課題
業界の特性に合わせたサービスを効率よく開発したい
成果
製作開始までの時間短縮
制作会社との打ち合わせが必要なくなり、社内打合せ後すぐ制作が可能に
動画制作の劇的なスピードアップ
20倍以上の制作スピードになり、打合せ当日の動画アップロードも可能に
動画制作のノウハウ蓄積
効果検証にもとづくきめ細かなPDCAの構築
アプリ間のシームレスな連携
静止画を動画にアレンジする際もストレスが皆無
47都道府県を網羅し、900万超ダウンロードを誇るタクシー配車アプリ「JapanTaxi」を運営するJapanTaxi 株式会社。配車アプリのほか、キャッシュレス決済端末とデジタルサイネージの機能を兼ね備える後部座席設置型タブレット「JapanTaxi タブレット」など、タクシー業界を中心に多彩なITソリューションを提供する同社は、以前から内製化にとても積極的でしたが、ユーザーに向けたSNSなどでのオンライン広告や「JapanTaxi タブレット」上で展開する動画広告、さらにタクシー会社向けのマニュアル動画、社員に向けたインナーブランディング動画など、多岐にわたる動画作成において内製化に踏み切りました。Adobe Creative Cloudをフル活用して2018年秋にスタート、大きな成果を上げたインハウス動画の狙いはどのようなものだったのでしょうか。
「打合せなどに時間を要していたアウトソーシング時と比べ、動画の制作から公開まで、20倍以上のスピードになりました」
配車UXデザイン開発部Designグループエディター/ビデオグラファー 清水庸介氏
業界の特性に合わせたサービスを効率よく開発したい
「内製化には大きく3つの狙いがありました」と説明するのは、配車アプリのマーケティングを担当するマーケティング部マーケティンググループオンラインマーケティングチームリーダーの吉田海斗氏です。第一の狙いは、「タクシーという特殊な業界における知見を、広告制作者が理解する時間を短縮するため」でした。広告代理店を介して社外クリエイターとやり取りする従来のやり方では、「実際乗車されるお客様」と「タクシー会社」、ともに配慮した制作ということを理解してもらうまで長い時間が必要だったといいます。
次が、「動画広告制作に関するノウハウの蓄積」です。デジタルマーケティングは、数値化された効果検証/測定が可能という特徴を備えています。しかし制作をアウトソーシングした場合、効果的なPDCAサイクルの構築が難しいという課題がありました。
最後が「制作スピードの向上」です。内製化は、課題抽出から動画広告の制作、アップロードに至るプロセスの大幅な省力化を可能にします。さらにそれに伴うコスト面のメリットも魅力の一つだったと吉田氏は言います。
SNSなどへの広告動画から、アプリ内で動かすアニメーションまで、動画制作はすべてCreative Cloudで完結させている
インハウスでPDCAサイクルが20 倍以上にスピードアップ
動画制作に関する専門的なスキルの問題もあり、内製化へのハードルは決して低くなかったのが実情です。同社は制作スピードの向上とノウハウの蓄積を求めるマーケティングの現場に後押しされる形でこれを実現したといいます。その成果は予想以上に大きく、まずあげられるのは、制作から公開までの劇的なまでのスピードアップです。
現在同社は、10秒程度の動画広告を毎月約20本制作していますが、朝のミーティングで話に上がったテーマの動画が即制作され、その日の夕方に公開されることも珍しくないといいます。
「アウトソーシングしていた頃は、広告代理店とのミーティングは毎月1 回で、動画広告案が上がるのはその1週間後。さらにそれをタクシー業界に見合った表現に修正するやり取りが繰り返され、アップロードされるのはミーティングの1カ月後というのが一般的だっただけに、社内で制作することによって、そのスピードは実質20倍以上にも感じられるほど、大きく変わりましたね」と吉田氏は言います。
ハードルが高い動画制作の内製化に貢献するAdobe Creative Cloud
同社の動画内製化を支えているのが、クリエイティブに関するアプリケーションをトータルで提供するAdobe Creative Cloud です。動画制作に関して、広告はもちろんのこと、社内で公開するあらゆる動画、アニメーションまで一手に担う配車UX デザイン開発部Design グループエディター/ビデオグラファーの清水庸介氏はこう説明します。
「内製化に関して、アウトソーシング時の打合せ時間がなくなったことともに、Premiere Proの良さである、レンダリングの時間が皆無なことも公開までの時間短縮に大きく貢献しています。当社の場合、静止画で効果が大きかった広告を動画化することも多いのですが、静止画の素材をアレンジする際にPhotoshopやIllustratorとPremiere Pro、After Effectsがシームレスで連携する意味はやはり大きいですね」
Webでの公開で意外と問題になるのが音量の制限。これも編集スタジオに依頼することなく解決しています。
「SNSなどでは音量に関してラウドネス制限があり、許容を超えていると、一度アップしても戻されてしまうということがありました。しかしこれもAuditionを使うことで、編集スタジオに依頼することが一般的だったラウドネス調整を社内で行え、戻されるということも皆無になり、スピード感の違いを実感できています」と清水氏。
吉田海斗氏(左)、清水庸介氏(右)
デスクトップアプリをさらに活用し、社内動画制作を活性化
**これからさらに活用していきたいアプリケーションについても語ってくれました。 **
「アプリで表示される『ここで乗る』のピンの動きなどはAfter effectsで制作しているのですが、今後はAnimateも活用してどんどんアニメーションを制作していきたいですね。また、社内動画は、ほぼ私一人で制作していますが、最近では営業担当者から『タクシー会社に向けて自社製品設置や運用のマニュアルを自分で作ってみたい』という意見もあります。そんな相談を受けたときには『Adobe Premiere Rushという本当に簡単に動画編集ができるアプリがありますよ』と薦めています」
※掲載された情報は、2020年2月現在のものです。