「Adobe Summit」を日本で体験!「Adobe Summit Japan」ダイジェストレポート

2025年5月29日、TODA HALL & CONFERENCE TOKYOにおいて、「Adobe Summit Japan」を開催しました。本イベントの内容は、2025年3月18日から20日にかけて米国Las Vegasで開催された「Adobe Summit」を凝縮したもの。製品情報や最新の事例とともに、来場者同士のネットワーキングの時間も用意され、イベントは大盛況となりました。

本稿では、当日の模様をダイジェストでお届けします。

Agenda

●メインセッション

・オープニングメッセージ

・Adobe Summit ハイライト

・Japan Adobe Advocates授与式

・グローバルカスタマー事例①アクセンチュア株式会社:Reinventing Marketing for Growth

・グローバルカスタマー事例②カシオ計算機株式会社:デジタルUXを変革する:顧客エンゲージメントを高めるカシオの取り組み

・グローバルカスタマー事例③株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント:ソニー・インタラクティブエンタテインメントのデジタルマーケティングにおけるグローバル&ローカルのアプローチ

・グローバルカスタマー サクセスストーリー

・ネットワーキング

●Hands-on LABセッション

・Adobe Experience Manager

・Adobe Journey Optimizer

・Adobe Customer Journey Analytics

・Adobe GenStudio for Performance Marketing

「Adobe Summit」で発表されたビジョンや最新情報を凝縮

<オープニングメッセージ>

最初にアドビ デジタルエクスペリエンス事業本部 Managing Directorのジョージ フロニスが登壇し、米国Adobe Summitで発表されたアドビの新たなケイパビリティやビジョンについて発表しました。

<Adobe Summit ハイライト>

続いて紹介されたのは、米国Adobe Summitで発表されたアドビ製品群の最新テクノロジーです。

登壇したのは、アドビの鵜瀬 総一郎、山下 宗稔、阿部 成行、澤田 慶子、今井 裕志、ニコロ バラハジャの6名。アドビ製品のテクノロジーの歴史や、今回の各製品のアップデートの詳細、活用メリットなどがリレー形式で紹介されました。

詳しくはこちらをご参照ください(※こちらでは、米国Adobe Summitのオンデマンド配信がご覧いただけます)。

<Japan Adobe Advocates授与式>

Japan Adobe Advocatesとは、Adobe Experience Cloud製品のエキスパートとして、高い情熱で目標に向かってチャレンジし、ユーザーコミュニティやイベント参加を通じて社内外でマーケター市場の活性化に貢献したユーザーに贈呈する称号です。

アドビでは毎年、Japan Adobe Advocatesを選定し、「Adobe Summit Japan」で表彰を行っています。今回も2025年に選ばれた6名の皆様に対し、授与式を行いました。

詳しくはこちらの記事をご参照ください。

グローバルカスタマーの先進事例を幅広く紹介

<グローバルカスタマー事例①:アクセンチュア株式会社>

グローバルカスタマーセッション最初の事例は、アクセンチュア株式会社。「Reinventing Marketing for Growth」と題されたこのセッションには、同社ソング本部 プリンシパル・ディレクターの矢野 一路氏とマーケティング・コミュニケーション本部 Pursuit & Reputation Marketing Accenture GOシニア・マネジャーの長谷川 治史氏の2名が登壇し、ノンフィクションライター酒井 真弓氏の司会で、アドビのソリューションと生成AIを活用したマーケティングの再構築について取り組みを紹介しました。

マーケティングを担当する長谷川氏は「生成AIのような最新テクノロジーを活用して、より効率的にグローバルサイトを運用するためには、アセットの一元管理から取り組む必要があります」とコメントした上で、Adobe Experience Managerをはじめとするアドビのソリューションを導入した効果を説明。コンサルティングを担当する矢野氏は、最新テクノロジーによるマーケティングの変革を踏まえ、「AIに何を任せるのか、作業設計や役割分担が重要になるので、今後はアクセラレーター的な役割がマーケターに求められると思います」と語りました。

<グローバルカスタマー事例②:カシオ計算機株式会社>  

続いての事例は、カシオ計算機株式会社です。タイトルは「デジタルUXを変革する:顧客エンゲージメントを高めるカシオの取り組み」。登壇したのは、同社マーケティングテクノロジー統轄部 UXプラットフォーム部 DevOpsグループ グループマネージャーの後藤 理華氏と同グループCRMチームリーダーの石山 津氏の2名です。このセッションでは、リアルタイム施策を通じたD2Cの成長と顧客エンゲージメント強化の取り組みを紹介されました。

取り組みがスタートした背景について、後藤氏は「カシオのwebサイト、ECサイトはもともと国ごとの運営で分散化されていました。これを効率化するにはグローバルプラットフォームを統合する必要があったため、Adobe Experience Manager、Adobe Commerceなどを活用した再編を進めました」と紹介。これに続く取り組みについて、石山氏は「Adobe Journey OptimizerとAdobe Commerceを連携させ、より高度なパーソナライズやリアルタイム性のある施策を実施することができました」とコメント。Adobe Commerceでのイベントをトリガーとしたリアルタイム施策が実現したことにより、コンバージョンが大幅に改善したとの成果も紹介されました。

<グローバルカスタマー事例③:株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント>

最後の事例は、“遊びの限界を超える”ことをミッションに、PlayStationの製品とサービスを提供している株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント。タイトルは、「ソニー・インタラクティブエンタテインメントのデジタルマーケティングにおけるグローバル&ローカルのアプローチ」です。こちらは同社グローバルマーケティング オムニチャネルマーケティング東京オフィス ディレクターの秋葉 武宏氏によるプレゼンテーションが行われました。

グローバル機能をカリフォルニア、ロンドン、東京に構え、PlayStationを通じて世界中のプレイヤーに感動体験を届けている同社。秋葉氏は、グローバルなデジタルマーケティング活動の裏側について詳細を語った上で、アドビソリューションを活用しての管理システムやオペレーションプロセスのグローバル共通化の取り組みを紹介。直近ではマーケティングの強化施策として、「ローカルマーケットに対するサポート強化、グループ内の連携強化、データとAIの活用に取り組んでいます」と語りました。

<グローバルカスタマー サクセスストーリー>

このセッションでは、米国Adobe Summitで発表された300社を超えるグローバル企業の講演の中から、厳選された8社の先進事例が紹介されました。登壇したのは、アドビの古賀 圭一郎、袴谷 優介、段 佩伶、マニッシュ プラブネの4名です。

紹介された8社の企業について、古賀からは多数のホテルブランドを展開するMarriott InternationalとPCメーカーのLenovo、袴谷からは物流グローバル大手のUPSと全世界で2兆円の売上を誇るThe Coca-Cola Company、段からはベトナムに拠点を置く金融機関のTechcombankとドイツ発祥の工学メーカーのZEISS、そして最後にマニッシュからは、米国最大手のホームセンターのThe Home Depotと自動車メーカーのGeneral Motorsの事例が紹介されました。

いずれもグローバルにビジネスを展開する企業であり、デジタルシフトに取り組み、新しい挑戦を続けている事例ばかりですが、セッションスタートのあいさつで、古賀から「特に日本のお客様の学びにつながるポイントが多い事例を選定させていただきました」との説明がありました。

詳しくはこちらをご参照ください。

アドビ製品の体験や参加者同士の交流など盛りだくさん

<Hands-on LABセッション>

上記のメインセッションと並行して、当日はアドビ製品の特徴や最新機能、操作方法などを紹介し、実際に参加者が体験するHands-on LABセッションも同じフロアの別会場で実施されました。

取り上げられた製品は、チャネルを問わずあらゆるユーザーに向けてパーソナライズされたエクスペリエンスを、迅速かつ柔軟に構築/展開するAdobe Experience Manager、カスタマージャーニー全体を通じ、真のリアルタイムパーソナライゼーションを実現するAdobe Journey Optimizer、あらゆる顧客接点のデータを統合/可視化できるオムニチャネル分析ツールのAdobe Customer Journey Analytics、そしてデータドリブンなパーソナライズキャンペーンを効果的に実現するAdobe GenStudio for Performance Marketingの4つです。

Hands-on LABセッションは、米国Adobe Summitでもしばしば実施され、アドビ製品の情報発信やユーザーの体験の場となっていますが、Adobe GenStudio for Performance Marketingが取り上げられるのは、今回の「Adobe Summit Japan」が初めてとなりました。

<ネットワーキング>

会場内には、ランチ/休憩用の軽食や飲み物が準備された他、来場者が楽しめる各種アクティビティやスポンサーブースも設置されました。

通路に設置されたタイムカプセルツリーでは、来場者がかなえたいことや挑戦したいことをリーフ型のカードに記入し、ツリーのモニュメントに飾りました。このカードは一度飾って終わりではなく、タイムカプセルのように1年後の次回「Adobe Summit Japan」でも展示する予定です。

アドビ工房では、Adobe Expressアプリのテンプレートを用いて、生成AIや手持ちの画像を素材としたオリジナル缶バッジを作成できるブース。作成した画像をもとにスタッフが缶バッジを作り、来場者は休憩の時間などに受け取られていました。

また、Snack Choice Barは、スナックが詰まった6本の筒が用意され、アンケートの回答に該当する筒のスナックがもらえるアクティビティです。スナックのなくなり具合でアンケート結果が可視化される仕組みとなっています。

その他スポンサーブースでは、アクセンチュア株式会社とデロイト トーマツ コンサルティング合同会社が出展した他、Adobe for Businessのブースも設置され、各社のソリューション紹介や製品体験などが行われました。

受付ロビー全体がネットワーキングのためのスペースとなっており、参加者同士の歓談や意見交換が活発に行われました。アドビからの情報発信にとどまらず、参加者同士が刺激を受け合い、情報交換ができる場となっています。今回参加された方はもちろん、興味を持たれている方も来年のご参加をお待ちしています。ぜひ次の機会もお楽しみに!