マーケターがCustomer Journey Analyticsを利用するべき5つの理由とは?
マーケターは、顧客ニーズの把握やキャンペーンの効果検証をするために、様々なチャネルのデータをアクセス解析ツールやBIなどの複数の分析ツールを利用して日々分析しています。
マーケティング活動において顧客体験管理(CXM)が重要となっている今日においては、よりスピーディーに、オンライン/オフラインを問わずあらゆる顧客接点のデータをつなぎ合わせた分析ソリューションが求められています。このクロスチャネルデータの収集および統合と、マーケターがデータをもとにインサイトを獲得しやすい分析基盤としてのソリューションが、Adobe Customer Journey Analyticsです。
今回は、マーケターがAdobe Customer Journey Analyticsを利用するとどのようなメリットがあるのかについて、詳しくご紹介します。
もくじ
- クロスチャネルのジャーニー分析を実現
- Adobe Analyticsにはない優れた機能がいろいろ
- Customer Journey Analyticsは設定が簡単
- IDをベースに過去に遡った行動データの紐づけが可能
- AIを活用したインサイトが得られる
クロスチャネルのジャーニー分析を実現
Adobe Customer Journey Analyticsでは、多くのマーケターにご利用いただいている Adobe AnalyticsのUIそのままに、オンラインとオフラインのあらゆる顧客行動を統合したジャーニー分析が可能 です。
昨今では、WebサイトとMobile App間を行き来した行動や、メールやプッシュ通知を受け取った後の検索エンジン経由での流入など、チャネルを横断した行動も少なくなく、クロスチャネルでのジャーニー分析の重要度が増しています。例えば、これらのデータをAdobe Analyticsを利用して複数のレポートスイートでデータを蓄積している企業の場合、UI上の設定のみで、すべてのレポートスイートのデータを統合し、分析することができるようになります。
また、Adobe Customer Journey Analyticsでは、会員IDやメールアドレスハッシュ値など、顧客を特定するキー情報を指定することができるため、Cookieに依存しない顧客行動分析も可能 になります。
Adobe Analyticsにはない優れた機能がいろいろ
Adobe Customer Journey Analyticsを利用すると、Adobe Analyticsにはない機能をいくつか利用することができます。また、Adobe Analytics上の機能制限についても撤廃することができ、より多くの分析ユースケースに対応できるようになります。
- ソースコネクタを利用した外部データの取り込み
-
Adobe Customer Journey Analyticsでは、リアルタイムなストリーミングデータの取り込みはもちろん、ソースコネクタを利用することで、Google Cloud StorageやAmazon S3、Azure Blobなどのクラウドストレージや、MySQLやOracle、PostgreSQLに代表されるデータベースなど、様々なソースからのデータを簡単に取り込むことができます。顧客行動を分析する上で有益なデータをすべて統合することで、分析の質や深さを飛躍的に向上することができます。
-
- 派生フィールドを利用したディメンションや指標の追加および編集
-
新機能である派生フィールドを利用することで、元データを破壊することなく、様々な関数やルールを用いて分析に有用なディメンションや指標を追加および値を編集することができます。Adobe Analyticsに存在するマーケティングチャネルや、処理ルールのようなデータ変換処理を簡単に設定および更新することができます。
-
- 新たに開発されたReport BuilderによるExcel上でのカスタムレポートの作成
-
Excel上でAdobe Customer Journey Analyticsのデータを直接取得することができるのがReport Builderです。今回新たにUIを構築しているため、シンプルで柔軟なドラッグ&ドロップの操作により、Adobe Customer Journey Analyticsのデータを用いたカスタムレポートをExcel上で構築することができます。Windowsの他、macOSやWebブラウザーでも利用することができます。
-
- ディメンションや指標の数の上限の撤廃による分析力の強化
- Adobe Analyticsでは、分析に利用できるディメンションの数や指標の数に上限がありました。そのため、重要度が低いと判断された分析軸については、データの計測をあきらめるケースが発生していました。Adobe Customer Journey Analyticsでは、ディメンションや指標の数の上限が設けられていないため、収集および統合したあらゆるデータを分析に利用することができます。前述の派生フィールドを利用することで既存のフィールドから複数のディメンションや指標を設定することもできるため、分析の幅が広がります。
- 一意の値制限の撤廃による低トラフィック問題の解消
- Adobe Analyticsをご利用になられたことがある方は、レポート上で「低トラフィック」と表示される項目を目にしたことがあるのではないでしょうか。Adobe Analyticsでは、分析パフォーマンスを向上させる目的で計測されたデータをハッシュ化しており、その影響によりハッシュの競合が起きる可能性を最小化するため、1カ月における変数の一意の値が 500,000 個を超える場合には、一定のロジックをもとに一部データが低トラフィックにグループ化され、ワークスペース上での分析が行えない仕組みとなっています。この一意の値の制限がAdobe Customer Journey Analyticsでは撤廃されるため、低トラフィックの影響が大きかった企業においては、UI上でのより詳細な分析が可能になります。
- Adobe Real-Time CDPやAdobe Journey Optimizerとの連携による施策の高度化
-
Adobe Customer Journey Analyticsでの分析によって得られたインサイトを施策に活用したい場合には、Adobe Real-Time CDPやAdobe Journey Optimizerと組み合わせることで、作成したオーディエンスのデータを用いた広告配信やメール配信、アプリプッシュ通知などが可能になります。
-
Customer Journey Analyticsは設定が簡単
ユースケースによって設定手順は変わりますが、クロスチャネル分析が主目的の場合であれば、UI上の設定のみで、簡単にAdobe Customer Journey Analyticsの設定を終える ことができます。分析に必要なデータはソースコネクタを利用して収集し、ディメンション名や指標名、アトリビューションモデルなどもAdobe Customer Journey Analytics のUI上で簡単に設定することができます。また、Adobe Analyticsと異なり、Adobe Customer Journey Analytics のUI上の設定変更内容は、元データを破壊することなくワークスペース上の過去データに対しても適用されるため、設定変更時のミスにおけるデータ破壊リスクも低減されます。Adobe Analyticsの仮想レポートスイート機能のように、訪問(セッション)の定義や不要データのフィルタリングも可能です。
IDをベースに過去に遡った行動データの紐づけが可能
Adobe Customer Journey Analyticsを利用するメリットとして大きいのが IDによるステッチ機能 です。通常、WebサイトやMobile Appへ最初にアクセスした際には、個人を特定できるIDは保有していません。その後、WebサイトやMobile App内を回遊する中で、会員登録やログイン、フォームのSubmitなどで、会員IDやメールアドレスといった個人を特定できるIDを取得することができます。Adobe Customer Journey Analyticsのステッチ機能を利用することで、認証されていなかった状態のイベントデータに対してもステッチ済みのIDを遡って紐づけることができます。
AIを活用したインサイトが得られる
Adobe Customer Journey Analyticsでは、高度なAIとML(機械学習)を利用して、ファーストタッチから最終的なコンバージョンに至るまでのカスタマージャーニー全体でのインサイトを獲得することができます。
Adobe Analyticsに搭載されている 異常値検出 機能が引き続き利用できるだけでなく、クロスチャネルでの アルゴリズムによるアトリビューション分析 や、オンライン、オフラインを問わず実施した A/Bテストに対する上昇率や信頼性の評価、顧客AIによる コンバージョンや離反の傾向スコアリングをもとにした分析 が可能になります。
- 傾向スコアリングによるコンバージョンや離反に関する傾向スコアの算出
-
Adobe Customer Journey Analyticsでは、顧客AIを利用することで、コンバージョンや離反などの傾向スコアリングのモデルを用いて特定の顧客の行動に影響を及ぼす要因や可能性を把握することができます。特定の期間中にコンバージョンなどの何らかのイベントが発生するかどうかを予測することで、傾向スコアが低い顧客をオーディエンスとしたキャンペーンを実施するなど、効果的な施策を実施することができます。
-
また、今後は自然言語を活用した AIアシスタント 機能や、ジェネレーティブAIを活用した インテリジェントなキャプション 機能が提供される見込みです。
これらのAIを利用することで、マーケターがデータ分析にかかる時間を減らし、新しいインサイトにもとづくアクションの立案および実施に対して多くの時間を費やすことができます。
このように、Adobe Customer Journey Analyticsは、昨今のマーケターの分析ニーズに応えられるだけでなく、チャネルを横断したアトリビューション分析やセグメンテーションが可能になるため、マーケターが最適な顧客体験管理を実践する上でのより多くのインサイトを簡単且つスピーディーに得られるようになります。Adobe Customer Journey Analyticsを利用した「顧客体験管理(CXM)」を実現されたい場合には、ぜひアドビにご相談ください。