顧客像を一元的に把握
複数のソースから収集したデータを集約して各顧客像を一元的に把握し、チャネルをまたいで最高水準のパーソナライズされた顧客体験とデジタルマーケティングを編成するというビジョンから、このジャーニーは始まりました。その実現には、顧客に提示するメッセージの決定方法をビジネスルールに頼るのではなく、リアルタイムの顧客データを使用するように変更する必要がありました。
Yu氏は次のように述べています。「Adobe Analytics、Adobe Target、Adobe Campaignなどのアドビ製品を既に使用していましたが、それが役に立ちました。ストリーミングパイプラインをExperience Platformに簡単に接続できました。ネイティブ統合もあり、アドビのアクティベーションに関する専門知識は非常に重要でした」
Real-Time CDPにより、マーケティング部門は複数の異なるシステムから施策につながるマーケティングデータを一元化し、オンラインとオフラインのチャネルをまたいで顧客の全体像を一元的に把握できるようになりました。また、パーソナライゼーションを大規模に提供しながら、顧客データを保護するためのデータガバナンスを合理化することで、プライバシーチームにも安心感をもたらしました。
Real-Time CDPの統合プロファイルによって、オンラインバンキングのポータルサイトであるusbank.comやモバイルアプリなどのデジタルチャネル、およびATMに関する情報、バンカーチャネルインターフェイス、コールセンター、Salesforce CRMなどのチャネルなどをターゲティングした、オムニチャネルマーケティングが促進されました。U.S. Bankは、チャネルをまたいで顧客にリアルタイムで対応し、顧客の銀行利用履歴に基づいてニーズを予測できるようになりました。
マーケティングボリュームを飛躍的に加速
チームによるReal-Time CDPを活用した最初の試みは、情報を収集し、何が効果的かを学ぶために、計画的に開始されました。初期のユースケースに、顧客の個人情報をリアルタイムで使用して顧客にソリューションを提供するというものがありました。例えば、住宅改修資材を購入した顧客には、リフォーム資金を調達できる住宅担保融資に関する情報が提供されます。
また、新規顧客向けのオーディエンスセグメントを作成し、追加のオファーを提供できるようにしました。顧客は、銀行口座を開設してから数週間以内に複数の商品に登録する可能性が高く、Real-Time CDPでプロファイルデータを運用することで、U.S. Bankはほぼ即座に顧客とエンゲージできます。
「新規顧客にリーチするのに数週間から数か月かかっていましたが、数時間から数日に短縮しました」とYu氏は言っています。
ネイティブ統合により、パーソナライゼーションの可能性がさらに広がりました。チームはAdobe Analyticsを活用して、usbank.comで頻繁に訪問されるwebページを特定しました。例えば、預金ページ、ルーティングナンバーページ、ログアウトページなどです。Adobe Targetは、Real-Time CDPでセグメント化されたオーディエンスデータを利用して、これらのページを訪問した顧客にパーソナライズされた広告を配信しました。
「アクセス数の多いページはパーソナライズに最適でした。Real-Time CDPによって、最終的に顧客データと顧客のサイト内行動を組み合わせ、関連性の高いメッセージを提示する機会を得ることができました」とYu氏は語ります。
新しいシステムでは、支店の銀行員やコールセンターの担当者が顧客に関する情報をより多く確認でき、顧客の注意を引くオファーを提示できるようになりました。
Yu氏は次のように述べています。「顧客一人ひとりのレベルで、それほど大量のコンテンツや情報をすべて手作業で管理できるマーケティング部門は、世界のどこにもありません。顧客が求めている関連コンテンツや情報を、探しているその瞬間に効果的に提供する唯一の方法は、予測インサイトを提供するプラットフォームを持つことです。これにより、私たちのマーケティングボリュームが大幅に増加しました」