Samsung、リアルタイムデータがより優れた顧客体験の原動力であることを証明
自社の製品が世界を動かしていると本気で言える企業は多くはありません。しかし、Samsung Electronics Europeでは、自社のテレビ、スマートフォン、ウェアラブル製品、デジタル家電、IoT(モノのインターネット)テクノロジーがあらゆるところで利用されています。英国本社では、欧州39か国の2億5,000万人以上の顧客を対象に、消費者向け電子機器の販売と流通を統括しています。
何よりも素晴らしいのは、人々の生活を豊かにする新しいテクノロジーや体験を創り出す企業で働いていることです。これはSamsungのミッションであり、Interbrandが発表するグローバルブランドのトップ5に選ばれた理由でもあります。それは、顧客のニーズを把握し、それに応えることから始まります。私たちはこのミッションを非常に真剣に受け止めています。
今日の世界で言うと、それは堅牢なデータ戦略を確立するという意味になります。それにより、当社のチームとサービスパートナーであるSamsung SDSが、さまざまなチャネルをまたいであらゆるやり取りをリアルタイムでパーソナライズし、エンゲージメント、ロイヤルティ、売上を促進できます。Adobe Real-Time CDPを利用することで、私たちはそれを実現すると同時に、最新の消費者プライバシー規制を遵守するためのガバナンスも強化しました。
Adobe Real-Time CDPをシステムと部門間のギャップを埋める触媒として使用したことが評価され、光栄なことに、2024年度Adobe Experience Maker Awardsの受賞者に選ばれました。Adobe Real-Time CDPは、当社のビジネスや顧客体験に大きな変革をもたらしました。その変革はまだ始まったばかりです。Samsungがアドビとともにどこへ向かっているのかを十分に理解するには、まず時計の針を数年前に戻す必要があります。
新しいデータ基盤
Samsungは、特にヨーロッパでは国、都市、地域ごとに文化、言語、優先順位が大きく異なるため、あらゆる顧客がひとりの個人として捉えられていると感じられるようにすることの重要性を認識しています。人々が支出に対してより意識的になり、AIのような新しいテクノロジーが消費者向け電子機器市場にイノベーションと競争の波を引き起こしている今、そうした個人的なレベルでのつながりが、これまで以上に重要になっています。
しかし、そのレベルのパーソナライズを実現するのは大きな課題となっていました。長年にわたって築き上げた広範なマーテク環境は、データが分散し、チームが断片化され、地域の市場や子会社向けのコンテンツをローカライズするのが困難になっていたのです。Samsungが顧客の目に業界のリーダーであり続けるためには、舞台裏でのデータ管理アプローチを変革し、人々のプライバシーを最優先にしつつ、あらゆる顧客とチャネルに合わせてリアルタイムでカスタマイズした体験を提供する必要がありました。
そこでAdobe Real-Time CDPの出番です。このプラットフォームを利用して、顧客プロファイルを一元化し、ヨーロッパ全体でオーディエンスを活用するための一貫性のあるデータ基盤をチームに提供し、GDPRのようなデータ保護および消費者プライバシー法を先んじて対応することができました。Adobe Experience Cloudを活用した変革により、Samsungは3rdパーティーCookieデータ戦略から、高品質なデータを直接オーディエンスから収集して活用する真のパーソナライゼーションへと移行する世界において、リーチを維持し、新しい顧客を引き寄せるための基盤を確立しました。
また、変革の過程でアドビのチームから受けた素晴らしい協力にも感謝しています。彼らは円滑な導入を実現する上で重要な役割を果たしただけでなく、日々のガイダンスを通じてチームに価値を提供し続けています。これにより、当社のCDPはデータの管理と活用において大きな推進力となり、顧客により優れたサービスを提供できるようになりました。
リアルタイムのパーソナライゼーションと安心感
Adobe Real-Time CDPがその他の顧客データプラットフォームと異なる点は、そのリアルタイム能力にあります。このプラットフォームのリアルタイム能力は、オンラインとオフラインのあらゆるデータソースを統合し、さまざま目的地とチャネルをまたいで活用することを可能にする画期的なものです。一方で、組み込みのガバナンス機能により、顧客の重要な情報を追跡、保護し、同意を確保することができます。
現在、Adobe Real-Time CDPはヨーロッパにおけるSamsungのリアルタイムマーケティング業務の中心に位置しています。私たちの取り組みにより、ビジネス全体の関係者が数十の市場で、パーソナライゼーションのために顧客データを迅速に活用できるようになりました。チームは50を超えるオンラインおよびオフラインのソースから数億のプロファイルを作成しており、その数は増え続けています。それと同時に、Adobe Real-Time CDPのData Distiller機能により、非構造化データを含むあらゆるソースからのデータにアクセスし、クリーニングや変換する柔軟性が向上し、より詳細なレベルでの顧客プロファイルのセグメント化と管理が可能になりました。
また、Adobe Real-Time CDPをAdobe CampaignやAdobe Targetと組み合わせることで、適切なコンテンツをタイミングよく的確な顧客に届けることができます。チームのマーテクスタックを締めくくるAdobe Analyticsは、マーケティング活動のパフォーマンスを正確に測定し、最適化するために使用しています。これらを組み合わせることで、エンドツーエンドのエクスペリエンスを構築、調整、配信し、顧客ごとに変化するニーズに即座に適応させることができます。
Samsungの主力製品の発売を例にとってみましょう。統合プロファイルのおかげで、発売日に向けて、チームは電子メール、プッシュ通知、ソーシャルメディア、デジタル広告の各チャネルを通じて、一貫性のあるターゲティングされたメッセージを配信できます。このカスタマイズされた適格なプロモーション手法により、コンバージョンと売上が増加しました。さらには、顧客データの管理と意思決定に対するより効率的なアプローチにより、獲得コストも削減されました。
改善の好循環
Adobe Real-Time CDPのもうひとつの利点は、チームがプラットフォームで構築する顧客プロファイルが、時間の経過とともに充実し、詳細になることです。Samsungとエンゲージする人々が増えるほど、マーケティング部門と営業部門は、顧客がどのような人々であり、どのようにしてそれぞれの瞬間に最適なサービスを提供できるか、詳細に把握できるようになります。
これにより、プロファイルを活用するたびに、オムニチャネルのマーケティング活動がより効果的になるという好循環が生まれます。その結果、効果的なキャンペーンやコンテンツが優れた顧客体験につながり、そうしたインタラクションから得られたデータから、将来的にオーディエンスが何を求めるのかについて、より詳細なインサイトを獲得できます。
将来について言えば、Samsungはアドビへの投資から新たな機会と価値を引き出すため、顧客データ管理センターオブエクセレンスも設立しました。地域、事業部門、子会社をまたいだ関係者で部門横断的なチームを編成することで、データ管理のベストプラクティスを統一し、戦略を成熟させ、可能な限り優れた顧客体験を提供し続けることができるようになります。
Samsungでこの変革に参加できたことは、私のキャリアの中でも最も刺激的でやりがいのある経験のひとつとなりました。今年のAdobe Experience Maker Awardsでは、Catalyst部門の受賞者に選ばれましたが、それはアドビとの連携によるものです。アドビのソリューションとサポートがなければ、今のチームはありません。この連携がどのように発展するのかを楽しみにしています。
正直に言って、Adobe Real-Time CDPは企業のオンラインとオフラインの体験をリアルタイムで結びつけるための最高のプラットフォームです。このテクノロジーを検討している他の企業へのアドバイスとしては、まず自社のデータを整えることが重要だということです。そうしなければ、全速力で走らせる燃料がないまま、信じられないほどパワフルな車を購入したことになってしまいます。
Adobe Real-Time CDPを利用して、どのように堅牢な統合顧客プロファイルを構築するのか、詳しくはこちらをご覧ください。
Samsung ElectronicsのAdobe Experience Platformの導入と、デジタルマーケティングサービスパートナーであるSamsung SDSについて詳しくは、webページをご覧ください。
Fons de Waard氏はロンドンを拠点とし、Samsung ElectronicsのSamsung EOにおいてデータおよびプラットフォームの責任者を務めており、以前は、Samsung Electronics、Samsung SDS、Yourzineでキャリアを重ねてきました。Web開発、CSS、CMS、メールマーケティング、jQueryなどの強力なスキルセットを活用して、業界に貴重なインサイトを提供しています。Fontys Hogeschool Eindhovenでマルチメディアとデザインの学士号を取得しています。
あなたにおすすめ
https://business.adobe.com/fragments/resources/cards/thank-you-collections/rtcdp