レッスン5
戦略からビジネスモデルに至るまで、あらゆる要素を再検討する
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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、あらゆる企業が新たな課題に直面しています。アドビも例外ではありません。その課題に立ち向かうために、多くの取り組みを続けています。ここでは、それらの取り組みを通じてアドビが学んだことを、リアルタイムの顧客体験の重要性など、6つのレッスンとして紹介します。
時代の変化が戦略の転換を求める
新型コロナウイルス感染症のように、人々の生活やビジネスのあり方を一変させるものはほとんどありません。
顧客のニーズが大きく変化したことで、あらゆる地域の企業がビジネスの運用方法と戦略を入念に分析しています。それらの企業では、セールスパイプラインの後期段階における課題やニーズの急増にどのように対処するのかを検討しています。例えば、新しいフルフィルメントモデルへの適応方法や、新しい収益源を見つけ出す方法、リモートワークを支援する方法などです。
「企業として、どのような状況にいるのかを確認する必要があります。どのような企業であっても、以前の働き方に戻ることを期待するべきではありません」
Marissa Dacay
アドビ、グローバルエンタープライズマーケティング担当シニアディレクター
デジタルのニーズに応える
アドビのソリューションはデジタルですが、それでも顧客の切迫したニーズに応えるため、戦略を変える必要がありました。フィールドチームでは、取引先に連絡し、新型コロナウイルス感染症によってどのような影響が生じたのか、何を必要としているのかを確認しました。また、顧客アンケートを実施して、顧客が新たな課題に対処できるように支援するための、効果的な計画の策定に役立つ具体的な情報を獲得しました。
その結果、リモートビジネスの優先度が高まり、デジタルフォームや電子サインの需要が大幅に増大していることが明らかになりました。また、学校の閉鎖を受け、学生がデジタルツールへのアクセスを求めていることにも気が付きました。そこでアドビでは、教育機関向けライセンスによる学校内からのAdobe Creative Cloudへのアクセスの代わりに、先生や学生が自宅から無料でアクセスできるようにしました。また、企業がリモートワークへの対応を進めていることを受け、電子サインの無償体験版と無料PDFサービスの使用期限を延長しました。
金融機関では、多くの銀行が外出自粛期間中の来店を控えるように要請したため、デジタルチャネルを通じて顧客をサポートする方法を検討する必要に迫られました。イギリスのTSB Bankでは、新型コロナウイルス感染症の影響により、個人顧客と法人顧客の両方にオンラインでサービスを提供する戦略の推進を大きく加速しました。同行では、2022年までの戦略計画の一環として、Adobe Signを使用して18種類のフォームをオンラインに公開し、8万人以上の顧客とのやり取りをわずか8週間で管理しました。これは、実際の支店への訪問に換算すると、15,000回分に相当します。 同行はデジタルでサービスを容易に利用できることを多数の顧客に示し、自宅からでも安全にサービスを利用できるという安心感を与えました。
その他の参考情報
新たな課題に対応する、新たなソリューション
多くの企業が市場開拓モデルの見直しや新しい収益源の確保、実店舗におけるショッピング体験の再考を求められています。新型コロナウイルス感染症が拡大する前におこなわれたDigital Commerce 360の調査では、2019年第4四半期におけるオンライン売上は、小売業全体の売上の17.8%を占めるに留まっていました。ところが、アドビの最新のDigital Economy Index調査では、2020年4月の米国のeコマース売上は、外出自粛が要請される前の3月初旬に対して49%増加していることが明らかになり、その急激な増加を示しています。
顧客との関係性を保つためには、企業の規模を問わず、主要なビジネスモデルのオンラインへの移行や、物理的な戦略とオンライン戦略の溝を埋めることを検討する必要があります。例えば、オンライン注文やオンライン注文の店頭受け取り、宅配に対応することが考えられます。実際、オンライン注文の店頭受け取りへの対応はは、Adobe Digital Economy Indexにおいて、4月に208%という大きな増加を示しています。Facebook Liveで独自のショッピングチャネルを構築したり、FacebookやSkypeでパーソナライズされた仮想ショッピング体験を提供したりしている小売店もあります。
求められているのは変革
オンラインサービスを見直しする必要があるのか(そもそもオンラインサービスに対応していなかったのか)、
ニーズの大幅な高まりに対応する必要があるのか、いずれにしても、新型コロナウイルス感染症の影響によって、
デジタル変革の重要性に改めて目を向けるときです。オンラインサービスへの対応を進めた企業は、対応しなかった企業よりも迅速に、
この困難な状況から抜け出すことができます。
重要ポイント:
営業プロセスから従業員に至るまで、ビジネスのあらゆる要素を分析し、この新しい状況に対応できる俊敏性を備えているかどうかを調査する。
新たな収益源を探り、サプライチェーン戦略を再検討する。
顧客が一番求めているものを把握し、それに応える方法を見つける。
実店舗とオンラインでの注文方法を見直して、オンライン注文の店頭受け取りや宅配など、実店舗とオンラインを融合させる方法を見つける。
デジタルツールを活用し、従業員がリモートワークできるようにする。
その他のレッスンを確認する
新型コロナウイルス感染症の影響に対応するための、6つのレッスンを確認しましょう。
アドビでは、迅速に戦略を転換するために、顧客データとフィールドマーケティングチームが役立ちました。また、NASCARでは、レースをオンラインに移行した際に、膨大な数の新たなオーディエンスをデジタルテクノロジーを利用して把握しました。
アドビでは、わずか数週間で危機対応チームが新たなメッセージを作成し、展開しました。医薬品や医療サービスのマーケットプレイスを提供している1mgでは、1,400万人の利用者に電子メールを送信して混乱を解消しました。
アドビでは、顧客とのつながりを維持するために、様々な取り組みをおこなっています。また、Vitamixでは食べ物を通じて人々をつなぎ、劇場やオーケストラでは観客を楽しませる新たな方法を模索しています。
アドビでは、わずか3週間でAdobe Summitをオンライン開催に移行しました。また、オーストラリアのNSW Department of Educationでは、昨年の山火事から学んだことを新型コロナウイルス感染症の対策に活用しています。
アドビでは、リモートワークのニーズに対応しています。また、小売店では新たな課題に直面し、TSB Bankではデジタルサービスを刷新しました。
オンライン学習コミュニティを活かし、お客様をサポートしているアドビの手法を紹介します。COVID-19が、米国国勢調査局のデジタル化の試験場になった経緯も説明します。
