顧客体験を重視する文化の醸成 カスタマージャーニー管理は、顧客体験と従業員体験の両方の取り組みとしてとらえる必要があります。そのときカスタマージャーニーマップは、組織の目的を効果的に伝えるための手段となります。顧客中心の文化、戦略的な顧客体験、ジャーニーに焦点を当てた目的の3つを組み合わせることで、従業員は自身の貢献により充実感を感じることができます。
従業員が意欲を失ってしまうのは、多くの場合、自身のパフォーマンスが組織に及ぼす影響を把握できていないためです。企業が主要なジャーニーマップを中心に据えることで、あらゆる部門が、顧客に価値を提供し、顧客体験を向上させることに目的を絞ることができます。
また、組織内の誰もが顧客体験を生み出す一員であることや、従業員体験が本質的に顧客体験とどのように結びついているかを示すことができるようになります。企業は、顧客志向であるためには、従業員志向でなければなりません。Southwest Airlines は、これを、「幸福な従業員 = 幸福な顧客 = ビジネスの拡大と利益の増加 = 幸福な株主」と表現しています。従業員が正しく扱われれば、従業員も顧客を正しく扱うという考え方です。このような連鎖効果の結果、顧客に提供される価値が高まります。
カスタマージャーニーマッピングは、従業員体験を顧客体験に拡張し、真実の瞬間に従業員が価値を提供できる場所を視覚的に示しています。さらに、従業員の貢献と顧客体験のフィードバックループを確立することで、マッピングを一歩進める企業もあります。
カスタマージャーニーに新たなレイヤーを追加し、さまざまな部門や社内ペルソナが必要とする表舞台と裏舞台のインタラクションを示すことができます。この追加ステップは、従業員がカスタマージャーニーに与える影響力を把握するのに役立ちます。
責任の共有 カスタマージャーニーマッピングはCXチームが日々管理していますが、最終的には、本来の所有権は誰に属するのかという課題に取り組まなければなりません。真のジャーニーファーストの文化を実現するためには、カスタマージャーニーマッピングの所有権を共有する必要があります。あらゆる部門と従業員は、直接的または間接的に顧客体験に貢献しています。経験豊富な関係者は、体験提供に対する説明責任を果たす必要があります。
あらゆる従業員が顧客体験を意識することで、四半期ごとのビジネスレビューや状況確認の方針を決めることができます。たとえば、ジャーニーのステージを定義することで、目標や主要な成果を導き出すことができます。また、個人的なレビューでは、関連するジャーニーのステージで目標とする成果を含めることができます。
部門横断的なセンターオブエクセレンス(COE)は、カスタマージャーニーマッピングの取り組みに関する機会を生み出します。。このように説明責任を果たすことで、継続的な反復を通じて、カスタマージャーニー全体を迅速かつ包括的に強化することができます。
CXチームは、カスタマージャーニーマッピングが忘れ去られてしまい、どこかに片付けられてしまわないように、熱心に取り組む必要があります。カスタマージャーニーマッピングを構築し承認を受けた後は、組織全体で目に見える形で示し、すぐに利用できるようにしておく必要があります。カスタマージャーニーマッピングを、目に付きやすいように壁掛け式ポスターにして議論を触発し、「ジャーニーファースト」の企業になるための貴重な手段として利用することもできます。
顧客体験の変革を推進 カスタマージャーニーマッピングは、さまざまな部門が連携する機会を生み出します。さらに重要なのは、顧客体験を向上させ、分析チームとCXチームがプロセスを統合するための基盤を構築できることです。戦略的分析チームは、顧客体験チームと生産的なパートナーシップを築き、カスタマージャーニーの各顧客接点を通じて価値を提供する必要があります。
壁掛け式ポスターとインタラクティブなデジタルアセットを組み合わせることで、チームが熟考するための説得力のある成果物を提供することができます。カスタマージャーニーマッピングは、部門横断的なコラボレーションを促進する手段となり得ます。その結果、顧客に焦点を当てた新たな取り組みを促進することができます。
体験を軸に組織化することで、ジャーニーファーストの文化が深いレベルで根付きます。もちろん、これを実現するのは容易ではなく、部門を超えた一極集中的な連携が必要です。もし組織が顧客志向になることができれば、持続的な競争優位への道を切り開くことができます。そして、カスタマージャーニーマッピングを軸に組織全体を調整することで、独自の魅力的な従業員体験が構築されます。