インテントマーケティングとは?活用するデータやメリット、戦略例
デジタルでの人々の行動としてよく見られるのが、検索です。「インテントマーケティング」では、検索履歴などの「インテントデータ」をもとに、ユーザーの課題やニーズに沿った形で製品やサービスを訴求します。
この記事では、インテントマーケティングやインテントデータの概要、インテントマーケティングを実施するメリットなどを解説します。併せて、インテントマーケティングに役立つ「CMS」についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
- インテントマーケティングとは?
- インテントマーケティングに不可欠な「インテントデータ」とは?
- インテントマーケティングとインテントセールスの違い
- インテントマーケティングを実施するメリット
- インテントマーケティングの具体的な戦略例
- インテントマーケティングを実施する際の課題
- インテントマーケティングに有用なツール「CMS」
- CMSを活用して効果的なインテントマーケティングを
インテントマーケティングとは?
インテントマーケティング(Intent Marketing)とは、ユーザーのインテント(=意図や目的)にマッチしたマーケティング活動をするための手法のことです。
ユーザーの意図や求めているものを事前またはリアルタイムに把握し、パーソナライズ化した形で製品やサービスを訴求します。
ユーザーの言動の背後にある課題やニーズは、検索エンジンでの検索履歴や、webサイトの訪問/閲覧履歴などのデータによって把握することが可能です。このデータを、「インテントデータ」といいます。
次章で、インテントデータについて詳しく見てみましょう。
インテントマーケティングに不可欠な「インテントデータ」とは?

インテントデータとは、ユーザーが何らかの意図を持って起こした行動に関するデータのことです。前章のとおり、検索エンジンでの検索履歴や、webサイトの訪問/閲覧履歴などがインテントデータに該当します。
インテントデータを収集/分析することで、顧客の興味関心を把握することが可能です。
インテントデータの3つの種類
インテントデータには、以下の3つの種類があります。
- 1stパーティデータ
- 2ndパーティデータ
- 3rdパーティデータ
1stパーティデータは、自社独自に収集した限定的な範囲のデータです。具体例として、自社サイトの訪問/閲覧履歴や、アンケート調査結果などが挙げられます。
2ndパーティデータは、パートナー企業から提供されるデータです。比較サイトからの購入履歴や、webメディアの閲覧履歴などが該当します。
3rdパーティデータは、公的機関や調査会社などが提供する、より広範なデータを指します。検索エンジンでの検索履歴や、SNSでの活動データが一例です。
インテントマーケティングでは、各インテントデータの特性を理解した上で適切に組み合わせて活用することで、より深く顧客を理解できるでしょう。
インテントマーケティングとインテントセールスの違い
同じ「インテント」を使用する言葉に、「インテントセールス(Intent Sales)」があります。インテントセールスとは、簡単にいうとインテントデータを活用した営業活動のことです。
インテントマーケティングは「マーケティング活動」、インテントセールスは「営業活動」に焦点を当てている点が異なります。
また、インテントマーケティングでは、様々な顧客の購買意欲を高めることが目的です。一方のインテントセールスは、おもにBtoB領域にて、特定の顧客の購買プロセスを促進するために活用されています。
インテントマーケティングを実施するメリット

ここでは、インテントマーケティングを実施するおもなメリットを紹介します。
ユーザーニーズの把握
ユーザーのニーズを理解できていないと、全員に対して画一的なアプローチになってしまいます。
例えば、自社サイトに訪問してくるユーザーは、全員が同じ悩みを抱えているわけではありません。画一的なアプローチを行うと、あるユーザーにとっては有益な情報でも、別のユーザーにとっては不必要な情報となる可能性があります。
インテントマーケティングでは、インテントデータの分析を通して、ユーザーのニーズを正しく把握できる点がメリットです。
把握したニーズをもとに、パーソナライズ化されたコンテンツの提供/提案をすることで、購買意欲を高めることができるでしょう。同時に、無駄な広告費の削減にもつながります。
【関連記事】
マーケティングにおけるパーソナライゼーションとは?MAとの組み合わせや注意点
カスタマーエクスペリエンスの向上
インテントマーケティングでは、リアルタイムでのデータ分析も行います。
ユーザーが製品の購入に至るまでの導線や、ユーザーと企業の接点が多様化するなかで、カスタマーエクスペリエンスの向上は昨今の重要なポイントとなっています。
ユーザーの行動が発生した瞬間に必要なアプローチができることで、購買意欲の獲得はもちろん、カスタマーエクスペリエンスを向上させることも可能です。
なお、リアルタイムのデータ分析ができれば、市場の動向やトレンドにも迅速に対応しやすくなるでしょう。
インテントマーケティングの具体的な戦略例

ここではwebサイトに注目し、インテントマーケティングの具体的な方法を紹介します。インテントマーケティングのためには、次の3点に留意するとよいでしょう。
キーワード検索の最新動向を把握
検索で用いられる言葉には、競合他社、場所、取引、情報、ナビゲーションなどに関するキーワードが含まれます。
キーワード検索の最新動向を把握し、ランディングページにて、顧客が求めている情報を提供しましょう。
顧客の疑問に対応したページやコンテンツを作成
検索データや、対象とするキーワードのオーガニック検索で上位に表示されたコンテンツを分析することで、顧客の疑問を見つけることができます。
分析結果を踏まえ、インテントに沿ったコンテンツを、FAQページ、製品ナレッジベース、ブログとして制作し公開しましょう。これにより、webサイトの検索順位とオーガニックトラフィックを向上させることができます。
ここで重要なのは、インテントの理解、コンテンツの制作、パフォーマンスの分析、コンテンツの最適化といったPDCAサイクルをまわすことです。
レポートを更新して顧客の行動を追跡
ダッシュボードとレポートを使用して、顧客の行動を分析および追跡しましょう。
ランディングページや店舗ページ、製品/サービスのカテゴリページなどの成果を確認し、社内の関係者と共有します。
インテントマーケティングを実施する際の課題
インテントマーケティングの効果は、インテントデータの質に左右されます。
インテントデータの収集方法や管理方法が不適切であったり、更新頻度が低かったりすると、データの正確性が低下し、誤った分析や意思決定につながるでしょう。
したがって、インテントデータの収集から活用までのプロセスや体制を整えることが大切です。
インテントマーケティングに有用なツール「CMS」

優れたインテントマーケティング戦略を大規模に展開するには、CMS(コンテンツ管理システム)によるコンテンツ管理の迅速化、効率化、高度化が欠かせません。
柔軟性が高く、データ分析との連携も可能なCMSを活用すれば、インテントデータを踏まえたコンテンツの制作/最適化や、パフォーマンスの分析を機動的に実施できます。
そこでおすすめなのが、アドビのCMS製品「Adobe Experience Manager Sites」です。Adobe Experience Manager Sitesは、あらゆるユーザーに対するパーソナライゼーションを実現できる、豊富な機能やツールを有しています。
例えば、構造化データの適切な管理により、検索エンジンや検索サービスにおいて、一貫性のあるコンテンツを提供できるようになります。これにより、顧客の疑問により効果的に回答し、検索順位、トラフィック、売上を向上させることができるでしょう。
【関連資料】
https://main--bacom-blog--adobecom.hlx.live/jp/blog/fragments/offer-003263-essentials-contents
https://main--bacom-blog--adobecom.hlx.live/jp/blog/fragments/offer-003369-5-points-of-agile-cms
CMSを活用して効果的なインテントマーケティングを
ユーザーの課題やニーズに沿った活動をするインテントマーケティングは、ユーザーの様々なインテントデータがベースとなります。そのため、正確性の高いデータを収集、分析することが大切です。
特にコンテンツ管理においては、収集したインテントデータをスムーズかつ的確にコンテンツに反映できるツールが役立つでしょう。ぜひAdobe Experience Manager Sitesを活用して、効果的なインテントマーケティングを展開してください。
(公開日:2023/2/16)