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用語集:用語

アカウントベースドマーケティング:ABM、Account-based marketing

クイック定義

アカウントベースドマーケティングとは、B2Bのセールスおよびマーケティングの戦略で、自社の製品やサービスの対象となる企業の複数の意思決定者に対して、セールスチームとマーケティングチームが連携して働きかけることです。

重要ポイント

 

アカウントベースドマーケティングでは、従来のようにリード(見込み客)を対象とするのではなく、既に興味を示していたり、高い売上が見込まれるアカウント(企業や組織)を対象とします。アカウントベースのマーケティング戦略とリードベースのマーケティング戦略を適切に組み合わせることで、大きな成果を期待できます。

アカウントベースドマーケティングでは、キャンペーンを展開するために、マーケティングオートメーションソフトウェアや予測分析AI(人工知能)、インテントデータを収集するテクノロジーが必要となります。

また、アカウントベースドマーケティングで使用するコンテンツは、特定のアカウントの購入グループを構成しているペルソナごとに高度にパーソナライズされている必要があります。  

アカウントベースドマーケティングはマーケティングオートメーションのベストプラクティスとして、B2B企業にとって欠かせない手法になりつつあります。


アカウントベースドマーケティングに関する様々な疑問に、Mitch Folksが回答します。Mitchは、アドビでMarketo Engageの製品マーケティング担当シニアマネージャーを務め、アカウントベースドマーケティング機能を重視した製品戦略と市場投入戦略を担当しています。8年に及ぶセールス、マーケティング、製品管理の経験を活かし、B2CとB2Bの両方の業界において、デジタルマーケターと広告主の成功を支援しています。

質問:アカウントベースドマーケティングとは何ですか?

回答:アカウントベースドマーケティングは戦略の一種であり、必ずしも製品やテクノロジーを意味するものではありません。B2Bマーケターとセールスチームが、戦略を共有して、双方が合意した目標の下でひとつの収益チームとして協力し、アカウントごとの顧客体験を構築します。主要なアカウントの中から選択した数社に対して、協力して働きかけ、ビジネスを成功に導きます。

従来のマーケティングでは、コンテンツマーケティングリードベースのマーケティングなど、広く網を張って顧客の反応を待つインバウンド戦略を重視していました。アカウントベースドマーケティングでは、アカウントに属する特定の個人をターゲットに、セールスチームと歩調を合わせてマーケティングに取り組みます。通常、アカウントベースの戦略は、セールスサイクルが長期に及ぶことが多い大規模取引や高価値アカウントに注力する必要がある場合に使用します。これは、多くの時間と忍耐が要求されると同時に、戦略性の高いビジネスアプローチであり、B2Bマーケティングにおける重要度が高まっています。

質問:ターゲットとするアカウントはどのように決定しますか

回答:その答えは、ビジネスの目標によって大きく異なります。例えば、既存顧客に重点を置いている中で新製品を販売するのであれば、まずは既存顧客への販売を進めるために、アカウントを一つひとつ見極めながらターゲットを選択します。

一方で、新製品がこれまでとは別の市場をターゲットにしている場合はどうでしょうか。例えば、ヘルスケア企業の顧客を持たない企業が、ヘルスケア業界にとって価値のある新製品を開発したとします。この場合は、目標に応じて、マーケティングチームとセールスチームが協力して大手企業の中からターゲットを選出することになります。

質問:アカウントベースドマーケティングではどのようなツールが必要になりますか

回答:あらゆる作業の自動化と規模の調整に役立つ、マーケティングオートメーションアプリケーションが必要となります。20 50社以上のアカウントをターゲットとする必要があるものの、人手が足りず一度にそれだけのアカウントに対応できない場合、マーケティングオートメーションアプリケーションを利用すれば、プロセスを容易に管理できます。AIや自動化テクノロジーにより、不足している能力を補うこともできます。

データに関しては、オートメーションツールに統合可能なCRMが必要になるでしょう。CRMは主にセールス側を、オートメーションツールは主にマーケティング側を支援します。

また、その他には、アカウントの優先順位付けに役立つ予測分析やインテントデータを収集するツールが必要になります。ターゲットとするアカウントのリストを作成したら、インテントデータを活用して、優先順位を決定できます。インテントデータは、特定のwebサイトをまたいでアクティビティを監視し、ターゲットとするアカウントの意思決定者が自社のビジネスに関連するトピックに関心を示しているかどうかを判断するテクノロジーにもとづいています。

インテントデータを分析することで、購入につながる関心の高さを推測することができます。そのため、セールスチームとマーケティングチームは、特定の意思決定者が関連するトピックに関心を示していることを把握し、さらなる働きかけや積極的なエンゲージメントの候補とすることができます。関心を示している意思決定者のアカウントは、関心を示していないアカウントよりも購入する可能性が高いと考えられます。

アカウントベースドマーケティングのワークフローで活用するために特化した、ポイントソリューション型のツールも存在します。こうしたツールは主に有料メディアに重点を置いているため、webをまたいでターゲットとするアカウントの意思決定者に広告を配信するのに役立ちます。

質問:アカウントベースドマーケティングのキャンペーンを、どのように全社的な戦略に組み込みますか

回答:アカウントベースドマーケティングは、企業が採用する一般的な戦略のひとつです。ひとつは従来型のインバウンドマーケティングで、もうひとつがアカウントベースドマーケティングです。企業にとって意義がある限り、このふたつの戦略は並行して取り組むべきで、その適切な組み合わせの比率を検討するべきです。企業によっては、アカウントベースドマーケティングが80%を占め、リードベースのマーケティングが20%であったります。この割合が逆であったり、半々の企業もあります。この割合は完全に企業次第であり、リソースや成熟度、目標、販売する製品やサービスによって大きく変動します。一般的には、比率が問題ではなく、並行しておこなうことが重視されています。

アカウントベースドマーケティング戦略には、リードベース戦略に影響を及ぼす面があります。例えば、ある企業でアカウントベースドマーケティング戦略を展開しており、今年中にいくつかのターゲットアカウントの成約を目指しているとします。この目標を達成するために、マーケティングチームとセールスチームが協力して取り組みます。しかし、だからといって、マーケターが有料メディアの利用を取りやめ、新規リードの獲得を止めるわけではありません。そのため、アカウントベースドマーケティング戦略とリードベースの戦略を並行して進めるために、獲得した新規リードがターゲットアカウントに属しているのかどうかを把握するためのソリューションが必要となります。そのリードがターゲットアカウントに属していれば、アカウントベースドマーケティング戦略の一部として対応します。そうでなければ、リードベースの戦略にもとづいてナーチャリングを実行します。つまり、アカウントベースドマーケティングでは、リードベースの戦略の前にアカウントを選別するフィルターを配置することになります。 

さらに、アカウントベースドマーケティング戦略を成功させるには、洗練された高度なリードベースのターゲティングも必要になります。結局のところ、アカウントベースドマーケティングでも個人をターゲットとします。それは、特定のアカウントに関連している個人や所属している個人をターゲットにするということです。そのため、両方の機能が必要になります。

質問:アカウントベースドマーケティングの導入はどのように進めればよいですか

回答:企業が直面する最大の課題は、戦略の明確化です。どこから手を付けていいかわからないという企業は、決して少なくありません。最も良いのは、事業目標を開始点とすることです。今後一年間の目標としているのは、製品の販売数を伸ばすことでしょうか、それともブランド認知を高めることでしょうか?

既存顧客をターゲットとして既存製品の販売に力を入れるのであれば、アカウントベースドマーケティング戦略はそれに沿ったものになるでしょう。新たな製品を開発していたり、新しい市場や分野に進出しようとしている場合は、アカウントベースドマーケティング戦略はその目標の達成に貢献するものである必要があります。戦略が事業目標に合っていなければ、成功にはつながりません。

戦略が明確になったら、次のステップは理想的な顧客を見つけることです。多くの企業では既存顧客に注目します。既存顧客は既にその企業から製品を購入しているため、それらの既存顧客の間に共通する属性を見つけ出そうとします。そのため、属性データを取得したら、AIを利用します。AIでは、データを分析して共通する属性を把握し、マーケティングチームがアカウントリストを構築するための類似アカウントを他のデータベースから見つけ出します。

AIでそれらのアカウントを特定したら、次はインテントデータに注目します。自社の製品やサービスに関連する情報に、関心を示している意思決定者を含むアカウントを探します。例えば、マーケティングオートメーション製品を販売しているのであれば、インテントデータを分析して、マーケティングオートメーションに関する記事を閲覧したり、資料をダウンロードしたり、web広告をクリックしたりしている意思決定者を見つけ出します。それらが最初にターゲットとするアカウントになります。

アカウントベースドマーケティングでは、ひとつのアカウントに焦点を当てる必要はありませんが、通常、社内のリソースには限りがあります。そのため、適切でないアカウントに注力してしまうと、時間を無駄にすることになるかもしれません。そのため、インテントデータを活用して、どのアカウントが関心を示しているのか、購入する可能性が高いのかを明らかにするのです。

質問:アカウントベースドマーケティングに取り組むうえで、どのような課題に直面しますか

回答:戦略を策定し、ターゲットとするアカウントを選定することのほかに、レポートやコンテンツに関する課題に直面します。アカウントベースドマーケティングとマーケティングオートメーションでそれぞれ別のツールを使用する場合、互いにやり取りできないふたつの異なるデータベースが存在することになります。それぞれのツールで作成したレポートは、連携することなく独立したレポートとなります。そのため、あらゆるマーケティングとセールスの取り組みを、個人レベルではなく、アカウントレベルで把握することが課題となります。

コンテンツに関する課題は、個別性が高くなるということです。ヘルスケア企業をターゲットにしている場合、そうした企業ではマーケティングの責任者が意思決定をおこなっていることがわかれば、その立場の人にはどのようなコンテンツが最も魅力的であるのかを把握する必要があります。つまり、ヘルスケア企業のマーケティング責任者が有するニーズや関心に注目しなければなりません。IT業界をターゲットにしている場合であれば、コンテンツはIT業界において関心の高いものにする必要があります。インバウンドマーケティングやリードベースマーケティングでもパーソナライズされたコンテンツが必要になりますが、その場合はペルソナの観点から個別性が薄れる傾向にあります。

質問:アカウントベースドマーケティングを展開する中での失敗には、どのようなものがありますか

回答:よくある失敗のひとつは、ただちに新しいソフトウェアツールを購入し、自社のマーケティングテクノロジースタックに追加する必要があると考えてしまうことです。多くの場合、新しいテクノロジーに投資することなく、アカウントベースドマーケティング戦略に着手することが可能です。また、予算の再配分を申請し、テクノロジースタックにツールを追加するプロセスのために、アカウントベースドマーケティングの導入が遅れることもあります。

さらに、セールスチームからターゲットアカウントリストが提供されるのを待ってしまうということも、マーケターの陥りやすい失敗のひとつです。多くのマーケターが、セールスチームと協力してターゲットアカウントリストを作成していません。セールスとマーケティングの両方のデータにもとづいてリストを作成するのではなく、セールスチームが感覚やチーム内の意見にもとづいてリストを作成してしまっています。

質問:アカウントベースドマーケティング戦略の成功はどのように判断すればよいですか

回答:アカウントベースドマーケティング戦略を導入した企業は、平均取引規模と売上をもとに判断しています。さらに、全体的なパイプラインも測定しています。アカウントベースドマーケティングでは、エンゲージメントと戦略の観点から、リードの量よりも質を重視します。セールスサイクルは長くなる傾向にありますが、取引規模は大きくなります。

質問:今後アカウントベースドマーケティングはどのように変化していくのでしょうか

回答:アカウントベースドマーケティングがマーケティングオートメーションに統合され、シームレスに取り組めるようになり始めています。言い換えると、アカウントベースドマーケティングは必須の戦略となり、マーケティングオートメーションのベストプラクティスと考えられるようになっています。  アカウントベースドマーケティングは、独自の分野としてとらえるのではなく、エンゲージメントや顧客体験の分野の一部としてとらえられるようになります。エンゲージメントや顧客体験を提供する産業の一部になるだけです。そのため、堅牢で大規模なマーケティングオートメーションツールを構築して革新的な発展を遂げることがなければ、アカウントベースドマーケティングに特化したツールは買収されるか、大手マーケティングオートメーションプロバイダーとの競争で苦しむことになります。

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