CMSの投資価値を高める「インテントマーケティング」とは?

デジタルでの人々の行動としてよく見られるのが、検索でしょう。その検索行動について、いまパラダイムシフトが起きています。そしてそれは、マーケティングにも変革をもたらしています。この記事では、人々の検索行動をもとに、企業が自社サイトに人々を誘導するにはどうしたらよいか、そしてそのためにCMSがどう役立つのかを解説します。

目次

  • 人々の検索行動と顧客接点の関係
  • インテントマーケティングとは?
  • CMSで制作したページを検索意図に合わせて最適化する方法
  • SEOとインテントマーケティング
  • インテントマーケティングに適したCMS

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人々の検索行動と顧客接点の関係

人々が何か情報を得たいと考えたとき、よく使われるのが検索エンジンでした。Google、Pinterest、Bing、Yelpなどの検索エンジンは、継続的に進化することで、人々の検索ニーズに応えようとしています。そればかりでなく、音声検索、チャットボット、スマートスピーカーやスマートカーのようなコネクテッドデバイスの普及により、人々が情報を得る方法は、ますます多様化しています。

これは企業にとって、人々が企業の提供する商品やサービスを見つけ、エンゲージメントし、取引するための接点と導線が多様化している、ということを意味します。これらの接点全体でシームレスな顧客体験を実現し、コンバージョンに至るまでの道のりを加速させることは、マーケターにとって新たな課題となっています。それに対応するための秘密兵器が、ひとつあります。

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インテントマーケティングとは?

検索エンジンを始めとするデジタルテクノロジーは、AI(人工知能)の発達により、進化し続けています。また人々は、自身の意図を明確に伝えるために、複数の具体的な単語を組み合わせたロングテールキーワードを用いて検索するようになっています。例えば、レストランではどのようなベジタリアンメニューを提供しているのか、営業時間は何時なのか、メニューにはどのような食材が含まれているのかなど、検索を通じて、顧客がどのような情報を求めているのかを正確に把握することが可能になったのです。

こうしたパラダイムシフトを勝ち抜くための鍵となるのが、「インテントマーケティング」です。インテントとは「意思」のことですが、検索行動と顧客接点の関係においては、検索している人が「何を求めているのか」を意味します。インテントは、トラフィック、webサイトのパフォーマンス、検索データ、検索ページの結果を分析することで獲得できます。顧客が何を求めているのかを把握することで、検索後の導線を問わず、顧客が意図した瞬間に適切なランディングページを見つけてもらうことができます。顧客の具体的な質問に答えることができれば、売上を向上できます。Conductorの調査によると、「インポッシブルバーガーを販売している近くのBurger King」といったロングテールキーワードの方が、「ハンバーガー」などのシングルワード検索よりも、コンバージョン率が2.5倍高いことが明らかになっています。

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CMSで制作したページを検索意図に合わせて最適化する方法

次に、インテントマーケティングの戦略と、それを具現化するテクノロジーとして重要なコンテンツ管理の役割を説明します。インテントマーケティングのためには、次の3点に留意するとよいでしょう。

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SEOとインテントマーケティング

人々のインテントに沿ったコンテンツを制作、公開し、公開後も最適化する戦術は、「コンテンツSEO」と呼ばれる施策とも重なります。コンテンツSEOは、検索エンジンからの評価を主眼にして取り組まれる場合もありますが、もっとも重要なのは顧客体験、すなわち、人が求めている情報をいかに提供するか、という視点です。

検索エンジンを起点に考えるのではなく、情報を求めている人を起点に考えるのが、インテントマーケティングのアプローチ、とも言えるでしょう。そしてそのとき重要なのが、インテントを理解し、コンテンツを制作、最適化する、という PDCAサイクルをまわすことです。インテントに対応した価値ある文や図版を作り、コンテンツを更新し、更新前後のトラフィックやコンバージョンなど、顧客行動のパフォーマンスを分析し、その結果から更新の効果を判定して、最適化する訳です。そして、更新と分析をいかに機動的に行えるか、CMSの柔軟性、CMSとデータ分析との連携も、重要なポイントとなります。

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インテントマーケティングに適したCMS

優れたインテントマーケティング戦略を大規模に展開するには、Adobe Experience Managerのような優れたCMSによるコンテンツ管理の迅速化、効率化、高度化が欠かせません。そしてCMSの価値を最大化するには、構造化データを活用するためのツールが求められます。構造化データは、インテントの高いページを提供して検索順位を上げるだけでなく、ランディングページの制作や、自社データを大規模に管理するための鍵となります。検索エンジンがコンテンツをより正確に、より深いレベルで理解できるようにすることで、関連性の高い検索結果で表示される機会を増やし、リッチリザルトとして表示される確率を高めることができます。ローカルページ、イベントページ、製品ページなど、CMSで作成したページをSERP(検索結果ページ)の特定の機能に直接結びつけるには、構造化データを利用して、検索エンジンやインテリジェントアシスタントと関連付けることが重要です。

構造化データを適切に管理することで、CMSで構築した体験を拡張し、デジタルエコシステム全体で、検索エンジンや他の検索サービスを通じて一貫性のあるコンテンツを提供できるようになります。これにより、顧客の疑問により効果的に回答し、検索順位、トラフィック、売上を向上させることできるでしょう。

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