アドビ、複数のAIエージェントの連携基盤となる「Adobe Experience Platform Agent Orchestrator」とAIエージェントの一般提供を開始
Adobe Comms
07-23-2025

アドビは何十年にもわたり、世界トップクラスの企業がストーリーを伝え、企業らしさを表現し、卓越したエクスペリエンスを提供するためのテクノロジーを構築してきました。Adobe Summit 2025で発表された「Adobe Experience Platform Agents」は、私たちの人間中心のAIアプローチを適用したAIエージェント機能で、創造性と戦略的マーケティングのさらなる可能性を引き出します。これらのエージェント群が生成AIモデルとともに普段使っているクリエイティブならびにマーケティングツールに統合されることで、チームは専門知識とスキルを向上させながら、より創造性、戦略性、革新性に富んだ顧客体験を生み出せるようになります。
各AIエージェントは、クリエイティブ、マーケティング、テクノロジーの各チームが連携して仕事を進められるように設計されています。また、Adobe Experience Platformを基盤とし、顧客データとコンテンツを活用しているため、あらゆるアクションはスマートかつ高い関連性をもち、ビジネス目標に的確に整合したものとなっています。アドビは本日、特にお客様からのニーズが高かった、Adobe Experience Platform Agentsのうち、「Data Insight Agent」および「Product Support Agent」の一般提供開始を発表します。
また、AIエージェントの威力は単純なタスク処理に留まるものではありません。オーケストレーション機能をもつ「Adobe Experience Platform Agent Orchestrator」を併用すれば、異なるシステムやワークフローをまたいだ複雑な連携が可能になり、チームはこれまでになく迅速に、卓越した顧客体験を提供できるようになります。なによりも、これらのAIエージェントは柔軟性が高く、チームや業界の固有のニーズに合わせて機能をカスタマイズすることができます。この「Adobe Experience Platform Agent Orchestrator」の一般提供も本日開始します。
Adobe Experience Platform Agentsの特長
リアルタイムの顧客体験データとコンテンツが基盤
アドビのAIエージェントは、Adobe Experience Platformと、そこに蓄積されたジャーニー、コンテンツ、行動、パフォーマンスシグナルをセマンティックに理解し動作します。そのためアクションはコンテキストを認識したものとなり、ビジネス目標と整合します。
大規模なオーケストレーションを想定した設計
AIエージェントは単独で動作するのではなく、Adobe Experience Platform Agent Orchestratorを通じて異なるワークフロー、アプリケーション、システムをまたいで連携し、リアルタイムで結果を提供します。
拡張可能な設計
AIエージェントを形作る共通のフレームワークは、幅広いユースケースに対応しています。顧客、パートナー、開発者それぞれが、チームや業界に固有なニーズに合わせ、AIエージェントを構築、構成、統合することができます。
エクスペリエンスメーカー(顧客体験設計者)をサポート
Experience Platform Agentsは、マーケティングチームとクリエイティブチームそれぞれが慣れ親しんだアドビワークフロー上にさまざまなインサイトや提案を提示し、信頼できるチームメイトとしてその力を発揮します。「Data Insights Agent」は、担当者がリアルタイムで探索、改良、調整できる自然言語クエリをもとに、複雑なデータをリッチな視覚情報に変換し、人間によるコントロールを維持しながら、インパクトを加速します。また、このAIエージェントはCustomer Journey Analyticsのジャーニーキャンバス上のボトルネックを特定することもできます。さらに、近日リリース予定の「Journey Agent」と連携すれば、人間のチームが協調することでパフォーマンスを高められるのと同様に、施策の調整をレコメンドしたり、潜在的な最適化をシミュレーションしたりできるようになります。
トラブルシューティングとサポートケースの管理を簡素化
Adobe Experience Platform Agent Orchestratorと連動する「Product Support Agent」は、Adobe Experience Platformアプリケーションを使うマーケティングチームや顧客体験チームに製品サポートを提供します。発生した問題のトラブルシューティング、診断、エスカレーションをインタラクティブに行うことで、問題の迅速な解決と運用効率の向上を実現します。
ユーザーがAdobe Experience Platformの「AIアシスタント」インターフェイスを経由してProduct Support Agentに質問すると、エージェントはアドビサポートに蓄積されたトラブルシューティング記事、製品チュートリアル、法的文書などの信頼できる知識ソースを利用して、数秒以内に実用的なガイダンスを提供します。
このエージェントはまた、ログ、メタデータ、ユーザーセッションの詳細など、関連するコンテキストデータを環境から自動的に収集し、エスカレーションのためのサポートケースに正確に事前入力します。ケースが送信される前にユーザーはその内容を確認することができます。これにより、手作業による入力が減り、重要な情報が最初から確実に取得されます。
サポートケースの追跡もAIアシスタント経由でエージェントに質問するだけで済み、ツールを切り替えたり、別のポータルにログインしたりすることなく、未解決のケースのリアルタイムのステータスを直接確認できます。ケースが割り当てられたか、エスカレーションされたか、解決されたかなど、必要な情報は常に最新の状態で迅速に確認できます。
Product Support Agentでは、このような問い合わせベースの状況報告だけでなく、ケースのステータスに変更があった場合に能動的に通知を提供できるようになる予定です。サポートケースの報告者には進捗があり次第すぐに通知が送られるので、サポート体験全体を通じて十分な情報を得ることができ、確実な情報をもとにステークホルダーとコミュニケーションをとることができます。
チームが信頼を寄せられるAI
責任あるAIであることは、アドビのAIソリューションの根幹であって、単なる特長のひとつではありません。アドビは、ユーザーがあらゆるタイプのAIを安心して使用できるように、適切なガードレールと安全対策を導入する実践的なアプローチを採用しています。エージェント型AIに関しては、データの安全性、正確性、透明性が当社のあらゆる取り組みの中心にあります。エージェント型AIを使用する場合、すべてのビジネスデータは厳格なセキュリティおよびプライバシー管理によって保護され、AIは正確な回答を提供し、その背後にあるテクノロジーは説明可能で信頼性を備えているべきだとアドビは考えています。各Experience Platform Agentが提供開始される際も、これらは開発の基本原則として維持されます。
創造性+マーケティング+AI
Experience Platform Agentは、AIが創造性とマーケティングの実行力を強化し、チームの迅速かつスマートな作業とコントロールの維持を支援する、次世代の業務のために構築されています。エージェント型AIは、人間の専門知識に取って代わるものではありません。専門家がより多くの能力を発揮し、これまで以上にビジネスに大きな影響をもたらす創造的な問題解決に集中できるように支援するものなのです。AIの未来は、人間によって導かれるものです。アドビのエージェントはそれを実現します。そして、これはまだ始まったばかりです。
この記事は2025年6月4日(米国時間)に公開されたExpanding human creativity and collaboration — the future of enterprise AI with Adobe Experience Platform Agents. および Simplify troubleshooting and support case management with Product Support Agent in Adobe Experience Platform.の抄訳です。