リードジェネレーションの実践方法とは?見込客を獲得する方法と事例を解説

リードジェネレーションの実践方法とは?見込顧客を獲得する方法と事例を解説

新規顧客を獲得する活動の中で、これまで通用していたような代表番号へアプローチする電話営業や、アポなしの飛び込み営業が通用しづらくなってきていると感じている方がいらっしゃるのではないでしょうか。その理由は、個人であれ法人であれ、インターネットで得られる情報が多くなり、また氾濫する情報の中で口コミを信頼するようになってきており、購買者が検討初期の段階で営業社員と直接やりとりすることを嫌う傾向にあることにあります。

また、製品やサービスに関する情報はオンラインで容易に得られるため、購買検討にかかる期間も長期化しました。

このような変化を経て、ビジネスを成長させ続けるために、旧来の営業戦略とは異なる戦略にもとづいた新規営業のスタイル、特にウェブを使って見込客を獲得し、中長期的にわたり見込客との関係を構築していく取組に注目が集まっています。その中でも見込客を獲得する取組はリードジェネレーションと呼ばれ、これまでになく重要性が高まってきています。

ではリードジェネレーションとは何か?どんな手法があるのか?ご紹介していきます。

目次

  • リードジェネレーションとは?
  • リードジェネレーションの具体的な実践手法
  • リードを獲得し、ナーチャリングしていくためには?
  • リードジェネレーションの投資対効果を評価するには?
  • MAでできるリードジェネレーション手法
  • リードジェネレーションを活用した事例
  • リードジェネレーションのまとめ

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リードジェネレーションとは?

リードジェネレーションとは、見込客(リード)を獲得するための活動のことです。

この活動が上手くいくと、ターゲット顧客の調査とその管理に費やす時間を減らして、営業活動に割く時間を増やすことができます。

実際に、アドビの実施したベンチマーク調査でもリードジェネレーション活動が成熟している企業ほど営業生産性が高く、売上の伸びも大きいことがわかっています。 成熟した企業は、平均的な企業と比べても計画より133%大きい売上を達成しており、成熟率の最も低い企業と比べると174%とさら に差が開きます。しかも、成熟した企業の営業担当者が営業活動に費やす時間は全体の 73%に 達しています。一方、リードジェネレーション戦略が不十分な企業の営業担当者が営業活 動に費やす時間は 57%止まりでした。

これだけの差が出るのであれば、取り組まない手はないでしょう。

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リードジェネレーションの具体的な実践手法

リードジェネレーションの具体的な実践手法

引用:YATのblog

リードジェネレーションにはいくつかの手法があります。

上記の図はファネルと言われるものですが、特定のサービスに対するユーザー数や関心度を分類したものです。このファネルを自社で作成し、事業フェーズや対象顧客のよく使うチャネル(媒体、経路)、予算を想定した時に、何がベストかをその都度選択していく必要があります。以下にリードジェネレーションで主に活用されるチャネルや手法を5つご紹介します。

(1) デジタル広告

デジタル広告は、広告チャネルとして欠かせないものとなりました。

2018年2月時点では既に、電通が発表した2017年の日本の総広告費によると、前年比1.6%増の6兆3,907億円、うちデジタル広告費(媒体費+制作費)は4年連続2桁増の15.2%、金額ベースで1兆5,094億円となっており、全体の広告費の1/4に迫る勢いでした。

その背景として、前述したように購買者行動のオンラインシフトが進み、サービス提供者がそれに対応したマーケティング施策を行おうとした結果、特にモバイルにおける運用型広告や動画広告が拡大したと言えます。

またデジタル広告にはいくつか種類があり、ブランド広告(純広告)、検索連動型広告(SEM)、SNS広告などがあります。

衛士樽広告は、他の媒体より1件当たりの単価が安いのが特徴です。だからと言って闇雲に配信しても効果はありません。上記のファネルをもとに、自社のサービスの特徴や対象ターゲットを想像した時に、どの段階にユーザーが多いのかを想定した上でいくつかのデジタル広告を出し分ける必要があります。

例えば低関心層を狙う場合には純広告を配信し、潜在層には自社製品と関連性が高い検索キーワードにリスティング広告(検索連動型)を配信する。一度自社サイトに来訪したことのある顕在層にはリターゲティング広告を配信する。それにより最終的にはランディングページに来てもらい、連絡先(リード)を獲得することができます。

(2) コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングとは、個人と関連性の高いコンテンツを作り、顧客を惹きつけて良い関係を構築するマーケティング戦略です。もう少しわかりやすく言うと、購買者にとって役に立つ情報を記事として継続的に提供し、同時に情報の中で自社サービスによって解決できる問題意識を持たせて、行動を喚起させることを言います。

短期的に成果が見込める施策ではないことと記事の量産のために人的な負荷がかかるというデメリットはありますが、人件費以外のコストをかけずに有望なリードを獲得でじるデジタル集客手法です。

一つの例をご紹介すると、冒頭でご紹介したクラウド会計ソフトの業界シェアNo.1のfreeeは、会計に関する情報を「経営ハッカー」という自社メディアで提供し、自社製品にとって有望なリード獲得を行っています。

コンテンツマーケティングを実施するステップや戦略については、次の資料が参考になります。

https://main--bacom-blog--adobecom.hlx.live/jp/blog/fragments/offer-ma-dg2ecm

(3) イベント開催

イベントは大きく3種類に分けられます。外部展示会、自社カンファレンス(内覧会)、セミナー(自社/共催)です。イベントを開催することで製品やサービスの情報を広く多くの方に発信でき、一度にたくさんのリード獲得が見込めます。特に外部の展示会やセミナーに出展、登壇すれば、自社商材を認知していなかったり具体的には検討していなかったりする情報収集段階の見込客や、前述したようなデジタル施策に反応しない層へも到達することが可能です。さらに、短期的に大きく見込客を獲得できるというメリットもあります。

一方でデメリットとしては、他のリードジェネレーション活動と比べてコストがかかる、イベント参加後に興味関心度が下がりやすいといったことがあるため、その後のフォローを効果的に行い、しっかりと次のステップに進めていくか、関係を維持しておく必要があります。

(4) SNS

これまでFacebookやInstagram、TwitterなどのSNSを活用する上では企業のブランド向上や商品の認知度や好感度を上げることが第一の目的とされてきました。そのため、自社SNSアカウントを開設し情報発信をすることはB2Cビジネスだけでなく、B2Bビジネスであっても一般的になりつつあるのではないでしょうか。

しかし、最近では企業の担当者としてもSNSを情報収集源としている方が多くなっており、Facebookであればその製品ページに誰が反応しているかで製品の良し悪しを判断することもできます。そのため、SNSでリードを獲得したり、セミナー案内を実施したりする企業が増えてきています。

また、SNS自体の機能も充実してきており、上記のSNSでは、単純なデジタル広告はもちろん、年齢や性別などターゲットを絞った広告やリターゲティング広告(追跡広告)、さらにはセミナーの登録管理を行うことができます。

(5) 電話

冒頭で、代表番号への電話営業は通用しづらくなってきているとお話しましたが、リードジェネレーションを目的とした戦略的な電話営業であれば、未だに効果を発揮することは間違いありません。

例えばテレマーケティングにより、何の情報もない中でのアポイントの獲得を目指すのではなく、調査やアンケートという形で企業の役職者へ接触を図る取組や、ターゲットを特定した形でのアプローチであれば、見込客に接触できる可能性は高くなります。後者においては、具体的には、自社製品の売上の8割を占める企業と同じ業界や同規模の企業の担当役員に対しての電話営業であれば、アプローチ先の役職者が自社製品を認知している割合が高く、自社製品で解決できる課題を持ち合わせていると想定されるため、情報提供に応じる可能性が高くなるでしょう。その際は、外部のマーケティングデータや、上場企業をターゲットにする場合には異動情報を上手く活用しましょう。

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リードを獲得し、ナーチャリングしていくためには?

見込客を獲得しても、その時点ですぐに購入検討するような温度感の高い見込客である割合は低く、その数は全体の10%程度と言われています。その他の25%は自社の競合企業や学生などターゲットではない見込客で、残りの65%は興味を持っているが今すぐは検討しない見込客です。

ホットリード(=検討が進んでいる見込客)に対しては、いかに購入までのプロセスを早く的確に進めていけるかが重要ですが、65%の今すぐの検討でないリードについては、本格的な購買検討に至るまで関係を維持し、中長期的な情報提供による関係の維持や構築が重要です。このような、今すぐの検討でないリードを育成していくことをリードナーチャリングと言います。

リードナーチャリングの手法としては、リードジェネレーションと重なる部分がありますが、コンテンツマーケティング、メールマーケティング、自社セミナー、SNSなどがあります。

具体的なプロセス例として、B2Bビジネスであれば展示会でリード獲得し、自社セミナーに誘導してフォローアップを行い、それでも本格検討に至らなかったリードについては、メールマーケティングやリターゲティング広告を駆使して顧客接点を作り、自社サイトにあるコンテンツに触れてもらう事で購買意欲を高めてもらい、検討プロセスを次に進めてもらう、といったことが挙げられます。

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リードジェネレーションの投資対効果を評価するには?

上記でご紹介したように、一言でリードジェネレーションと言ってもその手法は様々です。それぞれの施策の投資対効果を計測するには、以下のような数値指標を計測し、追跡していくことが求められます。

  1. リードの流入元
  2. 中間コンバージョンへの貢献
  3. 受注への貢献

リードジェネレーションは見込客の情報を獲得することを主眼としていますので、まずはwebやイベントといったチャネル毎にどれだけリードを獲得できているかを計測していきましょう。電話やイベントによるリード獲得であれば問題なく流入元を把握することができますが、自然い検索やFacebook広告などから流入してきた場合にはウェブサイト上に作成したフォームと連動して情報を記録できるツールを利用することで効率よくデータを収集できます。

1のみの計測であれば比較的シンプルに収集、計測が可能ですが、真の意味で投資対効果を測るためには、2や3のような単一のチャネルでのリード獲得を計測するだけでは収集できないデータとつなぎ合わせる必要が出てきます。

中間コンバージョンとは、商品の購入や契約に至る中で多くの人が行うであろう活動を、リード獲得から契約、購入に至るまでのカスタマージャーニーの中でのチェックポイントとして定義するものです。例えばニュースレターへの反応やウェブサービスへのログイン、営業担当からの見積の提出のようなものが当てはまります。ここで重要なのは、追跡可能な指標を用いることです。

マーケティングオートメーション(MA)を活用すると、デジタル広告や自然検索など、各流入元からのリード獲得を計測できますし、オンラインの活動をベースにした中間コンバージョンを設定することができます。また、MAをCRMツールやSFAと連携することで、ウェブのデータと、営業活動を中心としたオフラインのデータとをつなぎ合わせることが可能になります。この連携により、各流入元からの売上の効果測定を実現します。最近では、APIやデータ連携ツールによるECカートやDMPとの連携により、さらに詳細な効果測定ができるようになってきています。

上記の効果測定により、例えばFacebook広告からの受注率が低く、デジタル広告からの受注率が高ければ、Facebook広告予算を少なくしデジタル広告予算を増やすなど投資の最適化を行う事ができます。

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MAでできるリードジェネレーション手法

B2B/B2Cといったビジネス対象や企業規模を問わず、幅広い業界での導入実績と効果を出しているマーケティングオートメーション(MA)ですが、そのMAがリードジェネレーションにおいてどのように貢献するかをご紹介していきます。

大きくは「直接的な貢献」と「間接的な貢献」の2つに分類できます。

(1)直接的な貢献

webパーソナライゼーション、パブリックDMPやFacebookと連携した広告出稿

(2)間接的な貢献

LP/フォーム作成機能、イベントの出席管理と登録お礼メール、リマインドメールの自動送信

マーケティングオートメーション(MA)がリードジェネレーションに直接的に貢献する機能としては、第一にwebパーソナライゼーションが挙げられます。これはオンライン接客のような機能で、見込客がウェブサイトへアクセスした際にIPアドレスから住所や企業名を特定し、近くの店舗を案内するポップアップを出したり、ランディングページに埋め込んだ画像コンテンツを業界毎に自動で出し分けたりすることができます。これにより、企業側が本来案内したい情報へ見込客を誘導できるので、コンテンツマーケティングの資産を最大限に生かせます。その他にも、パブリックDMPやFacebook広告と連携して受注顧客が持っている属性と同じ属性の潜在顧客にデジタル広告を出すこともできます。

間接的にリードジェネレーションに貢献するものとしては、ランディングページやフォーム作成の機能があります。デジタル広告やコンテンツマーケティングなどのリードジェネレーション施策により、ウェブサイトに呼び込んだ見込客を匿名から実名状態にすることで、企業側から直接のアプローチが可能になります。これにより営業からのアプローチを含めて実施できる施策の幅が格段に長くなるため、契約までの期間が長くなりつつある近年は特に重要なステップと言えるでしょう。

多くのマーケティングオートメーションではコーディング不要でランディングページを作成できるため、HTMLやCSSのようなwebに関する専門的な知識がないマーケティングや営業担当者でもダウンロードコンテンツやセミナー開催にあわせて自由にリード獲得のページを量産していくことができます。また、リード獲得に関連して、イベントの登録管理や、イベント参加、資料ダウンロードのお礼メールの自動送信によるリード獲得後のフォローアップができます。

マーケティングオートメーションについては以下の記事でもご紹介しております。是非併せてご覧ください。

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リードジェネレーションを活用した事例

こちらでは、リードジェネレーション施策を通じてリード獲得や商談数アップに成功した事例を紹介していきます。

(1) エイトレッド株式会社

ワークフローシステムを提供するエイトレッドでは、webのPV数の伸びと比較して問合せ数が伸びていないという課題を抱えていました。そこで、購買までの顧客行動を把握するために広くアンケートを実施し、購買プロセスマップを作成し、そのプロセスに応じたコンテンツマーケティングを実施しました。特にワークフローという言葉を認知していない層に向けたコンテンツを拡充したことで、月間リード獲得数を6倍に伸ばすまでに成果をあげられました。

(2) VAIO株式会社

個人向けPCから業務用PCの販売に舵を切ったVAIOでは、ブランディングとリード獲得のために「Work×IT」というオウンドメディアを立ち上げ、コンテンツマーケティングの取組に着手されました。自社製品に関する情報だけでなく、働き方改革に関する事例のほか、情報セキュリティに関する基礎、ITコストの削減など、情報システム担当者が気になる内容を広く網羅することで、ニーズが顕在化されていない見込客へ到達することが可能になりました。

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リードジェネレーションのまとめ

インターネットの普及により購買までの検討期間が長くなった近年においては、早い段階で見込客の情報を獲得するリードジェネレーションの取組が重要になってきています。その手法は多岐にわたりますが、自社の顧客がどのチャネルに反応するかを分析し、また、実施したマーケティング施策の効果測定により最適な予算配分を行うことで、成果を最大化することが可能になるでしょう。マーケティングオートメーション(MA)をはじめとしたテクノロジーを上手く活用することで成果をさらに大きくすることも検討してみてはいかがでしょうか。

とはいえ、リードジェネレーションを通して企業が直接アプローチできる対象が増えるため、見込客との関係を構築し、検討を進めていくためのマーケティング施策「リードナーチャリング」や、営業とマーケティングの連携による案件化、契約までのフォローアップ体制をしっかりと整えていくことで、アプローチの抜け漏れを防ぎ、ビジネスの成長に貢献することになるでしょう。

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次のステップ

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