アステラス製薬デジタル化の鍵は、ナレッジ共有にあり:ポッドキャストの聞きどころ
アドビのクラウドサービス「Adobe Experience Cloud」の製品群を活用してCXM(顧客体験管理)に取り組む企業のマーケターをゲストにお招きし、日々のリアルな取り組みなどを聞くアドビのポッドキャスト番組「Marketer’s Talk」。
今回のゲストは、デジタルマーケティングを中心に、アステラス製薬株式会社におけるオムニチャネル戦略の企画/実行/検証に従事されている大石幸太(おおいし・こうた)さん。「製薬業界を変革するナレッジ共有」というテーマでお話をお伺いしました。
<ゲスト>
大石幸太:アステラス製薬株式会社に新卒入社し、8年間MR(Medical Representative、医療情報担当者)を担当。2021年4月よりデジタルマーケティングチームへ異動し、現在は同社のオムニチャネルストラテジー&オペレーションズにて、オムニチャネル戦略の企画/実行/検証に従事。医療従事者向けのオウンドメディア「アステラスメディカルネット」の運営にも携わっている。
<パーソナリティ>
小松崎扶美恵(こまつざき・ふみえ):金融機関(投資信託、証券会社、銀行)で一貫してマーケティング業務に携わる、元アドビ製品ユーザー。2018年、アドビ株式会社に入社し、現在はDXインターナショナルマーケティング本部 フィールドマーケティングマネージャーを務めている。
*ポッドキャストの聞きどころは、アドビのポッドキャスト「Marketer's Talk」の内容を抜粋したものです。
第1話:コロナ禍が転機、MRからの転身
大石幸太さん
第1話では、「オウンドメディアで創造する顧客体験」をテーマに伺いました。
アステラス製薬株式会社に新卒入社し、8年間MR(Medical Representative、医療情報担当者)として、お客様(主に医師)と向き合いながら仕事に取り組んできた大石さん。しかしコロナ禍をきっかけにお客様と対面で話をすることができなくなり、自身の仕事のあり方について考えさせられたそうです。
折しも、会社全体が事業のデジタル化を推進しなければならなかった時期。デジタルマーケティングの部署へ異動した大石さんは、医療従事者向けオウンドメディア「アステラスメディカルネット」を担当、デジタルを中心にお客様の体験価値を高める施策を打ち出していきました。
「お客様の体験価値を定量化するのは難しい」と語る大石さん。最終的には売上の最大化がミッションといいますが、最近ではコスト意識を高く持ち、アウトカム(利益)にこだわった施策に臨んでいます。
詳しくは、こちらのリンクからポッドキャストでお聴きください。
『Marketer’s Talk』#13_01|アステラス製薬 大石 幸太氏|製薬業界を変革するナレッジ共有 - オウンドメディアで創造する顧客体験
・Apple Podcast
・Spotify

第2話:ゼロから立ち上げた社内研修
小松崎扶美恵
第2話では、デジタルマーケティングプロセスを根付かせるための社内研修についてお聞きしました。
アステラス製薬のデジタル化を推進してきた大石さんですが、ビジネスインテリジェンス部門や営業部門のDX担当者など、デジタルマーケティングの知識や能力を組織的に醸成させる必要があったそうです。アドビのコンサルタントと協力して、年4回実施する研修プログラムを構築しました。
社内研修プログラムは受講者のレベルによってカリキュラムが設計されています。問題点を特定できるか、仮説を立て検証を行えるか、A/Bテストで成果をあげられるかなど、受講者のデジタルマーケティングに関する知識や能力の向上/可視化に貢献しています。昨年、高いレベルに認定された通称「アンバサダー」の社員は全体の5%程度でしたが、アンバサダーが率先してデジタル推進/普及に関わっており、社内でも大きな成果として評価されているそうです。
エピソードの後半で伺ったのは、1年間で274%増の成果を実現した、同社のメールマーケティングの考え方や、達成までの舞台裏について。お客様のセグメントや行動、属性によってパーソナライゼーションを設計し、お客様にとって本当に必要な情報を、必要なときに届けることができたと話してくれました。
詳しくは、こちらのリンクからポッドキャストでお聴きください。
『Marketer’s Talk』#13_02|アステラス製薬 大石 幸太氏|製薬業界を変革するナレッジ共有 - データの民主化を実現する社内研修
・Apple Podcast
・Spotify

第3話:人命にかかわる仕事だからこそ
第3話では、大石さんが考える顧客体験と今後実現したいことについて伺いました。
エピソードの最初に伺ったのは、海外チームとのコミュニケーションについて。日本はAdobe Marketo Engageの導入がグローバルよりも早かったため、先行事例としてグローバルチームからよく相談を受けるそうです。逆にグローバルから学ぶこととしては、「海外では枠組みをつくるのが上手い」と話す大石さん。法令や制度の差はあれど、全社でコンテンツをいかに効率的に活かすべきか議論を進めているとのこと。
「顧客体験とは何か」と問われた大石さんは、良い顧客体験が実現されているときは「どんな顧客体験か、お客様も気付いていない」状態だと語ります。良い顧客体験はお客様に定着しているため、ユーザーヒアリングを行っても改善項目が出てこないといいます。
仕事において大石さんが大切にしているのは、医師のみならず患者様にとってもメリットであること。「人命にかかわる責任ある立場だからこそ、決して売上だけを優先してはいけない」MRを経験したデジタルマーケティング担当者だからこそ、医師/患者様の体験価値を高めるために、高度かつ組織的にデータを扱えるようになりたいと熱く語っていました。
詳しくは、こちらのリンクからポッドキャストでお聴きください。
『Marketer’s Talk』#13_03|アステラス製薬 大石 幸太氏|製薬業界を変革するナレッジ共有 - デジタルマーケティングに活かせる他職種の経験値
・Apple Podcast
・Spotify

もっと詳しく知りたい方はポッドキャストへ。
そのほか、
- コスト意識の必要性
- 社内のMRに対し、いかに有益な情報を提供するか
- 海外のTierとの情報共有の方法
などについて、お話しくださいました。

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ぜひこちらのリンクからポッドキャストをお聴きください。
Adobe Experience Cloud ポッドキャスト

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