レッスン2

コロナ禍の下、企業が戦略を転換するための鍵は俊敏性が握る

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、あらゆる企業が新たな課題に直面しています。アドビも例外ではありません。その課題に立ち向かうために、多くの取り組みを続けています。ここでは、それらの取り組みを通じてアドビが学んだことを、リアルタイムの顧客体験の重要性など、6つのレッスンとして紹介します。

社会の変化に合わせたメッセージの刷新

最近では、あらゆるコマーシャルに、新型コロナウイルス感染症に関連する企業のメッセージが含まれていることに気が付きます。生活や働き方など、社会のあらゆる面が大きく変化しています。その変化に合わせて、企業が製品やサービスの販売方法を見直し、顧客とのコミュニケーションを適応させることが重要になっています。しかし、信頼性の高い方法でそれを実現するためには、何よりもまず、顧客のニーズと行動がどのように変化したのかを把握する必要があります。立ち止まっている、時間はありません。

「信頼性を高めるためには、透明性と共感を高めることが最も効果的です」

Stacy Martinet

アドビ、マーケティング戦略兼コミュニケーション担当バイスプレジデント

Christopher Parkinの顔写真

困難な状況下での俊敏な取り組み

アドビでは、堅牢なデジタル基盤を活用する利点を常に語ってきました。今日、新型コロナウイルス感染症の影響で、否応なしにそのことが、企業にとっての最重要課題となっています。しかし、適切なテクノロジーとインフラストラクチャを備えていなければ、迅速に戦略を転換し、変化に対応し続けることは困難です。

アドビでは、新型コロナウイルス感染症の影響がアジア各国に広がり始めたとき、すばやく危機対応チームを発足しました。多くの企業と同様に、最優先したのは従業員とその家族、顧客、それぞれの地域の安全を守ることです。そこで、世界中のオフィスをすぐに閉鎖し、従業員がリモートワークに移行できるように支援することにしました。

マーケティング戦略兼コミュニケーション担当バイスプレジデントのStacy Martinetは、チームを招集して危機管理のベストプラクティスに連携して取り組み、従業員の思いを確かめながら、将来を見据えた対応計画をまとめました。このチームでは、社内の新型コロナウイルス感染症対策委員会と情報を交換するとともに、市場や業界の最新情報をリアルタイムで確認するために外部機関との連携を進めました。主要なメッセージが急速に変化していたため、内外の関係者と定期的に情報交換をおこなうことが不可欠でした。

また、いくつかの企業とも連絡を取り、それぞれの業界の現状を探り、チームに役立つ情報を得ることができました。

アドビでは、主要なテーマ、透明性、明確さ、共感を軸として、コミュニケーション戦略を策定しています。これらのテーマは目新しいものではなく、アドビの文化の一部に常に組み込まれていますが、新型コロナウイルス感染症の世界的な影響により、さらに重要性が高まっています。

作成した主要なメッセージは、複数のプラットフォームを通じて従業員や顧客、コミュニティに伝達しました。その際には、経営陣も関与し、全社を挙げて連携しました。

これは、既存のプラットフォームで新たなチャネルを作成することで実現しました。従業員に対しては、全社をカバーするイントラネットであるInside Adobeを再構築し、新型コロナウイルス感染症に関する情報の更新を最優先しました。また、Slackで専用のチャンネルを立ち上げ、従業員同士や外部を交えたミーティングを定期的に開催しています。

アドビでは、社内での取り組みを広げて顧客と連携するために、クリエイティブコミュニティと協力して「Honor Heroes(ヒーローを称える)」キャンペーンを立ち上げ、困難な状況に最前線で立ち向かっている友人や親族に賞賛の声を送っています。また、コミュニティで「Stay In, Stay Inspired」プログラムを開始し、Adobe Frescoの塗り絵の無料公開やTime誌の子供向け雑誌とのパートナーシップなどを通じて、自宅で授業を受けている何千人もの子供たちを支援しています。さらに、企業がこの困難な時期を乗り越えるのに必要なリソースやサポートを包括的に入手できるように、Adobe.comに新型コロナウイルス感染症の特設サイトを設けています。

その他にも、American Marketing Associationとともに「Digital Emergency Preparedness(デジタルエマージェンシーに対する備え)」というテーマでウェビナーを開催し、好評を受けて様々な業界への適応を進めました。非常に好評だったので、これを様々な業界で応用しています。様々な業界における、企業の新型コロナウイルス感染症に対する取り組みを詳細に把握することができるため、大変好評でした。それによって共同体意識も生まれました。

Stacyは、堅牢なデジタル基盤を利用することで、かつてないスピードでメッセージを作成、パーソナライズ、配信することができ、新たな段階に進むにあたり、従業員の思いを確認しながら理解を深めることができたと話しています。また、関係者からの信頼、専門家チーム、効果的な共同作業、コミュニティや顧客との緊密な連携が大変重要であったことに言及しています。

Christopher Parkinの顔写真

「あらゆる取り組みの基盤はデジタルです。従業員のことを最優先し、顧客をこれまでに以上に重視する必要があります。それが今、ビジネスリーダーが考えなければならないことです」

Stacy Martinet

アドビ、マーケティング戦略兼コミュニケーション担当バイスプレジデント

俊敏性だけでなく信頼性も重要

そのことを理解している企業は他にもあります。インドの1mgは医薬品や医療サービスのマーケットプレイスを提供しており、オンラインで新型コロナウイルス感染症に関する混乱を解消した最初の企業のひとつです。同社は常に信頼関係を軸に据えてコミュニケーションをおこなっています。新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい始めてから、信頼できる一元化された情報源を求めて多くの利用者が同社のサービスを使用しています。約1,400万人のオンライン利用者に対して、迅速に電子メールを配信することで、顧客向けプラットフォームでのエンゲージメントを倍近くに増加させることができました。「それが、コロナ渦における、当社の戦略の主要な目標でした」と、1mgの製品・設計・マーケティング担当責任者のPrateek Verma氏は語っています。

Delta Air Linesもそうした企業の例です。CEOのEd Bastian氏が、「Updates from Ed」と題した電子メールを毎週配信し、顧客の健康を守るためにどのような対策を講じているか、キャンセルされた旅行プランをどのように処理しているか、最前線にいる人々をどのように支援しているのかを発信しています。

その他の参考情報Walmartの事例の全文を読む

従業員に情報を発信して支援

このようなときには、企業がどのように従業員を支援しているのかを、全社をまたいで知らせることも重要となります。定期的に情報を発信し、双方向のチャネルを確立して、従業員とのつながりを維持し、情報提供し続けるようにします。DXT Technologiesは、「Employee Health and Communication Crisis」というアプリを開発しました。このアプリでは、従業員が自らの健康状態を確認して支援を受け、新型コロナウイルス感染症に関する情報を確認し、自社の重要なニュースに関するアラートを受けることができます。アドビでは、「Take 5 with Adobe」と題した情報配信を毎週おこなっています。この情報配信では、新型コロナウイルス感染症に関するの最新情報や、チームとのつながりを保つ方法、支援を受ける方法のほか、TVで紹介され大きな反響を呼んだ「Honor Heroes(ヒーローを称える)」キャンペーンなど、アドビによるコミュニティの支援活動を取り上げています。

Inside Adobeでは、50以上の拠点のコンテンツを一元管理し、パーソナライズをおこない、従業員が必要とする重要な情報を入手できるようにしています。

WalmartのイントラネットであるOneWalmartは、多くの従業員に日常的に利用されています。毎月のユニーク訪問者数は100万人を超えており、業務のスケジュールや福利厚生だけでなく、従業員の体験談や業務に影響を与える地域の情報などがまとめられています。 イントラネットは、適切に運営すれば、単なる文書や資料の保管場所に留まりません。信頼感を生み、良い時期でも悪い時期でも、常に従業員に情報を提供して意欲を高め、気を配ることができます。

共同作業も重要です。この数ヶ月間で、ビジオ会議ツールの活用が飛躍的に広がっています。しかし、その他にも、PDFやデジタルフォーム、電子サイン、アセット共有など、様々なデジタルツールを利用して、共同作業を促進することが可能です。

最後に、あらゆる人々が独自の方法でこれらの課題に立ち向かう必要があることを付け加えます。Stacyは、「この困難な状況に、人々は普段は想像することもできないような勇気を示しています。世界中の人々が新型コロナウイルス感染症の脅威に立ち向かうために、自らの意思でそれぞれの役割を果たしています」と語っています。

適切なメッセージを効果的に発信

新型コロナウイルス感染症の脅威が広がる中、何を伝えるのか、どのように伝えるのかは、何をするのかと同じくらい重要です。正直に話し、相手のニーズを理解していることを示しましょう。優れたデジタル基盤を利用すれば、顧客と従業員の両方に対するコミュニケーションを迅速に変更することが可能で、持続的な利点が生まれます。

重要ポイント:

重要ポイント

堅牢なデジタル基盤に投資し、状況の変化に応じてメッセージを迅速に適応させる。

重要ポイント

新型コロナウイルス感染症に関する戦略策定には、経営陣と主要な関係者の参加を促す。

重要ポイント

顧客と従業員の両方に向けて、信頼感のある、有益かつ適切なメッセージを発信する。

重要ポイント

顧客やコミュニティに対して、必要なときに、自社がどのように支援できるのかを伝える。

重要ポイント

共同作業のためのツールと双方向チャネルを利用して、リモートワークや自宅待機時の従業員とのつながりを構築し、情報提供を続ける。

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今だからこそ、人とのつながりが求められる

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新型コロナウイルス感染症の影響に対応するための、6つのレッスンを確認しましょう。

アドビでは、迅速に戦略を転換するために、顧客データとフィールドマーケティングチームが役立ちました。また、NASCARでは、レースをオンラインに移行した際に、膨大な数の新たなオーディエンスをデジタルテクノロジーを利用して把握しました。

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レッスン1:リアルタイムの顧客インサイトの重要性がこれまで以上に高まる
/jp/resources/business-continuity/real-time-customer-insights.html

アドビでは、わずか数週間で危機対応チームが新たなメッセージを作成し、展開しました。医薬品や医療サービスのマーケットプレイスを提供している1mgでは、1,400万人の利用者に電子メールを送信して混乱を解消しました。

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レッスン2:コロナ禍の下、企業が戦略を転換するための鍵は俊敏性が握る
/jp/resources/business-continuity/communication-agility.html

アドビでは、顧客とのつながりを維持するために、様々な取り組みをおこなっています。また、Vitamixでは食べ物を通じて人々をつなぎ、劇場やオーケストラでは観客を楽しませる新たな方法を模索しています。

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レッスン3:今だからこそ、人とのつながりが求められる
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アドビでは、わずか3週間でAdobe Summitをオンライン開催に移行しました。また、オーストラリアのNSW Department of Educationでは、昨年の山火事から学んだことを新型コロナウイルス感染症の対策に活用しています。

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レッスン4:新しい働き方が持続的なメリットをもたらす
/jp/resources/business-continuity/new-ways-of-working.html

アドビでは、リモートワークのニーズに対応しています。また、小売店では新たな課題に直面し、TSB Bankではデジタルサービスを刷新しました。

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レッスン5:戦略からビジネスモデルに至るまで、あらゆる要素を再検討する
/jp/resources/business-continuity/reexamining-strategy.html

アドビでは、オンライン学習コミュニティを活用して企業を支援しています。また、米国国勢調査局ではデジタル化の取り組みが大きく前進しました。

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レッスン6:後戻りすることなく、今こそデジタル変革を加速する
/jp/resources/business-continuity/digital-adoption.html
ニューノーマルへの変革

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