コミュニケーションの最適化
顧客プロファイルを作成し、顧客の最新の状況を把握できれば、一人ひとりに最適なコミュニケーションをとることができます。顧客が求める情報を提供でき、不要なコミュニケーションや過剰なコミュニケーションを防げる点がポイントです。
コミュニケーションの最適化によって、マーケティングとセールスの両方で、様々な接点の顧客体験を向上できるでしょう。
顧客ロイヤルティの向上
マーケティング部門と営業部門は、顧客プロファイルを活用することで、パーソナライズされた体験を顧客に提供できるようになります。質の高い体験の創出は、顧客との関係を深め、顧客ロイヤルティを向上することにつながるでしょう。
顧客の94%は、ポジティブな体験によって製品を将来購入する可能性が高くなると回答していることから、長期的な売り上げの増加が見込めます。
顧客プロファイルに含まれる項目
正確で有用な顧客プロファイルを作成するには、多くのデータが必要です。ここでは、顧客プロファイルに含まれるデータ項目を、大きく4つに分けて紹介します。
デモグラフィック/ファーモグラフィックデータ
デモグラフィックデータは、顧客を定義するための人口統計学的なデータのことです。具体的には、以下のような項目が挙げられます。
なお、BtoBビジネスにおいては、顧客の属性に関するデータを「デモグラフィックデータ」ではなく「ファーモグラフィックデータ」と呼ぶこともあります。
BtoBの場合の項目例は、以下のとおりです。
サイコグラフィックデータ
サイコグラフィックデータは、顧客の心理的なデータのことです。顧客の心理状態は、ターゲットオーディエンスの態度とマインドセットの両方に影響を及ぼす重要なものです。具体的には、以下のような項目が挙げられます。
顧客プロファイルにサイコグラフィックデータを含めることで、顧客が自社の製品やサービスを購入する理由を定義できます。
ジオグラフィックデータ
ジオグラフィックデータは、顧客の地理的なデータのことです。具体的には、以下のような項目が挙げられます。
地理的な条件が売り上げに影響をおよぼしやすい製品やサービスの場合、ジオグラフィックデータが重要となります。
ビヘイビアルデータ
ビヘイビアルデータは、顧客の行動学的なデータのことです。具体的には、以下のような項目が挙げられます。
- 自社サイトへの訪問回数、滞在時間、閲覧ページ、クリック箇所
購買パターンの例として「複数人と相談してから時間をかけて購入を決める」「誰にも相談することなく単独ですばやく決断する」などが挙げられるでしょう。
顧客プロファイルにビヘイビアルデータを含めることで、顧客と自社(ブランド)の関わり方を定義できます。
顧客プロファイルの作成手順
顧客プロファイルを初めて作成する場合、何から始めればよいかわからず、難しく感じる方もいるでしょう。
ここでは、顧客プロファイルの作成手順を、5つの段階に分けてわかりやすく解説します。
1.顧客データの収集
まずは、あらゆる顧客プロファイルの基盤となるデータを収集します。
顧客データには、大きく分けて「定量データ」と「定性データ」の2種類があります。
- 定量データ:顧客の属性や行動履歴など、数値や定型テキストで表せるデータ
- 定性データ:アンケート結果やクレーム、SNSへの投稿内容など、数値化や定型テキスト化が難しいデータ
また、マーケティング部門、営業部門、カスタマーサポート部門がそれぞれ有しているデータを統合する必要もあるでしょう。しかし、膨大なデータをすべて手作業で処理することは、現実的ではありません。
CRM(顧客関係管理)ツールを使用すれば、顧客データの収集、統合、保管、分析を容易に行い、体系化されたプロセスに沿って顧客プロファイルを構築できます。
2.カスタマージャーニーマップの活用
続いて、カスタマージャーニーマップを作成します。カスタマージャーニーマップとは、顧客の一連の体験を図に落とし込んで可視化したものです。
企業と顧客の最初の接点(タッチポイント)から、購入プロセス、カスタマーサービスプロセスを経て、最終的にはリピーターになるまでの「顧客の旅」を表現しています。
カスタマージャーニーマップを活用することで、顧客をより深く理解し、効果的なプロファイルを作成可能です。
3.顧客からのフィードバックの検証
顧客プロファイルを作成する際には、顧客の声に耳を傾けることも大切です。
顧客からのフィードバックを収集することで、顧客の期待、課題、動機に関する定性データを得られます。これらのデータは、マーケティングメッセージや製品の機能、カスタマーサービスを的確に調整し、顧客の期待に応えるうえで役立つでしょう。
顧客からのフィードバックを収集するには、いくつかの方法があります。
- 自社そのものや、製品/サービスに関するレビューを確認する
- 競合他社のサイトやSNSアカウントにおける、顧客とのやり取りをチェックする
自社への直接的なフィードバックはもちろんのこと、競合他社の動向を観察することで、顧客の間接的なフィードバックも獲得できます。
アンケートは、電子メールで要点を絞って実施することで回答を促進できます。より詳細な情報が必要な場合は、一部の顧客を対象に、1対1で対話するバーチャルインタビューを実施するのもおすすめです。
4.顧客セグメンテーションとプロファイルの作成
カスタマージャーニーマップなども活用しながら、顧客データを収集、分析したら、特性や傾向などにもとづいて顧客をグループ分けします。これを「顧客セグメンテーション」といいます。
グループ分けをしたら、セグメントごとに顧客プロファイルを作成しましょう。顧客プロファイルを作成したら、マーケティング部門、営業部門、カスタマーサービス部門で共有します。
5.顧客プロファイルの定期的な更新
顧客プロファイルの作成と活用は、まったく異なるプロセスです。
顧客プロファイルを作成したら、活用する前に内容を検証する必要があります。本格的に展開する前に小規模な調整をすることで、顧客プロファイルの質を向上可能です。
また、顧客、自社、業界の状況は時間の経過とともに変化するので、顧客プロファイルの情報も古くなっていきます。そのため、年に1回、年に2回、四半期ごとなど、顧客プロファイルを定期的に更新することが重要です。
顧客プロファイルのパターン例
どのような顧客プロファイルを作成するかについて、唯一の正しい方法は存在しません。そのため、各企業が自社に最適な顧客プロファイルを自由に作成できます。
ここでは、顧客プロファイルのパターン例を紹介します。
基本の顧客プロファイル
最もシンプルな顧客プロファイルは、デモグラフィック/ファーモグラフィックデータを中心とする基本的な情報を含めるものです。
比較的単純なビジネスモデルを採用している場合や、顧客プロファイルをすばやく作成する必要がある場合に適しています。
ただし、表面的なデータのみを扱うので、顧客の態度や感情について得られる情報は限定的です。
セグメント化された顧客プロファイル
セグメントごとに個別の顧客プロファイルを作成すれば、自社がターゲットとしている様々なタイプの顧客を把握でき、最適なマーケティング戦略を適用できます。
各セグメントのニーズや課題などの相違点を明確にしてから、顧客プロファイルの作成に着手することで、より価値のあるものになるでしょう。
理想的な顧客プロファイル(ICP)
ICP(Ideal Customer Profile)とは、自社の製品やサービスにとって理想的な顧客像を具体化した顧客プロファイルのことです。おもに、BtoBで用いられています。
ICPに含まれる基本情報は、顧客が属する業界や所在地などのファーモグラフィックデータやジオグラフィックデータなどです。
加えて、組織としての意思決定プロセスや顧客が抱える課題、求めるソリューションなども含めるのが一般的です。
顧客データの収集から顧客プロファイルの活用まで行えるツール
アドビの「Adobe Experience Cloud」には、あらゆるチャネルをまたいで顧客データを収集、統合し、包括的な顧客プロファイルを構築できるアプリケーションがそろっています。
例えば、Adobe Experience Platformなら、顧客データやプロセスを一元管理し、リアルタイムの顧客プロファイルをシステム全体で共有可能です。
また、Adobe Campaignでは、オンラインとオフラインの顧客データを統合し、作成した顧客プロファイルを活用して、一貫性のあるキャンペーン施策を構築、実行できます。
このように、Adobe Experience Cloudを導入すれば、顧客一人ひとりに適切な体験を提供できるでしょう。
Adobe Experience Cloudで顧客プロファイルの作成を始めましょう
顧客プロファイルは、顧客体験を向上させ、売り上げを確保するうえで欠かせません。
明確で有用な顧客プロファイルの作成は、膨大なデータを収集することから始まります。また、作成した顧客プロファイルには定期的な更新も必要です。
効率的かつ効果的に顧客プロファイルの作成を進めるなら、アドビのツールを活用してはいかがでしょうか。「Adobe Experience Cloud」についてさらに詳しく知りたい場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
(公開日:2023/8/3)