レッスン3
今だからこそ、人とのつながりが求められる
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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、あらゆる企業が新たな課題に直面しています。アドビも例外ではありません。その課題に立ち向かうために、多くの取り組みを続けています。ここでは、それらの取り組みを通じてアドビが学んだことを、リアルタイムの顧客体験の重要性など、6つのレッスンとして紹介します。
離れていても、つながる
人は本質的に人とのつながりを求めます。新型コロナウイルス感染症の影響で多くの人々がリモートワークに移行し、自宅で孤立した状況を余儀なくされ、職場での共同体意識を失っています。だからこそ、このような時期でもつながりを保つことが非常に重要となります。
「コミュニティとのつながりを保つことが不可欠です。様々な方法でそれを実現できます。ただし、どのような方法であったとして、人として相手を心から大切にしているという姿勢を示すことが重要です」
Caroline Hull
アドビ、コマーシャルフィールド兼パートナーマーケティング担当ディレクター
共感と創意工夫が結束を強める
アドビのフィールドマーケティングチームは、新型コロナウイルス感染症の拡大が始まってすぐに、コミュニティとのつながりが弱まっていることに気付きました。同チームは通常、四半期ごとに、ワンツーワンの対面型アカウントベースドマーケティングイベントを300件開催しています。そのため、そうしたコミュニティを維持する方法を考え直す必要がありました。重要な顧客と直接つながるための、業界の識者を招いたイベントを、一夜にして刷新したのです。
チームの最優先事項は、顧客を心から大切にしているという姿勢を示すことです。重要なのは共感です。今すべきことは、何かを売り込むことではありません。そのため、ダイレクトメールやAI(人工知能)を活用した、マーケター向けの健康キャンペーンを準備しました。ギフトの獲得や交換、寄付のおこなえるキャンペーンです。
続いて、対面でのミーティング以外でつながることができる方法を模索しました。イベント代理店と連携し、それぞれの地域で、自宅から快適に楽しむことができるハッピーアワー体験を構築しました。また、料理体験教室も開催しました。材料を自宅に送付し、参加者がオンラインで料理や交流を楽しめるというものです。
しかし、すぐに収拾がつかないことに気付きました。全員が同じステイホームの指示に従っているわけではなく、配送業者が閉鎖していたり、荷物が届くことを不快に思う人もいました。そこでチームは再度方針を転換し、食料品の即日配達サービスを運営するInstacartの商品券と材料リストを送ることにしました。「変化に適応していく中で、様々なことに気が付きました。こうしたイベントをバーチャルで開催することにより、規模や範囲を拡大し、より利用しやすいものにすることができました」とCarolineは語っています。
「変化に適応していく中で、様々なことに気が付きました。こうしたイベントをバーチャルで開催することにより、規模や範囲を拡大し、より利用しやすいものにすることができました」
Caroline Hull
アドビ、コマーシャルフィールド兼パートナーマーケティング担当ディレクター
コミュニティを維持するための様々な施策
ソーシャルディスタンスが求められるときでも、様々な方法でコミュニティを構築できます。顧客の役に立つ情報提供コンテンツに注力し、より付加価値の高いサービスを提供します。そして、必要としている人々にイノベーションを提供します。
アドビが開催している、世界中のアーチストに新型コロナウイルス感染症と戦っている人々を題材とした作品を共有してもらう「Honor Heroes(ヒーローを称える)」キャンペーンのように、グローバルコミュニティのサポートを通じて、仲間意識を高めることができます。従業員がどのような形でコミュニティをサポートできるかを考えましょう。従業員が、自分自身と家族のことを大切にするように促します。それは従業員の満足度だけでなく、顧客への真の思いやりにもつながります。アドビのグローバルマーケティングチームには、「遠慮せずにとれる休暇」が与えられました。これは、新型コロナウイルス感染症への対応のために、これまでにない激務に立ち向かった後の価値のある休暇になりました。
Vitamixでは、コニュニティとのつながりを強化するために、人々を結び付ける食べ物の力に目を向けました。数百万人の人々が料理をする機会が増えている中で、ミキサーの購入者や見込み客に、新しいレシピや健康的な食事、楽しみ方を提案することに重点を置いています。料理のデモンストレーションをおこない、ヒントやコツを解説し、食料品店の利用頻度が限られている中での対処方法を共有しています。また、顧客がコンテンツを利用するたびに、ロイヤルティポイントが付与されています。
Disney+では、リモートワーク中の保護者を支援するために、映画「アナと雪の女王2」の公開を3ヶ月早めました。ニューヨークのパブリックシアターとワシントンD.C.のケネディセンターでは、観客や資金援助者との関係を維持するために、脚本家に自宅で演じることができる短いドラマの制作を依頼しました。ベルリンフィルハーモニー管弦楽団では、Facebookでコンテストを開催し、優勝者は貸し切りのベルリン空港での1対1の演奏会に招待されました。
思いやり、創造、つながり
クリエイティブな思考の可能性は無限大です。新型コロナウイルス感染症の脅威が収束した日には、従業員や顧客を心から大切にしていたことや、共有した様々な体験が思い出されることでしょう。
重要ポイント:
現在の困難な状況下で、顧客や従業員を心から大切にしているという姿勢を表すクリエイティブな方法を見つける
イベント運営会社やダイレクトメール、オンラインコラボレーションプラットフォームを活用し、対面で会うことができない中でも人と人のつながりを強化する。
現在の状況に即した、有益な情報提供コンテンツや付加価値サービスを提供する。
コミュニティを支援して交流を図り、従業員が自分自身と家族のことを大切にするように促し、仲間意識を高める。
マーケターとして最善を尽くす。人と人のつながりを構築するための方法を柔軟に考える。
その他のレッスンを確認する
新型コロナウイルス感染症の影響に対応するための、6つのレッスンを確認しましょう。
アドビでは、迅速に戦略を転換するために、顧客データとフィールドマーケティングチームが役立ちました。また、NASCARでは、レースをオンラインに移行した際に、膨大な数の新たなオーディエンスをデジタルテクノロジーを利用して把握しました。
アドビでは、わずか数週間で危機対応チームが新たなメッセージを作成し、展開しました。医薬品や医療サービスのマーケットプレイスを提供している1mgでは、1,400万人の利用者に電子メールを送信して混乱を解消しました。
アドビでは、顧客とのつながりを維持するために、様々な取り組みをおこなっています。また、Vitamixでは食べ物を通じて人々をつなぎ、劇場やオーケストラでは観客を楽しませる新たな方法を模索しています。
アドビでは、わずか3週間でAdobe Summitをオンライン開催に移行しました。また、オーストラリアのNSW Department of Educationでは、昨年の山火事から学んだことを新型コロナウイルス感染症の対策に活用しています。
アドビでは、リモートワークのニーズに対応しています。また、小売店では新たな課題に直面し、TSB Bankではデジタルサービスを刷新しました。
アドビでは、オンライン学習コミュニティを活用して企業を支援しています。また、米国国勢調査局ではデジタル化の取り組みが大きく前進しました。
