
顧客企業に寄り添う
NRG、パーソナライズされたweb体験を提供してリードを獲得し、セールス部門を支援する

5倍
異なるB2Bペルソナ向けにホームページのコンテンツをパーソナライズすることで、エンゲージメントが向上
目標
リードジェネレーションと顧客エンゲージメントの改善にデジタルマーケティングを活用し、セールス部門を支援したい
顧客のニーズを理解し、パーソナライズされたコンテンツを提供することで、より効率的に顧客にリーチしたい
合理化されたワークフローと連携の取れた製品を利用して、デジタルマーケティングコンテンツの生産性を高めたい
成果
異なるB2Bペルソナ向けにホームページのコンテンツをパーソナライズすることで、5倍 のエンゲージメントを達成
webサイトのコンテンツ、テキスト、色、レイアウトをテストし、最適化することで、リードコンバージョンを3%向上
ユーザー体験を改善し、広告のパフォーマンスを可視化してキャンペーンの焦点を見直すことで、1訪問あたりのリード獲得を10倍に 向上
詳細な ペルソナ を活用し、適切で魅力的なパーソナライズされたwebサイト体験を提供
「Adobe Experience Cloudなら、デジタルマーケティングを自動化し、顧客とより緊密な関係を構築して、セールス部門を支援するために必要なあらゆるものが揃っています」
Gin Kinney氏
NRG Energy, Inc.、戦略マーケティング担当バイスプレジデント
米国におけるビジネスの源
産業機械、医療機器、webサーバーなど、あらゆる業界の企業がビジネスを継続するために信頼性の高いエネルギーを利用しています。米国では毎日、300万の家庭や企業がNRG Energyのスマートで持続可能な信頼性の高いエネルギーサービスを利用しています。Fortune 500に選ばれている同社は、小売事業と発電事業を統合した基盤を強みとする、米国トップレベルの顧客重視型のエネルギー企業です。
同社の顧客企業は、大規模な商業企業や産業企業が多く、そのエネルギーの需要は多岐にわたります。これらの顧客企業は、B2Bのセールス担当者と緊密に連携して、自社のビジネスに合ったカスタムメイドのエネルギープランを構築しています。同社は、対面式のマーケティングやイベントを重視することで、顧客との緊密な関係を築き、リードの効果的な育成に成功してきました。しかし、このような対人の営業方法は、顧客数が増加するにつれて必要となるリソースも増大するため、同社が成長するための課題となっていました。
そのため同社では、webサイトや電子メール、ソーシャルメディア、モバイルアプリなどのデジタルマーケティングチャネルをより有効に活用してセールス活動を支援し、新たなセールススタッフの雇用やトレーニングの必要性を最小限に抑えるために、デジタル変革に取り組むことにしました。同社の戦略的マーケティング担当バイスプレジデントであるGin Kinney氏は、「デジタルマーケティングチャネルを活用して顧客関係を維持し、リードを創出し、更新やクロスセリングの機会をサポートすることで、セールス担当者は新規顧客向けにカスタマイズされた魅力的なエネルギープランの作成により多くの時間を費やしつつも、既存顧客との緊密な関係を継続することができます」と述べています。
デジタル変革の重要な要素のひとつは、webサイトを刷新し、魅力的な機能やケーススタディ、ソートリーダーシップなどを組み入れたパーソナライズされたコンテンツを活用し、潜在的な顧客や既存顧客とのつながりを深めることでした。同社のマーケティング部門では、既にAdobe Creative Cloud製品を利用して、デジタルマーケティングで使用されるクリエイティブアセットを制作していたため、デジタルマーケティングを変革するための基盤となる別のアドビ製品、すなわちAdobe Experience Cloudに目を向けるのは自然なことでした。
「Adobe Experience Cloudなら、デジタルマーケティングを自動化し、顧客とより緊密な関係を構築して、セールス部門を支援するために必要なあらゆるものが揃っています」と同氏は述べています。
webサイトコンテンツを刷新して顧客を魅了
NRGは、開発およびクリエイティブエージェンシーであるAKQAと連携し、Adobe Experience Managerを利用して、新しいwebサイトを立ち上げました。これにより、Adobe Creative Cloudで制作されたあらゆるコンテンツは、Adobe Experience Manager Assetsにアップロードされ、管理できるようになりました。また、あらゆるアセットは公開前にタグ付けされるため、アセットの管理が容易になるだけでなく、各アセットのパフォーマンスを追跡し、強固なパーソナライゼーションの準備を整えることができました。
Adobe Experience Manager Sitesを使用すると、コンテンツ制作者は、開発者を介さずにwebページをすばやく作成、公開できます。その結果、市場投入までの時間が大幅に短縮され、より動的なwebサイトが実現できます。
「当社のwebサイトは、顧客との関係を築き、リード創出に重点を置いています。以前のwebサイトは、静的かつ平板なもので、革新的なリーディングカンパニーが表現したいイメージとはかけ離れていました。しかし、Adobe Experience Managerのおかげで、コンテンツ制作者は、企業の関心事や最新の出来事に関連する適切なニュースとソートリーダーシップをいち早く公開できるようになりました。その結果、当社のポジティブなイメージが大々的に広まり、新たな顧客の獲得に役立っています」と、同社のシニアデジタルマネージャーであるSteven Lin⽒は述べています。
また同社は、ハイブリッド型のコンテンツ管理システム(CMS)としてAdobe Experience Managerを採用し、チャネルにとらわれないコンテンツの管理と配信を実現しています。ヘッドレスモデルにより、webサイトだけでなく、電子メールキャンペーンやソーシャルメディアへの投稿、モバイルアプリなど、他のチャネルにもコンテンツを容易に配信することが可能です。これにより、マーケターは、より柔軟に効率よくコンテンツを再公開、再利用することができるのです。
「ユーザーエクスペリエンスの改善とAdobe Analyticsによる広告パフォーマンスの可視化により、訪問1回あたりのリード数が10倍になりました」
Steven Lin氏 NRG Energy, Inc.、シニアデジタルマネージャー
パーソナライゼーションによるリードジェネレーションの向上
NRGのデジタルマーケターは、統合されたAdobe Experience Cloud製品を利用して、顧客とのつながりを深め、強固な関係を構築するためのパーソナライズされた体験を数多く作成しています。Adobe AnalyticsとAdobe Audience Managerを利用して、マーケターはwebサイトのアセットのパフォーマンスを分析し、サイト閲覧者をそれぞれの嗜好に応じてペルソナに分類しています。
その後、マーケターは、各オーディエンス向けに設計された複数のバリエーションのコンテンツやエクスペリエンスを作成し、Adobe Experience Managerにアップロードしてタグ付けします。Adobe Targetは、webサイト訪問者のデータをペルソナデータと照合することで、webサイト体験をパーソナライズします。たとえば、webサイトの訪問者が大規模な医療施設から来ているとAdobe Targetが判断した場合、Adobe Targetはホームページを変更して、病院に関するケーススタディを紹介したり、エネルギーセキュリティに関する最近のブログ記事を取り上げたりすることができます。また、地域ターゲット設定を利用すれば、必要な地域サービスを表示したり不要な地域サービスを非表示にすることで、より適切なwebサイト体験を提供できます。
一貫性のあるマーケティングに向けたクロスチャネルオーディエンスの構築
顧客を理解し、パーソナライゼーションのためのペルソナを作成するには、Adobe Analyticsのデータが鍵となります。webサイトのあらゆるコンテンツがタグ付けされているため、Adobe Analyticsはエンゲージメントを正確に測定し、訪問者のサイト内での行動を把握できます。Adobe Analyticsにより、訪問者の閲覧したコンテンツの種類や費やした時間、webサイト内の移動経路など、様々な疑問の答えを得ることができます。これにより、デジタルマーケターは、訪問者がどのような情報を探しているのか、どのようなコンテンツに興味を持っているのかを理解できるようになります。
Adobe Audience Managerは、リアルタイムの訪問者の行動データを、Reliant.comなどの姉妹サイトの既知の顧客データやDoubleClickのログと組み合わせ、様々なペルソナを定義する特性について全体像を作成します。データ管理基盤としてAudience Managerを使用することで、同社はオーディエンスデータの単一の情報源を構築し、より連携の取れたデジタルマーケティング体験を提供できるようになりました。
Audience Managerを導入する前は、顧客が広告をクリックした際に、トラッキングコードを使ってwebサイトの体験をパーソナライズすることしかできませんでした。しかし、Audience Managerを利用することで一歩先へ進み、顧客が広告を見てクリックしなかった場合でも、同じようにパーソナライズされたweb体験を提供できるようになりました。マーケターは、より強力なメッセージを発信することで、顧客のエンゲージメントとリードの育成を促進できるようになり、コンテンツのパーソナライゼーションによって、エンゲージメントも5倍に増加したのです。
テストと最適化でリード数が増加
Adobe Targetは、NRGのマーケターがweb体験をパーソナライズするためだけのものではありません。オムニチャネル体験のテストと最適化にも使用されています。テストの内容は、どのケーススタディが各ペルソナに結びつくかといった比較から、メッセージング、色、CTAボタンの配置の最適化に至るまで多岐にわたります。このテストの結果、同社はリードのコンバージョン率を3%増加させることができました。
Adobe Analyticsから、リアルタイムの顧客行動データをAdobe Targetに送り、継続的な測定やパフォーマンスのテスト、web体験の最適化に利用できます。「Adobe Targetは、パーソナライゼーションや最適化など、優れた顧客体験を提供するための重要な役割を果たしています。当社の小売ブランドのひとつであるReliant Energyは、Adobe Targetの導入後、クリックスルー率が2倍になりました」とLin氏は述べています。
パフォーマンスの可視化によりリード数が10倍に
Adobe Analyticsを導入する前、マーケターは特定の広告がトラフィックにどのような影響を与えているのか可視化できませんでした。現在、同社のマーケターは、webサイトだけでなく、広告キャンペーンがトラフィックやリードに与える影響をより明確に把握できるようになりました。「効果のある広告なら労力と費用を集中させ、効果のないキャンペーンなら再編成するという対策を採ることができます。ユーザーエクスペリエンスの刷新とAdobe Analyticsによる広告パフォーマンスの可視化により、1訪問あたりのリード獲得が10倍に高まりました」とLin氏は述べています。
同社は、Adobe Experience Cloudの利用を拡大することを検討中です。特に3rdパーティデータをAdobe Audience Managerに取り込み、未知のオーディエンスを正確に識別してターゲットする能力を拡大することを目指しています。
「当初、パーソナライゼーションは、主にブランドの広告表示や顧客エンゲージメントに役立つと考えていました。これほどまでに収益に影響を与えるとは思いも寄りませんでした。マーケティング部門はリードを増やし、セールス部門の力になっています。これはパーソナライゼーションの効果によるものです」とLin氏は述べています。