができます。
スマートフォンの普及でメールを手軽にチェックできるようになったことも、メールを使用する人が多い理由のひとつだと考えられます。
One to Oneマーケティングに対応できる
メルマガ配信は、セグメンテーションを適切に行うことでOne to Oneマーケティングにも対応できます。
不特定多数のユーザーに向けて行うマスマーケティングは、大量生産・大量消費の時代の終焉とともに、少しずつ縮小しています。そこで、潜在顧客を選別できない場合や、市場全体が潜在顧客になりうる場合を除いて、個別に最適な情報を最適なタイミングで届けるOne to Oneマーケティングが重視されるようになりました。
それぞれのユーザーと定期的かつ継続的な接点を持つことで関係性を構築していくメルマガ配信は、時代が求めるOne to Oneマーケティングに適した方法です。
メルマガ配信はKPIの設定が重要
メルマガの配信で注意すべきなのは、ともすれば「配信すること」そのものが目的になりがちな点です。メルマガ配信の目的は、製品やサービスの購入につなげることですから、配信後の検証・分析につながるKPIを設定して配信に取り組みましょう。
メルマガ配信のKPIとして考えられるのは、「開封率」「クリック率」「メール経由のコンバージョン率」などです。それぞれについて解説します。
開封率
開封率とは、一斉送信したメルマガを受け取ったユーザーのうち、実際にメールを開いた人の割合です。開封率は、下記の計算式で算出できます。
開封率=(メールを開封した件数÷配信に成功した件数)×100
なお、配信総数ではなく配信に成功した件数に対しての割合を求めるため、メールアドレスの不備などでユーザーに届かなかったメールは含まれません。また、テキスト形式のメールは開封率を測ることができないため、開封率を測るのであれば、HTML形式のメールを配信することが前提となります。
クリック率
クリック率とは、配信したメルマガの本文中に記載されているURLをクリックした人の割合です。ユーザーの行動変容を促すには、メルマガを開くだけでなく、商品やサービスの購入ページに遷移してもらう必要があります。 また、URLをクリックしたユーザーだけにクーポンを配布するなど、クリックしてもらったユーザーに対しての施策の実施も可能になります。これらの理由から、クリック率も開封率とともに改善していきたい指標だといえるでしょう。
メール経由のコンバージョン率
メール経由のコンバージョン率とは、メルマガの配信に成功した件数のうち、配信側が設定している最終的な目標を達成した人の割合です。最終的な目標は、商品の販促メールなら実際の販売数、セミナーの案内ならフォームからの申し込み件数などになります。
メルマガ配信のKPIを計測するには?
メルマガ配信に際して設定したKPIを計測するには、どのような方法があるのでしょうか。KPIを測定する方法には、主に下記の3つがあります。
アクセス解析ツールを使う
KPIを測定する方法のひとつは、アクセス解析ツールを使って測定する方法です。
アクセス解析ツール上で、メールの開封数・クリック数・コンバージョン数などを確認し、それを基にメールの開封率・クリック率・コンバージョン率を割り出して測定します。
メルマガ配信システムを使う
メルマガ配信システムを活用してメルマガを配信すると、簡単に開封率などを計測することができます。一覧画面で開封数や開封率、クリック数が表示されるものが多く、アクセス解析ツールに比べて、専門知識がなくても導入できる手軽さが魅力です。
MA(マーケティングオートメーション)を使う
マーケティングプロセスを自動化するMA(マーケティングオートメーション)でも、メルマガ配信が可能です。MAでは、個人のこれまでの活動履歴が一元的に蓄積されていきます。そのため、メルマガを開封した人やURLをクリックした人が、webサイトの閲覧状況も含めどれくらい自社製品に対する興味を高めているのかを可視化でき、個人単位でのコンバージョンをよりトラッキングしやすくなります。
MAについては、下記のページから無料でダウンロードできるeBookで詳しく説明しています。
https://main--bacom-blog--adobecom.hlx.live/jp/blog/fragments/offer-marketo-dg2ma
メルマガの平均開封率はどれくらい?
メルマガの開封率を計測していると、一般的なメルマガの平均開封率はどれくらいなのか気になるところでしょう。メールの平均開封率を定期的に公表しているアメリカのメール配信ツール「Mailchimp」のデータによると、すべての業界のメール平均開封率は21.33%となっています。また、開封率が高い業界では30%に近い数字が出ているのに対し、20%に満たない業界もあるなど、業界特性によって大きな差があることがわかりました。
また、送られてくるメルマガが広告メルマガであるのか、ユーザーが楽しみにしているお知らせであるのかといった内容も大きく影響すると考えられます。
メルマガの開封率を上げる4つのコツ
メルマガの開封率を今よりアップさせたい場合、どのような工夫をすればいいのでしょうか。開封率アップにつながるコツは4つあります。
1. 件名を工夫する
多くのユーザーは、送られてきたメルマガの件名を見て、自分に有益な情報かどうかを判断します。ユーザーの興味を引いて開封につなげられるか、開封されることなくゴミ箱に行くかは、件名次第だといっても過言ではありません。 以下の点を意識して、「読みたいと思わせる件名」をつけましょう。
・読む価値を感じさせる
件名で読者を惹きつけるには、「自分に関わりがありそう」「これを読めば、欲しい情報を得られる気がする」「メール本文を読んでみたい」と思わせることが重要です。
下記の、2つのメールの件名を見比べてみましょう。
(1)●●マガジンVol.10 お得な情報満載!
(2)40代女性に人気の●●入荷!限定クーポンもあり
このような件名のメールが来た場合、(1)よりも(2)のほうがメールの内容を想像しやすく、読みたいと思う人が多いでしょう。さらに、ユーザーの名前を挟むなど、パーソナライズすることで「自分のために送られてきた」という感覚を高め、開封につなげることができます。
・緊急性や希少性を伝える
「本日のみ」「期間限定」「明日開催」のように期限を切ったり、「◯人限定」「◯個限り」のように全員が得られる特典ではないことをアピールしたりするなど、件名で緊急性・希少性を伝えることも開封を促す有効な手段です。 制限があるものは、積極的に件名に盛り込むことをおすすめします。
・文字数は少なめに、大事なことを先に書く
メールの受信ボックスの件名表示には、文字数の制限があります。スマートフォンで読む人が増えていることも考えて、文字数はできるだけ20文字以内に抑えましょう。文末が省略された場合に備えて、大事なことは冒頭で伝えるのがポイントです。
<良い例>
限定◯人・◯日まで!最新マーケティングセミナー
<悪い例>
マーケティングの最新情報教えます!期間限定◯日まで/限定◯人
2. 差出人名を工夫する
差出人名は、メールの信頼性を高められるポイントのひとつです。
受信者がどこからのメールなのかをひと目で把握できるよう、企業名や担当者名での送信が望ましいでしょう。
<良い例>
差出人:◯◯株式会社
差出人:◯山×子(◯◯株式会社)
<悪い例>
差出人:info@xxxxx.co.jp
3. タイミングを見極める
ターゲットに応じて、メルマガを送る曜日や時間帯を見極めることも重要です。
ビジネスパーソンが対象なら、朝夕の通勤時間のほか、出社後の8〜10時、お昼休憩後の13〜14時、終業間際の17〜18時など、メールチェックする人が多い時間帯を狙って送付するといいでしょう。
一方、主婦層がターゲットなら、朝の慌ただしい時間帯や休日は避け、平日の昼から夕方までの時間帯に送付すると開封されやすいといわれています。
・A/Bテストを行う
開封率を上げるためには、A/Bテストで検証を行い、その結果に合わせてタイミングや件名を決定しましょう。
A/Bテストとは、複数パターンの広告やコンテンツを配信し、結果を検証することです。一部のユーザーにA/Bテストを行い、効果が高かったパターンを残りのユーザーに適用することで、効率良く効果を改善することが可能です。
例えば、メールの件名のA/Bテストを行う場合は、少量のテストセグメントを抽出し、件名を複数パターン用意したり、配信時間を複数に分けたりします。そして、同じセグメントのユーザーにそれぞれ同じ数ずつ配信し、開封率が高かった件名や配信時間を残りのユーザーに適用します。
4. メール到達率を改善する
メール到達率を改善することも、開封率アップにつながります。メール到達率とは、送信したメールが受信ボックスに届いた割合のことです。送信したメールが迷惑メールフォルダに入ったり、インターネットサービスプロバイダ(ISP)にブロックされたりすると、受信ボックスには届かず到達率が下がってしまいます。メール開封率を改善したい場合は、メール到達率の改善にも取り組みましょう。
メール到達率を改善する方法はいくつかありますが、ここでは代表的な方法を2つご紹介します。
・リストを精査する
メール到達率を改善するためには、リストを精査してみましょう。メルマガを送る際、多くの企業は一度獲得したアドレスをリスト化して送信対象としています。しかし、その中には、ユーザーが購読を解除しないまま迷惑メールに設定していたり、メールアドレスを変更するなどしていたりして、アクティブでないアドレスが一定数含まれているのです。
また、無効なメールアドレスに何度もメールを送信した場合、スパムメールの配信者だと判定される場合があります。スパムメールの配信者に判定されると、送信したメールが迷惑メールフォルダに入れられてしまう可能性が高まります。アクティブでないアドレスをそのままにしていることで、メール到達率が85%以下である企業や、スパムメールだと判定される率が5%を超えている企業も少なくありません。メルマガの配信リストは、定期的に見直しましょう。
・スパムフィルターにかかりやすいワードを使わない
「儲かる」「稼ぐ」などの扇動的なワードや、過度な「!」の使用は、スパムフィルターにかかりやすいといわれています。プロバイダにスパムメールと判断されないよう、使用するワードは厳選しましょう。
メール到達率の改善については、下記の無料eBookでも詳しく説明していますので、ぜひ改善策を試してみてください。
今すぐできるメール到達率の改善策
メール到達率を改善し、マーケティングの効果拡大、収益の増加、ブランドの保護につなげましょう。
資料をダウンロード
メルマガ配信システムとMAの違い
続いては、メルマガ配信システムとMAの違いについてご紹介します。メルマガ配信システムとMAでは、できることが大きく異なります。目的に合ったツールを選ぶために、それぞれの特徴を知っておくことが重要です。
メルマガ配信システム
メルマガ配信システムは、メルマガの自動送信ができるツールです。一斉にメールを送信したり、配信したメールの開封率やクリック率といった効果を測定したりすることもできます。シンプルな機能で、初心者でも簡単に使いこなすことができますが、メールマーケティング以外に活用することはできません。
メルマガ配信システムには、主に下記のような機能があります。
・メルマガの作成
テキストのみで構成される「テキストメール」や、文字を加工したりさまざまなグラフィックを挿入したりして見た目を整えた「HTMLメール」を作成できます。メールの開封率が測定できるのはHTMLメールのみです。
・メルマガの配信
作成したメルマガを、事前に設定したターゲットに向けて配信することができます。配信時間を設定して配信する予約配信のほか、ユーザーの属性や行動に沿って内容を変えたメルマガを配信するステップメールがあります。
ステップメールについては、下記の記事で詳しく説明しています。
・効果測定
メルマガ配信システムを経由して配信されたメルマガを、受信者が開封しているかどうか、または本文中にあるURLをクリックしているかどうかを測定することができます。
MA
MAは、マーケティングのプロセス全体を自動化・効率化するツールです。メルマガ配信機能は、MAの機能のひとつとして用意されています。メルマガ配信に特化したシステムに比べてMAは多機能な分、マーケティング活動全体をフォローできるのが大きな魅力です。
MAには、主に下記のような機能があります。
・リードを管理する
営業担当者がそれぞれ持っている名刺など、顧客情報を一元管理してデータベースを作り、オンライン・オフラインの行動履歴からそれぞれのステータスを把握します。
・顧客をスコアリングする
メルマガの開封、URLのクリック、セミナー参加といったオンライン・オフラインでの顧客の行動を数値として視覚化できます。それによって、受注確度の高いリードを把握しやすくなります。
リードスコアリングについては、下記のページから無料でダウンロードできるeBookで詳しく説明しています。
https://main--bacom-blog--adobecom.hlx.live/jp/blog/fragments/offer-ma-dg2ls
・メールを配信する
顧客をステータスごとにセグメントし、パーソナライズされたメールを配信して購買意欲を高めることができます。
・CRMやSFAと連携し、シームレスな情報共有を実現する
MAは、顧客管理システムのCRM(Customer Relationship Management)や、営業支援システムのSFA(Sales Force Automation)といったほかのシステムと連携することにより、部門間の壁をなくし、シームレスな情報共有を可能にします。
CRMについては、下記の記事で詳しく説明しています。
SFAについては、下記の記事で詳しく説明しています。
・webページを作成する
問い合わせフォームや資料のダウンロードフォームなど、興味関心の度合いが強いホットリードを誘導できる、簡単なwebページを作成することができます。
MAでメルマガ配信をするメリット
MAでメルマガ配信を行うメリットは、その豊富な機能を活かしてOne to Oneマーケティングを実施できることです。MAの機能とメリットを具体的に解説します。
個人単位でアクティビティを計測できる
MAでメルマガ配信をするメリットとして、個人単位で「アクティビティ」を計測できることが挙げられます。
メールの開封やwebサイトへのアクセスなど、顧客のオンラインにおけるアクティビティを個人に紐づいた形でトラッキングできるため、メルマガ配信システムより詳細にメールのマーケティング効果を計測できます。
容易にセグメント配信できる
顧客をセグメントしてメルマガ配信できるのも、MAでメルマガ配信をするメリットのひとつです。
獲得したリードのほとんどは、すぐには受注に結びつきません。そのため、長期的に管理して関心を引き出し、興味が最も高まったタイミングで適切なアプローチをすることが重要です。
MAは、社内の顧客情報を一元的にデータベース化し、属性情報や行動情報で顧客をセグメントすることができるため、顧客の検討度合いに応じてパーソナライズされたメールを配信できます。
例えば、「30代ビジネスパーソンに、仕事に役立つ最新情報を届ける」「新商品の特設サイトにアクセスした顧客に、割引クーポンを届ける」といったことも可能です。
メルマガを効果的に配信するならMAの活用を
メールマーケティングを行うツールは、メルマガ配信に特化したメルマガ配信システムと、新規リード獲得からメールマーケティングを含めたリードナーチャリングまでをすべて担えるMAが代表的です。それぞれに特徴があり、強みも異なるため、自社のニーズに合ったツールを選びましょう。
より効果的にメールマーケティングを行いたいなら、顧客の行動を把握して細かくセグメントし、パーソナライズされたメールを配信できるMAがおすすめです。
「配信して終わり」のメールマーケティングから卒業するためにも、メールマーケティングの知識を深めたい方は、下記の無料eBookをご覧ください。
https://main--bacom-blog--adobecom.hlx.live/jp/blog/fragments/offer-003329-ma-basic-email-marketing
次のステップ
MA分野のリーダーであるAdobe Marketo Engageについてより詳しく知りたい場合は、アドビにお問い合わせください。