BtoB領域に有効なMA(マーケティングオートメーション)とは?メリットや選び方などを解説
近年、BtoBビジネスにおけるMA(マーケティングオートメーション)の活用が、リード獲得や管理の手段として注目されています。
インターネットの普及により顧客の「選ぶ自由」が広がった今、BtoBビジネスを成長させるうえでマーケティングツールは欠かせないものになりつつあります。
ここでは、MAの概要とともに、BtoBにおけるMA導入のメリットやMAの選び方などを解説します。さらに、BtoBマーケティングの流れやMAツールの活用事例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
MA(マーケティングオートメーション)はマーケティング活動を自動化するツール
MA(マーケティングオートメーション)は、リード(見込み顧客)の獲得から商談化までのマーケティングのプロセスを自動化/省力化し、スムーズな営業活動につなげるためのツールです。
MAを活用すれば、マーケティング活動の工数を従来よりも大幅に省けるうえ、確度の高いリード情報を、営業とスムーズに共有することができます。具体的なMAの活用例としては、以下が挙げられます。
- 自社の営業プロセスをモデル化し、リードや顧客の状況を可視化する
- ターゲットとなるリードを集めてリストを作成/管理する(リードジェネレーション)
- メルマガ配信などの施策を実行し、購買意向の高い「ホットリード」を育成する(リードナーチャリング)
- リードを行動履歴にもとづいてスコアリングし、優先度を明確にする(リードクオリフィケーション)
- 確度の高いリードの情報を抽出し、営業に渡す
- メルマガ開封率、URLのクリック率、コンバージョン率などの指標で、キャンペーンの効果を測定する
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MA(マーケティングオートメーション)導入のメリット
MA(マーケティングオートメーション)を導入し、マーケティング活動を自動化すると、どのようなメリットが得られるのでしょうか。以下では、代表的なMA導入のメリットを7つ紹介します。
マーケティング状況の可視化
MAを導入することで、マーケティング状況が可視化され、施策や売上予測の精度が向上します。
例えば、現在のMQL(Marketing Qualified Lead:マーケティング担当が創出する確度の高いリード)の件数から、今後の売上状況の予測を行えます。また、リードがMQLに遷移する割合から、施策の有効性を判断することも可能です。
既存リストからの収益の創出
膨大なリードを手作業で管理する場合、緊急度が低いリードは後回しになりがちです。しかし、獲得時に緊急度が低かったリードが、製品やサービスの購買検討を開始し、MQLに遷移することもあります。
MAを導入すれば、リードの継続的なフォローを自動化できるので、緊急度が低かったリードの検討度が高まったタイミングを察知し、最適なアプローチを行うことが可能です。
例えば、顧客の行動ログ情報を活用する際は「料金ページを閲覧している」「週に3回以上アクセスしている」など、リードに関する細かな条件を設定し、検討度の高いリードを抽出できます。
マーケティングの効率化
MAを導入することで、従来はマーケターの手で行っていた膨大かつ複雑なマーケティングプロセスを効率化できます。マーケターの負担を軽減し、限られたリソースをより有効に使うことにもつながるでしょう。
例えば、リードに対してアプローチする場合、MAを使うことで業界別、従業員別などのリストを抽出し、それぞれのターゲットに適した訴求を行えるようになります。マーケターは、手作業でリストを作成する手間などを省略できるでしょう。
また、顧客のアクションを数値化し、一定基準に達した段階で製品紹介のメルマガを配信することも可能です。MAのテンプレートを活用することで、マーケターはメール作成を迅速に行えます。
人的ミスの削減
MAのテンプレートや自動化機能を利用することで、人的ミスを削減できるメリットがあります。
具体的には、対応漏れやメールの誤送信、顧客名の間違いといったヒューマンエラーがなくなるので、自社に対する顧客の信頼度の向上も見込めます。
顧客への迅速な対応
マーケティングのプロセスごとに別々のツールを使用している場合、データを統合しづらく、シームレスな管理につながりにくいという課題があります。その点、MAなら、リードジェネレーションからリード管理まで1つのツールで行えるので、より迅速な顧客対応が可能です。
One to Oneマーケティングの実現
大量のデータを一元的に管理できるMAを使えば、トラッキング(行動追跡)によってニーズを把握できます。
これにより、リード一人ひとりの行動パターンなどに合わせて、製品やサービスを提案する「One to Oneマーケティング」を実現できます。One to Oneマーケティングに取り組みリードの購買意欲を高めることで、売上アップも目指せるでしょう。
営業効率の改善と受注率の向上
従来のマーケティングでは、受注確度の高さにかかわらずアプローチすることが一般的でした。しかし、MAを活用すれば、リードと十分なコミュニケーションを取り、受注確度が高いリードのみを選別して営業に渡せます。
営業側は受注確度の高いリードの商談だけに集中できるうえ、受注確度の低いリードに対応する際の工数を削減できます。これにより、営業効率の改善と、受注率の向上へとつながるでしょう。
より詳しくMAについて知りたい方は、下記のページから無料のeBookをご覧ください。
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BtoBマーケティングの特徴は?BtoCとの違いも
続いて、BtoBマーケティングの特徴について、BtoCとの違いも含めて見ていきましょう。
BtoBマーケティングの特徴として、大きく下記の3つがあります。
ターゲットが限られる場合がある
BtoBでは、既存顧客との関係性構築も重要ですが、売上を拡大させるためには新規顧客の開拓が不可欠です。
しかし、一般消費者がターゲットのBtoCに比べて、企業を相手にするBtoBはターゲットがごく狭い範囲に限られる場合もあり、新規開拓は容易ではありません。
BtoBマーケティングでは、新規開拓などで獲得した貴重なリードを不用意に失うことがないよう、つながりを大切にしながら丁寧にコミュニケーションを取ることが重要です。
商談相手と意思決定者が異なる
BtoBでは、社内に複数人のステークホルダーがいるのが一般的です。最初の窓口となる担当者と商談を行い、よい感触が得られたとしても、一人の担当者が購買を判断することはほとんどありません。
多くの場合、担当者から上司、上司から役員というように、決裁を繰り返して購買に至ります。そのため、誰が決裁権を握るキーパーソンなのかを早めに知り、担当者を含めて総合的にアプローチしていく必要があります。
一方、BtoCは対個人なので、基本的に商談相手と意思決定者は同じです。適切なチャネルでのアプローチや、消費者感情を踏まえたマーケティングを実践し、購買行動を喚起することが不可欠です。
検討期間が長い
前述したとおり、BtoBの意思決定には複数の関係者が存在し、様々な角度から製品やサービスを検討します。BtoCの購買検討期間の目安は、当日~数週間ほどで、初めて接触してから購買までの期間が短い傾向です。
一方、BtoBの購買検討期間は、数か月から数年程度まで長期化することが多くなります。長期的な目線でマーケティング施策を展開して顧客情報を管理し、タイミングを見極めてアプローチすることが大切です。
BtoBマーケティングの流れ
ここからは、BtoBマーケティングの流れについて、詳しく見ていきましょう。
1.顧客のニーズを知る
BtoBマーケティングは「誰に」「何を」「どのように」提供するかを考え、顧客の目的とニーズを把握することからスタートします。顧客が何に課題を感じているのか、どのように現実とのギャップを解消したいと思っているのか、多角的に検討しましょう。
市場環境や競合の状況を調査/分析し、ターゲットとなる顧客層を特定するために、様々な手法を活用できます。まずは、以下3つの分析を行うのがおすすめです。
- 3C分析
「Customer(顧客)」「Competitor(競合他社)」「Company(自社)」の3つの要素を用い、自社を分析する手法
- 5フォース分析
自社にとっての5つのフォース(脅威)を分析し、競争優位性を探る手法
- STP分析
「Segmentation(市場の細分化)」「Targeting(狙う市場の決定)」「Positioning(自社の立ち位置の明確化)」の3つの要素を用い、マーケティングの方向性を決める手法
マーケティング分析の手法やフレームワークについては、下記の記事で詳しく説明しています。
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また、顧客層の理解にはペルソナデザインも欠かせません。ペルソナとは「企業が提供する製品やサービスにとって最も重要で象徴的な顧客モデル」のことです。ペルソナデザインを行うことで、顧客への理解が深まり、的確なマーケティングを実施できるようになります。
ペルソナデザインについては、下記の記事で詳しく説明しています。
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2.ニーズに合った製品やサービスを考える
顧客のニーズを把握したら、自社の製品やサービスのラインナップの中から、ニーズに適したものを探します。
市場における顧客のニーズが高いにもかかわらず、そのニーズに応えられるものが自社のラインナップにない場合は、新たに製品やサービスを作るのも一つの手です。
3.リードを獲得する(リードジェネレーション)
次に、リードを獲得する「リードジェネレーション」というマーケティング活動を行います。リードジェネレーションの種類は以下のとおりです。
【リードジェネレーションの種類】
- 展示会
- ホワイトペーパー
- カンファレンス、セミナー、ウェビナー
- Web広告
- テレアポ
- SEO対策
- 名刺交換
これらのマーケティング活動の中で得た顧客の個人情報をもとに、リードを創出します。
4.リードを育成する(リードナーチャリング)
リードナーチャリングは、獲得したリードに自社製品やサービスをより深く知ってもらい、関連する情報を提供して関心や購買意欲を高めるプロセスです。リードナーチャリングの代表的な種類として、以下が挙げられます。
【リードナーチャリングの種類】
- セミナー開催
- eBookなどの読み物
- リターゲティング広告
リードナーチャリングについては、下記のページから無料でダウンロードできるeBookで詳しく説明しています。
https://main--bacom-blog--adobecom.hlx.page/jp/blog/fragments/offer-003372-dg-lead-nurturing
5.リードを分類する(リードクオリフィケーション)
次に、自社の製品やサービスをよく知って購買意欲が高まったリードを選別するため、リードの分類(リードクオリフィケーション)を行います。
このとき、リードの重要度を分析してスコアリングすると、アプローチの優先順位がわかりやすくなり、営業活動を効率化できます。
スコアリングの判断基準は、展示会やセミナーをはじめとしたオフラインイベントへの参加回数、webページへのアクセス頻度、性別、年齢といった属性データなどです。
なお、スコアリングでは、このようなリードの行動などにあらかじめ点数を設定しておきます。一定の点数以上をマークしたリードを抽出することで、モチベーションの高い顧客情報のみを営業に渡せるようになります。
6.営業に情報を引き継ぎ、案件化/商談化する
リードクオリフィケーションの結果をもとに、営業部門にリードの情報を引き継ぎ、案件化/商談化の段階へと進みます。購入可能性の高いリード情報を提供するためには、マーケティング部門と営業部門の連携を密にしておくことが大切です。
例えば、リードクオリフィケーションのスコアリングの判断基準について、日頃から営業部門の意見をもらい、必要に応じてフィードバックすることなどが有効です。
なお、リード情報を営業に引き継ぐ際は、MA(マーケティングオートメーション)を活用するとよいでしょう。
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7.受注した顧客との関係を維持し、PDCAを回す(リテンションマーケティング)
自社の製品購入やサービス利用に至った顧客には、イベント招待状の送付やメルマガ配信、SNSでの情報提供などを通じて継続的なフォローを行い、高い満足度を維持できるようにします。
このような、既存顧客との継続的な関係を目的とした活動を、リテンションマーケティングと呼びます。新規顧客の開拓が難しいBtoBビジネスにとって、既存顧客との関係性維持は最も効率的なマーケティングだといえるでしょう。
競合の製品やサービスに顧客が流れてしまわないよう、効果的な施策でリピート購入を促すなどして、LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)を高めることも大切です。
そして同時に、マーケティング施策のKPIを確認し、ボトルネックがあれば改善して、PDCAを回していきましょう。
8.リサイクルを行う
リサイクルとは、受注に至らなかったリードを対象に、興味関心を再び引き出すためのマーケティング活動のことです。
前述のとおり、BtoBの検討期間は長い傾向にあるので、すぐには商談化が実現しなかったり、何らかの理由で検討が中止されたりするケースがあります。
また、商談まで進んだものの、競合へのリプレイス(乗り換え)で失注するというケースもあるでしょう。未受注/未商談の顧客は、タイミングを見極めて再リード化を狙います。
BtoBマーケティングにMA(マーケティングオートメーション)が有効である理由
ここでは、BtoBマーケティングにMA(マーケティングオートメーション)が有効な理由について、近年のBtoBマーケティングの変化も踏まえつつ解説します。
自社製品が認知されない限り、検討してもらえなくなった
MAがBtoBマーケティングに有効な理由の一つとして、多くの顧客に合わせたアプローチが可能なことが挙げられます。
そもそも従来のBtoBビジネスにおいて、顧客の情報源は販売元の営業担当者でした。テレアポや飛び込み営業などで顧客との接点を作り、商談の中で自社製品の強みや特徴などの情報を提供して、最終的な受注に結びつけるスタイルが主流だったのです。
ところが、インターネットの普及とともに顧客の情報源は多様化し、購買行動にも変化が見られるようになりました。そのため昨今は、自社にニーズが生まれた時点で顧客が情報収集をスタートし、営業と接する前にひととおりのリサーチを完了することが一般的です。つまり、顧客に自社製品を検討してもらうためには、リードジェネレーションの段階で自社製品を認知してもらうことが重要になりました。
MAを活用すれば、オンライン/オフラインを問わず顧客が接する様々なチャネルからアプローチできるので、効率的に自社製品の認知を促すことが可能です。
リードの中長期的な育成が求められるようになった
せっかくリードを獲得しても、興味がない情報や、必要としていない広告を発信し続けていれば、リードはすぐに離れてしまいます。
そこで、リードを細かく分析したうえで、パーソナライズされた情報やコンテンツを継続的に提供して、中長期的に育成していく細やかなリードナーチャリングが求められるようになりました。
また、現代のBtoBマーケティングにおいては、様々なメディアを使って顧客の興味関心を喚起するリードジェネレーションも重要です。
しかし、リードナーチャリングとリードジェネレーションをマーケティング担当者自身の手で行う場合、膨大な時間と工数がかかります。そこで、MAを活用してこの2つのプロセスを自動化することで業務効率化が図れるのです。
時流に合わせつつ、効率的かつ効果的なBtoBマーケティングを行うには、MAが非常に有効といえるでしょう。
BtoBマーケティングにおけるMA(マーケティングオートメーション)の選び方
BtoBマーケティングにMA(マーケティングオートメーション)を導入する場合、どのような観点で選べばよいのでしょうか。続いては、BtoBマーケティングにおけるMAの選び方について解説します。
自社独自の収益プロセスを可視化できるか
MAを検討する際に注目したいのが、自社の収益プロセスを可視化できるかどうかです。
マーケティングファネル(顧客の認知~購入までを表すフレームワーク)の全体において、リードを戦略的に育成するには、それぞれのステージにおけるリードを数字で可視化する必要があります。
リードを可視化する機能がMAに備わっていれば、各ステージにどれくらいのリードが滞在しているか、ボトルネックはどこかといったことを把握し、ボトルネックを解消する施策を作ることが可能です。
目的に応じた機能があるか
MAには様々な種類があり、実装されている機能やサービスの内容も多岐にわたります。
「自社が強化したいプロセス(リードジェネレーション、SFAとの連携など)に強みを持っているか」「BtoBの膨大なリードデータに対応できるか」といった点に注目して機能をひととおり見比べ、自社の導入目的に適したものを選びましょう。
また、現時点で実現したい目的だけでなく、ビジネスの成長を見据えてツールを選ぶことも重要です。例えば、自社のビジネスが成長するたびに高機能なMAに乗り換えた場合、ツール導入コストや人的コストがその都度発生してしまいます。
しかし、ビジネスの成長に合わせて使えるような拡張性の高いツールを最初から選んでおけば、MAの乗り換えによるコストを省くことができます。
自社の既存ツールと連携できるか
いまや多くの企業が、名刺管理ツールやSFA/CRMを使った顧客情報管理、マーケティング活動を実施しています。
MAを導入する場合、そのような既存のツールや体制との連携性について確認することが大切です。
また、MA導入によって効率が損なわれないように、導入後の運用についてもあらかじめ考えておかなくてはなりません。運用方法は、主に下記の3パターンに絞られます。
【MA導入時における既存ツールの運用方法】
- 既存のツールや体制とMAを併用する
- 既存のツールと体制を一新し、MAにすべて移行する
- 一部をMAに移行し、連携する
MAの検討と同時に運用方法も検討し、移行や連携の仕方を確認しておくことで、スムーズにMAを活用することができるでしょう。
サポート体制が充実しているか
MAの導入後のサポート体制についても、確認しておくことが大切です。サポート体制が充実していれば、MAをスムーズに活用できるでしょう。
例えば、アドビの場合、オンラインサポートやコミュニティサポートのほか、導入時のオンボーディングサービスなども提供しています。導入、運用に向けたサポート体制が整っているMAを選ぶことで、ツール使用者の負担を減らすことにもつながります。
BtoBマーケティングを最適化!アドビのMAツール「Adobe Marketo Engage」
BtoBマーケティングを最適化できるMA(マーケティングオートメーション)ツールをお探しなら、アドビの「Adobe Marketo Engage」がおすすめです。
Adobe Marketo Engageを活用すれば、企業の特性や行動データなどをもとにリードをスコアリングし、確度の高いリードをスムーズに営業へ共有することが可能です。
また、ダッシュボード機能である「Marketo Engage パフォーマンスインサイト(MPI)」によって、新規獲得から受注に至るまで、各プロセスにおける施策の有効性なども可視化できます。この機能があれば、自社ビジネスの規模に応じた戦略策定にも活かせるでしょう。
さらに、Adobe Marketo Engageは様々な既存ツールとの連携も可能なので、ツール導入によってマーケティング活動の効率が損なわれるおそれもありません。
Adobe Marketo Engageは、企業の購買担当者にパーソナライズされた情報を提供し、購買につなげるのに最適なツールです。興味のある方は、下記のeBookをご覧ください。
BtoBマーケティングにおけるMA(マーケティングオートメーション)の活用事例
最後に、MA(マーケティングオートメーション)導入のメリットをさらに具体的に把握するために、アドビのMA製品「Adobe Marketo Engage」の活用事例を3つご紹介します。
株式会社ビザスク:Adobe Marketo Engageを活用して集客/受注強化を実現
株式会社ビザスクでは、法人顧客向けにアドバイザーをマッチングする主軸サービス「ビザスクinterview」の認知度向上を図り、企業ごとに異なるニーズを把握して受注につなげるために、Adobe Marketo Engageを導入しました。
導入前の同社は、新規開拓に向けたマーケティング活動はほとんど行っておらず、保有リードに対してセミナーや事例紹介のメールを時折送信する程度でした。
契機となったのは、法人顧客の拡大を目的としてマーケティング部門が発足した2019年のことです。リードの有効活用や育成につながる仕組みづくりに期待して、Adobe Marketo Engageを導入しました。
導入後は、大量のリードにも行動情報をしっかりと紐づけることで、商談につながるかどうかを見極め、優先順位をつけてフォローを実施しました。
その成果として、リード数/商談数ともに20倍以上に増加したほか、リードの流入元が可視化されて施策の有効性が数値で判断できるなど、定性的な効果もあったといいます。
また、マーケティング部門のKPIであるリード獲得数や、インサイドセールスのKPIの商談アポ率も大きく前進しました。
株式会社ビザスクの事例については、下記の記事で詳しく説明しています。
【導入事例】
ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ株式会社:リテンション施策で商談数が約2倍に
業種/領域を問わず、企業変革をEnd to Endで支援するケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ株式会社。
自社の豊富なノウハウを活かしたコンサルティングでプロジェクトを牽引し、顧客企業がみずから変革できる体制となることを最終的なミッションとしています。
同社がAdobe Marketo Engageを導入した理由は、リサイクルをしっかりと仕組み化する必要性を感じたからです。高額でオーダーメイドのコンサルティングサービスは、商談の引き合いから成約まで時間がかかることが少なくありません。
失注顧客は同社のファンであることが多く、引き合いがあれば成約に結びつきやすい一方で、直近のホットな商談に追われてフォローしきれないのが課題でした。
2018年4月、社内変革プロジェクトが立ち上がった際に、課題と変革の実現可能性を共有。インサイドセールスや、顧客ライフサイクルを管理できる高度なMAの必要性に気づき、Adobe Marketo Engageの導入を決定しました。
導入後は、独自の方法論とファシリテーションを駆使して、通常1年かかるAdobe Marketo Engage高度活用までのプロセスを、3か月で実現。すぐにリテンション施策を実行し、導入から半年で商談数を約2倍まで増やすことに成功しています。
ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ株式会社の事例については、下記の記事で詳しく説明しています。
【導入事例】
株式会社スマートドライブ:過去リードの掘り起こしと営業との連携を強化
株式会社スマートドライブは、法人向けクラウド車両管理サービス「SmartDrive Fleet」などを提供しています。
別のMAを導入していた際、データ管理に課題があったために「このままでは今後のビジネスの成長に差し支える」という危機感を感じていたといいます。
そこで、MAの乗り換えプロジェクトがスタート。必要なデータをワンプラットフォームで管理できることや、拡張性が高くSalesforceとの組み合わせでデータを一元管理できることに魅力を感じ、Adobe Marketo Engageへの乗り換えを決めました。
現在ではSlackやFORCAS、ベルフェイスといったツールとも連携しながら、インサイドセールスの業務効率改善に取り組んでいます。
Adobe Marketo Engageの導入後、同社が最もメリットを感じているのは、リテンションマーケティングで過去リードのホットなタイミングを察知し、的確にアプローチできる点です。
特に、同社のサービスは「社用車を保有している企業」というニッチなリードが対象なので、過去リードの掘り起こしは欠かせません。MAを活用しながら施策を重ねた結果、月間の送客数が大幅に向上しました。
さらに、営業とインサイドセールスの連携も強化され、データの鮮度が落ちないうちにアプローチできるようになりました。
株式会社スマートドライブの事例については、下記の記事で詳しく説明しています。
【導入事例】
BtoBマーケティングをMA(マーケティングオートメーション)でスムーズに!
BtoBマーケティングでMA(マーケティングオートメーション)が有効な理由として、多様化した購買行動へ対応できることや、中長期的なリード育成が求められていることが挙げられます。
BtoBマーケティングにおいてMAを活用すれば、ビジネスの効率性や生産性を高め、その可能性をさらに拡大することができるでしょう。
自社の収益プロセスを可視化したり、既存ツールと連携したりできるMAを導入したい方は、アドビの「Adobe Marketo Engage」をぜひご検討ください。
Adobe Marketo Engageなら、スコアリングによるリード管理の効率化や、自社既存ツールとのスムーズな連携が可能です。導入時のサポート体制も充実しているので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
(公開日:2022/7/7)