2.メールマーケティング
メールマーケティングは、メールの配信を通じてターゲットとコミュニケーションを取り、最終的に自社の製品やサービスへの申し込みへとつなげる手法です。具体的には、以下のような種類があります。
- メールマガジン
新商品やキャンペーンなどの情報を、定期的に全ユーザーへ一斉配信するメール。
- セグメントメール(ターゲティングメール)
ユーザーの属性などの条件に応じて対象を区分し、ニーズにマッチする情報やクーポンを配信するメール。
- ステップメール
ユーザーの検討レベルに応じて、事前に用意した内容を段階的に自動配信するメール。
- リターゲティングメール
「商品ページを閲覧した」「カートから離脱した」など、一定の行動履歴があるユーザーに対して配信するメール。
- 休眠発掘メール
一定期間動きのないユーザーに対し、アクションを促して関係を維持するために配信するメール。
メールマーケティングは比較的コストがかからないので、手軽に始めやすいことが利点です。
なお、メールマーケティングの詳細は、以下のガイドでも解説しているので参考にしてください。
3.SNS運用
SNS運用は、Twitter(現:X)やInstagramなどを通して、企業とユーザーの双方向のコミュニケーションを実現できる手法です。また、BtoCマーケティング施策だけでなく、BtoBマーケティング施策でも有効です。
ただし、SNSによってユーザー層や性質が異なるので、自社の製品やサービスに合わせて見極める必要があります。
4.SEO対策
SEO対策(検索エンジン最適化)は、Googleなどの検索エンジンの検索結果において、自社サイトを上位表示させるための手法です。成果が出るまでには時間を要しますが、着実に認知を拡大できます。
なお、Googleマップの検索結果において、上位表示させるための手法は「ローカルSEO」または「MEO(マップエンジン最適化)」と呼ばれます。
5.ウェビナー
ウェビナーとは、ビデオ会議ツールを用いて、web上で実施するセミナーのことです。
一例として、参加者に役立つノウハウや事例を紹介したうえで、自社の製品やサービスも訴求するケースが挙げられます。
ウェビナーなら開催場所に縛られないので、対面のセミナーに比べて集客しやすいのが特徴です。
配信方法には、リアルタイムの「ライブ配信」のほか、好きなときに視聴できる「オンデマンド配信」があります。オンデマンド配信なら、開催場所だけでなく、時間にも縛られません。
6.ホワイトペーパー
ホワイトペーパーとは、自社が持つノウハウや製品/サービス情報、調査レポートなど、有用な情報をまとめた資料を指します。Webサイトに掲載し、企業名やメールアドレスなどを登録することでダウンロードできる仕組みになっていることが多いでしょう。
ホワイトペーパーがダウンロードされると、見込み顧客の興味/関心度合いを把握できます。よって「このホワイトペーパーをダウンロードした方にはこのメールを送る」といったような、さらなる施策の展開も可能になります。
デジタルマーケティング施策の成功事例10選
デジタルマーケティング施策は前章のとおり、多くの選択肢があります。既に成功を収めているデジタルマーケティング施策を研究し、自社の製品やサービスに合った手法を選ぶことが重要です。
ここでは、世界のデジタルマーケティング施策において、特に高い効果が得られた10の成功事例を紹介します。
1.Airbnb
https://www.youtube.com/watch?v=aA6UaOAaJaI
出典:https://www.youtube.com/watch?v=aA6UaOAaJaI
宿泊施設を提供するホストと、世界中の旅行者(宿泊客)のマッチングサービスを提供するAirbnb。
2021年、Airbnbは「Made Possible By Hosts」というデジタルマーケティング施策を実施し、UGC(ユーザー生成コンテンツ)を活用した「Forever Young」動画を配信しました。
スライドショー形式の動画では、情緒的なサウンドトラックに合わせて旅行写真を紹介し、顧客がAirbnb物件で楽しく過ごしている様子が伺えます。
Airbnbの魅力的な物件やアクティビティをさりげなく紹介するだけでなく、Airbnbで旅行を予約する際の高揚感も強調。ナレーションがなくても「思い出に残る旅に出ませんか」と視聴者に訴求でき、世界中で1,700万回という驚異的な再生回数を記録しました。
このデジタルマーケティング施策は、ホストと宿泊客の両方をターゲットとし、物件の掲載と予約を促進することで、大きな成功を収めました。
Airbnbの事例から、次のことを学べます。
- 動画コンテンツへの投資
多くの消費者は、動画を好んで視聴します。動画を活用することで、より説得力のあるストーリーで消費者の共感を得られます。
- UGCの活用
UGCは、顧客がAirbnb物件で楽しい時間を過ごしていることを示す証明となります。
- 感情に訴えるコンテンツ
科学的根拠や統計データを紹介するのではなく、共感を呼ぶ画像と音楽を組み合わせてストーリーを配信し、訴求しています。
2.ユニクロ
カジュアル衣料品を販売するユニクロは、オーストラリア市場でヒートテック製品の売上を伸ばすための、革新的な方法を求めていました。そこで同社は、オムニチャネル体験を通じて、実店舗とオンラインの両方で顧客にプレゼント企画への参加を促すことにします。
この取り組みを実施するにあたり、オーストラリア全土の100か所にデジタル看板を設置し、YouTubeとFacebookで動画を配信。看板や動画に表示される一意のコードを撮影し、同社の施策ページにアップロードするように呼びかけました。
さらに、ヒートテック製品の基本情報の拡散、Tシャツの無料進呈や割引コードなどのオファーの提供、マーケティングニュースレターへの登録の促進といった施策も実施します。
このとき、参加者がソーシャルメディアを通じて友人に共有できるようにしたことで、大きな成果につながりました。実際、同社はこれらの施策を通じて、130万回の動画再生回数、2万5,000人のニュースレター登録者、3万5,000人の新規顧客の獲得に成功しています。
ユニクロの事例から、次のことを学べます。
- 無料の製品や割引で注目を集める
Tシャツの無料進呈のような、魅力的なオファーは消費者の関心を惹きつけます。
- 共有可能なデジタル体験の構築
企画参加者が、自身の体験を友人と共有できるようにすることで、口コミを通じた拡散を期待できます。
- オムニチャネル体験の推進
デジタルマーケティング施策は、ソーシャルメディアだけに限定されません。ユニクロのデジタル看板は、実店舗の買い物客をデジタルの世界に引き込み、オフラインとオンラインの両方で話題を生み出しました。
- 継続的なデジタルナーチャリング
製品を無料で配布するだけでなく、製品に関する情報を提供し、見込み顧客にニュースレターを登録するよう促しました。
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