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著作権リスクが低い画像生成AI基盤として、設計現場に大きな成果と安心を提供

創立
1899年

本社:大阪市

https://www.takenaka.co.jp/

1時間

丸1日かかることもあるレタッチ作業時間

課題

・著作権リスクがクリアで誰でも安全に活用できる画像生成AI基盤が必要だった

・パースの修正の際、モデル修正・再レンダリング処理に時間を費やし、デザインの深化につながらない

・タスクに合わせて使い分けられるような生成AIモデルの選択肢を用意したい

成果

・著作権リスクに配慮しているため、対外利用の資料にも安心して使用できる

・丸1日かかることもあったパースのレタッチ工程にかかる時間を大幅短縮

・アイディアを即座に反映させることができ、試行錯誤が容易に

・想いを伝えるビジュアルで関係者と意思疎通を円滑にし、設計の深度と品質が向上

“AIはガバナンス強化や社員教育と合わせて積極的に活用すべき。Adobe Fireflyは著作権リスクが低いだけでなく、直感的に使える点も魅力です。”

丘本 道彦氏

株式会社竹中工務店
デジタル室 先進デジタル技術グループ長

400年以上の歴史を持つ株式会社竹中工務店は、大手総合建設会社として日本を代表する建築物を数多く手掛けてきた。建設プロジェクトから企業経営まであらゆるデータを一元的に蓄積し、AI等で高度利活用するための基盤として「建設デジタルプラットフォーム」の運用を2021年より開始。その一環として設計業務での生成AI活用を加速させている。2024年には、戦略的判断のもと、著作権リスクに配慮した画像生成AI基盤として認定したAdobe Fireflyを全社的に使用可能とした。誰もが安心して利用できる画像生成AIインフラとして現場部門に解放されたAdobe Fireflyは、大幅な業務効率化やアイディア反映の時間短縮といった具体的な成果を生み出している。

正しい技術伝承とさらなる競争力強化を目指し、全社的なDXに着手

竹中工務店が「建設デジタルプラットフォーム」(https://www.takenaka.co.jp/dx/)の運用を開始した2021年以前は、業務ごとで個別に構築されたシステムに、データが分散して蓄積されている状態が続いていたという。

「業務別に溜まっていたデータを一元的に集約し、業務のデジタル化を進めることで、競争力を高めることが目的でした」と丘本 道彦氏(デジタル室 先進デジタル技術グループ長)はDXの狙いを語る。

DX推進の背景にはもう一つ、人員構成の変化があった。現在の中核メンバーの次を担う社員が「就職氷河期」世代にあたるため、人数が少ない層になっているという。近い将来、この氷河期世代と、その後に再び採用人数を増やした若手世代が中心となるため、組織全体の年齢構成が一気に若返る。そこで、属人化していた技術やノウハウを次の世代へ確実につなぐ仕組みづくりが急務となった。

齋藤 俊一郎氏(設計本部 設計企画部 設計企画グループ長)も、「一つの建物を造るには無数のノウハウが必要になります。しっかりとしたデータベースを構築し、プロジェクトの中で的確に提供できる状態、誰もが辿り着けるような状態にしておかなければなりません」と強調する。

著作権リスクを懸念し、画像生成AIの採用を慎重に検討

こうしたDXの流れの中で、生成AIの活用も段階的に広がっていった。特にプレゼンテーション用のパース(完成予想図)制作を担う設計現場では、すでに画像生成AIへの関心が高まっていたという。

「検討した他社の画像生成AIの中には非常に優れた画像を作ってくれるものもあり、現場から『すぐに使いたい』という声も挙がっていました。しかし、当時はアーティストの作風を真似ることへの著作権リスクが海外でも問題視されていたため、採用を見送っていました」と丘本氏は振り返る。

そんな中で候補に挙がったのが、Adobe Fireflyである。大阪本店 設計部 シニアチーフエキスパート 情報担当の馬場 祐次氏はこう話す。「Adobe Fireflyは権利関係がクリアな素材を学習元として使っている。これなら採用してもいいのではないか、と設計本部やデジタル室に働きかけました」

2024年8月、「著作権侵害のおそれがないため、Adobe Fireflyで生成した画像を公表・発表および提供する資料に使用してもよい」との社内通知が出された。Adobe Fireflyを含む最新デジタルソフトの社内での利活用促進を担う宮原 陸氏(大阪本店 設計部 設計管理部門 情報企画グループ 主任)は、「難しい説明を抜きにして『まずは使ってください』と言えることに大きな魅力を感じました」と、当時を振り返る。

ステークホルダーが多いため、リテラシーに左右されない安全性を重視

Adobe Fireflyの採用にあたって最も評価されたのは、安全性の高さであった。竹中工務店の業務は建築主をはじめ多くのステークホルダーと関わるが、全社員のITリテラシーを一律に高めることは容易ではない。

「社員数が多いので、ITリテラシーには個人差があります。問題が起きれば社内関係者のみならず、お客様を含めた多くの方にご迷惑をかけてしまう可能性があるため、リスクを冒してまで生成AIを使わせることはできません」(齋藤氏)

大阪の設計部内でも、著作権リスクをめぐる不安は根強かったという。「生成されたパースの中に、権利関係の曖昧な画像が紛れ込んでいてはいけません。お客様は図面よりパースの方が空間を把握しやすいので、提示するパースの著作権にはとても気を遣っています」(馬場氏)

レタッチ作業やアイディアの反映に要する時間を削減し、設計の深度と品質が向上

Adobe Fireflyの導入によって、設計の現場では具体的かつ大きな効果が生まれている。特に顕著なのが、パース(完成予想図)制作におけるレタッチ工程の劇的な短縮である。

「3D形状を入力し、CGレンダリングした外観パースに点景としての人物や植栽などをレタッチで加える作業は以前なら丸1日かかることもありましたが、Fireflyを活用し、生成させると1時間もあればできてしまいます」(馬場氏)

また、特に現場から評価されているのが、アイディアの試行錯誤がしやすくなったことである。例えばCGパースで別案を作成する際には、元になる3Dモデルの形状や素材を変更し、再度レンダリング処理で画像として書き出すだけでも時間がかかる。デザイン検討のために手を動かしている時間よりも長い処理待ち時間が発生していた。

「Adobe Fireflyを使えばパースに直感的な加工を施せるため、細かな変更や調整のために都度発生していた待ち時間がクリエイティブな時間に変わり、手戻りのストレスが削減できています」(宮原氏)

Adobe Fireflyでのパース加工イメージ/生成前(左)、生成後(右)

こうした効率化により、図面だけでは伝わりにくいイメージを、パースを通じてスムーズに伝達できるようになり、関係者間の意思疎通が円滑になったという。「労働時間が減るというよりも、設計の深度が向上する効果の方が大きいと思います」(馬場氏)

全体を貫くAI戦略推進に向け、パートナーモデルの可能性にも期待

今年から、若手設計者主体で「積極的に国際コンペなどに参加する」という取り組みが始まっているという。「CGなどをはじめとしたビジュアルコンテンツはすべて自分たちで制作するルールで進めています。これまでなら部内専門チームや社外に依頼していたところですが、それだと自分たちの伝えたい表現になるまでのやり取りに時間がかかる。その点、Adobe Fireflyが利用できる今の環境であれば、自分たちの想いを素早くアウトプットでき、より密度が濃くなるはずです。彼らがAdobe Fireflyをどう使うのかを見てみたいですね」と馬場氏は期待を寄せる。

さらに、「生成AIにも様々なモデルがあります。インフラを提供する立場として、モデルの特徴に合わせて使い分けられるような選択肢を用意してあげたい」と話す丘本氏。他社の先進的な生成AIモデルを、アドビ製品やWeb環境から直接利用できるAdobe Fireflyの「パートナーモデル」にも期待しているという。

「デフォルトのモデルさえ使えれば十分と考える人もいれば、自分のタスクに合ったモデルを選びたい人もいるでしょう。幅広いニーズに応えるためにも、パートナーモデルの存在はとてもありがたいですね」(丘本氏)

Adobe Fireflyが連携するパートナーモデルには、製品オプションとして知的財産権侵害に対する補償(IP補償)も用意されている。現場から「他社の画像生成AIを使いたい」と要望があった場合でも安心して利用でき、トレンドの変化にも柔軟な対応が可能になる。

また、設計業務では、プロジェクトの初期段階から完成に至るフェーズごとに求める生成AIの機能が異なる。齋藤氏は「それぞれのフェーズで異なるニーズを網羅的にカバーできる、設計業務全体を貫くように、AIの作り込みを行っていきたい」と、Adobe Fireflyを起点とする今後のAI戦略について話す。

「AIはガバナンス強化や従業員の教育も合わせて積極的に活用すべき。Adobe Fireflyは著作権リスクに配慮されていることに加え、直感的に使える点も魅力です」と話す丘本氏。Adobe Fireflyから始まった竹中工務店のAI戦略はさらに進化し、AIエージェントの展開も始まっているという。

馬場 祐次氏(左)大阪本店 設計部 シニアチーフエキスパート 情報担当

宮原 陸氏(右)大阪本店 設計部 設計管理部門 情報企画グループ 主任

丘本 道彦氏(左) デジタル室 先進デジタル技術グループ長

齋藤 俊一郎氏(右) 設計本部 設計企画部 設計企画グループ長

※掲載された情報は、2026年9月現在のものです。

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