統合プロファイルで、顧客体験を次のレベルへ。
顧客が誰であるかを正確に把握することが、期待を超えるパーソナライズ体験を届けるためのキーです。
Adobe Real-Time Customer Data Platformで統合顧客プロファイルを構築する
今日のブランドが直面するデジタル顧客体験の課題と、統合顧客プロファイルがその解決にどう役立つかを解説します。統合顧客プロファイルの構成要素、顧客データプラットフォームの主な機能、そして顧客データプラットフォームとロイヤルティに関する成功事例もご紹介します。
リアルタイムに対応した顧客データプラットフォームを活用して、統合顧客プロファイルを構築し、ブランドロイヤルティを向上させる方法をアドビのガイドでご確認ください。
「データが各所に分散していると、ブランドはいわゆる『データレディネス』の壁にぶつかります。社内データが整理され活用可能な状態にあるのか、それとも古くて陳腐化したデータセットが残っているのか。どのデータが実行可能な施策に最も役立つかを、企業は見極める必要があります。」
Nina Caruso
Adobe Real-Time CDP、プロダクトマーケティング シニアマネージャー
データの現状 ― サイロ化されたシステムが生む、断絶した顧客体験
1. データの分断とサイロ化
多くの企業では、顧客関係管理(CRM)ソリューション、販売時点情報管理(POS)システム、webアナリティクスログ、ロイヤルティカードシステムなど、互換性のない複数の独立したシステムにお客様データを分散して管理しています。このような環境ではInsightの共有が難しく、担当者ごとに異なるデータをもとに業務を進めることになります。その結果、カスタマーエクスペリエンスはタッチポイントごとにばらつきが生じてしまいます。
2. データガバナンスの不備
機密性の高いお客様データを適切に管理するには、EU一般データ保護規則(GDPR)やカリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA)などの法規制や社内ポリシーへの準拠が不可欠です。データを一元管理する仕組みやコンプライアンスを担保するガードレールがなければ、データの不正利用、情報漏洩、そして顧客からの信頼喪失という深刻なリスクにさらされることになります。
「顧客が求めているのは、データのガバナンスをいかに管理するか、顧客の同意をどのように取得するか、そして相互信頼に基づく関係を育みながら、安全に顧客と向き合うための考え方をどう確立するか、ということです。ブランド側がその対応に頭を悩ませるのも無理はありません。」
ニーナ カルーソ
シニアマネージャー、プロダクトマーケティング、Adobe Real-Time CDP
3. 信頼性の高いデータソースへのシフト
これまで多くの企業は、サードパーティcookieを活用してユーザーの行動をサイト横断で追跡し、新規顧客獲得を目的としたよりパーソナライズされた広告やオファーを配信してきました。しかし、プライバシーへの関心の高まりと消費者によるサードパーティcookieのコントロール強化により、状況は大きく変わりつつあります。ファーストパーティ、セカンドパーティ、そして信頼性の高いサードパーティデータが重要性を増しており、アカウント登録時などに消費者から直接取得するゼロパーティデータも、データ戦略の重要なキーとなっています。
これらの課題を乗り越えるには、お客様データを常に最新の状態に保ちながら、即座に活用できるプロファイルに変換する仕組みが求められます。
The Home Depotが顧客ロイヤルティを高める方法
数百万点もの商品を取り揃える大型ホームセンターでは、必要なツールや素材、情報を探し出すだけでも一苦労です。The Home Depotは、クロスチャネル戦略によってこの課題を解決しました。Adobe Real-Time Customer Data Platformを活用し、webサイトの訪問、店頭での購買、コールセンターへの問い合わせ、返品対応など、あらゆるタッチポイントからデータを収集して1億7,000万件のユニーク顧客プロファイルを構築。キッチンのリフォームやデッキの新設など、顧客が取り組むプロジェクトに合わせた情報やオファーを、最適なタイミングと場所で届けることが可能になりました。
Adobe Real-Time CDPを活用してThe Home Depotは、高付加価値なオーディエンスセグメントを構築し、チャネルをまたいだInsightをもとに、的確なメッセージ、特典、インスピレーションをリアルタイムで提供しています。厳格なデータガバナンスとプライバシーコントロールを基盤に、顧客はどのチャネルでもより良い体験と引き換えに安心してデータを共有できる、信頼関係が築かれています。
Adobe Real-Time CDPで統合プロファイルを活用した結果、The Home Depotが実現した成果は次のとおりです。
「データを統合することで、顧客の信頼が極めて価値ある資産であるという認識が生まれました。顧客は自分が何を求めているかを明確に示してくれていた。私たちはそのニーズに応える手段を、より真剣に追求する必要がありました。」
Melanie Babcock氏
The Home Depot、統合メディア担当副社長
統合顧客プロファイルの構成要素
1. 信頼できるデータソース
顧客プロファイルの土台となるのは、顧客から収集するデータです。アカウント登録時のゼロパーティデータ、webやモバイル、オフラインでのインタラクションから得られるファーストパーティデータ、パートナーと共有するセカンド・サードパーティデータのいずれであっても、クリーンで柔軟性があり、標準化されていて、リアルタイムな体験に即座に活用できる状態でなければなりません。アドビの拡張可能なエクスペリエンスデータモデル(XDM)のようなオープンソースのデータモデルを活用することで、データの正規化と標準化が実現されるとともに、ユーザーの許可設定やプリファレンスに関するメタデータの管理も可能になります。データがクリーンであるほど、機械学習の精度は高まり、スピードと効果も向上します。「企業とそれを支えるテクノロジーがいかにサイロ化しているかを考えると、データがあちこちに散在しているのが現状です」とCarusoは説明します。「そのデータをReal-Time CDPに集約して活用したいというニーズがある。XDMは、顧客がデータを正規化・統合し、社内の誰もが理解できる形に整えるために活用するものです。」
2. 優れた卓越センター(CoE)の構築
お客様データの管理方法を刷新するには、適切なテクノロジーだけでは不十分です。変革を推進するには、ビジネス感覚と最適なチーム体制が欠かせません。だからこそ、CIO、CMO、各部門の責任者、データサイエンティスト、法務担当者で構成されるオーディエンス卓越センターが必要です。このセンターが統括機能を担い、変革を成功に導くベストプラクティスを策定します。こうした部門横断チームが連携することで、各部門に必要なデータの特定、分散したデータセットの統合、チーム横断のセグメンテーション戦略の策定、企業全体の主要業績評価指標(KPI)の設定、そして活用ロードマップの作成を実現することができます。
3. リアルタイムソリューションの活用
多くのCDPは特定の機能に特化したポイントソリューションとして設計されていますが、顧客がブランドと接触するたびにリアルタイムで統合顧客プロファイルを生成・エンリッチメントするCDPは、企業全体に大きな価値をもたらします。テクノロジーは、一部門のツールにとどまらず、拡張性と堅牢性を備えたエンタープライズソリューションである必要があります。エンタープライズソリューションを活用することで、web、モバイル、メール、コールセンターなど多様なチャネルにわたって顧客プロファイルを共有・活用し、既存のテクノロジー投資の価値を最大化することができます。このアクセシビリティにより、ITへの問い合わせ削減などリソースの効率的な活用が可能になり、企業全体へ価値を提供できます。さらにCDPに人工知能(AI)を組み合わせることで、購買意向の高いプロファイルを優先的に特定するためのInsightを迅速に得ることができます。
統合プロファイルの構築とリアルタイム顧客ビューの実現
CDPはデータを一か所に集約し、すぐに活用できる顧客プロファイルへと統合することができます。このプロファイルにパーソナライゼーションのためにすぐにアクセスし、マーケティング戦略に基づいた配信先に送ることで、最も効果的なタイミングで次のベストアクションを提供することができます。
優れたCDPはプライバシーを最重要視しており、データ使用ラベルやポリシーを標準搭載しつつカスタマイズも可能で、企業および法規制へのコンプライアンスを確保します。CDPは匿名および実名のお客様データの両方に対応し、顧客データセット全体にわたって氏名、住所、電話番号、メールアドレスといった個人識別情報(PII)を、顧客または企業のニーズに応じて統合することができます。また、CDPを活用することでリピート訪問者を特定し、それぞれに合ったメッセージを届けることができます。このような既知のデータは、CRM、POSシステム、電話通信システム、その他データを収集する業務システムから取得することができます。一方、仮名化データ(ファーストパーティ、セカンドパーティ、サードパーティデータを問わず)は、コンテキスト情報、行動データ、法人データを提供し、より的確なビジネス判断を下すための示唆を与えてくれます。
CDPのコア機能4つ
1. 統合顧客ビューの構築
まず、お客様データを統合プロファイルに集約することから始まります。CDPはあらゆるソースから収集した顧客データを高速かつ大規模に一元化し、360度の統合ビューとして接続します。情報へのシームレスなアクセスにより、顧客との関係を深め、優れた体験を創出し、顧客生涯価値を高めるための意思決定を迅速に行うことができます。データをリアルタイムで処理・活性化するCDPを活用すれば、顧客がまだエンゲージしている瞬間にInsightを得て、最適な情報を届けることができます。
2. プロファイルの拡充
顧客のライフサイクル全体にわたって優れた体験を提供し続けるには、プロファイルが常に動的でなければなりません。リアルタイムCDPはデータを収集しながら継続的に更新し、顧客の現在の状況やニーズをリアルタイムに反映します。さらに、ファーストパーティデータセットの枠を超え、セカンドおよびサードパーティデータを活用することでInsightを深め、より広いスケールでの展開も実現することができます。
3. オーディエンスの構築
リアルタイムCDPでは、データソースをセグメント化して目的のオーディエンスに向けたマーケティングを展開することができます。データは高速で流入し、自動的に整理されます。また、傾向スコアリングやルックアライクオーディエンス向けのAIなど、標準搭載のモデルを活用してInsightを拡充し、スケールアップを図ることも可能です。
4. 宛先へのプロファイル配信
CDPでオーディエンスの準備が整ったら、システムに統合済みの宛先やAPIで設定した宛先へ送信することができます。ここでパーソナライゼーションが実現します。
「アクティベーションという視点で考えると、購買意欲を高め、ブランドへの忠誠心を育み、エンゲージメントを促進し、購買プロセスをさらに先へと進めるような、高度にパーソナライズされた関連性の高い顧客体験を実現する能力が解放されます」とCaruso氏は言います。さらに同氏はこう続けます。「活用したいお客様データを適切に整備し、そのデータを基にリアルタイムで適切なオーディエンスに展開することで、個々のお客様に関するあらゆる情報を踏まえた、その人だけのコンテンツを届けることができます。これこそが、他社と差別化された顧客体験を生み出す原動力です。」
The Coca-Cola CompanyがCDPでグローバル戦略を統合
消費財(CPG)メーカーにとって、消費者と直接接点を持つ機会が少ないことが顧客理解の大きな課題です。そのため、収集できるデータを最大限に活用することが求められます。250以上のブランドと20億人の顧客を擁するThe Coca-Cola Companyにおいて、すべての顧客にInsightを活かしパーソナライズされたコンテンツを届けることは容易ではありませんでした。Real-Time CDPを導入したことで、各地域のCDPを統合し、グローバルな顧客をリアルタイムで把握できる一元的なビューを構築することに成功しました。同社は新戦略の展開に向けてCoEを組織し、第一フェーズだけで100か国以上を代表する9,800万件のプロファイルを作成。移行完了時には、すべての顧客がCDPに反映されました。
このプロジェクトの目的は、飲み物の好みやライフスタイル、居住地などに基づいて消費者をターゲティングすることです。すべてのデータを1つのシステムに統合し、各顧客のユニークなプロファイルを作成するグローバル戦略を通じて、The Coca-Cola Companyはその目標を達成し、さらなる成果を上げています。
「Coca-Colaの消費者は、あらゆる場所で私たちと接点を持っています。お気に入りの飲み物を購入しながら、QRコードをスキャンしたり、オンラインコンテンツを楽しんだりしています。世界中の数十億人のCoca-Cola消費者と深くつながるためには、すべての消費者情報をリアルタイムで一元化する能力が不可欠です。」
Keith Bartig氏
The Coca-Cola Company、プレシジョンマーケティングテクノロジー担当ディレクター
実践的な顧客プロファイルを構築する4つのステップ
1. データを統合する
各チャネルのファーストパーティデータから信頼できるパートナーデータまで、複数のソースからデータが継続的に流入し、プロファイルは常に最新の状態に更新されます。データの発生元を問わず、1つのCDPですべてを一元管理し、容易にアクティベーションすることができます。
2. オフラインのお客様データを同期する
オンラインデータはあくまでも全体像の一部に過ぎません。ダイレクトメールキャンペーン、実店舗での購買行動、対面イベントなど、オフラインでのインタラクションも合わせて考慮することが重要です。
3. データを標準化する
標準化されたデータモデルを活用することで、スキーマを使ってお客様データを統合・構造化することができます。この機能により、複数のシステム、チーム、ツールにまたがってデータを活用でき、顧客体験の向上に直結するInsightへと変換することができます。
4. AIで素早くInsightを引き出す
さまざまな場所やデバイスから毎秒大量のお客様データが流入する今、すべてを人手で追跡するには限界があります。AIを搭載したCDPなら、ユースデータを活用し、人間以上の精度でInsightを導き出すことができます。得られた知見をもとに戦略を素早く転換し、顧客維持率の向上につなげることができます。AIにより、データの取り込み・統合・活用をより迅速に実現。オーディエンスセグメントの作成、ユーザーの購買フェーズの把握、購買意欲の高い顧客の特定も瞬時に行うことができます。しかも、これらすべてをリアルタイムで実行できます。顧客がブランドに関わっているその瞬間に反応できれば、リアルタイムの行動に応じたオファーやメッセージで関係を深め、真の顧客接点を実現できます。
Adobe Real-Time CDP のルックアライクオーディエンス機能は、統合プロファイルのInsightを活用し、高パフォーマンスのオーディエンスを拡大するために、類似した属性を持つ高価値な見込み客を見つけることができます。
Real-Time CDPの統合プロファイルで一貫した顧客体験を実現
引用元
2025 AI and Digital Trends Report, Adobe、2025年。
Charles Menguy、「Look-Alike Audiences: AI-enabled Audience Expansion in Real-Time CDP」 Adobe、2023年10月。
「In store. Online. The Home Depot inspires the whole experience」 The Home DepoにおけるAdobeカスタマーストーリー、2022年8月。
プロダクトマーケティングマネージャー Nina Caruso氏へのインタビュー、Adobe、2024年5月。
「Refreshing billions around the world」 Coca ColaにおけるAdobeカスタマーストーリー、2022年10月。
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